Legion 7i Gen 10をメーカーからお借りできたのレビューします。
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Legion Pro 7i Gen 10のスペック
Legion Pro 7i Gen 10 | |
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モニター | 16型(2560×1600ドット)16:10 240HzDCI-P3 100% |
CPU | Core Ultra 9 275XH |
GPU | RTX5080 |
メモリ | 32GB |
SSD | 1TB(NVMe) |
サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約364mm×奥行き約275.9mm×高さ約26.6mm |
無線通信規格 | WIFI7(802.11ax)、Bluetooth 5.4 |
バッテリー | 80Whr |
充電タイプ | 400W ACアダプター |
重量 | 約2.72kg |
保証 | 1年間のLegion Ultimate Support |
仕様、詳細Legion Pro 7i Gen 10製品ページで確認できます。
特徴
― 圧倒的な火力であらゆる創作とゲームを制する、次世代ハイエンドノートPC ―
Lenovo Legion Pro 7i Gen 10は、ノートPCに搭載可能な最上級クラスのCPUとGPUを惜しみなく投入したハイエンドゲーミングノートPCです。搭載されるプロセッサはIntel Core Ultra 9 275HX(最大24コア/32スレッド)、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 5070 Ti~RTX 5090まで構成に応じて選択可能と、まさに“持ち運べるワークステーション”といえるスペックを備えています。
メモリは標準で32GB(最大64GB)、ストレージもGen4対応のNVMe SSDが1TBという余裕の構成。最新世代のゲームはもちろん、4K動画編集・3DCGモデリング・AI推論作業・Unreal Engineなどの重たい開発環境にも対応できるパフォーマンスを持ち、プロフェッショナルユースにも十二分に応える1台です。
■ 付属ACアダプターは最大400W出力。妥協なきフルパワー運用を実現

Legion Pro 7i Gen 10に付属するACアダプターは、最大出力400Wという大出力仕様。サイズこそ大型ですが、そのぶんCPU・GPU・周辺パーツすべてに対して“電力の余裕”を確保しており、マシン全体がパフォーマンスを出し惜しみせず動作する設計になっています。
高性能ゲーミングノートでありがちな「電力不足でGPUが実力を発揮できない」というボトルネックもなく、ベンチマーク・ゲーム・クリエイティブ作業すべてにおいて安定したフルパフォーマンスを提供します。
■ RTX 5080 LaptopはTGP最大175W。デスクトップ級のGPU性能を引き出す構成

今回の検証機にはNVIDIA GeForce RTX 5080 Laptop GPUが搭載されており、TGP(Total Graphics Power)は最大175Wに設定されていました。これは、ノートPC向けGPUとしては事実上の最大級設定であり、デスクトップ向けRTX 4080に匹敵する描画性能が期待できます。
このTGP設定が活きるのも、前述の400W電源と強力な冷却構造が組み合わさっているからこそ。バッテリー駆動ではなく、AC駆動時にこそ真価を発揮する、まさに“据え置き型ゲーミングノート”の王道仕様です。

Legion Pro 7i Gen 10
公式サイトでみるデザイン


Legion Pro 7i Gen 10の筐体は、ゲーミングらしい個性とプロ機らしい洗練を絶妙に融合させた設計が印象的です。特に、パームレスト手前に配置されたライトバーはRGBライティングに対応しており、環境に合わせた演出やゲームの没入感を高めてくれるビジュアルアクセントになっています。
一方で、天板や背面ロゴはシンプルかつマットな質感にまとめられており、派手すぎず、あくまでも“上質なゲーミングマシン”としての印象を崩さないデザインとなっています。

今回の第10世代モデルでは、背面の排気口が大きく確保されており、冷却性能を最大限に引き出すための設計思想が明確です。この背面排気構造により、プレイ中や作業中の手元に熱気が直接当たりにくく、実使用環境の快適性にも貢献しています。
また、インターフェース類を左右に分けて配置している点も特徴的です。これにより、周辺機器の接続や配線取り回しがしやすく、ゲーム中のマウス操作を邪魔しにくい配置が実現されています。インターフェースがすべて背面に集約されていた従来機と比べて、ユーザビリティが一段階向上している印象です。
モニター

Legion Pro 7i Gen 10のディスプレイには、2560×1600ドット(16:10比率)のグレアタイプ有機ELパネルが採用されています。最大輝度は実測で485nitを記録しており、明るい室内や日中の窓際でも視認性をしっかり確保できる明るさです。

色域

発色も非常に鮮やかで、色域はDCI-P3カバー率99.9%というプロ仕様の広色域パネル。黒は引き締まり、明部は眩しいほどに輝く、OLEDならではの“コントラスト感”と“色の深み”が、ゲームや映像体験を圧倒的に豊かにします。

加えて、リフレッシュレートは240Hzに対応しており、FPSやMOBAなどのハイフレームレートを活かすゲームジャンルでもヌルヌルの応答性を実現。UFOテストでも、30fps/60fps/120fps/240fpsそれぞれでの滑らかさの違いが明確に体感でき、動きの激しい映像でもブレや残像を最小限に抑えてくれます。
応答速度・HDR対応・輝度・コントラストすべてが揃った本パネルは、ゲーム用途だけでなく、映像制作や写真編集といったクリエイティブ用途にも十分対応できる品質です。
キーボード

Legion Pro 7i Gen 10には、テンキー付きのフルサイズJIS配列キーボードが搭載されており、ゲームプレイ・文書作成・配信操作などあらゆる用途に対応可能な設計となっています。打鍵感はしっかりとしたストロークと反発力を備えており、タイピング中の安定性と快適さを両立しています。
キーボード全体には**RGBバックライト(ゾーン制御対応)**が搭載されており、ゲームタイトルに応じた演出や気分に合わせたカラーカスタマイズが可能。さらに、**電源ボタンの色が現在の動作モードを視覚的に表現(静音モード=青/パフォーマンス=赤/自動=白)**してくれるため、操作のフィードバックが直感的に把握できる設計となっています。
このキーボードは高速応答(低入力遅延)とNキーロールオーバーに対応しており、eSportsクラスのシビアな入力にも耐えうる設計です。多キー同時押しでも入力の取りこぼしが発生せず、格ゲー・MOBA・MMOなど入力量が多いゲームでも正確な操作が可能です。
また、WASD周辺のキートップの反応が早く、反発の質感も明確なため、ゲームを“道具として真剣に使う”プレイヤーにとっても納得のいく打鍵体験が得られます。
インターフェース

左側
- 電源コネクタ(独自形状)
400W ACアダプター対応の高出力仕様。 - HDMIポート(フルサイズ)
外部モニターやプロジェクターへの出力に便利。ゲーミングモニターも活用可。 - USB Type-C(USB PD/DisplayPort)
映像出力や充電に対応。 - Thunderbolt 4(40Gbps)
eGPUや高速外部SSD、大容量モニター出力などに対応。 - USB 3.2 Gen 2(Type-A)
最大10Gbpsの高速接続。外付けストレージやキャプチャーボードにも対応。

右側
- マイク・ヘッドホン兼用3.5mmジャック(4極)
オーディオ機器・ゲーミングヘッドセット対応。 - USB 3.2 Gen 1(Type-A)×2
マウスや外付けSSD、キーボードなどを即接続できる使いやすい汎用端子。 - 電子式Webカメラプライバシーシャッター
物理的なスイッチ操作で、カメラへのアクセスを即遮断可能。 - RJ45 LANポート
ギガビットイーサネット対応。オンライン対戦や安定したDL時に活躍。
性能

パフォーマンスの測定は全てパフォーマンスモードで計測しています。
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスを測定するベンチマークソフトです。点数が高ければ高いほど高性能とされています。

Legion Pro 7i Gen 10 に搭載された**Intel Core Ultra 9 275HX(24コア/32スレッド)**は、Cinebench R23のベンチマークにおいて以下の驚異的なスコアを記録しました:
- マルチコア:38,048 pts
- シングルコア:2,204 pts
これは、デスクトップクラスのハイエンドCPUに迫るスコアであり、ノートPCとは思えない処理能力です。特にマルチコア性能では、従来のHシリーズやUシリーズの上位を圧倒的に凌駕しており、動画編集・3DCGレンダリング・AI処理・マルチスレッド開発などの重たい用途においても真価を発揮します。

特に、前世代のLegion 7i Gen 9(Core i7 14700HX/23,671pts)や同世代のAlienware M18(Core i9 13900HX/27,195pts)と比較しても、1万ポイント以上上回る圧倒的な差をつけています。
3DMark
Time Spy
重量級ゲームタイトルを想定したベンチマーク3DMark Time Spyの結果です。

Legion Pro 7i Gen 10は、3DMark Time Spyベンチマークにおいて総合スコア22,091ptを記録。中でもGPUスコアは23,145ptに到達しており、これはRTX 5080 Laptop(最大TGP 175W)のポテンシャルをしっかりと引き出せていることを示しています。
Battlefield V(1440p Ultra設定)での200fps超えの目安も表示されており、現代のAAAゲームタイトルをWQHD解像度・高リフレッシュで快適に動作させる性能が保証されている水準です。

比較グラフからもわかる通り、同世代RTX 4070(TGP 140W)を搭載したゲーミングノートのスコアが12,000〜13,000pt台であるのに対し、Legion Pro 7i Gen 10は約2倍近い性能を実現しています。
また、前世代のRTX 4080 Laptop(TGP 175W)を搭載したOMEN 17(18,529pt)よりも高いスコアを叩き出しており、ノート向けGPUの進化が確実に性能へと結びついていることがわかります。
デスクトップ向けRTX 5070Ti搭載モデル(Legion Tower 5i Gen 10:26,789pt)にはさすがに及ばないものの、ノートでこのレベルまで迫るのは非常に驚異的です。ノートPCでありながらハイエンドGPUの性能を実用域でほぼ体感できる時代に突入していることを、このスコアが象徴しています。
Speed Way

最新のDirectX 12 Ultimateに対応したベンチマーク「3DMark Speed Way」において、Legion Pro 7i Gen 10は5,854pt/平均フレームレート58.55fpsという結果を記録。これはノートPCとしては非常に優秀なスコアであり、レイトレーシングやメッシュシェーダーなどの次世代API負荷にも強いことを示しています。
このスコアは、一般的なRTX 4070 Laptop構成が4,000pt台であるのに対し、1,800pt以上高い性能差があり、ノート向けとしてはRTX 5080 Laptopのパワーをしっかり引き出せている証です。
実際のゲーム性能
モンスターハンターワイルズ


話題の大作タイトル『モンスターハンターワイルズ』ベンチマークにおいて、Legion Pro 7i Gen 10は4K(3840×2160)ウルトラ設定・フレーム生成有効時にスコア15,931/平均93.58fpsという非常に高いパフォーマンスを記録しました。
また、本機のネイティブ解像度である2560×1600でもスコア25,515/平均149.39fpsと、150fpsに迫る実ゲーム性能を発揮。これにより、高解像度・高画質のまま、フレームレートを犠牲にせず快適にプレイできる水準であることが実証されました。
今回のテストでは、DLSS 3のフレーム生成機能を有効化。これにより、RTX 5080 Laptopの真価が引き出され、重量級タイトルでも“重さを感じさせない”操作感と映像品質が両立されています。
DLSS 3は単なるアップスケーリングではなく、AIによる“中間フレーム生成”によりfpsの滑らかさを補完するため、操作の遅延や映像の破綻もなく、没入感の高いゲーミング体験が可能です。
サイバーパンク 2077


『Cyberpunk 2077』は、レイトレーシングをふんだんに使った代表的な高負荷タイトルの1つですが、Legion Pro 7i Gen 10では3840×2160(4K)・最高画質・DLSSフレーム生成ON・RTウルトラ設定という重量級条件にも関わらず、平均165.76fpsという驚異的なパフォーマンスを記録しました。
また、DLSSをパフォーマンス設定にした4Kレンダリング時のベンチマークでは、最大258fps・平均230fps以上という高リフレッシュモニター対応にふさわしい滑らかさを実現。没入感・描画精度・操作レスポンスのすべてを高水準で成立させた理想的なゲーミング体験が可能です。
今回のテストではDLSS Frame Generation+Multi Frame Generation(4X)を有効にしており、これはAI補間による中間フレーム生成と、複数フレーム合成による効率化を同時に行う最先端の描画技術です。
この技術により、4K+レイトレの“激重環境”でも、まるでWQHDノーマル設定で遊んでいるかのような滑らかさと応答速度を両立できており、従来では不可能だったビジュアルと操作性の同居が現実のものになっています。
ストレージの性能


Legion Pro 7i Gen 10に搭載されていたストレージは、**Samsung製 MZAL81T0HFLB-00BL2(PCIe Gen4 ×4対応、NVMe 2.0)**の1TB SSDで、CrystalDiskMarkによるベンチマークでは以下のスコアを記録しました:
- SEQ1M Q8T1 読み込み:6,971MB/s
- SEQ1M Q8T1 書き込み:5,918MB/s
- 4K Q1T1 読み込み:64.49MB/s
- 4K Q1T1 書き込み:151.48MB/s
このスコアは、現行ノートPCに搭載されるSSDの中でもトップクラスのスピードであり、OSの起動・ゲームや動画編集ソフトのローディング・4K素材の展開・大容量データのコピーなど、すべてが“待たない”体験に直結します。

3DMarkのStorage Benchmarkにおいて、Legion Pro 7i Gen 10はスコア 1,633ptを記録。このスコアは、ゲーミングノートPCとして非常に優秀な部類に入る結果で、実際のゲームプレイ時におけるロード時間・インストール速度・ファイル展開の快適さが保証される水準です。
■ ゲームシーン別の読み出し速度(帯域幅)
- Battlefield V 読み込み:277.49 MB/s(アクセス109μs)
- Call of Duty: Black Ops 4 読み込み:529.88 MB/s
- Overwatch 読み込み:324.55 MB/s
- ゲーム起動:81.45 MB/s
- ゲームインストール:97.67 MB/s
- ゲーム保存:107.16 MB/s
- ゲーム移動(コピー):1,210.67 MB/s
特筆すべきは、「ゲーム移動(1,210MB/s)」や「ゲーム保存(107MB/s)」などファイルI/O系処理が全体的に高速なこと。これは、ゲームのアップデート・MOD展開・保存データのバックアップや展開でもストレスを感じにくいという強みにつながります。
アクセスレイテンシ(遅延時間)は、各項目でおおむね70〜130μs台に収まっており非常に低遅延。マップ切替や初期ロード、エリア移動時の“間”が減るため、体感的なスムーズさや応答性の高さにも直結します。
Legion Pro 7i Gen 10に搭載されたSamsung製Gen4 SSDは、**高速な直線読み書きだけでなく、ゲームシーンごとの細かなアクセスにも強い“実用ベースで優れたSSD”**です。ハイエンドGPUやCPUの性能をしっかり支え、プレイヤーに“待たせない”操作体験を提供してくれる構成といえるでしょう。
ゲーム中のストレステストの結果
重たいゲームをループさせてパフォーマンスの低下があるかを計測します。

Steel Nomad Stress Testは、3Dレンダリング処理を20回ループして、GPUの熱制御・動作安定性を検証する高負荷テストです。Legion Pro 7i Gen 10はこのテストにおいて、**フレーム安定性98.1%で合格判定(合格基準:97%)**を記録。以下の結果からも明らかなように、非常に高い安定性が確認されました:
- 最高ループスコア:5,481
- 最低ループスコア:5,378
- 差異(スロットリング影響):2%未満
■ 発熱の上昇による性能ドロップがほぼゼロ。熱設計と電力制御が優秀
GPU・CPUともに20ループを通じてほぼ一定のクロック・温度帯を維持しており、サーマルスロットリング(熱暴走による性能低下)はほとんど確認されていません。
モニタリンググラフからは、GPUコアクロック/メモリークロック/温度が非常に安定して推移していることが読み取れ、これは冷却機構(大型ヒートシンク・多ファン構成)と電力供給(最大400W AC)とのバランスが最適化されている結果といえます。
■ ゲーム・レンダリング・長時間処理にも強い設計
この安定性は、長時間のゲームプレイやBlenderなどの連続レンダリング作業、動画エンコードといった**「持続処理」が必要なプロユース用途にも向く証明**です。
ベンチマーク用の短時間テストでは見えない、「長時間使用時でも性能を維持できるか?」という点において、Legion Pro 7i Gen 10は明確に“YES”と応える実力を見せました。
動画編集の書出し速度
Davinci Resolve Studio 20で13分動画の書出しを比較します。

DaVinci Resolve Studioを用いて、13分13秒のYouTube用動画(1080p / H.264 High L5.1 / YouTubeプリセット)をエンコードした結果、Legion Pro 7i Gen 10は**わずか1分49秒で書き出し完了(約7.2倍速)**という驚異的な処理速度を記録しました。
さらに、ネイティブ設定(ハードウェアアクセラレーション無効)で書き出した場合でも、1分01秒(約13倍速)での書き出しが可能であり、軽〜中量級のYouTube動画であればリアルタイムを遥かに上回る速度で量産可能です。
「ネイティブ=ソフトウェアエンコード=CPUで処理されるから遅い」と思う方も多いと思います。これは一般的な動画エンコードソフトでは正解なのですが、DaVinci Resolveに限っては少し違います。
Resolveの“ネイティブ”とは:
- 「Auto」:NVIDIAの**NVENC(専用ハードウェアエンコーダー)**を使用
- 「ネイティブ」:**GPUそのもの(CUDA)**で処理を実行
という違いがあります。
ハイエンドGPU(RTX 4080や5080など)では、NVENCよりもCUDAで処理した方が早く終わることもあるという、ハード構成の性能差に由来する現象が起きるのです。
Blenderによる画像生成

Legion Pro 7i Gen 10は、搭載されているRTX 5080 Laptop GPUおよびCore Ultra 9 275HXの性能を最大限に活かし、Blender Cyclesによるレンダリングをわずか1分01秒で完了。
これは、デスクトップ向けのRTX 4070〜4080搭載機に匹敵する速度であり、もはや「ノートPC=妥協が必要」という前提を覆す水準です。
- GPU最適化(CUDAまたはOptiX)
- 高速PCIe Gen4 SSDによる読み出し
- 冷却性能によるTGP 175Wフル発揮
- メモリ32GBによる処理安定性
といった要素が噛み合い、プロ用途でもボトルネックを感じさせない性能に仕上がっています。
PCの温度とファンの動作音
モンスターハンターワイルズのベンチマークソフトをWQHD/ウルトラ画質で30ループさせた際の挙動を確認します。

モンスターハンターワイルズをWQHD・ウルトラ設定で30分間ループ再生した際のログデータを確認すると、非常に安定した動作を維持できていることがわかります。
コア温度は平均して85〜90℃前後でコントロールされており、極端な温度上昇やサーマルスロットリング(熱による性能低下)は確認されませんでした。さらに動作周波数も4000MHz前後を中心に高い水準で推移しており、シーンの変化に応じて適切に動的制御が働いている様子が見て取れます。
このような結果から、Legion Pro 7i Gen 10は冷却性能が非常に高く設計されており、長時間の高負荷ゲームプレイにおいても安定して高パフォーマンスを維持できるゲーミングノートPCであると言えるでしょう。プレイ中にフレームレートが不安定になったり、パフォーマンスが急落するといった不快な挙動はなく、没入感を損なうことのない快適なゲーム体験が期待できます。

モンスターハンターワイルズ(WQHD/ウルトラ設定)を30分間プレイした際のGPU電力とフレームレートのログを確認したところ、TGP(最大消費電力)175Wの性能をほぼフルに発揮し続けていることがわかりました。
GPU電力(オレンジのライン)は常時160W台をキープし、一部のシーン切り替えやロードタイミングを除けば、ほぼ最大性能で動作。フレームレート(青のライン)も平均で120〜150fps前後を安定して推移しており、高いパフォーマンスを継続的に維持していることがわかります。
このグラフから読み取れるのは、冷却性能がしっかりと設計されており、長時間の負荷下でも安定動作が可能であるという点です。実際のプレイ中にもフレームの急激な落ち込みやカクつきはなく、常になめらかな描画が得られる快適なプレイ体験が期待できます。
表面の温度

高負荷状態であるモンスターハンターワイルズのプレイ中におけるキーボード表面の温度をサーモグラフィで確認したところ、最も高温な部分で約41.2℃を記録しました。
一般的にノートPCのキーボードは42℃を超えると不快感を感じやすくなるとされますが、本機ではキー中央付近でも35℃台と比較的低温に抑えられており、左手が常に触れるWASD周辺はギリギリ不快にならない範囲に収まっている印象です。
裏を返せば、それだけ筐体全体で効率よく排熱処理がなされているとも言えます。長時間のゲームプレイや動画編集などでも、ユーザーに熱のストレスが直接伝わりにくい設計がなされています。
ファンの回転音の大きさ

モンスターハンターワイルズのプレイ時におけるファンの動作音を測定したところ、最大51.1dBを記録しました。これは静かなオフィス環境では明確に「うるさい」と感じるレベルであり、動画編集やeSports用途で性能を優先した際には、ヘッドセットの装着が必須になるでしょう。
この騒音の背景には、RTX 5080 Laptop GPU(TGP 175W)という非常に高性能なGPUを安定動作させるための冷却構造があり、性能重視設計のゲーミングノートならではのトレードオフと言えます。
ノイズを抑えるなら「静音モード」も選べますが、その際はGPU・CPU性能も自動的に制限されるため、使用シーンに応じたプロファイルの切り替えがおすすめです。

静音モードを有効にした状態では、ファンの動作音は約40.4dBに抑えられました。これは一般的なモバイルノートPCと同等の騒音レベルであり、オフィスや深夜の作業環境でもほとんど気にならない静かさです。
ただし、このモードではCPU・GPUのクロックが制限されるため、フルパフォーマンスを発揮する必要がある作業やゲームには不向きです。静音性を優先したい日常作業や動画視聴、簡単なクリエイティブワーク時に適しています。
性能と静音性を切り替えられる柔軟さは、ゲーミングノートとして大きなメリットの一つです。
静音モード時のパフォーマンスの低下率

モンスターハンターワイルズを静音モードで30分プレイした際のGPU消費電力とフレームレートの推移を計測しました。

静音モードではファンの回転数を抑える関係上、CPUクロックは最大3.5GHzほどから段階的に抑制され、平均では2.0〜2.3GHz程度で推移しています。これでも発熱は60〜65℃前後に保たれており、温度コントロールは非常に優秀です。
驚くべきはこの状態でもなお、ゲームを快適に動作させるだけの性能が維持されている点。Core Ultra 9 275HXの基本性能の高さと、Legion Pro 7i Gen 10の冷却設計の良さがしっかり活きていることがわかります。

GPU電力は概ね60W前後で安定しており、高負荷時の最大でも70Wを超えることはなく、静音モードにおける冷却設計が適切に機能していることがわかります。フレームレートは最大100FPS前後で安定し、プレイに支障をきたすような急激なパフォーマンス低下は見られませんでした。
静音性を重視しながらも、これだけのフレームレートを維持できるのは、RTX 5080搭載機ならではの余裕あるスペックのおかげです。ゲーム用途でも「静かにプレイしたい」というニーズをしっかり満たせるモードといえるでしょう。
静音モードではCPUとGPUの動作周波数・電力制限がかかることで、おおよそ35%程度のパフォーマンス低下が見られます。ただし、平均で約97FPS出ており、フレーム生成も利用可能なため、ゲームプレイ自体は非常に快適です。
静音性を優先したい環境では十分実用的で、用途によっては静音モードのままでも支障はありません。
まとめ デスクトップの性能をそのまま発揮できる高品質ゲーミングノートPC
Legion Pro 7i Gen 10は、ノートPCでありながらデスクトップと同等の性能を発揮できる点が最大の魅力です。
搭載されているRTX 5080 Laptop GPUは、デスクトップ向けRTX 4070 Tiとほぼ同等の構成であり、VRAM容量やTGPなどに一部の違いはあるものの、実質的なパフォーマンスは非常に近いレベルです。
高性能ゆえにファンの動作音は大きめではあるものの、静音モードでも快適にプレイ可能な水準を保っており、パフォーマンスと静音性のバランスが取れた設計となっています。
「ノートPCで最高のゲーミング体験がしたい」「デスクトップの置き場所がないけど妥協はしたくない」そんなユーザーにとって、現時点での最高峰クラスの選択肢といえるでしょう。
