デル・テクノロジーズ株式会社が販売するP2422HEは3万円台で購入可能なフルHDモニターだ。USB-CでノートPCに接続するとUSB-HUBとしても使えるため、ビジネス用モニターとしてテレワーク用に最適との評判だ
今回、メーカーより検証機を借りられたので使い勝手やデザインをレビューしていく。
スペック
DELL P2422HE主要スペック表 | |
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モニターサイズ | 23.8型 |
解像度 | 1920×1080ドット |
アスペクト比 | 16:9 |
パネルタイプ | IPS |
輝度 | 250cd/㎡ |
本体寸法(幅×奥行き×高さ,cm) | 53.78×17.957×49.611 |
VESA | VESA 100対応 |
電源 | 内蔵型 |
保証 | 先出し交換サービス・限定ハードウェア保証 |
そのほか、ティルト、ピボットなどモニター位置調整機能が付帯。詳細はメーカーページ、Amazon販売ページから確認可能。
特徴
65WのUSB-PDに対応したUSB-Cポートから有線LANまで搭載
昨今のWindowsノートPCはCPUが省電力ハイパワー化して少ない電力で十分にパフォーマンスが発揮可能になった。DELL P2422HEはUSB-CポートをノートPCと接続すると接続デバイスに対し最大65W出力で給電可能。
つまり、モニター側からノートPCの電源をとれる。
結果、USB-Cケーブル一本をモニターに接続すれば表示と充電が可能ということ。
今回はDELL XPS 13と接続している写真だがMacBookやSurfaceシリーズなど、クリエイターノートPCやビジネス向けのモバイルノートPCは65Wの出力があればPC本来の最大パフォーマンスを出しながら充電も行えるため、ACアダプターとの接続が不要になる。
また、P2422HEはUSB-C接続をPCで行うとモニターがHUBとなり、モニターに搭載されているインターフェースを利用可能になる。RJ45(有線LAN)搭載が非常に頼もしく、ビデオ会議等でリアルタイムで取引先との通信が必要なビジネスパーソンに重宝する。
デイジーチェーン対応ガチビジネスモニター・メーカーロゴもなし
P2422の「P」はプロフェッショナルのPで、昨今のモバイルノートPC市場に合わせてデルがビジネス用に最適化したモニターなのでデイジーチェーンやWoL(Wake On Lan)に対応する。Wake On Lanはサーバーサイドの管理者がクライアントPCを遠隔で起動するためのテクノロジー。個人利用ではおそらくほとんど使われていない技術だが、サーバー管理者等が利用する機能が搭載されているということ。
デイジーチェーンは一つの出力しか持たないPCでもマルチモニターを画像のように数珠繋ぎにして可能にする技術。
PCを正面から見たさい、配線を奥側に集中させられるため、奥行きが短い机でもケーブルマネジメントが行いやすく机の上をスッキリさせられるといったメリットがある。
ビジネス価格・機能性を重視して検討しよう
メーカークーポン適用時、3万円台後半といったところだが、Amazonセールに合わせてAmazonで安く購入できる場合も。どちらもチェックすることをお勧めする。
デザイン・付属物について
本体・デザイン
P2422HEはメーカー製モニターとしては非常に珍しくメーカーロゴをアーム部に申しわけなさそうに印字されているのがとても印象的だ。
背面にはVESA対応のマウントもあるため、モニターアームを利用すればメーカーロゴを視線から消せる。
- 組立説明書
- 安全に関する情報
- USB-Cケーブル
- DPケーブル
- 電源ケーブル
台座、アーム部は清潔感のあるシルバーカラー。メーカーではプラチナシルバーという名称で呼んでいる。DELL製のノートPCにもシルバーのモデルが人気なので合わせやすいカラーなのだろう。
モニター背面は湾曲しており、電源が内蔵されているので中央が厚くなっている。カラーは黒でビジネスシーンに最適。
メニューの操作ボタンは上位グレードのモデルと同様、スティック型を採用している。筆者はこのスティック型の操作に慣れてしまったため、ボタン式が面倒だと思うようになってしまったのでありがたい。
組立
DELL P2422HEは工具なしで組立て可能なタイプ。
台座裏のネジは手回し可能なのでアーム部と組み合わせて回すだけ。
ケーブルマネジメント用の穴は一般的なモニターよりも大きめなので比較的通しやすい。
アーム部をモニター裏にガチャっとはめ込むだけで組立ては完了。アーム部はボタンで取り外し可能。
インターフェースについて
- 電源
- HDMI
- DP(入力)
- DP(出力)
- USB-C(65W/DP/USB 3.2 Gen1)
- USB-A(5Gbps)×4
- RJ45
DELL P2422HEはUSB 3.1 Gen1(5Gbps)Type-Aを4ポート搭載。PCのHUB機能として十分に使える。
パネルの性能について
キャリブレーションツールi1 display Proにて輝度の確認およびトーンカーブ・色域を検証。
モニター輝度について
カラープロファイルはモニターに標準搭載されている「標準」で計測を行う。
120cd/㎡で計測するといったものだが明るさ合わせの際に中央の輝度と端の輝度にムラがあることがわかった
中央で120nitに合わせた時に端では103nitで表示されていた。また、最大輝度は258nitでメーカー公称値通り。
色域・トーンカーブについて
トーンカーブはフラットで明るい箇所では青がやや弱めに調整されている感じ。
sRGBカバー率
sRGBカバー率は94%
色域に関しては標準的なフルHDモニターといった感じ。輝度ムラはあるものの作業としては必要にして充分。機能性が高い分、パネル性能だけで言えばもう少し安いものもあるだろう。
デイジーチェーンについて
P2422HEに搭載されているデイジーチェーンは、モニターからモニターへ数珠繋ぎでケーブルを繋いで映像出力を可能にするテクノロジーで机の狭い日本人向けの機能と言える。
写真の通り、XPS 13にUSB-CケーブルをP2422HEと繋ぎ、P2422HEからさらに別のモニターに下記のように接続すると、すべてのモニターを認識する。
デイジーチェーンのメリットはPC側から出力に必要なケーブルを少なくし、ケーブルマネジメントがおこないやすいようにするためだ。オフィス用のデスクなど、省スペースで複数のモニターを設置する際にあると非常に重宝する機能。
この機能が搭載されているからこその価格だろう。
DELL P2422HEの評価とまとめ
良い点
- ビジネス向けモニターの機能全部入り
- ハイスペックモバイルノートPCに合わせやすいデザイン
- 操作パネルが高級モデルと同じ
- メーカーロゴがアーム部にあるためモニターアームを使えばロゴをデスク上から消せる
気になる点
- 輝度ムラ
個人事業主SOHO利用で検討してほしいモニター
高解像度モニターが低価格で買えるようになり、あえてフルHDのモニターを複数枚繋げてマルチモニター環境を構築したいと思うユーザーは少ない。その上、一般的なフルHDモニターと比較すると高価だ。その理由はP2422HEはプロフェッショナルシリーズと記載してあるように、ビジネス特化のモニターで、65W出力のUSB-PDやデイジーチェーンなど汎用性の高いモニター機能を搭載しているからだ。この機能群はオフィス環境のソリューションで個人利用ではほぼスルーされる。
一方で、「機能性+シンプルなPCデスク環境を作る」も在宅ワーカーの課題として、日々Twitterで自分のデスク環境を発信するユーザーが多く、最近では機能性と美しさを両立させたような机が好まれる傾向にあるため、そうしたユーザにはケーブルマネジメントの悩みをなくすためのモニターとしてデルのプロフェッショナルモニターシリーズは検討してみてほしい製品だ。
S2722と悩んでます。ビジネス用です。素人から見て画質はそんなにかわらないでしょうか?
見え方はあまり変わらず解像度の差が大きいです。