スタンダードノートパソコンは「とりあえず買っておけばノートPCとしての機能を果たしてくれる」モノを指します。
第8世代CPU Core i8 8250Uを搭載した10万円以下で購入できるモデルの中で最もオシャレなノートPCは日本HP(ヒューレットパッカード)のHP Pavilion 15-cs0000だと思います。
今回、メーカーから実機をお借りすることができましたのでレビューしていきます。
HP Pavilion 15-cs0000の特徴
税込み9万円台でCore i5 8250U搭載、メモリ8GBの高いコストパフォーマンス
第8世代のインテルCPUの『Core i5 8250U』は簡単な動画編集や写真編集の行える性能を持つCPUです。
大学生や社会人が家電量販店で最初におすすめされるのがこのCore i5 8250Uでしょう。もちろんCore i7 8550U搭載モデルも選択できます。とはいえHP Pavilion 15-cs0000は、税込みで10万円以下で手に入れられるお手頃なノートPCですから、コストを抑えたい人におすすめです。
安いのに高級感ある配色、セラミックホワイトとモダンゴールドを採用
HPの高級ノートPC『Spectre』にも採用された特殊加工を施したセラミック素材の天板。
そしてキーボード側は嫌みをまったく感じさせないメタル仕上げのモダンゴールドカラー。
とても10万円以下で購入できるノートPCと思わせない気品を感じさせます。
なお、カラーは1色ですので、ブラックカラーを基調としたラグジュアリー感のあるノートPCが欲しい方は、Spectreシリーズを検討されるとよいでしょう。
15.6インチの高精細IPSパネルを採用
IPSパネルは角度によって見え方が変化しにくい液晶パネルで主に高級機に搭載されます。
ノートPCであれば、角度を変えてディスプレイをのぞき込むことはすくないかもしれませんが、発色もよく自然な彩度を再現する液晶ディスプレイですから、ちょっとした写真編集に利用したい方におすすめできます。
HP Pavilion 15-cs0000スタンダードモデルのスペック
OS | Windows 10 Home 64ビット |
モニター | 15.6インチ(1920×1080)ドット:タッチ非対応 |
CPU | Core i5 8250U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB(PCIe接続)/1TB HDD |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
光学ドライブ | なし |
通信機能 | 無線:IEEE 802.11 ac/a/b/g/n Bluetooth® V4.2 / 有線:1000BASE-T LANポート |
インターフェース | HDMI 出力端子 ×1、USB3.1 Gen1 ×2 、USB Type-C 3.1 Gen1 ×1 、ネットワークポート(RJ45) ×1、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート ×1 |
セキュリティ | TPM2.0 |
サイズ/重量 | 361mm×246mm×18.0mm/約1.8kg |
バッテリー駆動時間 | 約9時間 |
オフィス | 別売り |
カメラ | フロント200万画素 |
保証 | 1年間無償保証(引き取り修理サービス・パーツ保証) |
デザイン・外観の詳細
光があたるとより”白”が強調されます。室内の明かりで観れば質感のよいセラミックホワイトです。
一点、キーボード側を見るとダイヤモンドカットにより、エッジの効いたボディ本体を確認できました。
スピーカーには幾何学模様が施されています。幾何学模様は、数学的な図形、三角形やひし形など連続したものを指します。立体感を放ちつつ、ノートPCにありがちな芋っぽいデザインを払拭
サイズと重量
A4サイズのクリアファイルと比較してみました。15.6インチとしては標準的な大きさです。スタンダードノートPCとしてしていながらも、1.8kg程度と携帯性も悪くありません。
重量 | 持ち運びのしやすさ |
700g~1kg | ◎ |
1kg~1.5kg | 〇 |
1.5kg~2.0kg | ▲ |
2.0kg以上 | × |
※個人的な意見です
キーボード・タッチパッド
フラットなデザインのキーボードはテンキーを搭載しています。キーボード部をぎりぎりまで使っている設計のため、無駄なく敷き詰められています。
指の太い男性が使う際は使いづらいと感じる場面もあるでしょうが、ネイルでタイプしたい女性にはもってこいの設計だと感じました。
横長のタッチパッドは、タッチジェスチャー対応の独立タイプで左クリック及び右クリックなど分かれていません。タッチパッドを押し込んでクリック、指二本でクリックすると右クリックです。
クリック感はちょい深めで旧MacbookAirのような使いごこちでした、個人的には非常に操作がしやすく好きなタッチパッドです。反面、応答性が良すぎて操作ミスしてしまうことも…
液晶ディスプレイの性能や見え方
グレアタイプ(テカテカしてる液晶)であるため、反射が目立ちます。上記写真では、キーボードが移りこんでるのがはっきりわかりますね。
視野角は広めだと思います。
発色や色域の確認
ディスプレイ調整ツールを使って液晶ディスプレイが再現するガンマ補正曲線を再現。RGBともにバランスが良いです。
Macに搭載されるカラーシンクユーティリティにて、Pavilion cs0000の液晶ディスプレイのプロファイルをsRGB(白枠)と比較しました。高色域というわけではありませんが、先ほど記載したようにバランスが非常に良いと思います。
ベンチマーク結果・パフォーマンス
CINEBBENCH R15
CINEBENCH R15のベンチマークスコア※ | |
Core i7 8550U | |
Core i5 8250U |
※CINEBENCH R15によるCPUの性能を測るテスト結果。当サイトの別PCによる測定結果です。
過去、僕が実際に測ったデータですと、Core i7 8550Uとの性能差は数値上目立ちますが、実性能はほとんど変わりません。動画編集などやAdobe PhotoShopなど重たい作業が多い方はCore i7 8550Uをそれ以外の方はCore i5 8250Uをといった選定でよいかと思います。
PCMARK10
MicrosoftofficeやSkypeを用いたビデオ通話など、疑似的に再現してパソコンの性能を計測するPCMARK10では3000弱とまずまずの結果。
3000程度あれば一通りの作業は行えますので冒頭でご紹介した通り、これからパソコンを買う方におすすめできます。
SSDとHDDのチェック
SSDはhynix社のNVMeSSDでした。2600MB/sと高速です。2.5Wの省電力で駆動してくれるため、このSSDのおかげでバッテリーもちが伸びます。
HDDは一般的なデータ保存用に適した5400RPMのモノが搭載されていました。
動画の書き出し・RAW現像で実性能の確認
プロ用編集ソフトで動画をYouTube用に書き出し
プロ用動画編集ソフト『Vegas Pro15』を用いて実際にYouTubeにアップロードした元データを使ってレンダリング=書き出しを行い、その速度を検証します。
動画に用いられたデータは5分程度のFHDファイルと、テロップ、アニメーション有り、『Vegas Pro インターネットHD1080p59fps』フォーマットに変換
CPU単体処理
QSV処理(CPU+iGPU)
ハードウェア | CPU単体 | QSV |
Core i7 8550U(B400H)※ | 32分46秒 | 15分41秒 |
Core i5 8250U(レビューモデル) | 30分07秒 | 13分55秒 |
Celeron N4100(B507E) | 1時間4分分52秒 | 27分39秒 |
RAW現像
Adobe Lightroom Classicにて、α7Ⅱで撮影したRAWファイル(1枚あたり24Mb)を100枚JPEGに書き出しするスピードを計測したところ12分49秒でした。
スペック | 書き出しにかかった時間 |
Core i7 8550U,メモリ8GB | 4分17秒 |
Core i5 8250Uメモリ8GB | 4分52秒 |
Celeron N4100,メモリ4GB | 12分49秒 |
動画の書き出し時には現れなかった性能差がRAW現像では現れました。
作業時のパソコンの温度・CPU温度
動画書き出し中のPCの表面温度をサーモグラフィで計測しました。
表面で1番高い温度で36.3℃
液晶部で45.6℃とパソコン作業時でも安定した動作が見込めます。
CPU内部の温度
パソコンの表面温度もさることながら、内部のCPU温度も最高温度が84℃とコンロールされています。
HP 15 Pavilion CS0000のはしっかりと温度コントロールできたノートPCです。
評価とまとめ
高級感・安い価格・バランスの良さが魅力
計測結果だけを見ると、Core i5 8250Uで十分かなといった感想です。が、ノートパソコン全体的な評価としては非常に良いノートPCだと思います。
キーボードに設置されたやや小さめのキーやモダンゴールドカラーの配色は女性におススメしたいデザインですし、インスタグラム用に写真を加工したりするのにうってつけではないでしょうか。
選べるモデルは最廉価の『スタンダードモデル』がオススメ
冒頭で紹介したように、Core i7 8550Uモデルも選択可能となっていますが、Core i7 8550UはMX150という専用グラフィックを搭載しておりやや高めに設定されています。
GeForce MX150は中途半端です。ゲームのプレイや、より快適に動画編集、写真編集を行いたい場合は、Pavilion Gaming15の方が向いています。ですから”標準的な機能”を求める方はスタンダードモデルがオススメです。
なお、価格や仕様は記事執筆時のもので変更となる恐れがありますのでかならず公式ページで確認をお願いします。