Surface Proシリーズの第7世代となる『Surface Pro 7』は洗練されたフォルムはそのままにCPUが強化されました。
本記事ではSurface Pro 7 Core i7モデルの実機検証を行ったデータと僕の感想を記載します。
Surface Pro 7の特徴
キックスタンドでノートPCにもタブレットにもなるデバイス
Surface Proシリーズ人気の秘密は背面のキックスタンドがあるおかげで、タブレットとしても使えるし、PCとしても使える、それでいて高性能かつ静音性が高いため、特にビジネスマンから人気です。
キックスタンドは上記写真の角度まで開閉可能で、Surface Pro 7本体を動画の視聴や4096段階の筆圧検知に対応した別売りのSurface Penを用いたお絵かきやメモ書きがしやすいようタブレットPCとして使いやすいように調節できます。
50万ドット(2736×1824ドット)で普通のノートPCの2.5倍の情報を表示可能
Surface Pro 7と普通のノートPCを比較して明らかに違う点を挙げるならば、ディスプレイ解像度です。
Surface Pro 7は3:2のアスペクト比で、12.3型と小型ながら画面の小ささを感じさせない縦に長い解像度を持つディスプレイを搭載しています。
上記写真のとおり、等倍表示させた際の表示領域は一般的なフルHD(1920×1080ドット)の解像度を持つノートPCの2.5倍ほどなので、作業効率が高まります。
とはいえ、ディスプレイそのものは12.3型のため、文字が非常に小さくなります。
もともとの表示サイズの推奨が200%(2倍の大きさで表示)なので、ドットの数は2.5倍だけれど、推奨の200%表示で利用した場合、見える情報はフルHDとあまりかわらないのです。
つまり、Surface Pro 7は写真編集やイラスト制作など、ディテールにこだわった作品作りにおいて効果を発揮します。
Microsoft Office 2019 Home&Businessが標準で付属
今だ日本市場で根強い人気を誇るMicrosoftOfficeが標準で付属します。
- Word
- Excel
- Outlook
- PowerPoint
が使えます。
職場や学校などでMicrosoftofficeが必要になる状況は多くありますので、安心です。
USB-C搭載で利便性がさらに向上
前モデルのSurface Pro 6ではMini Displayポートが搭載されていましたが、USB-Cに変更され利便性が向上しました。
USB-Cからは映像出力やデータ転送はもちろん、公式ページではおおやけに認めていませんがモバイルバッテリーからの充電も可能です。
一般的なノートPCよりも解像度が高く、タブレットPCとしての利用が可能なため、Surface Pro 7を1台購入すれば仕事も趣味も完結できるのが魅力です。
Surface Pro 7 Core i7モデルのスペック
Surface Pro 7 スペック | |
---|---|
モニター | 12.3型(2736×1824ドット)10点マルチタッチ対応 |
CPU | Intel Core i7 1065G7 |
iGPU | Intel Iris Plusグラフィックス |
メモリ | 16GB |
SSD | 256GB/512GB/1TB |
インターフェース | USB-C/USB-A/3.5mmヘッドフォンジャック/Surface Connect/Surfaceタイプカバーポート/microSDXCカードリーダー |
フロントカメラ | 500万画素 |
リアカメラ | 800万画素 |
ワイヤレス機能 | Wi-Fi6 802.11ax/Bluetooth 5.0対応 |
サイズ | 292mm×201mm×8.5mm |
バッテリー駆動時間 | 約10.5時間 |
重量 | 約790g |
保証 | 1年間のハードウェア保証 |
Surface Pro 7はCore i7のCPUを選んだ場合のみ内部に冷却用のファンが搭載されるため、重量が15gほど増量します。
公式サイトで確認デザイン
Surface Pro 7はこれまでのSurface Proシリーズとデザイン面での変更はありません。搭載CPUによる性能の変化が大きいです。
Surface Pro 7は2色展開で、Core i5からプラチナとブラック、どちらかを選べます。(Core i3モデルはプラチナのみ)
落ち着いたマットブラックで、シンプルな部屋、カフェで作業を行うのにこれほど映えるノートPCは他にないでしょう。
ディスプレイのベゼルは縦横それぞれ約1.5cmほどです。最新の高性能モバイルノートPCよりもベゼルが太く、この点は見劣りしてしまうかもしれません。
Surface Proシリーズのデザインが洗練されていると思う理由に、これだけスタイリッシュなユニボディ(1枚のマグネシウム合金から作られた)でありながら、ユーザーエクスペリエンスを最大限高めるような配慮がされている点です。
2段構造になっているすき間から、CPUから発した熱を逃がす設計、そして、利用者の指を傷つけないよう、PCの角は丸く削られ、パフォーマンス、デザインと安全性を兼ね備えた超合理的なPCです。
Surface Pro 7の価格が一般的なノートPCよりも高価な理由はこうしたディテールにこだわったデザインをしているからです。
キックスタンド開閉部も同様に、人が触って開閉しやすい形状に切り欠きとなっています。安全で使いやすく、それでいて利便性が高いので、不満の出ようがないのです。
Surface Proシリーズの洗練されたデザインは一つの完成形であるため、今後もこの流れは続くかもしれませんね。
ボディ本体の形状が左右対称でとても美しいデザインだと思います。
本体重量は実測値で788gでした。持運びも楽々可能な重量。タイプカバーキーボードが304gなので
合計で1.092kgです。(Signatureタイプカバーの場合)
付属のアダプターは65W出力のもの
iPhone SEよりも小型で重量は296gでした。
モニター
グレアタイプの液晶ディスプレイなので映り込みがありますが、一般的なグレアモニターよりも少ないと思います。
一般的なノートPCよりも最大輝度が高く自然な発色で見やすいです。
色域
RGBのトーンカーブはまっすぐで、品質が高いディスプレイだと思います。
Surface Pro 7のモニターの色域 | |
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sRGBカバー率 | 96.5% |
ウェブ用のコンテンツクリエイトに必要なsRGBの色域を96.5%カバーしていました。
ウェブ公開用の写真編集や動画編集、イラスト制作で使うのに適したディスプレイです。パネルはLP123WQという恐らくSurfaceシリーズ専用のパネルが使われていました。
インターフェース
右側面に
- USB-C
- USB-A
- Surface Connectポート
が、あります。
左側面に3.5mmのヘッドフォンジャックがあります。
タイプカバーポートは前モデルからかわりなく、以前のタイプカバーキーボードも利用できるようです。
microSDカードスロットはキックスタンドの下にあります。microSDXCカードに対応していますので、256GBモデルを選んでmicroSDカードでデータストレージを増設できます。
Surface Pro 7 Core i7 モデルのパフォーマンス
第十世代のモバイルプロセッサ「Intel Core i7 1065G7」は第8世代よりもさらにパフォーマンスがあがっており、クリエイティブな用途にも対応できます。
Cinebench R20
Cinebench R20の総合スコア | |
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Core i7 9750H | |
Ryzen 7 3750H | |
Core i7 1065G7(Surface Pro 7) | |
Core i7 8565U | |
Ryzen 5 3550H | |
Ryzen 5 3500U |
Core i7 1065GはIrisグラフィックスを搭載したCPUで、低消費電力で駆動する『U』シリーズと同じモバイル用CPUでありながら大幅にパフォーマンスを向上しており、据え置きを想定したノートPC』搭載される『H』シリーズに迫る勢いです。
Surface Pro 7はCore i7モデルのみファンが搭載され、最大パフォーマンスを維持し続けられるよう設計されています。このパフォーマンスがあれば、動画編集時に大幅なもたつきを感じることもなくこなせるでしょうし、Photoshopなどの画像編集ソフトも快適動作します。
Adobe Premiere Proで動画の書き出し
過去、実際に僕がYouTubeにアップロードしたこのとある、アニメーションありのフルHD画質、テロップ、アニメーションありの動画の元データを使い書き出しを実行しました。
書き出し条件は下記の通り
- H264
- YouTube 1080P
- 動画の尺を5分に設定し書き出し
Surface Pro 7 Core i7モデルの動画の書き出し時間 | ||
---|---|---|
ソフトウェア | 4分39秒 | |
OPENCL | 7分19秒 |
CPU単体の書出しがとてもはやく、高価なゲーミングノートPC並みの速度で処理を完了できました。
内蔵GPUを利用した場合、書出しはあまりはやくないのですが、動画のプレビューが高速化されているのがはっきりとわかるほど。12.3型のモバイルノートPCとして考えた場合非常に優秀な性能を持っているといえると思います。
ファイナルファンタジー14漆黒のヴィランズ
軽量クラスのゲームであれば、内蔵GPUでもなんとか動かせる程度の性能がありました。
2時間ほどベンチマークソフトをループ再生させた際の挙動です。
高負荷時のCPU温度は最高で80℃程度でした。過度な温度上昇はなく、安定していると思います。長時間の使用でも全く問題ありません。安心して使えます。
SSD
256GBのNVMeSSDのベンチマーク結果は上記のとおりです、おそらく低消費電力のものが採用されていると思いますが、読込速度が2002MB/sとまずまずな結果でした。
ファンの駆動音
ファイナルファンタジー14をテストした際のファンの駆動音は上記写真のとおり、PCの目の前において43.1dbでした。
ファンの回転音は聞こえますが不快感はありません。この水準は国内大手のVAIOやNEC Lavieの軽量モバイルノートPCの同等の水準でして、周囲の人も不快にならない音だと思うので、外で使うのも安心です。
USB-Cによる充電について
Amazonで売れ筋のモバイルバッテリーメーカー「Anker」の30W出力のAnker PowerCore+26800PDでテストしたところ約28Wほどで給電されていました。
Intel CPUは電力を多く消費するので、PCを利用しながら充電するスタイルではバッテリーの充電は緩やかかと思いますが、しっかりと充電できるため、Surface Pro 7の購入を検討されている方は同時にPD対応のモバイルバッテリーも用意しておくと、バッテリー切れの心配がなくなるので安心です。
Surface Pro 7の評価とまとめ
前モデルからの主な変更点はCPUが第十世代になり、MiniDisplayが新たに追加された点ですが、モバイルノートPCのニーズは、しっかりとパフォーマンスが発揮できたうえでバッテリーの連続駆動時間が長いこと。この2点が大きなウェイトを占めています。
この2点が強化されたことでSurface Pro 7の強みが一層際立ちます。
価格は高いがその価値がある最高の2-in-1ノートPC
僕はこれまで、他メーカーの2-in-1PCもレビューしてきましたが、性能、デザイン、利便性のバランスが優れた2-in-1ノートPCを他に知りません。
Core i7モデルは価格は高いのですが、コレ1台でコンテンツクリエイトからタブレットPCの用途を網羅でき、前モデルからさらに完成度が上がったと感じました。
1台ですべてをまかないたい人は、価格に目をつむって購入しても後悔することはないと思います。
公式サイトで確認