ASUSが発売するROG Phone 5は最新のハイエンドCPU Snapdragon 888と最大16GBのRAMを搭載することで、スペック上スマートフォンのハイエンドに位置する。
ウルトラハイエンドのUltimateモデルも販売されているが今回紹介するのは通常モデル。
メーカーより発売前に検証機を借りることができたのでパフォーマンスや使い勝手について紹介していく。
スペック
ROG Phone 5 16GBモデル | |
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モニター |
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CPU(SoC) |
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メモリ |
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ストレージ |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 高さ173mm×幅77mm×奥行き9.9mm |
バッテリー持続時間 |
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充電タイプ | USB-C |
重量 | 約234g |
保証 | 12か月間の国内保証 |
特徴
動画でも解説しているので是非チェックを!
Snapdragon 888搭載Android製品で最高性能
ROG Phone 5に搭載されるSoC(以下CPUにするけど)はQualcomm製のSnapdragon 888 5G。高速のデータ通信が可能な一体型チップで、定番のベンチマークテストAntutuベンチマークV9.0.7では82万点を記録した。
ROG Phone 5の性能は業界トップクラスで2021年5月27日時点で最高性能をもつAndroidスマートフォンだ。
後述するベンチマーク結果では、ハイエンドCPUの熱問題もアクセサリーを利用することで軽減し、CPUのパワーをコントロールしている。ASUSがPCパーツで培った技術がふんだんに盛り込まれて初めて実現するパフォーマンス。
スマホ好きなら絶対にチェックすべき製品。
税込み10万円切りで低価格に
ROG Phone 5はAero active Coolerを別売にすることでRAM12GBモデルを税込み99,800円で販売している。
フル装備にするとコンシューマーゲーム機に、特にコントローラーの出来がよく、ゲーム機を触っている感覚になれる。
これまでROG Phoneシリーズは10万円越えがあたりまえだったが、手に入れやすい金額に。個人的にはYouTuberやストリーマーが消耗品費扱いで経費算入できる価格はめちゃくちゃうれしい。買おうかな。
144Hz・業界最速クラスの応答性を持つ6.78型ゲーミングモニター
ROG Phone 5に搭載されている有機ELディスプレイは144Hzの高いリフレッシュレートかつ、業界最高峰のタッチサンプリングレートを誇る。
表現できる色の幅や明るさも広くディスプレイ単体でみても非常にハイスペックだ。ゲームのプレイはもちろん、映像視聴も最高クラスの環境で行える圧倒的な美麗なゲーミングモニターもおすすめポイント。
デザイン・外観について
ROG Phone 5は6.78型の大きなディスプレイを採用しているため、スマホ用のスタンドが小さくみえてしまう。
とはいえ、画面占有率は非常に高く、スピーカー部の余白を残してほとんどディスプレイなので画面の大きさに対して本体はギリギリのサイズで作られていることがわかる。
上記の写真を大きく拡大してみたが、前モデルのROG Phone 3まで見えていた画面の上部と下部のスピーカー穴がみえないほど小さくなっていた。
もちろん、聞いてみた感じ音質は前モデルと同等なので、筐体レベルで再設計されていることが分かった。
背面にはROGロゴはXモードを設定する点滅する仕組み。ハイパフォーマンス時の演出はガジェット好きの心をくすぐる。
画面の端に行くにつれて細くなる加工が施されており、ボディの大きさほど持ちづらさは感じない。
左側面はUSB-Cとポゴピン。ROG Phone 3まではAeroActiveCooler用のUSB-Cだったが、これにより本体内部の空スペースを作れたとのこと。見た目的にも、大きな穴が開いているよりはよいかも。
下側のアクセントになる赤い箇所は、SIMスロットで、nanoSIMを2つ挿入できるようになっている。
右側面は音量ボタンと電源ボタンが配置。
下側にはUSB-Cとオーディオコンボジャックが搭載されている。
本体下部のUSBーCは別売りのケースをつけるために利用する。もちろん充電も可能。
モニターについて
6.78型のモニターは視認性が高く、5.8型よりも表示領域がひろく、黒がくっきりとみえウェブ閲覧時に文字が見やすい。
個人的な推しポイントは144Hzのリフレッシュレートで、画面を素早くスクロールさせた際に文字がくっきり、”形が残って見える”追従性だ。
Twitterのタイムラインやウェブ閲覧時に目的の場所を素早く見つけられる。文字の残像感がビタッとなくなるこの感覚は実際に操作してみないと体感できないだろう。
こうした、残像感の低減はゲームのプレイ時には最も効果的で、リフレッシュレートが高くなればなるほど応答速度が高まるため、144Hz動作可能なゲームタイトルであればその効果を実感できるはずだ。
性能について
スマートフォンのベンチマーク結果は測定する際のベンチマークソフトによって変化するため、あくまで参考指標の一つで考える必要がある。
今回は、定番のベンチマークテストから、グラフィックス性能を重視したテストを行った。
検証は別売りのAeroActiveCoolerを使って行っている。端末のみで測定した場合との差が生まれる可能性があるため注意してほしい。
Antutuベンチマーク
冒頭で紹介したスマートフォンのベンチマークソフトウェアで最もメジャーなAntutuベンチでは総合スコアが82万点オーバーで業界トップクラスの性能だ。
3DMark WildLife
FutureMarkが提供する3DMark Wild LifeはPCやスマートフォン、iOSなどで利用できるグラフィックス性能を計測するベンチマークソフトウェアだ。
総合スコアは5289ポイントでCeleron搭載の格安ノートPCをしのぐほど高性能だった。また、昨年発売のZenFone 7Proに搭載のSnapdragon 865よりも着実にスコアがアップしていることがわかる。
Snapdragon 888 5Gプロセッサは、グラフィックスのスコア向上が顕著で、もう少しでAppleのA13以降のチップにグラフィックス性能が追い付く。
3DMark WildLife ストレステスト
Wild Lifeにはストレステスト機能もあり、20回、ベンチマークをループさせた際の結果を教えてくれる。
安定度は73%でAndroidトップクラス。
表でまとめてしまうとAppleのAチップの強さが出てしまうのだが、Androidでこれだけのスコアを維持できていれば大健闘。
性能まとめ
Antutuベンチマークや3DMark Wild Lifeを見る限り、グラフィックスコア以外ならAndroidに分があるため、ROG Phone 5に搭載されるさまざまなゲーム用の機能がある分、ゲーマーならROG Phone 5を選んだほうが良いだろう。個人的にもソフトウェアの融通が効くAndroidのほうが利便性が高いと感じているため、Android端末でここまで性能が出せているのであればAndroidでいいと思う。
ゲームアクセサリーについて
フル装備のROG Phone 5はスマートフォンというよりもゲーム機のような感じ。
写真はスマートフォンゲーム「アスファルト9」このゲームタイトルのようにKunai 3 Gamepad for ROG5に対応していれば、スムースな操作性と、使い慣れたコントローラーのような感覚を手に入れられることができる。
とはいえ、eSportsの大会が開催されているモバイル版のPUBGや荒野行動などのタイトルはキーマッピング(画面内のカーソルに任意のボタンを設置する、タップ作業の置き換え)で対応するしかない。ベストな設定を導き出すのはゲーマーならできるかもしれないが、一般層には大変。
ボタンやトリガーは本当にコンシューマ機そのものですぐに手になじむだろう。価格は税込み12,080円と高価だが、コントローラーの完成度を考えるとそこまで高いとは感じなかった。
ROG Phone 5の評価とまとめ
良い点
- アクセサリーを別売りにして税込み10万円以下に抑えて購入しやすい価格
- ハイエンドAndroidのなかでもパフォーマンスの安定度が高い
- 144Hzディスプレイで文字がくっきりはっきり見える
- フロントスピーカーのデザインを変更し没入感アップ
気になった点
- eSIM非対応
- キーマッピングの設定が面倒
エンタメ・ゲーム重視の人におすすめしたい1台
スピーカーから発せられるサウンドや、ROG Phone 5の性能に全く文句はなく、間違いなくトップクラスのスマートフォンで、周辺アクセサリーもしっかりと作りこんでいるため、所有欲を満たすデバイスであることは間違いないと思う。
厳しい意見を言うとするのであれば、対応した製品じゃないとKunai 3 Gamepadの本領発揮できない点だろう。キーマッピング割り当ては、ゲームタイトルに一つずつ最適な設定を行わないとならないため、ライトユーザーは使いこなせない。
Kunai専用の設定を簡単に施せるようなゲームプロファイルがあれば、かなりおすすめできるのだが、現状ではかなりマニアックな製品で使いこなせる層が少ないと思う。
とはいえ、ゲームプレイ時のユーザー満足度を最大化させる機能は強化されているため、映像視聴やスマホゲームのプレイが好きな人は買って後悔しないだろう。