14型ビジネスモバイルノートPCの完成形とも言える製品がレノボが販売するThinkPad X1 Carbon シリーズ。今回紹介するのはGen 9でインテル第11世代プロセッサを採用し、モバイルノートPCとしての完成度が非常に高い。
今回メーカーより検証機を借りられうことができたのでベンチマークや使い勝手をレビューしていく。
スペック
今回の検証機はCore i7 1165G7/16GB/256GBの構成。
ThinkPad X1 Carbon(i7/16GB/256GB) | |
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モニター |
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CPU |
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iGPU |
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メモリ |
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SSD |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約287mm×奥行き約208mm×高さ約14.9mm |
バッテリー持続時間 | – |
充電タイプ | 65W USB-C対応ACアダプター |
重量 | 約1.13kg |
保証 | 1年間ハードウェア保証 |
詳細スペックはレノボ公式ページ「技術仕様」から確認可能。
特徴
アルティメットビジネスモバイルノートPC
ThinkPad X1 Carbonは日本の大和研究所のエンジニアによって研究・開発されている旧IBMのThinkPadシリーズの上位モデル。
ThinkPad X1 Carbon Gen 9はNEC・米沢生産モデルもあり、日本人による開発と製造工程を踏むため一部モデルについてはメイドインジャパンと言っても過言ではない。
海外資本でありながら日本の技術がふんだんに使われているためその完成度は非常に高く、ビジネス向けのモバイルノートPCを検討している人なら一度はチェックするべき製品だ。
特に、キーボードは市場でも定評があり、圧倒的な打ちやすさ。そして、ポインティングデバイスは外付けマウスを利用するよりも操作性が高いとPC玄人からの評価が高く、1台だけで完結するビジネス向けのモバイルノートPCとして非常に高い完成度を誇る。
インテルEVOプラットフォーム搭載ノートPC
インテルが提唱する新時代のノートPC「EVOプラットフォーム」は最新のインテル第11世代プロセッサと最新のデータ転送規格からなるもので優れたパフォーマンス、携帯性、バッテリーの連続動作時間がビジネスに最適であると、インテルのお墨付きを得たノートPCにだけ与えられる称号だ。
最新のインテル第11世代プロセッサは、ビジネスワークはもちろん、簡単なクリエイティブワークにも使えるため、いつでもどこでも仕事に取り掛かれるようなスペックが保証されているようなもので、Microsoft Officeの利用や、ビデオ会議用にPCを1台検討されているならまさに最適スペック。
また、画像編集や写真補正にも使えるレベルの性能は発揮可能なのでウェブデザイン・イラストレーターなどにもお勧めだ。
ThinkPad X1 Carbon Gen 9
公式サイトでみる価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
デザイン・使い勝手について
ThinkPad X1 Carbon Gen 9は従来のモデルから大きく変化はしていません。質量は実測値で1.14kgほど。1kg以下のモバイルノートPCも溢れているため、特別軽量というわけではないが、持ち運びはしやすい。
ThinkPad X1 Carbon Gen 9の背面はマットブラックで光の反射が起こらないため、冷たい質感がとてもクール。
写真は俯瞰撮影したもの。右下に「LENOVO」ロゴが印字されているが、それほど目立たないように黒く印字されている。
底面も同様の配色。吸気用の穴が小さく成形されてりぱっと見の印象はとてもスタイリッシュ。
裏蓋は精密ドライバーで開封可能。本体の色と同型色のネジが使われているため、ネジ穴が分かりづらくなっているのが良いポイントだと思った。
ThinkPad X1 Carbon Gen 9はプレゼン用にキーボード部とモニター部が180度程度まで広げられるのも特徴的で、ビジネスシーンにピッタリだ。
キーボードについて
キーボードは従来のThinkPadシリーズ同様非常に打ちやすいタイピング感を提供してくれる。
細かい箇所ではあるが、矢印キーがやや下に下がっているもの使い勝手を優先した設計。ビジネスPCとして検討しているユーザーにとってはキーボードが四角く揃っているよりも、より機能性重視したこの作りの方がありがたい。
これだけ薄く、軽く作られているのに強く打鍵してもキーボードが全くたわみがなく日本人に最適化された最高のキーボード。
また、ポインティングデバイスやタッチパッドもそれぞれ搭載されており、ポインティングデバイスは慣れれば専用のマウスが不要になるくらいの完成度と評判で筆者もこの操作性はとても好み。
モニターについて
搭載されているパネルは最大輝度が420nitほどで一般的なモバイルノートPCよりも明るいパネルが採用されていた。
色域・トーンカーブについて
キャリブレーションツールによるトーンカーブの計測結果。RGBの線がフラットで自然な色合い
色域はsRGBカバー率99.4%。
ウェブコンテンツを視聴するのに最適な色域で、ウェブデザイン等でも利用可能だろう。
インターフェース
- USB-C(Thunderbolt 4)×2
- USB-A
- HDMI
- オーディオジャック
- USB-A
- セキュリティロック
ThinkPad X1 Carbon Gen 9は65W出力のUSB-C対応のACアダプターが付属。携帯しやすいUSB-C充電器からでも充電可能なので、65W出力の充電器を別途購入するのをお勧め。
性能について
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
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Core i7 11800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 7 5800U | |
M1 | |
Core i7 11370H | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7 1165G7 | |
Core i7 1165G7(レビュー機) | |
Ryzen 5 4500U | |
Core i5 1135G7 |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では5379pts。
他のWindows PCと同等クラスのパフォーマンスで、マルチコアは伸びないがシングルコア性能はまずまずと言った結果。
PCMark 10
FutureMarkが提供するPCMARK 10は、MicrosoftOfficeのWord、Excelに類する互換ソフトウェアや、ビデオ通話会議ソフト、画像編集ソフトのバッジファイルを実際に動作させ、どの程度の快適性があるかをスコア化。提供元はおおむね4000点以上あれば快適としている。
結果は総合スコアが5145でMicrosoftOffice互換ソフトやビデオ会議ソフトは快適水準。動画編集はややスコアを落としているものの全体的には高いスコアとなった。
SSDの読み書き
搭載されていた256GBのSSDはSkhinx製のもの。大容量データの読書でも速度低下はなく高品質なSSD。容量の問題さえクリアできれば非常に頼りになるストレージだ。
PCの内部の温度、ファンの動作音
PC内部の温度について
CPU使用率を100%にできるソフトウェアを使い、後負荷時の挙動を確認。CPUの最大値は90℃まで上昇した。とはいえ前述のベンチマーク結果通りで、パフォーマンスの低下はそこまで見られず安定していた。
PCの表面温度
なお、PCの表面温度は30.5℃ほどで人体には全く影響のない温度を保っていた。最も熱い箇所でも36.9℃程度なので利用中に低温やけどする恐れはないだろう。
ファンの動作音
PCのピーク時においてもファンの動作音は42.8dbと静かな水準だった。外に持ち運んだ際もそこまで気にならないレベル。
ThinkPad X1 Carbon Gen 9 の評価とまとめ
良い点
- 打ちやすいキーボード、操作性の高いポインティングデバイス・タッチパッド
- 14型かつ16:10で作業効率が高い
- 国内生産モデルありの安心感
- オプションでLTE搭載可能
気になった点
- 特になし
ビジネス用14型ノートPC完成形
価格が価格だけに全ての品質が最高クラスであり、ビジネス向けのモバイルノートPCとしての完成度が非常に高い。
学生やビジネスパーソンでビジネスPCを検討しているのであれば一度手に取って欲しい製品だ。
ThinkPad X1 Carbon Gen 9
公式サイトでみる価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。