レノボから販売されているゲーミングノートPC Legion Slim 770iをメーカーからレンタルしたのでベンチマーク結果と使い勝手を紹介。
スペック
Legion Slim 770i | |
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モニター |
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CPU |
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dGPU |
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メモリ |
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SSD |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約357mm×奥行き約260mm×高さ約21mm |
バッテリー | 約9時間 |
無線通信規格 | Wi-Fi6/Bluetooth V5.1対応 |
充電タイプ | 専用コネクタ/230W |
重量 | 約2.23kg |
保証 | 1年間引き取り修理サービス・パーツ保証 |
特徴
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薄型、高級感のある高性能ゲーミングノートPC
Legion Slim 770i 本体の厚さがわずか21mmと非常に薄く作られている。
側面側のインターフェースはUSB-CやSDカードスロットのみで電源やUSB-Aは奥側に配置されている。
それでいて、冷却に抜かりはなく、側面、奥側に排気用の穴がしっかりと開いているためパフォーマンスが発揮しやすい設計だ。
側面はアルミニウム合金で作られていて高級感のある仕上がりも楽しめる。
RTX3060GPUは100W出力でミドルゲーミングノートPC
搭載されているNVIDIA GeForce RTX3060の最大グラフィックスパワーは100Wだった。NVIDIA GeForce RTX3000番台はメーカーごとに最大出力を設定でき、内部のシステムを確認してみないとどれくらいのパフォーマンスが出るのかはわからないようになっている。
重量級のゲームタイトルを想定したベンチマークソフトウェア「3DMark Time Spy」ではグラフィックススコアがデスクトップに搭載されているRTX3060並みか少し不利といった程度の性能が出ているため、パフォーマンスは申し分ない。
165Hzで動作するゲーミングモニターを採用
Legion Slim 770iは165Hzのリフレッシュレートで動作するゲーミングモニターを採用している。リフレッシュレートは画面の1秒間の更新回数を表す数値だが、これが高ければ高いほど競技性の高いゲームで有利にゲームを進めることができる。
市場ではゲーミングモニターを購入するのが一般的とされているが、ゲーミングノートPCを購入するとゲーミングモニターは標準装備だ。
また、モニターが表現できる色の幅、色域、は、sRGB100%の表記がされていたが、実測値でsRGBカバー率が97.9%だった。
Legion Slim 770i(BOE0A1F)の色域 | |
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sRGBカバー率 | 98.4% |
DCI-P3カバー率 | 74.5% |
Adobe RGBカバー率 | 73.9% |
ウェブ用にアップロードする動画、画像などの編集には使えるレベルのモニターで動画編集用PCとしてもおすすめできる。
Legion 770i
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
性能
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
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Core i7 12700H(レビュー機) | |
Core i7 12700H | |
Core i7 12700H | |
Core i9 12900H | |
Ryzen 7 6800HS | |
Core i5 12500H | |
Core i7 11800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 76800U | |
Core i7 11800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7 1260P | |
Ryzen 5 5600H | |
Ryzen 7 5800U | |
M1 | |
Core i7 11370H |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では17551pts。
Core i7 12700H搭載モデルではトップクラスの性能で非常に高性能だ。シングルコア性能も高く、ゲーム、クリエイティブ、どちらにも使える。
ゲーム性能
サイバーパンク2077
超重量級ゲームタイトルのサイバーパンク2077ではレイ・トレーシングテクノロジーをオフにして通常クオリティでベンチマークを実行。
サイバーパンク2077の平均フレームレート | |
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WQXGA(2560×1600ドット) | |
高画質 |
今回はDLSSを非適用にして計測してみたが、RTX3060であればDLSSを実行せずとも平均60fpsオーバーでゲームをプレイ可能だ。より快適にプレイしたい場合はDLSSを有効にすればいい。
シャドウオブザトゥームレイダー
重量級のゲームタイトル「シャドウオブザトゥームレイダー」は最高画質と高画質と中画質に設定しNVIDIA RTX DLSSをクオリティに設定しベンチマークを実行した。
シャドウ・オブザ・トゥームレイダーの平均フレームレート | |
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WQXGA(2560×1600ドット)NVIDIA RTX DLSSクオリティ | |
最高画質 | |
高画質 | |
中画質 |
シャドウオブザトゥームレイダーはどの画質でも平均70fpsオーバー
SSDの読み書き
クリスタルディスクマークの結果。搭載SSDはSkhynix製を採用。ランダムアクセスライトが非常に高速でソフトウェアの動作に期待できる性能。一般的なモバイルノートPCやスタンダードノートPC、エントリーゲーミングノートPCよりも高性能。
デザイン
カラーはオニキスグレーでロゴは左上に「Legion」ブランドのロゴ、右下にメーカーロゴが印字されている。
本体はアルミ削り出しのボディで高級感のある仕上がりだ。
インターフェースは背面実装。エアフローの排気部が薄い本体からすると大きめに取られており、冷却性能を高めつつもスマートな印象。
キーボード側から見た写真。全体的にグレーでまとまっているため、非常にシンプル。側面の排気部も大きめに取られている。
付属の電源は230Wで大型のものが採用されている。
モニター
Legion Sllim 770iに搭載されているモニターは16型。
冒頭で記載した通り、sRGBカバー率97.9%で動画編集などにも利用可能なパネルだ。
キーボード・タッチパッド
キーボードはフルサイズスケールのテンキー付き。矢印キーが下に下がっているため、使いづらさを感じる人がいるかもしれない。
配列はUS配列を日本語に切り替えたような外資系メーカーにありがちなキーボード。
ストロークは1.5mmほどと浅めで、ゲーム用で使うなら専用のキーボードを利用した方がいいだろう。
カメラ
IdeaPad Gaming 370iはフルHD画質のウェブカメラを搭載している。撮影用の照明を使うと非常にシャープな写真が撮れるため、ビデオ通話を利用したテレワークなどに使える。それもかなり綺麗な画質で。
インターフェース
奥側
- HDMI
- USB-A
- USB-A
- USB-A
- 充電用コネクタ
左側
- USB-C
右側
- オーディオジャック
- SDカードスロット
PCの温度とファンの動作音について
PC内部の温度
Cinebench R23の10minuteテスト時のログをエクセルでグラフにまとめた。
温度は100℃以下で推移しているものの、ステータス上ではスロットリングが確認できた。
平均クロックも高く推移しているものの、10分以上動作させるとパフォーマンスは若干落ちるようだ。
PCの表面温度
ファンの動作音
この時のファンの動作音は49.9dbほどで不快感のある音の大きさ。
Legion Slim 770iの評価とまとめ
良い点
- カスタマイズ可能でスペックの幅が広い
- スリムな筐体で高級感がある
- インターフェースが左右に配置されており使いやすい
- モニターのスペックもそこそこ高い
- 搭載カメラが綺麗
気になる点
- ファンの動作音はうるさい
- キーボードの質はいつものレノボクオリティ
ゲームよりクリエイティブにおすすめしたいノートPC
検証機はRTX3060搭載モデルで、カスタマイズ可能な中でも比較的高性能ではあるのだが、前回レビューしたIdeaPad Gaming 370iと性能がほとんど一緒なのが気になった。
ベンチマーク結果のみで語るのであれば、コストパフォーマンスが高いとは言えず、中途半端なPCだと感じた。
Slimとついているがゆえにパフォーマンスが制限されているにもかかわらず、電源は上位のモデルと遜色ないものが用意されているので、パフォーマンスを犠牲にし「見た目」を重視しているPC。
とはいえ、ファンの動作音やサーマルスロットリング挙動を見ると、Slimである必要性がよくわからなくなってしまった。
個人的には性能を求めるならSlimなしモデルを、コスパを求めるならIdeaPad Gaming 370iを選択したほうがいいと思う。
とはいえ、性能が低いわけでもないので、ゲームとクリエティブどちらも行いたいユーザーにはおすすめできる。
Legion 770i
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。