デルが販売するDELL Inspiron 16 Plusは人気のInspironシリーズの16型タイプで画面が大きく、専用GPU搭載モデルも存在しており、クリエイターノートPCとして最適だ。
今回メーカーより実機を借りることができたのでベンチマーク結果と使い勝手をレビューしていく。
スペック
検証モデルはCore i7 11800H/RTX3050(65W)/16GB/の構成
Inspiron 16 Plus | |
---|---|
モニター |
|
CPU |
|
iGPU |
|
dGPU |
|
メモリ |
|
SSD |
|
サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約355mm×奥行き約247mm×高さ約16mm |
バッテリー持続時間 | – |
充電タイプ | 130W ACアダプター |
重量 | 約2.0kg |
保証 | 標準保証・1年間の引き取り修理 |
使用・詳細はDELL公式ページから確認してください。
特徴
YouTubeでも紹介しているのでチャンネル登録是非お願いします。
65W出力のRTX3050搭載
Inspiron 16 Plusは搭載されているRTX3050の最大グラフィックスパワー65Wで、一般的なゲーミングノートPCでも採用される出力。
デルのXPS15よりも出力が上げられた状態で販売されている。今回のNVIDIA GPUは最大グラフィックスパワーで大きくパフォーマンスが異なるため非常に重要な指標。Inspiron 16 Plusはボディサイズが16型ということもあってパフォーマンスを上げたのかもしれない。
16:10のアスペクト比エントリークリエイターモデル
Inspion 16 Plusは3K解像度のモニターを採用している。昨年から今年にかけてアスペクト比16:10を採用したノートPCは増加しているが、特にクリエイターノートPCで顕著だ。
縦長解像度は作業領域の広くなりワンサイズアップしたかのような感覚になるため、16型で採用されているとより一層作業性が高くなる。明るさは実測値で最大333nitと最上位グレードと比較するとモニタークオリティは1段落ちるが、カジュアルクリエイターにとってはふさわしいモニターだろう。
Inspiron 16 Plus
公式サイトでみる価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
デザインや使い勝手について
Inspiron 16 Plusはミストブルーで15シリーズでも人気のカラーを採用。
底面は吸気用の穴が非常に印象的で従来のInspironシリーズよりもパフォーマンスを重視した設計だと感じた。
Inspiron 16 Plusは最近流行りの薄型クリエイターノートPCのデザインながらも、テンキー搭載、豊富なインターフェースもあり標準的なノートPCとしても使い勝手は良さそうだ。
キーボード・タッチパッド
キーボードはフルサイズスケールのテンキー付きキーボードが採用されている。USキーをJISに変更したような配列でエンターキーがやや不自然な点は日本ユーザーから不満な声も上がっている。
キーストロークは1.5mm程度でわずかに撓みも感じるが、しっかりと打ち込めると感じた。
また、タッチパッドは大型化されており操作性は高い、が、端は反応しない箇所もあり、上位モデルと比較すると1段落ちる。
モニター
モニターは非常に狭いベゼルで16型とは思えないほどスタイリッシュだ。
色域
sRGBカバー率は実測値で100%で明るさは最大輝度で333nitだった。
クリエイターモデルの上位機と比較すると1段落ちるが、これから動画編集者になるという人にはおすすめしやすい。
インターフェース
- オーディオジャック
- HDMI
- USB-A
- USB-C(Thunderbolt 4)
- オーディオジャック
- USB-A
- SDカードスロット
USB-CはThunderbolt 4に対応しているため、データ転送やPC本体への給電に対応で、付属のDCジャックを使わなくてもPCを動作させることは可能だ。パフォーマンスは若干低下するかもしれないが90W出力で動作させられる。
SDカードはUHS-Ⅰ対応でフルHD解像度までの動画編集者、フォトグラファーに使いやすいインターフェースをしている。
性能について
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
---|---|
Core i7 11800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Core i9 11980HK | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7 11800H(レビュー機) | |
Ryzen 7 5800U | |
M1 | |
Core i7 11370H | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7 1165G7 | |
Core i7 1165G7 | |
Ryzen 5 4500U | |
Core i5 1135G7 |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では10352pts。
第11世代Core i7 11800H搭載モデルとしては控えめなパフォーマンスでシングルコア性能も控えめだった。
3DMark Time Spy
FutureMarkが提供する3D Mark Time Spyは、DX12に対応したゲーム系のベンチマークソフトでCPU、GPUや総合スコアを算出し相対的な性能がわかる。
グラフィックススコアは4693でRTX3050とは控えめなパフォーマンス。クリエティブワークに利用するのに最適。
Adobe Premiere Pro CC動画の書き出し速度検証
過去YouTubeにアップロード用に作成したプロジェクトの書き出し時間を測定しました。α7R4で撮影したフルHD動画をH264 YouTube1080Pプリセットで書き出し、その時間を検証するというもの。
Premiere ProCCはVer22で計測、ハードウェアエンコーディングで実施しました。
- XAVC S FHD24P(50Mbps)
- 動画の長さ15分11秒
- テロップ/カット編集/画像挿入あり
- シーケンス設定は24fps
機種 | 24fpsの書出し時間 |
---|---|
XPS 17 | 1分39秒 |
HP ENVY 15 2021 | 1分57秒 |
Inspiron 16 Plus(レビュー機) | 2分11秒 |
HP Pavilion Gaming (AMD) | 2分12秒 |
ROG Strix SCAR 17 | 2分13秒 |
ASUS TUF DASH F15 | 2分22秒 |
HP ENVY 14-eb(電源接続時) | 2分53秒 |
HP ENVY 14-eb(バッテリー動作) | 2分56秒 |
ROG Flow X13(バッテリー動作時) | 3分10秒 |
MacBookAir (M1)(ハードウェア) | 4分24秒 |
mouse K5 | 5分5秒 |
XPS 13(9310) | 6分25秒 |
ASUS ZenBook 14 Ultralight UX435 | 6分36秒 |
Yoga Slim 750iCarbon | 7分34秒 |
mouse X5-R7 | 10分29秒 |
MacBook Air (M1)(ソフトウェア) | 10分46秒 |
mouse X5-R5 | 11分22秒 |
Yoga 650(AMD) | 12分39秒 |
Inspiron 14 5415 | 27分03秒 |
弊ブログで毎度おなじみのYouTube動画の書出しでは、処理時間が2分11秒でパフォーマンスはそのほかのベンチマーク通りの水準となった。
最高のパフォーマンスではないけれど、パーツの性能は引き出せているといった感じ。
Lightroom Classic CCにてRAW現像時間を検証
Adobe Lightroom Classic CCにてα7Ⅱで撮影した24MPのRAWファイル100枚を一斉に書出し、その速度を検証しました。
LightroomClassic CC初期プリセットで画質を100に設定し、デスクトップへ書出し。結果は下記のとおり。
機種 | 書出し時間 |
---|---|
XPS 17 | 1分07秒 |
HP ENVY 15 2021 | 1分07秒 |
ROG Strix SCAR 17 | 1分26秒 |
HP Paivlion Gaming 15(AMD) | 1分27秒 |
ROG Flow X13 | 1分32秒 |
Inspiron 16 Plus(レビュー機) | 1分35秒 |
ASUS TUF DASH F15 | 1分41秒 |
XPS 13(9310) | 1分37秒 |
HP ENVY 14-eb(電源接続時) | 1分44秒 |
mouse K5 | 1分53秒 |
mouse X5-R7 | 1分57秒 |
ASUS ZenBook 14 Ultralight UX435 | 1分58秒 |
MacBook Air(M1) | 1分58秒 |
Yoga 650 | 2分57秒 |
Yoga Slim 750i Carbon | 2分57秒 |
mouse X4-R5 | 3分8秒 |
Inspiron 14 54515 | 5分53秒 |
RAW現像においても同様でベンチマーク結果通りといった感じだ。
SSDの読み書き
搭載されていた1TBのSSDはSkhinx製のもの。大容量データの書き込み時にシーケンシャルライトの速度低下が見られた。とはいえランダムアクセスライトの書込み速度の低下はなかった。
PCの内部の温度、ファンの動作音
PC内部の温度について
CPU使用率を100%にできるソフトウェアを使い、後負荷時の挙動を確認。CPUの最大値は93℃まで上昇した。
PCの表面温度
なお、PCの表面温度は29.8℃ほどで人体には全く影響のない温度を保っていた。最も熱い箇所(奥側)でも34℃程度で熱を上側に逃すような設計になっている。
ファンの動作音
PCのピーク時においてもファンの動作音は43.1dbと静かな水準だった。外に持ち運んだ際もそこまで気にならないレベル。
Inspiron 16 Plusの評価とまとめ
良い点
- 高解像度で作業性の高いモニター
- 使い勝手のよいインターフェース
- 高級感のあるデザイン
気になった点
- パフォーマンスは控えめ
- キーボードの配列
これから動画編集を始めるクリエイターの方におすすめ
パフォーマンスやデザインにおいて、最高級というわけではないがデザインは優れていて、パーツ通りのパフォーマンスは発揮できる。
また、インターフェースも使い勝手の良い物が搭載されており、知識がない人にも優しいクリエイターノートPCだと感じた。弱点は、それらが卒なくまとまってはいるが最高品質ではないということだ。
価格はセール時に20万円以下に収まっていることも考えて、予算を抑えたいカジュアルクリエイターにおすすめ。
Inspiron 16 Plus
公式サイトでみる価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。