絶対王者不在の熾烈を極める1kg以下の超軽量モバイルノートPC群で、ひときわ輝きを放つのが2019年7月に発売された『VAIO SX12』。
圧倒的な使いやすさを追求し、最新技術を盛り込めるだけ盛り込んだ究極のモバイルノートPCと市場評価が高い。
これを見ずして何を見るというのか。ということで銀座のソニーストアでVAIO SX12に触れてきたので感想を記載。
VAIO SX12の特徴
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10分程度でVAIO SX12の感想を述べています。是非チャンネル登録もお願いします。
勝色特別仕様を選べる
VAIO SX12を語るうえで外せないのはこの勝色特別仕様でしょう。
勝色特別仕様では、UDカーボンの天板に塗料を塗布し、その上から光沢UVコーティングを施すことで、艶感を表現。
パット見た感じでは、非常に濃い紺色といった印象でしたが、見る角度によって濃淡が変わる不思議なカラーリングです。
キーボード部はアルミパームレストを採用しています。アルマイト被膜に塗料をしみこませる技術で二つとして同じものがない完全オリジナルルカラーの勝色となるわけです。
ロマンが広がりますね。
ちなみにこの勝色とは、日本古来より伝わってきた伝統的な”色”でかつては武具の装飾などに用いられてきたということ。VAIOは現在のビジネス武具のノートPCに勝色を施すことによって、モチベーションを維持できるのです。
というわけで勝色特別仕様は本来のノートPCよりも手間がかかっているため、勝色特別仕様のお値段は高めです。
ポート全部入りノートPC
USB Type-C SurperSpeedに対応し、最大速度10gbpsの転送速度を誇る拡張ポートを装備。
ディスプレイ出力や、低電圧なモバイルバッテリーでPC本体にUSB充電を可能にした点が他メーカーのノートPCよりも優れている点の一つ。
右側面
- SDカードスロット
- USB 3.1
- USB 3.1 Type-C
- HDMI
- LAN端子
- VGA端子
左側面
- DCジャック
- ケンジントンロック
- USB 3.0
- USB 3.0
- オーディオジャック
- 出先ではAC不要!モバイルバッテリーだけ持ち運べば運用可能
VAIO独自機能『5Vアシスト充電』では、スマートフォン用のバッテリーで使われる一般的なリチウムイオンバッテリーで充電が可能。
通常パソコンを充電する場合、電圧の高い高出力の電源が必要とされますが、VAIO SX12は5V/1.5A=7.5Wの小さな出力でも充電が可能。
ちなみに、この5V/1.5Aは売れ筋のモバイルバッテリーであれば、対応している出力なので、ほぼすべてのモバイルバッテリーで充電できるといってもいい。
これにより、VAIO SX12のモビリティ性能は非常に高く、競合ひしめくハイパフォーマンスモバイルノートPC群で頭一つ抜けた感があります。
『VAIO SX12は絶対にバッテリー切れを起こさせない』というメーカーからの強い気概を感じる。
VAIO TruePerformanceでハイパワー
VAIO調べですが、Cinebench R15というベンチマークソフトで同じCore i7 8565U搭載の他メーカーノートPCと比較した際に25%ほどパフォーマンスを向上させているという結果があります。
仕組みとしては、インテルチップセットの弱点である発熱をコントロールし、ピークパフォーマンスを維持し続ける技術
こうした、パフォーマンスの追及は据え置き型のゲーミングノートPCでは盛んですが、1kg以下のモバイルノートで行っているメーカーはVAIOくらいでしょう。
内部パーツの選定はもちろん、PC外部の放熱設計にもかなり気合が入っています。
LTEモジュール搭載でどこでも通信可能
VAIO SX12は標準でLTEモジュールを搭載しています。
VAIO SX12のLTE対応バンド | |
---|---|
1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 13, 17, 18, 19, 20, 21, 25, 26, 28, 29, 30, 38, 39, 40, 41, 66 | |
VAIO SX12の3G対応バンド | |
1, 2, 4, 6, 8, 19 |
主要キャリアのプラチナバンドは抑えており、ドコモ,au,ソフトバンクのSIM及びMVNOのSIMに対応できます。
また、グローバルバンド対応な点が最強です。海外出張時に現地のSIM挿入で欧州や米国での利用も可能です。(対応エリアは各国地域、SIMサービスに依存するため必ず確認してください。)
VAIO SX12のスペック
VAIOオンラインストアでカスタマイズできる構成は下記の通りです。
おすすめ構成は赤字にしてあります。
CPU+メモリ
VAIO SX12のCPUと価格 | |
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CPU+メモリ | 価格(税込) |
Core i7 8565U+16GB | 252,504円 |
Core i7 8565U+8GB | 220,104円 |
Core i5 8265U+8GB | 198,504円 |
Core i5 8265U+4GB | 187,704円 |
Core i3 8145U+8GB | 185,544円 |
Core i3 8145U+4GB | 174,744円 |
Celeron 4205U+4GB | 153,144円 |
Cinebench R15
VAIOのデータではありませんが参考までに、CPUパフォーマンスを掲載しておくと下記の通り。
Cinebench R15(マルチコア) | |
---|---|
Core i7 8565U | |
Core i5 8265U | |
Core i3 8145U | |
Celeron 4205U | – |
※Notebookcheckより引用
Core i5 とCore i7の性能差はあまりなく、マルチコアをギリギリまで使う動画編集時や3Dレンダリング時に効果を発揮します。
ビジネスでの利用や、写真編集などの作業を行う場合、Core i5 8265U+8GBのメモリを搭載しているモデルがおすすめです。
下記動画では、16GB搭載マシンと48GB搭載マシンを『動画編集』、『写真加工』、『RAW現像』をAdobeが提供する各ソフトウェアを用いて実際にメモリが作業にどのような効果をもたらすのか検証しました。
結論として、画像編集ならばメモリは8GBで十分です。(おそらく専門的な作業を行う場合、如何に高パフォーマンスに設計されたノートPCだとしてもモバイルCPUが足を引っ張る。)
とはいえ、一台で完結させるべく、VAIOで動画編集までを見据えるなら、Core i7 8565U+16GBの構成が良いでしょう。
ストレージ
VAIO SX12で選択可能なSSD | |
---|---|
NVMe接続SSD | 価格 |
1TB | 108,000円 |
512GB | 54,000円 |
256GB | 16,200円 |
SATA接続SSD | 価格 |
256GB | 10,800円 |
128GB | 基本構成 |
内蔵ストレージは高めに設定されています。
前述した通り、VAIO SX12の強みは、外部ストレージ接続しやすい点。
データ保存は外部ストレージにまかせてしまえば、本体ストレージはそれほど多くなくても問題ないと思います。
どちらかといえば、本体のSSD容量を増やすのではなく、外部ストレージに高品質なものを用意することで利便性が向上するノートPCだと思います。
VAIO SX12
公式サイトで確認本体デザイン・カラー
今回SONYストア銀座にて展示されていた、『シルバー』をメインで紹介します。
天板部
勝色を除く通常モデルの天面はUDカーボン素材です。
VAIOの搭載される『カーボンウォール天板』は東レとの共同開発でねじれに強いUDカーボン繊維を重ね合わせてできています。そのため、マグネシウム合金よりも高い剛性、軽量化を実現しているとのこと。
他社にない強みです。
実際に持ってみると、まず軽さに驚きました。
UDカーボンそのものは、『樹脂』のひとつなので、アルミとは違う質感です。F1マシンや飛行機、高級ロードバイクなどに使われる素材ではあるものの、手触りそのものはあまり高そうな印象はありません。
高級感といった意味では、UV加工された勝色特別仕様がおすすめです。
底面部
底面部はフラットに作られています。
本体奥のSIMスロットはむき出しではなく、かといってSIMピンを使って取り出すような面倒でもない。
指でずらすとスッと開いてくれるためSIMの挿入も楽。
キーボード・タッチパッド
キーピッチ約19mmのフルサイズキーボードを採用しているため非常に打ちやすいです。
一般的なノートPCよりもキーとキーの間隔があいており、デスクトップPCをメインで利用している人にも打ちやすい設計。
キーピッチはメーカー公称値で1.2mmですが、実測値で1.1mm(チルトアップヒンジにより必ずPCが斜めになるので測定誤差だと思われます。)
浅めのストロークですが、キーの反発力が強めでしっかりとした打鍵感を得られます。
VAIOはチルトアップヒンジを採用しているため、画面の開閉角度によってノートPC本体が持ち上がる無限パームレストを採用。
傾斜角がつくことで、キーボードのうち安さが向上します。
タッチパッドはそれほど大きくないのですが、さらさらとした手触りで指脂でひっかかるということもなく、操作性はかなり高いです。
独立型のボタンもクリック感を感じられつつも余分な間がなく、使いやすい。
マウスいらずなノートPCだと思います。
液晶モニターについて
モアレが均一なので、品質の高いIPSパネルだと思います。
色の変化やつぶれはないと思います。
ナローベゼルデザインを採用しているため没入感が高く、ノートPCをコンパクトに設計できます。
そのため、サイズ感は11インチクラスと大きく変わりません。
サイズの比較
国内競合他社とのサイズ・重量比較 | ||
---|---|---|
VAIO SX12 | 287.8×203×15.7mm | 897g |
LAVIE PM | 307×215×15.5mm | 837g |
LIFE BOOK WU/D2 | 309×212×15.5mm | 698g |
拡張ポートの豊富さでVAIOは選択肢に上がると思いますが、重量面ではやや劣勢。
とはいえ、実際に手で持ってみても大きな違いを感じることはありません。
このクラスで1gでも軽く!というのは、メーカーにとっては重要ですが、ユーザーにとってはそこまで重要でない気がします。(少なくとも僕はそう思いますよ)
VAIO SX12の評価とまとめ
VAIO SX12の評価 | |
---|---|
価格 | 競合他社より高い |
性能 | 他社よりも性能は高い |
携帯性 | とても良い、少なくとも他社より劣ってるとは思わない |
液晶 | 広色域かつ正確な色、パネルの品質も良いと思いますが今回は未計測 |
デザイン | モバイルPC市場でナンバーワンのカッコよさ |
アルティメットモバイルノートPC!
最近話題の技術を突っ込めるだけ突っ込んだVAIOです。
弱点は価格が高い以外にないと思います。
使われる素材や対応ポートの豊富さ、LTEモジュールの抜け目のなさを考えるとアルティメットモバイルノートPCといっても過言ではなく、設計段階での妥協点がないため、お金に余裕のある人はこのPCをおすすめしたい。
繰り返しになりますが、PDを伴わない出力の低いモバイルバッテリーだけで、充電できるのはVAIOくらいしかないため、モビリティ性能を重要視する人は絶対にVAIOを選ぶべきだと思います。
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