レノボの販売するLegion C530シリーズは、コンパクトかつ低価格でゲーミングPCを初めて買う人におすすめしやすい機種です。
PCの設置スペースがなく”仕方がなく、ノートPCを購入しなければならない”といったユーザーの悩みを解決してくれるPCです。
今回メーカーから検証機をお借りしたので検証結果と僕の感想をお伝えいたします。
Legion C530の特徴
Legionはレノボのゲーミングブランドで、コンパクトなモデルから、ミドルタワーのハイエンドクラスのゲーミングPCを取り揃えています。
低価格+ハイパフォーマンスといった、レノボらしい持ち味のラインアップが特徴的で、ベースモデルからのカスタマイズ幅があまりないので、できるだけ高性能なモデルをチョイスするのが望ましいと思われます。
エントリーゲーミングPCの鉄板構成
ゲーミングPCはCPUやGPUがゲームをプレイするのに適した構成で販売されるPCのことを指しますが、レノボのLegion C530はまさにコテコテのゲーミングPCといっていい良いでしょう。
最安構成は税込みで89,760円で、Intel Core i5 9400F/メモリ8GB/GTX1650/といった、俗にいうコスパの高い構成。フォートナイトやAPEX Legends PUBGなど中級クラスの人気ゲームを画質調整して快適に遊ぶ程度のスペックです。
また、最も高い構成でも電源は耐えられるよう、すべてのモデルで500W(BRONZE)を搭載しています。
ツールレスで開封可能なゲームライクなPCケース
ケースの開封は赤いレバーを引っ張ると、メインパーツが露出する仕組みで、パーツの増設、交換も簡単です。
背面は、電源とHDDを格納するパーツが埋め込まれていました。別途電力を撮れるような配線でしたので、SSDのみのモデルを購入した場合でも後から増設するのは簡単だと思います。
Legion C530最大の特徴は”取っ手つきのゲーミングPC”という点でしょう。もう少し流線形のデザインをしていたら、最新のエコカーみたいな感じになりそうな感じです。
コンパクトゲーミングPCなかでも屈指の実用性を誇るPCケースで、設置スペースの関係でゲーミングノートPCと迷っている方に積極的におすすめしたいモデルです。
おすすめモデル
型番 | |||
---|---|---|---|
90L2003QJM | 90L2003RJM | 90L2003SJM | 90L2003TJM |
CPU | |||
Core i5 9400F | Core i7 9700 | ||
メモリ | |||
8GB | 16GB | ||
GPU | |||
GTX1650 | GTX1660Ti | GTX1650 | GTX1660Ti |
ストレージ | |||
512GB SSD | 1TB HDD+512GB | 1TB SSD | 1TB HDD+1TB SSD |
◎ | 〇 |
Legion C530は低価格ゲーミングとしては破格のコスパなので、全部おすすめなのですがそのなかでも特におすすめなのが、Core i5 9400FとGTX1660TIの組み合わせです。
GTX1660TIはフォートナイトやPUBGなど、人気のゲームタイトルを高画質で快適に遊べる程度の性能がありますので、メモリ8GBに対して不満を感じたら交換するといった順序で大丈夫です。
このPCは自分でメモリを増設するのが容易ですから、交換のしづらいCPUやGPUだけしっかりと選定しておけば失敗しないと思います。(メーカーPCはパーツ変更で保証対象外となる恐れがあるので注意しましょう。)
なお、この製品、超人気なので売り切れの可能性もあります。
Legion C530
89,760円
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
セールをチェック
新モデルが発売されているので、価格のチェックをおすすめします。レノボ公式サイトでは毎週価格の変動がありますので、セール情報をチェックしておくことをお勧めします。
ゲーム性能
今回お借りしたモデルは、パフォーマンス的な位置づけで、グラフィックボードはGTX1650でCPUがCore i7 9700です。動画編集などにも使えるスペックでして、各種ゲームのフレームレートをmsi afterburnerで測定したログから算出しています。
60fpsが家庭用ゲーム機と同等、PCゲームであれば100fps以上が快適に基準となります。
検証機のスペック
CPU | Core i7 9700 |
---|---|
GPU | GTX1650(4GB)GDDR5 |
メモリ | 16GB |
SSD | 1TB |
電源 | 500W |
フォートナイト・PUBG・中級ゲームタイトルの快適性
フォートナイト
フォートナイトは、実際にソロでプレイを5分程度行い、その平均フレームレートを計測しました。(スカイダイブは省いています)
フォートナイトシーズン2の平均フレームレート | |
---|---|
フルHD(1920×1080ドット) | |
エピック(最高画質) | |
高画質 | |
中画質 |
人気ゲームタイトル『Fortnite』は最高画質で57fpsでした。高画質でも快適にプレイ可能と思われます。フォートナイトは中画質で飛躍的にフレームレートが伸びますので高リフレッシュレートのモニターを使い、勝率を上げるのであれば中画質固定で良いと思います。
CPU性能が高いのか非常に安定してゲームのプレイが可能です
PUBG
PUBGはトレーニングモードで建物周辺を5分程度集会した平均を算出。おそらく、実際のゲームプレイでは、平均で10fps以上低下するものと思われます。
PUBGではウルトラで90fpsでした。安定的に高フレームレートを維持したいのであれば中画質や低画質を選択しておくとよいでしょう。
安定度を高めたい方、ゲーミングモニターを利用される方はGTX1660Tiを選択しましょう。
モンスターハンターワールド・重量級ゲームタイトル
モンスターハンターワールドは、重量級ゲームタイトルの筆頭です。垂直同期をオンにし、1-1のマップを5分ほど周回しました。
低画質であれば、十分快適にプレイ可能となっていますが、おそらく意図的でゲーム側が低スペックのPCでも遊びやすいようにしているからだと思われます。
中画質でも調整次第では平均60fpsは超えると思われます。
ファイナルファンタジー15|重量級ゲームタイトルの快適性
ファイナルファンタジー15のスコア | |
---|---|
フルHD(1920×1080ドット) | |
軽量品質 | |
標準品質 | |
高品質 |
ファイナルファンタジー15は、PCゲームの重量級タイトルをどの程度快適に遊べるかの指標として使われるタイトルです。
軽量品質で”快適”クラスでした。
Legion C530のゲーム性能まとめ
Core i7 9700とGTX1650の組み合わせは中級クラスのゲームタイトルで、中画質、重量級クラスのゲームタイトルで低画質を選択すれば快適にゲームのプレイが可能です。
長期的に見れば上位のGTX1660Tiを選択したほうが長く使えると思います。
クリエイティブ性能
Adobe Premiere Pro
過去、実際に僕がYouTubeにアップロードしたこのとある、アニメーションありのフルHD画質、テロップ、アニメーションありの動画の元データを使い書き出しを実行しました。
書き出し条件は下記の通り
- H264
- YouTube 1080P
- 動画の尺を5分に設定し書き出し
Legion C530の動画の書き出し時間 | ||
---|---|---|
ソフトウェア | 4分02秒 | |
CUDA | 2分12秒 |
フルHDの動画編集を快適に行える性能です。
Adobe lightroom Classic CCによるRAW現像
RAWデータの加工が可能なAdobe lightroom Classic CCにて書き出しを終えるまでの時間を計測しました。条件は下記のとおりです。
Adobe lightroomClassic CCにて、Adobe Lightroom Classicにて、α7Ⅱで撮影したRAWファイル(1枚あたり24Mb)を100枚JPEGに書き出しするスピードを計測したところ1分27秒でした。
- 画像形式JPEG
- カラースペースsRGB
- 画質100
- メタ情報『すべてのメタデータ』人物情報の削除、場所情報を削除
100枚の現像にかかった時間 | |
---|---|
Core i7 9700+メモリ16GB | 1分27秒 |
プリセットの一括書出を利用するなど、高負荷な作業でも快適に動作させられると思います。
コンテンツクリエイトの性能まとめ
Legion C530は16GBメモリやCPUの性能が高いため、動画編集や写真補正を快適に行える性能があります。
コンパクトでハイパフォーマンスなPCですのでゲームPCとしてだけでなく、クリエイターPCとしても検討してもよいと思います。その場合は、Core i7 9700+GTX1650でもよいでしょう。
ベンチマーク結果
Cinebench R20
Cinebench R20の総合スコア | |
---|---|
Core i7 9700 |
CPUのレンダリングスピードを計測するCinebench R20では、3144ptsでした。
PASSMARK
CPUMARKのベンチマークスコア※ | |
Ryzen 7 3700X | |
Core i7 9700K | |
Core i7 8700K | |
Core i7 9700 | |
Core i5 8400 | |
Ryzen 7 2700X | |
Ryzen 5 2600 |
ベンチマークスコアは、AMDのRyzenがやはり強いです。実行性能ではIntelのほうが安定性が高いので、クリエティブな作業や安定性を重視する人はインテルのほうが良いと思います。
SSDの読み書き
搭載SSDはSamsung製のNVMeSSDでした。
NVMeSSD上にはヒートシンクが搭載されているため、高速にデータの読書を行っても、SSD本体は熱くならず、パフォーマンスを維持し続けられます。
外観・デザインについて
Legion C530のPCケースはなかなかお目にかかれないデザインでして、機能性と見た目を両立させています。
ケースはLeigonロゴの入った前面及び底面から吸気し、背面に排気するオーソドックスな仕組みです。
通電中はLegionロゴが光ります。この仕組みはLegionのノートPCでも採用されてるモデルもありまして、ブランドで一貫して採用されています。
上部は取っ手をつけるため、特殊な構造になっており、Lenovoのロゴが印字されています。世界観を壊さないような計らいで、横から見た際にはLenovoロゴはわからないようになっています。
このため特殊な見た目をしているPCとしてとても印象的です。
通電時に赤く光ります。宇宙船のような独特な構造でかっこいいと思います。
電源ボタンは右側上部に格納されています。
重量は7.874kgでした。デスクトップPCとしては普通ですが、本体の大きさの割には重量があります。
理由としては、外側が樹脂で、内部は一般的なメーカー製PCに使われる金属素材だからです。イメージとしては金属素材に樹脂素材をくっつけた感じ。コンパクトデスクトップPCのパーツを流用して作られたモデルなのかもしれないですね。
内部・拡張性について
Legion C530の内部です。独自設計ですが、PCIE×16レーンに2スロット分の空きがあるため、シングルファンのショートボードのGPUなら追加できそうです。(メーカー保証の対象外となる可能性があるため注意してください。)
背面は3.5インチベイと電源が格納されています。
500W(80WPLUSBRONZE)電源の構成であれば、RTX2070クラスまでのGPUなら搭載できそうですが、いずれも自己責任となるので注意が必要です。
インターフェース
背面
GTX1650
- DP×2
- HDMI×1
マザーボード側
- LAN端子
- USB2.0×2
- USB3.1×2
- USB3.0×2
フロント
- マイクジャック
- ヘッドフォンジャック
- USB 3.0×2
ファンの駆動音・内部の温度
ファンの駆動音
ファイナルファンタジーベンチマーク時のファンの駆動音は47.3dbでした。机の下に置くなどすれば気にならないと思いますが、静かな場で作業しているか耳障りに感じる音の大きさです。
ゲームのプレイに集中するときにならない音の大きさです。
PCの温度
モンスターハンターワールド実行時のCPU温度です。最高温度は78℃と常時80℃以下で推移していたので、長時間のゲームでも問題ないと思われます。
VRM周辺温度は50.8℃でした。
Legion C530の評価とまとめ
良い点
- 設置スペースにこまらないコンパクトなゲーミングPC
- 搭載パーツの性能をしっかり引き出せている
- 価格が安い
気になる点
- 拡張性が低い
- 納期が長い
レノボらしい高コストパフォーマンスのゲーミングPC
どこでコストを削っているのか、といえば、おそらくケースは一般向けに販売されているモデルを少し改良しているからだと思いますが、頑丈で良い。
Samsung製SSDにヒートシンクまでつけてくれているので、単に低価格というだけでなく品質も高いゲーミングPCだと思います。
パーツスペースに限りがあるので、拡張性はあまり高くありませんがコンパクトかつ、ミドルクラスまでの性能を発揮できるゲーミングPCを検討されている方、また「ノートPCで済ませようかな」と考えていた方におすすめ。
また、記事執筆時のレノボの納期は6週間と人気製品であるため、納期が長い可能性があるため、公式ページ納期の確認は必須です。