レノボが販売すThinkPad Z13を借りられたのでベンチマーク結果や使い勝手を紹介。
スペック
Lenovo ThinkPad Z13 | |
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モニター |
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CPU |
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iGPU |
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メモリ |
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SSD |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約294.1mm×奥行き約199.6mm×高さ約13.99mm |
バッテリー | 51.5Wh |
無線通信規格 | Wi-Fi6E/Bluetooth V5.2対応 |
充電タイプ | 65W/USB-C |
重量 | 約1.19kg |
保証 | 1年間引き取り修理サービス・パーツ保証 |
特徴
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金属素材をあしらった新世代のためのThinkPad
ThinkPadといえば樹脂素材を使った軽量のビジネスPCというイメージだったが、Z世代と定義される若年層にリーチさせるべく
本体はシンプルなデザインかつアルミシャーシを採用している。
キーボード面はThinkPadらしいデザインを踏襲しつつ最新のタッチパッドも搭載。
タッチパッドはハプテックフィードバックと言われる、触れた時に振動を伝え、あたかも押してるかのような感覚が得られる最新の機構を採用している。
搭載CPUはThinkPad独自のAMDプロセッサを採用
ThinkPad Z13に搭載されているプロセッサは最新のRyzen 6000番台の「Ryzen 7 Pro 6860Z」。
これまでSurface Laptopシリーズなどに採用されてきたAMDの特別チップで通常モデルよりも動作周波数が高められているのがポイントだ。
検証機ではマルチスコアが大きく伸びるもののシングルスコアはモバイルノートPCで快適な範疇にとどまっており、インテルCPUと比較すると若干不利な数字。個体差によるものかもしれないが、期待は禁物。
とはいえ、モバイルノートPCとして考えれば非常に高性能であるため、画像編集や動画編集を行うことも可能だ。
テレワークに最適な高画質なカメラを搭載
搭載されているカメラのレンズはF2.0の明るいレンズを採用。
インカメラはフルHDの解像度に対応したIRカメラを搭載。顔認証でログインできるWIndows Helloに対応している。
ThinkPad Z13
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
デザイン
カラーはアークティックグレーを採用し、薄型の筐体にアルミニウムシャーシをあしらうデザイン。
このカラーは黒い机との相性が抜群に良く、ライティングによってはチタンを磨いたようなカラーが印象的。
底面は黒に塗装されていて、ゴム足がギリギリに設置されているため、写真でもほとんどわからない。
ボディ本体はUSB-Cとオーディオジャック、電源ボタンのみを搭載することで薄型軽量を実現。エッジのたったデザインでスタイリッシュだと感じさせてくれる。
重量
ThinkPad Z13 | |
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PC本体 | 1.235kg |
ACアダプター | 0.310kg |
モニター
搭載されているパネルは色域が広く、コントラスト比が高い有機EL。
ThinkPad Z13(LEN4145)の色域 | |
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sRGBカバー率 | 100.0% |
DCI-P3カバー率 | 100.0% |
Adobe RGBカバー率 | 97.2% |
非常に色域が広く色再現性に優れたパネル。動画編集や画像編集にも使える。
キーボード・タッチパッドについて
ThinkPad Z13はJIS配列に準拠したキーボード。エッジ to エッジでキーボード面の端から端までぎっしり詰め込まれている。
打鍵感について、押し込んだ時の深さはそれほどないが、筐体が頑丈に作られているため安心感がある。
矢印キーの隣に指紋認証のセンサーが搭載されている。
タッチパッドは最新のハプテックフィードバック方式を採用していて押している感じがないため好みがあるだろう。触れて力を込めると振動するタイプでデルのXPSなどにも採用されている。
個人的には従来の方式の方が好き
カメラ
搭載されているカメラはフル解像度のカメラ、f2.0のレンズが搭載されているため非常に綺麗に撮影できる。テレワーク時に専用のカメラは不要
インターフェース
左側
- USB-C
右側
- オーディオジャック
- 電源ボタン
- USB-C
性能
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
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Core i7 12700H | |
Core i7 12700H | |
Core i7 12700H | |
Core i9 12900H | |
Ryzen 7 6800HS | |
Core i7 11800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Core i7 12700H | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 76800U | |
Core i7 11800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7 1260P | |
Ryzen 7 Pro 6860Zレビュー機 | |
Ryzen 5 5600H | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5625U | |
M1 | |
Core i7 11370H | |
Core i5 1235U |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では10488pts
搭載されているRyzen 7 Pro 6860Zがはレノボ専用のカスタムチップでパフォーマンスが引き上げられているものの、筐体の薄さや小ささが影響してか、パフォーマンスは伸びていない印象。
同社が販売する14型のYoga 770に搭載されているRyzen 7 6800Uの方がスコアは上で、パフォーマンスを重視するのであればそちらの方がコスパは良さそう
PCMark 10
Microsoft Office互換ソフトや画像編集ソフトのバッチファイルを動作させてスコアを算出するPCMark10ではスコアが6230でMicrosoft Officeは非常に快適なレベル。内蔵GPUの性能が高いのでフルHDやHD画質の解像度でビデオ編集なども行える
バッテリーの連続動作時間
ThinkPad Z13 バッテリーの動作時間 | |
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PCMark 10 Modern Office | 8時間54分 |
ThinkPad Z13に搭載されているバッテリーは51.5Whrで、ハイエンドモバイルノートPCとしてはやや少なめ、それでもMicrosoft Officeなどの事務作業では8時間ほど利用可能。
SSDの読み書き
クリスタルディスクマークの結果。搭載されていたSSDはMicron製。大容量データの読み書きではランダムアクセスライトが低下。
クリエイティブ用として購入する場合は上位のSSDにカスタマイズした方がいいかもしれない。
PCの温度とファンの動作音について
ピーク時のCPU温度について
Cinebench R23の10minuteテスト実行時の挙動をHWInfoで計測した。CPUの温度は100℃近くまで上昇すると動作周波数と共に下降した。
システム上ではサーマルスロットリングの反応はなかったが、明らかにパフォーマンスが制限されている。
PCの表面温度
Cinebench R23 10minuteテスト時のPCの表面温度を計測。
最も熱い箇所で40.9℃ほど。金属素材などでキーボード状に熱が伝わる仕様。
ファンの動作音
エクストリームモード時で42.7dbほど。最新のモバイルノートPCとしては普通、か、ちょっとだけ音が大きい。
ThinkPad Z13の評価とまとめ
良い点
- エッジ to エッジのキーボードが印象的な高級感のあるデザイン
- 高性能カメラ
- 色域の広い有機Elパネル採用
気になる点
- パフォーマンスが出しきれてない
- バッテリーを小さくして軽量化している点
- キーボード側の熱
少し変わったThinkPadシリーズが欲しい人に
Z世代と銘打って発売されたため、デザインはよくできていると感じた。
とはいえ、それもバッテリーの容量小さくしたり本体を極限まで薄く作っているからできているわけで、その分、パフォーマンスが発揮できていないのとキーボード面の温度が上昇している点がトレードオフになっている。
個人的にはこれなら樹脂素材のThinkPadを買った方が利便性が高く満足度が高いように感じたため、やや中途半端な位置づけになってしまったと思う。
コスパならYoga、デザインならENVYといった感じで市場の評価はあまり受けられないと思う。
ThinkPad Z13
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。