2025年のIdeaPadシリーズは「安いけどちゃんと使える入門機」から、「有機EL+高性能CPUを載せたクリエイティブ向け」、さらには「Snapdragon搭載のAI PC」までラインナップがかなり広くなっています。
この記事では、用途別にIdeaPadの選び方を整理したうえで、実際にチェックしておきたいおすすめモデルをピックアップします。
1. 2025年のIdeaPadラインナップざっくり整理
Slim 3:とりあえず1台欲しい人向けの入門機
IdeaPad Slim 3 Gen 10(14型 AMD)は、7万円前後の価格帯でRyzen 7000シリーズ+16GBメモリ構成が手に入る、いわゆる「安いけどちゃんと使える」系のノートPCです。
Webブラウジング、Office、動画視聴といったライトな用途なら、これで十分というユーザーが大半だと思います。
Slim 5:性能と質感のバランスが良い中核モデル
IdeaPad Slim 5 Gen 10は、Ryzen 8000シリーズ+有機ELディスプレイを組み合わせた16型モデル(2.8K OLED)や14型OLED構成が用意されていて、2025年のIdeaPadの「主力クラス」というポジションです。
動画編集やRAW現像、クリエイティブ用途も視野に入れるなら、まずここから検討するのがおすすめ。
Pro 5i:有機EL+高性能CPUのクリエイター向け
IdeaPad Pro 5i Gen 9(16型)は、Core Ultra 7と16型2Kクラスの有機ELディスプレイを搭載した上位モデル。
一部構成ではRTX 3050を積んだモデルもあり、クリエイター向けの「IdeaPad最上位」として位置付けられています。
5x 2-in-1:Snapdragon搭載のAI PC
IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9は、Snapdragon X Plus+長時間バッテリー+有機ELという組み合わせで、いわゆるCopilot+対応のAI PCライン。Lenovo
常時接続や軽いモバイル作業、AIアシスタントを活かしたい人には面白いモデルです。
2. IdeaPadを選ぶ前に決めておきたい4つのポイント

① 何に使うか(用途)
- ブラウジング+Office+YouTube程度
→ Slim 3で十分 - 画像編集・動画編集もある程度やりたい
→ Slim 5以上を検討 - 4K動画編集や本格クリエイティブ用途
→ Pro 5iなどdGPU搭載モデル - Copilot+やAI機能重視
→ 5x 2-in-1などSnapdragon / Copilot+PC
② 画面サイズと重さ

- 14型:持ち運び重視、カフェや大学での利用が多い人向け
- 16型:据え置き中心。画面が広く作業がしやすいので、編集系作業と相性が良い
③ CPU / メモリ / ストレージ

2025年のIdeaPadでは、だいたいこのあたりが目安です。
- CPU
- ライト用途:Ryzen 7000 / Ryzen 5クラス or Core i5同等
- クリエイティブ:Ryzen 7 8000シリーズ、Core Ultra 7クラス
- メモリ
- 最低16GB、動画編集するなら32GBあると安心
- ストレージ
- 最低512GB、素材を置くなら1TBほしい
④ 価格帯とセール時の狙い目
- Slim 3:セール時6万円台〜
- Slim 5(OLED):セール時13〜15万円台が目安
- Pro 5i:構成次第で15〜20万円台に入ってくる
持ち運ぶ際のバッテリーの持続時間の目安

実測のバッテリー持続時間は公称値をチェック
LenovoのノートPCは動画再生時とアイドル時でバッテリー持続時間が表記されています。当サイトのレビューでもベンチマークによってバッテリー持続時間を計測しているため、気になる機種については公式ページと合わせて確認してみてください。バッテリーの持続時間を延ばすコツは、画面サイズを小さくする、解像度をフルHD+にする、バッテリー容量の大きなモデルを選ぶことです。バッテリーサイズはレノボの製品ページで確認できます。
急速充電やUSB-C充電のメリット
最近のノートPCはUSB-C充電対応モデルが増えています。LenovoのIdeaPadシリーズは基本的に65W出力で充電可能であり、AnkerやUGREENなどの社外製充電器も利用できます。
コストパフォーマンスの見極め方
性能と価格のバランスをどう判断する?
IdeaPadシリーズは10万円以下から購入できるモデルもありますが、用途と性能が明確に定義されているため、自分の使用目的に合わせたモデル選びが重要です。スペックだけで判断せず、必要な性能を見極めて選ぶことがコストパフォーマンス向上のカギとなります。
「安い=お得」とは限らない理由
IdeaPadシリーズは上位モデルであってもCPU冷却用のファンが1基のみの場合があり、高負荷時にはファンの駆動音が大きくなることがあります。また、高性能なCPUを搭載したモデルではバッテリーの持続時間が短くなる傾向があります。そのため、持ち運び用途か据え置き用途かを明確にしておかないと、期待した性能や使い勝手が得られない可能性があります。コストだけで判断せず、バランスよく選ぶことが重要です。
搭載CPUの特徴(ざっくり性能の目安)
IdeaPadシリーズには、エントリー向けからクリエイティブ向けまで、けっこう幅広いCPUが載っています。
ここでは、よく採用されるCPUの「ざっくり性能」と「向いている用途」をまとめておきます。
インテル N150
超省電力なエントリー向けCPUで、ミニPCなどにも採用されるクラスです。
WindowsとOfficeはギリギリ問題なく動きますが、あくまで「軽い事務作業+ネットサーフィン」が限界と考えたほうがいい性能帯です。
- 向いている用途:メール、簡単なWord・Excel、ネット検索、動画視聴
- 向いていない用途:動画編集、重い画像編集、多数のアプリを同時起動
Core i5-13420H
8コア構成で、消費電力は高めですがその分パワーもあるCPUです。
4Kモニターへの映像出力も余裕で、複数モニターを使って事務作業を効率化したい人に向いています。
- 向いている用途:複数モニターでの事務作業、ブラウザ多タブ、軽めの編集作業
- 注意点:TDPが高めなので、本体の冷却設計が弱いとファン音が大きくなりやすい
Core Ultra 5 225H
CPU性能・内蔵GPU性能ともに高く、動画編集や画像編集などクリエイティブ用途にも対応できるクラスです。
ただし、IdeaPadは冷却性能がそこまで攻めていないモデルも多く、長時間負荷をかけるとファンの駆動音増加や性能低下(サーマルスロットリング)が起きやすい点は注意です。
- 向いている用途:フルHD〜2.8K動画編集、画像編集、AI処理を含むクリエイティブ作業
- 注意点:長時間レンダリングなどでは、上位のProモデルやゲーミングノートのほうが安定しやすい
Ryzen 5 7520U
事務作業やライトな用途向けの省電力CPUです。
ブラウザとOfficeを同時に使う程度なら問題ありませんが、動画編集や重い処理には向きません。
- 向いている用途:メール、Office、ネットサーフィン、動画視聴
- 向いていない用途:動画編集、重い画像編集
Ryzen 5 7535HS / Ryzen 7 7735HS
本来は高性能なHSクラスのCPUで、映像出力を4画面まで行えるのが特徴です。
ビジネスノートPCにも採用されるクラスですが、IdeaPadに載っている場合は、発熱や騒音を抑えるために出力がやや調整されていることが多いです。
- 向いている用途:複数モニターでの事務作業、軽め動画編集、そこそこのパフォーマンスが欲しいビジネス用途
- 注意点:同じ型番でも、筐体によって実際のパフォーマンスは変わる(IdeaPadは守り気味の設定になりがち)
Ryzen 5 8645HS / Ryzen 7 8845HS
画像編集・動画編集にも十分使えるクラスの高性能CPUです。
ただし、IdeaPadのSlimシリーズでは最大出力まで振り切るチューニングではないことが多く、
「Proシリーズやゲーミングノートほどは回さない代わりに、発熱や騒音をほどほどに抑えた設定」になっている印象です。
- 向いている用途:YouTube向け動画編集、RAW現像、マルチタスク多めの作業
- 注意点:本気で4K編集や長時間レンダリングを回すなら、ProモデルやdGPU搭載機を検討したほうが安心
Ryzen AI 5 340 / Ryzen AI 7 350
いわゆる「Copilot+PC」対応のAMD最新世代(Ryzen AI)です。
CPU性能・GPU性能ともに高く、さらにNPUを搭載しているため、AI処理を省電力でこなせるのが特徴です。
- 向いている用途:Office+AIアシスタント活用、AI要約・画像生成などのローカルAI処理、クリエイティブ作業
- ポイント:
- Copilot+PC対応モデル
- 将来的にローカルAI機能が増えていくことを考えると、長く使いたい人向けの選択肢
Snapdragon X / X Elite
Armベースのモバイル向けSoCですが、性能は非常に高く、バッテリー持ちも優秀です。
「一日中バッテリー駆動で使いたい」「常に持ち歩いて作業したい」という人にはかなり相性が良いプロセッサです。
- 向いている用途
- 長時間バッテリー駆動のモバイルワーク
- ブラウジング、Office、オンライン会議
- ストリーミング視聴やクラウド系サービス中心の仕事
- 強み
- 同クラスのx86 CPUと比較してもバッテリー持続時間が長い
- 発熱とファンノイズが抑えられたモデルが多い
- 注意点(ここが重要)
- Arm版Windowsのため、一部アプリや周辺機器との互換性問題がまだ残っている
- 特にプリンタードライバーまわりは対応状況が微妙で、紙出力前提のビジネス環境だと厳しい
- 基本的に「ペーパーレス+クラウド前提」のワークスタイル向け
迷ったらこのモデルがおすすめ!2025年のIdeaPad選びのポイント総復習
持ち運びならコレ:IdeaPad Slim 5 Light Gen 10
重量1.15kgの13.3型モバイルノートPCです。セール時で価格は変わりますが、10万円前後で購入可能な高コストパフォーマンスモデルです。持ち運びの多い学生やビジネスパーソンにおすすめなのが、IdeaPad Slim 5 Light Gen 10です。
- ディスプレイ: 13.3型
- 重量: 1.17kg(軽量設計)
- CPU: Ryzen 5 7535HS(高いGPU性能を持つ)
- 特徴: マルチモニター環境の構築が可能
携帯性の高いノートPCを求めている方は、ぜひ検討してみてください。
事務作業・ネットサーフィン・動画視聴なら:IdeaPad Slim 3 Gen 10(14型)
- CPU:Ryzen 5 7535HS
- メモリ:16GB
- ストレージ:512GB SSD
- ディスプレイ:14型 フルHD+(1920×1200)
この構成のIdeaPad Slim 3 Gen 10は、
「とりあえずOfficeとネットと動画視聴が快適ならOK」という人向けの、ど真ん中の1台です。
低価格モデルの中でもトップクラスのコストパフォーマンスなので迷ったらコレを買いましょう。
【2025年】14型“事務特化”コスパ最強はどれ?IdeaPad Slim 3 vs Dell 14 vs HP 14 徹底比較
動画編集にトライしたい人におすすめ:IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)
- CPU:Ryzen 7 8845HS
- メモリ:32GB
- ストレージ:1TBクラス SSD(※ここは実機構成に合わせて調整)
- ディスプレイ:16型 2.8K OLED(有機EL)
このIdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)は、
「そろそろ動画編集もちゃんとやってみたい」という人にちょうどいい1台です。
Ryzen 7 8845HSはマルチコア性能が高く、フルHD〜2.8Kクラスの動画編集ならかなりサクサク動きます。
メモリも32GBあれば、Premiere ProやDaVinci Resolveでタイムラインを触っていても余裕があり、
ブラウザで調べ物をしながら編集しても動作が重くなりにくいです。
Copilotを活用したい人向け:IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10(AMD)
- CPU:Ryzen AI 5 340
- メモリ:16GB
- ストレージ:512GBクラス SSD(※実機に合わせて調整)
- ディスプレイ:14型 フルHD+(1920×1200)グレアパネル
- 形式:2-in-1(タブレット形状に変形可能)
IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10(AMD)は、Copilotに対応した2-in-1タイプのIdeaPadです。
画面をくるっと回してタブレットスタイルにできるので、
- 手書きメモ
- PDFへの書き込み
- 会議中のノート取り
など、「普通のクラムシェルノートだとやりづらい作業」に強いモデルです。
Ryzen AI 5 340+メモリ16GB構成なので、
事務作業やブラウジングに加えて、CopilotまわりのAI機能をストレスなく使える性能を持っています。
このモデルの弱点(割り切りポイント)
- 2-in-1構造+しっかりしたヒンジの分、重量はそこまで軽くない
- 冷却と静音性のバランスを取っているため、最大性能はSlim 5やProシリーズほど攻めていない
長時間の作業では、スタンドや外付けキーボードと組み合わせて「簡易デスクトップ」っぽく使う前提で考えたほうが快適です。
こんな人におすすめ
- CopilotやAI機能をノートPCでしっかり使ってみたい
- PDFへの書き込みや手書きメモ、ペン入力を活用したい
- 持ち運びもするけれど、「タブレットとしても使える1台」を探している
逆に、「とにかく軽いほうがいい」「最高性能でガッツリ編集したい」という人には、
Slim 5(軽量クラムシェル)やProシリーズを優先したほうが満足度は高いです。
専門的にクリエイティブを行うなら:IdeaPad Pro 5 Gen 10(14型 AMD)
- CPU:Ryzen AI 7 350
- メモリ:32GB
- ストレージ:1TBクラス SSD(※実機に合わせて調整)
- ディスプレイ:14型 2.8K OLED(有機EL)
IdeaPad Pro 5 Gen 10(14型 AMD)は、
「趣味の範囲を超えて、仕事レベルでクリエイティブをやりたい人向け」の本命クラスです。
