15型以上のプレミアムノートPCは、事務作業からクリエイティブまで1台で幅広くこなせる万能型ノートPCとして人気があります。
一方で、2026年はPC価格の高騰もあり、以前よりも「どれを選ぶか」で失敗したくないと感じる方も多いはずです。
そこで今回は、高コスパなプレミアムノートPCとして注目されているYoga Pro 7i Gen 11と、デルの上位モデルであるXPS 16を比較します。
両者にはどんな違いがあるのか、スペックだけでなく実際の選び方まで含めて分かりやすく解説します。
結論:専門用途ならRTX搭載モデルが有力、Core Ultra X7 358Hは理想的だが価格はかなり高い
すでに両機種のレビューを終えており、市場の流れも踏まえて整理すると、Yoga Proシリーズは再びRTX搭載路線に回帰したと見てよさそうです。
これは、おそらくイラスト制作やデザイン用途を想定するユーザーから、専用GPUを求める声が多かったためだと思われます。
そのうえで、2026年モデルではマシン全体をできるだけ軽量にまとめる方向も意識されており、今のクリエイター向けノートPCには、高い処理性能と持ち運びやすさの両立が強く求められていることが分かります。
そう考えると、専門的なクリエイティブ用途ではRTX搭載のYoga Pro 7i Gen 11のほうが、やはり分かりやすくおすすめしやすいです。
一方で、XPS 16はビジネス作業におけるプロダクティビティを軸にしつつ、必要に応じてクリエイティブ用途にも対応できるモデルという立ち位置です。
薄型で洗練されたデザインに加え、バッテリー駆動時間も含めて、トータルで使いやすく仕上げられているのが魅力だと思います。
ただし、近年は新世代プロセッサを採用したプレミアムノートPCの価格が大きく上がっており、Core Ultra X7 358Hのような魅力的な上位プロセッサを搭載したモデルは、どうしても価格がかなり高くなりやすいです。
そのため、XPS 16に限らず、薄くてスタイリッシュで、しかも性能まで妥協したくない全部入りのノートPCを求めるなら、予算はかなり多めに見ておく必要があります。
スペックと価格の比較

まず価格を見ると、Yoga Pro 7i Gen 11 Aura Edition(15型Intel)は50万4,790円、XPS 16(2026)は41万5,500円となっており、今回比較している構成ではYoga Pro 7i Gen 11のほうが約8.9万円高いです。
一見するとXPS 16のほうがかなり安く見えますが、両者はグラフィックス構成が大きく異なります。
Yoga Pro 7i Gen 11は、Core Ultra 9 386Hに加えてGeForce RTX 5060 Laptop GPU(8GB GDDR7)を搭載しているのが大きな特徴です。さらに32GBメモリ、1TB SSD、15.3型 2560×1600 OLED、165Hz、84Whバッテリーという構成で、クリエイティブ用途までしっかり視野に入れた内容になっています。
一方のXPS 16は、Core Ultra X7 358HとIntel Arcグラフィックスを搭載し、32GBメモリ、1TB SSD、16型 2Kディスプレイという構成です。CPU自体はかなり魅力的ですが、専用GPUは搭載していないため、価格を抑えつつプレミアム感や薄型設計を重視した構成といえます。
本体サイズと持ち運びやすさを見ると、Yoga Pro 7i Gen 11は347×242×16.7mm、約1.65kg、XPS 16は352.58×237.47×14.62mm(3.2K OLED時)/15.40mm(2K LCD時)、約1.65kgです。
重量はほぼ同等ですが、XPS 16のほうがより薄型で、Yoga Pro 7i Gen 11のほうがややコンパクトな奥行きと実用性寄りの設計に見えます。
ポート構成もかなり違います。
Yoga Pro 7i Gen 11はHDMI、Thunderbolt 4×2、SDカードスロット、USB-A×2、オーディオジャックを搭載しており、変換アダプターなしでも使いやすい構成です。
対してXPS 16はThunderbolt 4×3とオーディオジャック中心で、かなりミニマルです。見た目は洗練されていますが、拡張性や実用性ではYoga Pro 7i Gen 11のほうが分かりやすく優位です。
つまり、今回の比較では
価格を抑えつつ薄型で上質な16型を選びたいならXPS 16、
価格が高くてもRTX 5060によるGPU性能やポートの豊富さを重視するならYoga Pro 7i Gen 11
という整理がしやすいです。
搭載しているCPUについて

基本設計はかなり近いが、386Hのほうがやや高クロック
Intel公式仕様を比較すると、Core Ultra 9 386HとCore Ultra X7 358Hは、CPUの基本設計そのものはかなり近いです。
どちらも16コア16スレッド構成で、内訳はP-core 4基、E-core 8基、低消費電力E-core 4基となっており、キャッシュ容量も18MB Intel Smart Cacheで共通しています。さらに、ベースパワー25W、最大ターボパワー80W、CPUプロセスはIntel 18Aと、土台の部分はほぼ同じです。
そのため、この2つのCPUはまったく別物というより、かなり近い設計の中でクロック設定に差をつけたモデルとして見るのが分かりやすいです。
実際に違いとして見えてくるのは、主に動作周波数です。
Core Ultra 9 386Hは、最大ブースト周波数4.9GHz、Turbo Boost Max 3.0も4.9GHz、P-core最大ターボ4.9GHzとなっており、Core Ultra X7 358Hの4.8GHzよりわずかに高く設定されています。
さらに、E-core側でも386Hのほうが少し有利です。
E-core最大ターボは386Hが3.7GHz、358Hが3.5GHz、低消費電力E-core最大ターボも386Hが3.5GHz、358Hが3.3GHzとなっており、細かく見ると386Hのほうが全体的に高めのクロックで動作します。
基本周波数も同様で、P-core基本周波数は386Hが2.1GHz、358Hが1.9GHz、E-core基本周波数は386Hが1.6GHz、358Hが1.5GHzです。
大きな差ではありませんが、CPUのスペックだけを見ると、386Hのほうが少し上位寄りの味付けになっていることが分かります。
ベンチマーク結果の比較
Cinebench R23

Cinebench R23で比較すると、Yoga Pro 7i Gen 11のほうがXPS 16よりも高いスコアを記録しました。
今回の実測値では、Yoga Pro 7i Gen 11はマルチコア20,198、シングルコア2,068、XPS 16はマルチコア17,806、シングルコア2,013となっています。
特に差が大きかったのはマルチコア性能です。
スコア差は2,392あり、CPUにしっかり負荷がかかる処理では、Yoga Pro 7i Gen 11のほうが一段高い性能を発揮できています。動画編集時の書き出しや重めのマルチタスク、CPUを長く使う処理では、この差が効いてきやすいでしょう。
一方で、シングルコア性能の差は55と比較的小さめです。
そのため、Web閲覧やOffice作業、軽めの画像編集など、日常的な操作における体感差はそこまで大きくないと思います。
つまり、普段使いレベルでは両機とも十分高速ですが、CPU性能をしっかり使う重めの用途ではYoga Pro 7i Gen 11のほうが有利です。
特に、クリエイティブ用途や高負荷な処理を重視するなら、Yoga Pro 7i Gen 11のほうが性能面での安心感があります。
3DMark Time Spyの比較ではYoga Pro 7i Gen 11が優勢

3DMark Time Spyのグラフィックススコアを比較すると、Yoga Pro 7i Gen 11は8,922、XPS 16は6,895という結果でした。
差は2,027ポイントで、GPU性能はYoga Pro 7i Gen 11のほうが明確に上です。
この差が出ている理由はシンプルで、Yoga Pro 7i Gen 11はGeForce RTX 5060 Laptop GPUを搭載しているからです。
一方のXPS 16はCore Ultra X7 358Hに内蔵されたIntel Arcグラフィックスを採用しており、内蔵GPUとしてはかなり健闘しているものの、やはり専用GPU搭載機には届きません。
ただし、XPS 16の結果が悪いというわけではありません。
Intel Arcは3DMark系のベンチマークだと実際の体感以上にスコアが出やすい傾向はあるものの、それでも6,895という数値は内蔵GPUとして見ればまずまず高めです。軽めのクリエイティブ作業や画像編集、負荷を抑えたGPU処理であれば十分実用的な水準といえます。
一方で、より重いGPU処理を考えると話は変わります。
動画編集時のエフェクト処理、3D系の描画、AI処理、ゲーム用途まで視野に入れるなら、RTX 5060を搭載したYoga Pro 7i Gen 11のほうが余裕はかなり大きいです。単純なベンチマークスコアだけでなく、実際の用途でもYoga Pro 7i Gen 11のほうが分かりやすく上位の立ち位置にあります。
つまり、XPS 16は内蔵GPUとしては健闘しているものの、本格的にGPU性能を使いたいならYoga Pro 7i Gen 11のほうが有利です。
特にクリエイティブ用途を重視するなら、この差は無視しにくいポイントだと思います。
動画のエンコード時間はYoga Pro 7i Gen 11がやや優勢

13分の動画をDaVinci Resolveで、YouTubeプリセットのH.264コーデックを使ってエンコードしたところ、Yoga Pro 7i Gen 11は168秒、XPS 16は205秒という結果でした。
差は37秒で、絶対的には大差とまではいわないものの、Yoga Pro 7i Gen 11のほうがやや高速です。
今回の比較は、どちらも十分実用的な速度で書き出しできている点がまずポイントです。
特にXPS 16も200秒台前半に収まっており、プレミアムノートPCとして見ればエンコード性能はしっかり確保できています。そのため、軽めから中程度の動画編集であれば、どちらも大きな不満なく使いやすいでしょう。
一方で、より短い時間で書き出しを終えられたのはYoga Pro 7i Gen 11です。
約18%ほど短い時間で処理できているため、動画を書き出す回数が増えるほど、この差は少しずつ効いてきます。日常的に動画編集を行う人や、書き出し時間を少しでも短縮したい人にとっては、Yoga Pro 7i Gen 11の優位性が見えやすい結果です。
つまり、DaVinci Resolveでの動画書き出しは両機とも近い結果ではあるものの、最終的にはYoga Pro 7i Gen 11のほうが一歩上といえます。
特に、CPU性能に加えてRTX 5060を搭載していることもあり、クリエイティブ用途ではYoga Pro 7i Gen 11のほうが安定して有利な立ち位置にあります。
Blenderの画像生成

BMWのシーンをBlenderでレンダリングした結果は、Yoga Pro 7i Gen 11が2分1秒、XPS 16が2分38秒でした。
Yoga Pro 7i Gen 11のほうが37秒短く、わずかに高速です。
ただ、差はあるものの極端ではなく、両機ともかなり近い結果でした。
そのため、3DレンダリングでもYoga Pro 7i Gen 11が一歩上ではあるものの、XPS 16も十分健闘しているといえます。
バッテリーの駆動時間

ビデオ再生のバッテリーテストでは、Yoga Pro 7i Gen 11が6時間21分、XPS 16が13時間37分という結果になり、XPS 16のほうが約2倍長く駆動しました。
今回の比較では、バッテリー持ちはXPS 16がかなり有利です。
この差が出た理由として大きいのは、やはり搭載しているグラフィックス構成の違いです。
Yoga Pro 7i Gen 11はRTX 5060 Laptop GPUを搭載しているため、低負荷時でもシステム全体の消費電力はどうしても高くなりやすいです。
一方のXPS 16は、Core Ultra X7 358Hと内蔵Intel Arcグラフィックス中心の構成で、専用GPUを持たないぶん、低負荷時はより低消費電力で動作しやすくなっています。
そのため、今回のような動画再生中心のテストでは、XPS 16のほうが大きく有利な結果になったと考えられます。
つまり、性能重視ならYoga Pro 7i Gen 11、バッテリー駆動時間重視ならXPS 16という傾向が、このテストでもかなりはっきり出ています。
特に外出先で長時間使うことを重視するなら、XPS 16のバッテリー持ちは大きな魅力です。
まとめより専門的にクリエイティブをするならRTX搭載機、バランスよく使いたいならCore Ultra X搭載機

今回の比較は、厳密には同じシリーズ同士ではなく、Yoga Pro 7i Gen 11とXPS 16という異なる立ち位置の製品を並べたものです。
ただ、実際にはLenovoもXPSシリーズのようなプレミアムノートPCをかなり意識して作ってきている印象があり、狙っているユーザー層や性能の落としどころには共通点もあります。
実際に比較してみると、ベンチマークではYoga Pro 7i Gen 11のほうがXPS 16よりもおおむね2割〜3割ほど有利な場面が見られました。
しかも、タイミングによってはセール価格でXPSシリーズより安く買える可能性もあり、性能重視で見るとYoga Pro 7i Gen 11はかなり魅力的です。
特に、RTX 5060を搭載していることの強みはやはり大きいです。
RTXシリーズは専門的なクリエイティブソフトやGPUを活かす処理で最適化されている場面が多く、実際の使用感でもRTX搭載機のほうが有利になるシーンはかなり多いと思います。
そのため、動画編集や3D処理、重めの画像処理などをより本格的に行いたいなら、Yoga Pro 7i Gen 11のようなRTX搭載機を選ぶ価値は高いです。
一方で、Core Ultra Xシリーズを搭載したXPS 16の魅力は、単純なベンチマークスコアだけでは測りきれません。
XPS 16は、プロダクティビティ、軽めのクリエイティブ作業、モバイル性、バッテリー駆動時間といった要素を高いレベルでまとめており、専用GPU搭載機にはない万能さが見えてきます。
つまり、選び方としてはかなりシンプルです。
専門的なクリエイティブ用途を重視するならRTX搭載機、
仕事や日常用途も含めてバランスよく使える万能型を求めるならCore Ultra X搭載機、
という形で考えると分かりやすいです。
