レノボのゲーミングブランドであるLegionシリーズは市場の最安値に付近に位置するリーズナブルな価格と、その価格に見合わぬハイパフォーマンスが売りです。
今回、メーカーより、Legion Y540 17をお借りしたので特徴と検証結果をまとめます。
Legion Y540(17)の特徴
動画で確認する
YouTubeでも解説していますので、ぜひご確認ください。チャンネル登録もお待ちしております。
エントリーモデルが安い!
Legion Y540(17)シリーズの一番下のモデルから”低価格で使えるゲーミングノートPC”に必要なグラフィックボードGTX1650を搭載しています。
GTX1650を搭載しているゲーミングノートPCであれば、画質次第ではすべてのゲームを快適にプレイ可能です。
Legion Y540(17)はGTX1650搭載のゲーミングノートPC群の中で最安値級の価格です。圧倒的に安い。
標準で144hzの高リフレッシュレートモニター搭載
僕が驚いたのは、その価格だけではありません。最安値級としながらもFPSやバトルロイヤル系のゲームで必須ともいえる、高リフレッシュレートモニターをシリーズすべてのモデルに標準搭載しています。
高性能かつ最安値級その上、ゲーミングモニターを追加で購入する必要がないため、非常にコストパフォーマンスが高いのです。
英字ーで本格ゲーミング仕様
英字キーを採用することで、筐体に対してスペースを有効活用し、ゲームのプレイに役立ちます。
しかし、一般的な使い方で文字を打つ際には慣れが要求されます。
ラインナップとおすすめ
製品番号 | おすすめ | CPU | GPU | メモリ | SSD | HDD |
---|---|---|---|---|---|---|
スタンダード | ◎ | Core i5 9300H | GTX1650 | 8GB | 256GB | – |
パフォーマンス | 〇 | Core i5 9300H | GTX1660Ti | 8GB | 256GB | – |
81T3001QJE | 〇 | Core i7 9750H | GTX1650 | 16GB | 256GB | 1TB |
81Q4002SJE | ◎ | Core i7 9750H | GTX1660Ti | 16GB | – | 1TB |
シリーズすべての製品が同ランクの他社モデルと比較してかなり安いため、低価格で高性能を求める人はLegionシリーズがおすすめです。
購入時はHDDの増設を
スタンダードモデルはGTX1650を搭載しているため、大人気ゲームフォートナイトでも中画質まで落とせば平均90fps以上のリフレッシュレートでゲームのプレイが可能。
下記記事では別製品で検証したGTX1650の性能をゲームタイトル別でまとめています。気になる方は参考にしてください。
とはいえ、ベースモデルでは保存容量が少なく256GBしかありません。
HDDの増設は+10800円です。割高な印象を受けるかもしれませんが、増設したとしても他社モデルよりも、なお安いので保証の面も考え、最初から1TBあるいは2TB増設するほうが良いでしょう。
なお、今回はGTX1660TiとCore i7 9750Hを搭載した最上位モデル『81Q4002SJE』の検証結果をお伝えいたします。
Legion Y540(17)
公式サイトで確認81Q4002SJEのスペック
Legion Y540(17)81Q4002SJE | |
---|---|
モニター | 17.3型フルHD IPS 144hz |
CPU | Core i7 9750H |
GPU | GTX 1660Ti |
メモリ | 16GB |
SSD | 1TB |
OS | Windows 10 home(初期英語版) |
サイズ | 399.8×290×25mm |
重量 | 2.84kg |
注意点として、グローバルモデルの『81T3001QJE』『81Q4002SJE』は英語版がプリインストールされているため、日本語で使う場合は、下記を参考に変更する必要があります。
- Legion 日本語化マニュアル-レノボ公式
ゲームの快適性
実際にゲームをプレイし『msi afterbuner』から抽出したログデータをまとめます。
フォートナイト
フォートナイトの平均フレームレート(FHD) | |
---|---|
エピック(最高画質) | |
高画質 | |
中画質 |
人気ゲームタイトル『Fortnite』は最高画質で100fps以上で描画可能。
高画質で安定し、中画質になるとモニターパフォーマンスを活かしきる144fps付近まで平均数値が上がります。
バトルロイヤル系のフォートナイトでは、画質<フレームレートなので、高画質でプレイするのが安定しつつ優位性のあるプレイができる設定となります。
実際にプレイしてみると画質設定の差を感じなかったため、とりあえず最高画質でも大丈夫だと思います。不満があれば下げるなど対策を取ればとても快適に遊べます。
PUBG
PUBGでも同様にウルトラを選択しても100fps以上で駆動します。
PUBGでは、フォートナイトよりもフレームレートの変動幅が大きいため、安定的にプレイするならば中画質でプレイするとよいでしょう。
ゲームのプレイはおおむね快適にプレイが可能
このほか格闘ゲームやモンスターハンターワールドもプレイしてみましたが、安定してプレイが可能でした。
ゲーミングノートPCは高性能なGPUを搭載していたとしても冷却性能が低いと性能が出しきれないなど、払った費用に対して効果を得られない場合もあるのですが、Legion Y540(17)は大丈夫です。
クリエイティブ性能を確認
Adobe Premiere Proで動画の書き出し
過去、実際に僕がYouTubeにアップロードしたこのとある、アニメーションありのフルHD画質、テロップ、アニメーションありの動画の元データを使い書き出しを実行しました。
書き出し条件は下記の通り
- H264
- YouTube 1080P
- 動画の尺を5分に設定し書き出し
Legion Y540(17)の動画の書き出し時間 | ||
---|---|---|
ソフトウェア | 5分47秒 | |
CUDA | 4分27秒 |
CPU性能が高いこともあり、動画の書き出しはデスクトップ級のスピードです。
動画編集を行いたいという人にもおすすめできるレベル。
クリエイティブな作業にも対応できる
最近ではゲームをプレイした内容を収録し、編集した内容をYouTubeなどにアップロードして楽しむ人が増えています。
Legion Y540(17)の性能があれば、動画編集も苦も無くこなせるレベルですので、配信にチャレンジしたい人にもおすすめできます。
ベンチマーク結果
Cinebench R20
Cinebench R20の総合スコア | |
---|---|
Legion Y540(17) | |
m-Book W890 |
同じCPUを搭載したマウスコンピューターのm-Book W890よりもスコアが伸びました。
ゲーミングノートPCに搭載されるCore i7 9750HやCore i5 9300Hは排熱によって性能が左右されるCPUであるため、Legionはしっかりと熱を逃がせているのだと思います。
FF15
FF15FHD標準品質 | |
---|---|
Legion Y540(17) | |
G-Tune i5565 |
ファイナルファンタジー15のベンチマークスコアの結果です。
FF15のスコアはG-Tuneのほうがスコアが伸びています。
上記ベンチマークを3時間駆動させ続けた際のCPUクロックとCPU温度です。
パフォーマンスの大幅な低下はみられませんでしたが、CPU温度は最高で94℃に達しました。長時間ゲームをプレイされる方は、ノートPC用クーラーの設置を検討したほうがよいかもしれません。
Crystal Disk Mark
搭載されているSSDは『SAMSUNG』のPM981でした。シーケンシャルリードが3400Mb/Sで理論値の限界付近まで出ています。
ゲームの保存用では1TBでは足りないかもしれませんので、別途増設することをお勧めします。
外観・デザイン
Legionは価格の安さだけでなく、ボディ本体デザインも凝ったつくり。
鏡面仕上げのブランドロゴはアクセントとなるよう光ります。
個人的に、メーカーロゴが前面に出ているものはあまり好きではないのですが、Legionは世界観を踏襲し非常にかっこいいデザインだと思います。
また、本体とモニターをつなぐヒンジ部にもロゴが印字されています。
Lenovoのメーカーロゴはキーボード部の右下にひっそりとマークされており、デザイン性を損なわないよう配慮されています。
天板部には、細かな凹凸があり、ザラザラとした手触り。汚れが目立たず、ふき取りやすいのでメンテナンス性もよいです。
底面部は厚いゴム足が設置されており、冷却効果をあげています。
シンメトリカルデザインで底面部もこだわったつくりだと思います。
重量
重量は実測値で2.784kgです。
宅内の移動は簡単に行えます。
キーボード
Legionシリーズは英字キーボードを採用することにより、『スペースキー』や『シフトキー』が横長に取られています。
テンキーが特殊です。
これは、FPS系で『←』『↑』『→』『↓』を使いやすくするためでしょうが、事務作業では数字が打ちづらくなるため慣れが必要です。
キーストロークは実測値で1.9mm。測定誤差があると考えても1.8mm以上で非常に打ちやすいです。
キーピッチは約19mmほどでフルサイズスケール。
ゲームのプレイにも対応できるキーボードだと思います。
タッチパッドは一般的なノートPCとあまり違いがないためゲーミングマウスを別途用意するとよいでしょう。
モニター
ナローベゼルデザインを採用しています。
ナローベゼルデザインは、狭額縁のモニターのことでサイズをワンスケールダウンさせます。
17.3型ですが、従来の15.6インチ程度の大きさにしてくれます。
IPSパネルなので、色ズレは起きづらいです。
色域・パネル
カラーマネジメントツールによる測定したガンマカーブです。極度な調整はなく自然な発色だと思います。
Legion Y540(17)の色域 | |
---|---|
sRGB比 | 101.2% |
sRGBカバー率 | 96.8% |
パネル製造メーカーはBenQ子会社AUO社のパネルが使われていました。ノートPCとしては高色域で再現性が高く、ウェブコンテンツの制作に適した液晶モニターです。
ゲームだけでなく、動画編集や写真編集にもおすすめできます。
インターフェース
左側面
- USB 3.0
- オーディオジャック
右側面
- USB 3.0
奥側面
- ケンジントンロック
- USB 3.0 Type-C
- Mini display
- USB 3.0
- HDMI
- LAN端子
- 電源
ゲームのプレイ中邪魔になりそうな、ポート類を奥に設置しつつ、左右にUSBポートがひとつずつというゲーマーにありがたい設計。
動作時の音・熱
本体から30cmほど離したところに騒音計を置いたところ47.6dbでした。
ゲーミングノートPCとしては”同クラスのモデルよりも少し静か”といった程度。
耳障りな感じはありません。
表面温度
ゲームのプレイで最も使うであろうWASD付近は40℃以下で問題ありませんが中心部は45℃程度まで上昇しました。
低温やけどに注意しましょう
底面の中心部は55℃でした。
デュアルファン付近の温度は非常に低温であることがわかります。
Legion Y540(17)の評価とまとめ
Legion Y540(17)の評価 | |
---|---|
価格 | 超安い |
性能 | 他社の同スペックのモデルと同じくらい |
携帯性 | 17.3型なので厳しい |
液晶 | ウェブコンテンツ制作、動画編集に適したモニター+144hz対応で最高 |
デザイン | かっこいい |
2019年最高クラスのコストパフォーマンスを誇るゲーミングノートPC
市場価格の最安値クラスの価格と、それに見合わぬ高い性能を持ったゲーミングノートPCだと思います。
注意点として
- プリインストールOSが英語(日本語にすることは可能だし動作に問題はない)
- 英字キーボード(ゲームのプレイには支障がないが普段のタイピングに慣れが必要)
価格は安いけれど、パソコンに不慣れな初心者の人だと戸惑ってしまう可能性は否めませんが、安くて高性能なゲーミングノートPCが欲しいなら超おすすめです。
なお、価格や仕様は記事執筆時のもので変更となる恐れがあります。必ず公式ページで確認をお願いします。
関連記事