薄型のボディ本体にハイパワーを詰め込んだハイスペックゲーミングノートPC群の中で最もリーズナブルなのが、レノボが発売する LEGION Y740(15)です。
標準でRTX20xxシリーズのGPUと144hzの高リフレッシュレートモニターを搭載しつつ最安値価格は18万円台からと重量級のゲームタイトルのプレイや配信を楽しみたい方におすすめできます。
今回、Legion Y740(15)をメーカーからお借りしたので検証結果をお伝えいたします。
Legion Y740(15)の特徴
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7分程度でこのノートPCの概要を解説しました。チャンネル登録もお待ちしております。
RTX2080 with Max-Qまで選択可能で最安値は18万円台
記事執筆時において、レノボ公式直販のクーポンを利用した際の最安値金額は18万円台半ばといったところ。
RTX2060搭載モデルであれば、ほぼすべてのゲームが快適クラスでプレイが可能です。
また、標準でノート用上位CPU Core i7 9750Hを搭載しているため、動画編集や画像編集などクリエイティブな作業に対応できる性能を備えています。
競合との比較 | ||
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メーカー | レノボ | デル |
型番 | Legion Y740(15)スタンダード | NEW ALIENWARE M15 プレミアム |
モニター | 15.6型IPS FHD 144hz | 15.6型IPS FHD 144hz |
CPU | Core i7 9750H | Core i7 9750H |
GPU | RTX2060 | RTX2060 |
メモリ | 8GB | 16GB |
SSD | 256GB | 256GB |
価格 | 204,055円 | 247,245円 |
記事執筆時の直販サイトクーポン適用時の価格です。デルのALIENWARE M15プレミアムよりも43,000円ほど安い。
LEGION Y740(15)スタンダードモデルのベースメモリは8GBなので16GBへアップグレードしたほうが良いのですが、この価格差ならメモリを32GBにしても同程度の価格で購入が可能です。
Legion Y740シリーズは、レノボのゲーミングノートPCブランドでも最上位に位置するということもあり、ノート用GPUの最上位RTX2080 with Max-Qも選択可能です。
144hz駆動の高リフレッシュレートモニター搭載
Legion Y740(15)に限らず、LEGIONシリーズは、FPS系のゲームに必須といわれる144hzの高リフレッシュレートの液晶モニターを採用しています。
これにより、専用のゲーミングモニターを購入する必要がなく、PC本体とマウスを購入するだけですぐにゲームのプレイが可能。
ラインナップとおすすめ
製品番号 | おすすめ | CPU | GPU | メモリ | SSD | HDD |
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スタンダード | Core i7 9750H | RTX2060 | 8GB | 256GB | – | |
ブラック製品番号: 81UH0031JE | 〇 | Core i7 9750H | RTX2070 Max-Q | 16GB | 512GB | 1TB |
パフォーマンス | ◎ | Core i7 9750H | RTX 2080 Max-Q | 16GB | 256GB | |
ブラック81UH0032JE | 〇 | Core i7 9750H | RTX 2080 Max-Q | 32GB | 1TB | 1TB |
シリーズすべての製品が同ランクの他社モデルと比較してかなり安いため、低価格で高性能を求める人はLegionシリーズがおすすめです。
注意点として、『ブラック』とついているものはカスタマイズ購入が不可です。

Legion Y540(17)
公式サイトで確認Legion Y740(15)スタンダードブラックモデル(81UH0031JE)のスペック
検証機のスペックは下記のとおりです。
Legion Y740(15)81UH0031JE | |
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モニター | 15.6型フルHD IPS 144hz |
CPU | Core i7 9750H |
GPU | RTX 2070 Max-Q |
メモリ | 16GB |
SSD | 256GB |
HDD | 1TB |
OS | Windows 10 home(初期英語版) |
サイズ | 361×265×19.95mm |
重量 | 2.2kg |
注意点として、グローバルモデルの『81UH0031JE』『81UH0032JE』は英語版がプリインストールされているため、日本語で使う場合は、下記を参考に変更する必要があります。
- Legion 日本語化マニュアル-レノボ公式
ゲーミング性能
実際にゲームをプレイし『msi afterbuner』から抽出したログデータをまとめます。
フォートナイト
![]() | |
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エピック(最高画質) | |
高画質 | |
中画質 |
人気ゲームタイトル『Fortnite』は高画質で平均140fps以上で描画可能。
最高画質こそ、GTX1660Tiとそこまで差がでないものの、高画質と中画質の伸びが著しい。
144hzの高リフレッシュレートモニターを高画質から活かせる性能があります。
PUBG
PUBGでも同様にウルトラを選択しても100fps以上で駆動します。
フォートナイトよりも比較的重たいとされるPUBGでも高画質で148fps程度で描画できました。
中画質の性能が底上げされている
フォートナイトの中画質の平均フレームレート | |
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Y740(15)(RTX2070 Max-Q) | |
Y540(17)(GTX1660Ti) |
フォートナイトやPUBGなどのバトルロイヤル系のゲームにおいて、中画質及び高画質の平均フレームレートが安定して高いのはストリーマーにとって非常に良いことです。
リアルタイム動画配信をすると、本来のフレームレートから20%程度低下します。動画の配信者のサブPCとしてはRTX2070 Max-Q以上を搭載するモデルが良いでしょう。
コスパを重視するのであれば、GTX1660Ti搭載のLegion Y540 17がおすすめです。
クリエイティブ性能を確認
Adobe Premiere Proで動画の書き出し
過去、実際に僕がYouTubeにアップロードしたこのとある、アニメーションありのフルHD画質、テロップ、アニメーションありの動画の元データを使い書き出しを実行しました。
書き出し条件は下記の通り
- H264
- YouTube 1080P
- 動画の尺を5分に設定し書き出し
Legion Y740(15)の動画の書き出し時間 | ||
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ソフトウェア | 5分55秒 | |
CUDA | 4分35秒 |
同じCPUを搭載しているモデルと比較 | |
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GS65Stealth | 5分17秒 |
Legion Y540(17) | 5分47秒 |
CPUをメインで使った処理に関しては、15インチということが起因しているのか、他のPCよりもレンダリングスピードが落ちています。
ベンチマーク結果
Cinebench R20
![]() | |
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Legion Y740(15) | |
Legion Y540(17) | |
m-Book W890 |
すべて同じCPUを搭載したモデルですが、スコアに差がでています。動画の書き出しだけでなく、ベンチマークテストの結果でも”筐体の差”が表れています。
体感的な性能はほぼ変わらないと思われますが、実行性能を大切にする方は持ち運ばないのであれば17.3型のモデルの購入をお勧めします。
FF15
FF15FHD標準品質 | |
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Legion Y740(15) | |
Legion Y540(17) | |
G-Tune i5565 |
3時間ゲームをプレイした際の挙動
上記ベンチマークを3時間駆動させ続けた際のCPUクロックとCPU温度です。
パフォーマンスの大幅な低下はみられませんでしたが、CPU温度は最高で98℃に達しました。
Legion Y740シリーズは、『Lenovo Vantage』というシステムマネージャーを搭載しています。上記は『平衝型』で計測した結果で、ファンの回転数が若干セーブされています。
『性能』を選択すればいくばくかのパフォーマンスアップが見込めるかもしれません。
Crystal Disk Mark
ソフトウェア上で確認できたSSDの中身はSandisk製の高品質SSD『Western Digital PC SN720 NVMe SSD』でした。
シーケンシャルリードは非常に高速でデータの移動や読み出しが素早く行えます。
搭載されているHDDは『Seagate Barracuda Pro』でした。
一般的なHDDより読み出しは高速ですが、SSDと比べると速度は遅いためデータの保存用として利用するのが良いでしょう。
外観・デザイン
Y740シリーズはロゴが七色に光るイカしたデザインです。
天板、底面はアルミ素材が使われており、ヒートシンクの役割を担っており触るとひんやりしています。
ファン及び、奥面のポート類は樹脂素材でできています。
重量
実測値は2.26kgです。ゲーミングノートPCとしては普通です。
持ち運びを考えられるギリギリのサイズだと思います。
キーボード
英字キーを採用しているため、『スペースキー』『シフトキー』が長めに取られています。
エンターキーがJIS配列と比較すると小さいため、一般的な使い方をするには慣れが必要だと思います。
また、キーボードの左側には、配信用ボタンや『Lenovo Vantage』にアクセスすためのキーが割り振られています。
『M1』『M2』はマクロキーを設定できます。MMORPGやバトルロイヤル系のゲームを優位に進められます。
ただし、配置としては一般的なノートPCよりも全体的に配置が右側となっているため、慣れを要すると思われます。
キーストロークは1.7mmです。軽いタッチでキータイプが可能で、パチパチと打鍵可能です。
ゲーミング用キーボードとして、ゲームで有利に進められる機能は豊富なのですが、使いこなすにはそれなりに経験が必要。
初心者の人がこれを使いこなすのは難しいと思います。
液晶モニター
ノングレアタイプかつIPSパネルなので、映り込みが少ないです。
また色の変化、色つぶれがなく、綺麗な液晶モニターだと思います。
ナローベゼルデザインを採用しており、液晶のベゼル幅が非常に狭く、没入感が高まります。
色域・パネル
Legion Y740(15)の色域 | |
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sRGB比 | 103.0% |
sRGBカバー率 | 93.3% |
パネルはBOEという中国メーカーのパネルを採用していました。
色域はsRGBカバー率93.3%で専門的な作業で使うにはやや足りませんが、一般的なノートPCよりも色域が広いため、YouTube用の動画編集では必要にして十分でしょう。
インターフェース
左側面
- オーディオジャック
- USB 3.1 Type-C(Thunderbolt 3)
右側面
- USB 3.0(Powered USB)
奥側面
- Mini display
- HDMI
- USB 3.0
- LAN端子
- USB 3.1
- 電源ジャック
- ケンジントンロック
豊富な映像出力ポートとthunderbolt 3があり、マルチディスプレイ環境を容易に構築できます。
動作時の熱・温度について
ファイナルファンタジー15を動作させて50cmほど離れたところに騒音計を置いたところ48.8dbでした。
一般的な15.6型ゲーミングノートPCとしては静かなほうです。
前述したファンの回転数を制御するシステムマネージャー『Lenovo Vantage』にて『性能』『平衝』『静音』のうち、『平衝』時の温度です。
表面温度
ゲーム時の表面温度はやや高めです。
良く触れるであろう、WASDキーは40.3℃、中心部は41.2℃でした。
パソコン本体がアルミ素材を採用していることもあり熱が伝わりやすくなっています。
キーそのものは使えるレベルだと思いますが、長時間での利用はあまりおすすめできません。
Legion Y740(15)の評価とまとめ
Legion Y740(15)の評価 | |
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価格 | 他社よりも安い |
性能 | 他社の同スペックのモデルよりやや劣る |
携帯性 | 普通 |
液晶 | ウェブコンテンツ制作、動画編集に適したモニター+144hz対応 |
デザイン | かっこいい |
マクロキーの設定やシステムマネージャーなどユーザビリティは高いのですが、ポテンシャルを活かしためにある程度の知識が要求されますので、初心者向けとはいいがたいです。
上級者、配信者向けゲーミングノートPC
メインマシンでハイエンドのゲーミングデスクトップPCを利用している人のセカンドPCや、リアルタイム配信をしながらゲームのプレイをするなど、ゲーム+αの使い方をする人に適しています。
パフォーマンスに関しては、15.6型の筐体ということもあって性能を出し切れていない部分もありますが、セカンドPCとして性能は割り切ってもよいのではないでしょうか。
また、価格も他社モデルよりは安いため、「損をした」と感じることもないでしょう。
個人的には17.3型のY740(17)のほうがおすすめできます。

Legion Y740(15)
公式サイトで確認価格や仕様は記事執筆時のもので変更となる恐れがあるため必ず公式ページで確認をお願いします。