Yoga Slim 7x Gen 9 を購入したのでレビューします。
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Yoga Slim 7x Gen 9 のスペック
Yoga Sllim 7x Gen 9のスペック | |
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モニター | 14.5型(2944×1840ドット)16:10 |
CPU | Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
GPU | Adreno |
メモリ | 32GB(LPDDR5X) |
SSD | 1TB(NVMe) |
サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約325mm×奥行き約225mm×高さ約12.9mm |
無線通信規格 | WIFI7(802.11ax)、Bluetooth 5.3 |
バッテリー | 70Whr |
充電タイプ | 65W ACアダプター |
重量 | 約1.28kg |
保証 | 1年間のメーカー保証 |
仕様、詳細はYoga Slim 7x 製品ページで確認できます。
特徴
Yoga Slim 7x Gen 9は、Yogaシリーズ初のSnapdragon Xシリーズを搭載したノートPCです。
Snapdragonシリーズはスマートフォンにも広く採用されており、バッテリーの長寿命やマルチコア性能に定評があります。
このYoga Slim 7x Gen 9は14.5型の比較的大きな筐体ながら、わずか1.28kgという軽量設計を実現しており、持ち運びや家庭での使用に非常に適しています。
Snapdragon X Elite搭載で15時間越えのバッテリー持続時間
本モデルでは、急ぎのためバッテリーが満充電になる前に計測を行いました。
HD動画のループ再生では約15時間16分の駆動時間を記録しました。満充電であれば、メーカー公称値の19時間の駆動が可能と考えられます。
Core Ultra搭載機などと比較すると、バッテリー持続時間はトップクラスです。前述の通り、バッテリー残量94%から計測しているため、100%の状態であれば1位を獲得するポテンシャルがあると考えられます。
マルチコア性能がトップクラス
CPUの性能のみで画像をレンダリングするベンチマークテストでは、マルチコア性能が955ポイント、シングルコア性能が108ポイントでした。
この結果は、Core Ultra搭載の16型モデルを上回るパフォーマンスで、非常に高いマルチコア性能を示しています。一方、シングルコア性能についてはCore Ultra搭載機と同等クラスです。
ラインアップ解説
ストレージとメモリスペックが異なる2つのモデルが購入可能です。
価格差を考えると、メモリ32GBモデルがお得に思えますが、実際のアプリケーションでSnapdragon本来のパフォーマンスを発揮するのは難しいため、性能差を感じづらくなっています。
Yoga Slim 7xGen 9
公式サイトでみるデザイン
ボディ全体は金属素材で作られており、カラーはコズミックブルーです。落ち着いた印象を与えつつ、所有欲を満たす高級感のある仕上がりとなっています。
また、このPCは米国軍事調達基準のMIL-STD-810Hに準拠しています。
この機種が優れている点はその薄さです。
幅約325mm×奥行き約225mm×高さ約12.9mmで、一般的な14型のノートPCよりもさらに薄く、14.5型という大きさを感じさせません。
底面側も金属素材でできています。
トルクスネジでとめられているので、はずすと裏蓋を外すことができます。
重量は実測値で約1.29kgです。14.5型クラスのノートPCとしては最軽量クラスです。
ACアダプターは65Wタイプのものが付属します。
PC本体と合わせて合計約1.6kgなので、持ち運びも十分に可能です。ACアダプターについては、社外製のものを利用するとさらに携帯性が向上すると思います。
モニター
モニターサイズは14型で、有機ELパネルを搭載しています。
解像度は3K(2944×1840ドット)です。
光の映り込みがあるグレアタイプなので、気になる方は反射防止フィルムの購入を検討すると良いでしょう。
色域
ソフトウェアが非対応のため未計測です。
キーボード
キーボードはUS配列を日本語化したものです。
ストロークは深めで、しっかりと打ち込むことができます。
タッチパッドはYogaシリーズ特有の「カコカコ」と音がする、物理的に動作するタイプです。
インターフェース
左側
- USB 4
- USB 4
右側
- カメラキルスイッチ
- 電源ボタン
- USB 4
Yoga Slim 7x Gen 9はUSB 4を3つ搭載しているため周辺機器の接続では困らないと思います。
性能
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスを測定するベンチマークソフトです。点数が高ければ高いほど高性能とされています。
マルチコア性能は8391ptsシングルコアは1121ptsです。エミュレーション動作の場合、パフォーマンスが低下します。
インテルのプロセッサでいえば、省電力のCore Ultra Uプロセッサと同等です。シングルコア性能はインテル第11世代相当です。
AMDプロセッサでいえばRyzen 5000番台クラスまでパフォーマンスが制限されます。
ゲーム性能
重量級のゲームタイトルサイバーパンク2077のベンチマーク機能を使った評価です。HD画質まで解像度を落とし、ゲームメーカー推奨の「高画質」設定で計測します。
平均27fpsほどで描画をしていました。
Ryzen 7 8840Uよりも不利な結果で、GPUの最適化かが課題だと思います。
動画の書出し
プロ用動画編集ソフト「Davinci Resolve Studio(有償版)」を使って10分動画のエンコードを行いました。
結果としては1060秒で最新ノートPCと比較すると最も遅かったです。
動画書き出しが遅い原因は、ハードウェアアクセラレーションに非対応であることが考えられます。
ネイティブ動作アプリの拡充とソフトウェアの最適化が課題です。
PCの温度とファンの動作音
Cinebench R23 を10分間動作させた際のCPUの動作周波数を確認します。
Snapdragon X Eliteは10コアCPUです。Cinebench R23中=CPU使用率が高い状態でほぼすべてのコアが3.4GHzに張り付いていました。
高い性能を維持できるため、長時間高い負荷をかけてもパフォーマンスは一定になると思われます。
表面の温度
42℃ほどでした。高負荷な作業を連続して行う場合は注意が必要です。
ファンの回転音の大きさ
ゲームモード
ファンの動作音は43.db程度でした。ファンの回転音は聞こえますが、耳障りな感じはしません。
インテルやAMDのCPUを搭載しているノートPCと同等のファンノイズの大きさです。
まとめ 使用用途が明確でARM対応ソフトのみ利用するなら最高かも
Yoga Slim 7x Gen 9は、バッテリーの持続時間や薄型軽量である点が高く評価されます。これはARM版だからこそ実現できるスペックでしょう。
Microsoft Officeを使った事務作業やウェブ閲覧、YouTubeや動画コンテンツの学習用途に限定するのであれば非常におすすめです。
ただし、それ以外の作業においては、本来のパフォーマンスを発揮できるソフトが少なく、ARM版に対応していないと動作しないソフトが多いのも事実です。
また、Cinebenchの結果から見ると、スコアが概ね20~30%ほど低下しており、2~3年前のノートPCの性能を想定する必要があります。このように、ベンチマークの性能を実際の使用状況に合わせて考慮することが重要です。
特に残念なのは、メジャーなクリエイティブソフトウェアの対応状況です。利用できたとしても、2024年6月時点ではSnapdragonのポテンシャルを十分に活かしきれていません。
また、ゲームにおいてもメジャータイトルではインテルやAMDの省電力プロセッサと同等クラスなので、過度な期待は禁物です。
特に大きなデメリットは下記
- ソフトウェアの互換性でソフトウェアがちゃんと動作するか不明な点
- エミュレーションによるパフォーマンス低下でインテル第11世代なみの体感性能
Yoga Slim 7xGen 9
公式サイトでみるレノボの評判を確認する(YouTube版)