最近、ROG ALLYを連呼しているので、そろそろうざったくなってきた人もいるかと思う。
今回の記事は、筆者が「ROG ALLY」を連呼する理由とPC市場の成長分野の変化について紹介していこうと思う。
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結局 ROG ALLYってなんなん?
最近になってハンドヘルドコンソールという言葉を聞いたのだが、これは任天堂スイッチがバカ売れしたからに違いない。
結局のところROG ALLYは「UMPC」に分類される。
UMPCはウルトラモバイルPCの略称で、マイクロソフトやインテルが定義した”タブレットPCの規格”
ここでUMPCの定義について細かく説明するつもりはないけれど、最近、一部界隈で話題になっている「ゲームができる小型PC」はUMPCの派生商品と考えることができる。
というかUMPCそのものなんだけれど、「ポータブルゲーミングPC(ハンドヘルドコンソール)」と定義したほうが、マーケティングの都合上、具合がいいのだろう。
そしてこの記事を執筆している間に、2018年の東京ゲームショウでGPDのPCについて記事を執筆していたことを思い出したので貼っておく。
ちなみに、Amazonでは上記GPDやOne NetbookがUMPCとして分類されており、GPD WIN 4は「ポータブルゲーミングPC」として販売されている。
これまで流行しなかった理由とここにきて流行しそうな理由
これまでUMPCが流行しなかった理由は「性能が低い」「使いづらい」のに「価格が高い」というのが理由だろう。
日本市場でノートPCの売れ筋は13.3型~15.6型が主流。
近年では14型や16型などが売れ始めているものの、モニターを見ながらキーボードを使って作業するのであれば、10型未満のモニターを採用しているUMPCは低スペックでユーザービリティも低い。
そのため、持ち運びしやすいだけの”オジサンのオモチャ”としてだけ成立していた。(ちなみに筆者はオモチャとしてならアリっていう表現が嫌い、結局使わねーじゃんか)
近年、テクノロジーの進化とゲーム市場の成長に伴ってビジネスチャンスが生まれている他、モニターにコントローラーが付属したものを一般人がゲーム機としてポジティブに認識できるようになったからである。
ハンドヘルドコンソール市場は間違いなく任天堂の功績、任天堂万歳。
任天堂スイッチの強さ
任天堂の株主・投資家向け情報から任天堂スイッチの累計販売台数を知ることができる。グローバルで年間2000万台ほどを売り上げており、2023年3月現在のデータで累計1億2000万台を突破。
一方、国内でも年間300万台を下回ることなく販売を続け、2500万台以上を売り上げている。
ちなみに、2022年に総務省が発表した国勢調査の結果、国内の世帯数は5583万世代なので2世帯に1台は任天堂スイッチをもっているということになるし。僕ももっている。
自分の家に任天堂Switchがあることを思い出した男 pic.twitter.com/ckqnNjnmUb
— ウチヤマチカラ/うっしーならいふ (@usshi_na_life) May 14, 2023
これこそが、ハンドヘルドコンソール市場が脚光を浴びる市場となった理由で、任天堂は「任天堂スイッチのような形をしているもの」を、「持ってるだけでいつでも楽しめるゲーム機」とユーザーに認知させることに成功した。
「いつでもどこでも楽しめるゲーム機」というとざっくりしているが、家で遊んでもよし、コントローラーを本体につなげて持ち運びしてもよし、といった形だ。
AMDのCPUが低消費電力でハイパフォーマンスになったから
話をASUS ROG ALLYに戻そう。
ASUS ROG ALLYに搭載予定のチップはAMDのCPU(APU)「AMD Ryzen Z1 Extreme」と「AMD Ryzen Z1」
このチップのTDP(熱設計電力)は9W-30Wで、9W時はノートPCに搭載されるCPUの中でも小さく、どちらかといえばこれまでのUMPCに搭載されてきたCPUに近い
ちなみに、マイクロソフトが販売するタブレットPC「Surface Go 3」に搭載されているCore i3 10100YのTDPが5W。
最新のインテル Core i9 1315Uプロセッサのベースパワーが15Wということを考えると驚異的な低消費電力であることがわかる。
熱設計電力=消費電力にはならないので細かいバッテリーの動作時間はテストするしかないのだけれど、ROG ALLYに搭載されるリークされているバッテリー容量から考えて駆動時間は、ザックリSurface Go 3と同じくらいではないかと思われる。
ASUSが開催した発表会では、「Ryzen Z1 Extreme」を搭載したROG ALLYでゲームをプレイするとAAA級タイトルで平均50-60fpsで描画できるという資料が公開されていた。
もちろんこれ以外のゲームタイトルであればもっと高い数値でゲームをプレイできると予想できる。
このスライドはコンピューターの処理速度を表す単位の一つで一番左がおそらく任天堂スイッチで一番右がおそらくPS5。
ROG ALLYは、低消費電力で高いパフォーマンスを発揮できるようになったため、2023年には非常に有力なPCとなると考えられる。
ASUSのROG ALLYを注目している理由
今まで見てきたように、ハンドヘルドコンソール機として、ROG ALLYを注目しているはわかってもらえたように感じるので、ここからはASUSの製品を推す理由を紹介したい。
UMPC市場は前述のように中華メーカーがけん引してきたこともあって、知名度で言えばGPDやOne-Netbookのほうが上ではあるもののこれまでASUSが培ってきたテクノロジーに注目していきたい。
Windows 11搭載
ROG ALLYはWindows 11を搭載している”PC”なので、サブPCの代わりになる。
前述のとおり、グラフィックス性能もさることながら、単純な演算能力も高く、今のモバイルノートPCのトップクラスの性能を発揮するため、持ち運び用のノートPCとしても使えるということ。
モニター、マウス、キーボードは別途必要になるが、最新のCPUを搭載したPCとして利用できるため、当然仕事にもつかえる。
Widows 11はメモリの占有が増えたため、32GB以上を選択できないのが欠点だと感じたが、それも含めてサブPCとしてありなのだ。
これはASUSじゃなくても搭載しているのでスルーしてもいいけど。
発熱問題をクリアしている
こればかりは検証してみないと本当にクリアしているかは不明ではあるものの、ASUSはROG Flow Z13やROG Flow X13を販売してきた。
どちらも薄型で空間を使えない中でCPUやGPUのパフォーマンスを損なわない冷却性能が求めらえる製品だ。
ASUSはこの2つの製品だけでなくハイエンドノートPCでも薄型ハイパフォーマンスこだわったZephyrusシリーズがあり、市場に多数の製品を投入している。
それら製品もかなり高いレベルでコントロールできているため、携帯ゲーム機として販売されるROG ALLYにも期待が持てるのだ。
ROG ALLYはデュアルファンと独自の空力テクノロジー(詳細はASUSUで確認してください)で他社モデルよりもファンノイズと高い冷却性能を実現。
根本的にハードウェアの差をこの資料で表しており、おそらく比較機はValveが昨年発売した「Steam Deck」
筆者のYouTubeを視聴している奇特なおじさま方には釈迦に説法だと思うが、冷却性能の高さ=パフォーマンスの高さに直結する。
もちろんファンノイズが小さければゲーム体験がより向上するので、性能においてもゲーム体験においてもASUSのテクノロジーを信じたほうが僕たちは幸せになれるのだと思う。
また、eGPU(外付けGPU)もこの時のために作ってきたのかといわんばかりの汎用性の高さで、これさえつなげてしまえばどんなゲーム快適に遊べることができ、かつ、ASUSはスポットでこのeGPUを開発してきたわけではないので、メインPCをROG Flowシリーズにしてしまえば、流用可能な点も魅力だ。
ちょっと価格は高いけど。
国内マーケットの販売網と保証
ASUSは他の中華メーカーと違い、一応ASUS JAPANが運営する直販サイトがあるくらいなので、購入の経路はできている。
また、ASUSのあんしん保証にもおそらく加入できるはず…なので、一般市場でメジャーじゃない他のUMPCをあえて買いに行くメリットはない。
ASUSのあんしん保証はノートPCには標準で付帯されるもので、有償で延長可能。悲惨な壊れ方をしても修理代をASUSが補填してくれる。
ユーザーが支払うのは部品代金の20%という太っ腹仕様。
過去に担当者に聞いたところ、自分で改造した場合は、元の状態に(購入した時の仕様)戻せば対応してくれるとのことで、3年はあんしんできるということ。
これ以外にハードウェアへの熱いこだわりがない限りはASUSのROG ALLYを買っておいたほうが無難オブ無難だと思う。
まとめ
- 任天堂のおかげでハンドヘルドコンソールの一般認知がポジティブ
- テクノロジーの発展で小さい筐体でも高性能を実現
- ゲーミングといえばASUS