ThinkPadシリーズはビジネスシーンに最適化された法人向けのノートPCですが、個人の方にもおすすめしたいノートPCです。なかでも今回レビューするThinkPad E595はThinkPadシリーズとしてのクオリティを保ちながら、CPUにAMD製のRyzen モバイルプロセッサを採用しているため価格を大幅に下げていまして、約5万円で購入できる15.6型のノートPCでとても人気が高いです。
メーカーよりThinkPad E595 パフォーマンスモデルの実機をお借りしたので検証結果と感想を記載いたします。
ThinkPad E595の特徴
ThinkPad E595は15.6型の一般的な作業に適したスタンダードノートPCです。その価格の安さと性能の高さから、価格.comの売れ筋1位にランクする実績がありThinkPadシリーズの中でも屈指のコスパで人気が高いです。
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Ryzen モバイルプロセッサ搭載で安くて高性能
定番のインテルCPUではなくAMD Ryzenを搭載することで大幅に販売価格を下げています。
Ryzenシリーズはインテル製のモノよりも低価格かつハイパフォーマンスなので、レノボだけでなく、日本HPから販売される人気シリーズ ENVY x360 13などにも採用され、インテルCPUのもつ市場シェアを逆転させる勢いで売れています。
うちやすいキーボードはテンキー付き
ThinkPadは業界1打ちやすいキーボードを搭載するブランドとして有名ですが、価格の安いThinkPad E595でもそれは健在です。
キーのストローク(沈み込み)やキーピッチ(キーの中心からとなりのキーの中心まで)は上位モデルと変わらず非常に打ちやすいです。
ThinkPadブランドでも5万円~
ThinkPad E595最大の魅力は、そこそこ高性能なRyzenとThinkPadのキーボードが付いているにもかかわらず、下のグレードのモデルがセール時に税込み50,600円で購入できるほど安い点。
ThinkPadブランドなのに安価で購入できるのは素晴らしいです。また、パフォーマンスモデルから視野角の広いIPSパネルを採用しており、全体的な品質が高いノートPCです。
ThinkPad E595に搭載されている Ryzen CPUは一番下のモデルでもMicrosoft Officeソフト、互換ソフトや簡単な画像編集をこなせてしまう性能があるため、低価格でスタンダードなノートPCを探している人にはおすすめできるノートPCだと思います。
ThinkPad E595
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
セールをチェック
レノボ公式サイトでは毎週価格の変動がありますので、セール情報をチェックしておくことをお勧めします。
検証機のスペック
今回メーカーよりお借りした検証機はパフォーマンスモデルです。
ThinkPad E595のスペック | |
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モニター | 15.6型(1920×1080ドット) IPS |
CPU | Ryzen 5 3500U |
iGPU | Radeon Vega Mobilegraphics |
メモリ | 8GB |
SSD | 512GB |
インターフェース | USB 3.1 Gen1×2/3.5mm オーディオジャック(マイク兼用)/microSDカードリーダー/USB 2.0/RJ45/ |
フロントカメラ | 720p HDカメラ |
ワイヤレス機能 | インテル® Wireless-AC 9260 a/b/g/n/ac |
サイズ | 369×252×19.95mm(突起部を含まず) |
連続動作時間 | 約9.8時間(JEITA 2.0) |
重量 | 約2.1kg |
保証 | 1年間 引き取り修理 |
オーソドックスなスタンダードノートPCといった構成ですが、他社製のものと比べると8万円にしてはリッチな性能なのに安いといった感じです。
ThinkPad E595の性能について
CINEBENCH R20
Cinebench R20の総合スコア | |
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Legion Y540 17 Core i7 9750H | |
m-Book K700 Core i7 9750H | |
Dell G7 17(Core i7 9750H) | |
Prestige 15 Core i7 10710U | |
mouse X5 (Core i7 10510UI) | |
ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U) |
CPUのレンダリングスピードを計測するCinebench R20では、1333ptsでした。第10世代のインテルCPUと同等クラスのスコアです。
i7と比較しても引けを取らない性能だと思います。
PCMARK 10
ウェブブラウジングやビデオ会議ソフト、Microsoftoffice互換ソフトの快適性を計測するベンチマークテストでは、総合スコアで3000点以上。すべてのテストで3000点以上出ていました。
基本的なOfficeワークには快適に動作する水準のノートPCです。簡単な画像編集にも対応可能でしょう。
FF14漆黒のヴィランズ
Radeon Vega モバイルグラフィックスの性能が高いため、ゲームを起動し、プレイすることは可能です。
また、ファイナルファンタジー14を30分間起動し温度とGPUのクロック周波数を計測したところ、非常に安定して動作しておりました。
Ryzen 5 3500U搭載モデルとしては非常に優秀な冷却性能だと思います。
ストレージ性能
SSDはHynix社製のモノでした。NVMeSSDとしてはそこまで高速ではないモノのスタンダードノートPCに搭載されているものとしては必要にして十分の速度です。
バッテリーの連続駆動時間
ThinkPad E595バッテリーの連続駆動時間 | |
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JEITA2.0 | 9.8時間 |
PCMARK 8 | 3時間37分 |
ベンチマークソフト・「PCMARK8」のバッテリーライフにて計測したところ3時間37分でした。このソフトウェアは重たい動作をさせてバッテリー持続時間を予測するソフトなので正確ではない可能性があります。
ハードに使って4時間程度、実際にオフィスワークを行う場合は8時間程度はいけると思います。
外観やデザインについて
ThinkPad E595は15.6型で安価に販売されていますが、決して品質が低いわけではなく、Ryzen CPUが安いことや、部品点数を少なくしています。また上位モデルに行われているようなボディのマット加工を施さずに、コストカットしています。
そのため、天板についた指紋が目立つ仕様です。外に持ち運ぶには躊躇するかもしれませんね。とはいえ、マット加工がない分重厚感のある黒で業務に使うPCに最適です。
開閉角度は約180℃程度なので、プレゼンテーション時にも役立ちます。
小型のThinkPadシリーズと比較すると、ヒンジ部が簡素化されていることがわかります。
ThinkPad E595は部品点数を減らしつつもしっかりとした冷却が行えるようになっていますので、安かろう悪かろうではないということがわかります。
流石ThinkPadです。
ThinkPad E595の重量
実測値は1.922kgでした。
ThinkPad E595の重量 | |
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本体 | 1.922kg |
本体+AC | 2.178kg |
最新の15.6型スタンダードノートPCとしては重たいです。家用で使うのであれば問題ないと思います。
液晶モニターについて
ThinkPad E595はフレーム幅が若干目立ちます。最新のナローベゼルPCとはいえない水準です。
パネルは光の反射が少ないノングレア。
液晶モニターは低価格ながらもIPSパネルを採用しているため視認性はよいです。作業用のモニターとしては非常に良いと思います。
色域・ガンマカーブ
ガンマカーブでは青が軽度に強く表示されていました、が、肉眼で見ると自然な色合いだと感じました。
ThinkPad E595の色域 | |
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sRGBカバー率 | 60.9% |
パネルのsRGBカバー率60%程度で一般的なPCモニター程度です。作業用モニターとして使うのであれば、オーケーですが、ウェブデザインや画像編集などで色のディテールにこだわるのであれば専用のモニターを購入したほうがいいと思います。
キーボードやタッチパッドについて
キーボードはフルサイズスケールのテンキー付きのキーボードです。14型や13.3型のThinkPadとはポジショニングが中央から微妙にずれます。
据え置きで使うのに適した配置だと思います。
キーストロークは実測値で1.9mmほどで、かすかなクリック感があり、心地よく打鍵できます。低価格ながらもこのキーボードは流石で非常に打ちやすいキーボードだと思います。
タッチパッドもしっかりと作られており、浅すぎず深すぎずの押し感で操作性は非常に高いと思います。
キーボードやタッチパッドの使い勝手が高級モデルとさほど変わらない点が1番のおすすめポイントでしょう。
インターフェース
ThinkPad E595はスタンダードノートPCで必要なポートをしっかりと備えています。
- USB3.1 Gen1 Type-C(充電用と共用)
- HDMI
- USB 3.1Gen1(Powered USB)
- USB 3.1 Gen1
- マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボジャック
右側面
- microSDカードスロット
- USB 2.0
- LAN端子(RJ-45)
- セキュリティーホール
従来のUSB-Aが3ポートついていますので別途マウスやUSBメモリなど同時に指して使えます。ただし、Ethernetが左側についているので電源とLANケーブルを左右に分岐させる必要があるため気になる方は、無線LANを使用しましょう。
PCの温度、動作音
FF14のテスト中の温度は38.0dbでした。とても静かといった印象で、多くの人が気にならない水準だと思います。
PCの表面温度
PCの表面温度は最も熱い箇所(液晶と本体のつなぎめ)で38.6℃でした。キーボード部は31.6℃と低い水準で安定していました。
これであればRyen 7 3700Uを搭載したモデルでも余裕をもってPCを使えると思います。全体的に品質が高いノートPCですね。
ThinkPad E595の評価とまとめ
良い点
- キーボード・タッチパッドは上位モデルと同等クラスで使いやすい
- CPUの性能を100%活かしきる冷却性能
- 価格が安い
気になる点
- LAN端子が右側についている
- やや重たい
ThinkPadシリーズ最高クラスのコストパフォーマンス
価格を抑えながらそれでいてThinkPadのよさは全く削られておらず、純粋にCPUの価格が反映されているモデルでした。
個人的に昨今の15.6型の中ではやや重たいボディ本体が気になりますが、宅内用、オフィス用、等、設置場所を固定するのであれば全く気になりません。
ThinkPad E595は持運ばないのであれば最高クラスのコストパフォーマンスを誇るスタンダードノートPCだと思います。
ThinkPad E595ではRyzen 3 3300U/Ryzen 5 3500U/Ryzen 7 3700Uを選択可能です。
筐体がしっかりしておりRyzen 7 3700Uでもパフォーマンスを出せるので、予算があるならプレミアムモデルを、コスパ重視ならばパフォーマンスモデルが良いと思います。
ThinkPad E595
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。