ASUSのROGブランドから発表されたROG Flow X13 は13.4型のゲーミング2-in-1コンバーチブルノートPCだ。
発売前に検証機を借りられたので検証結果および注目ポイントを紹介していく。
スペック
ROG Flow X13 | |
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モニター |
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CPU |
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dGPU |
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メモリ |
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SSD |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約299mm×奥行き約222mm×高さ約15.8mm |
バッテリー持続時間 | 約9.1時間 |
無線通信規格 | Wi-Fi6/Bluetooth V5.1対応 |
充電タイプ | USB-PD/XG mobile |
重量 | 約1.35kg |
保証 | 12か月間のインターナショナル保証 |
インターフェース規格など仕様詳細はASUS製品ページから閲覧可能です。
ASUSの製品は購入後、あんしん保証および3年の延長保証あんしん保証プレミアムに加入可能です。
日本国内のメーカー保証以上に手厚い保証なので、ハードに使うゲーミングノートPCを購入検討されている方はあんしん保証も検討するとよいでしょう。
ROG Flow X13 GV301の特徴
動画でもレビューしているので是非チェックを
Ryzen 9 6900HS搭載
Ryzen 9 6900HSは6nmが採用されたCPUで昨年発売されたRyzen 5000シリーズから着実にパフォーマンスを向上させている。
写真はCPUの性能を測るCinebench R23の測定結果。マルチコアのスコアは12276ptsと非常に高性能。シングルコアについても同様だ。インテル第12世代のパフォーマンスの高さがゆえに、AMDの魅力が価格にフォーカスされるターンだが、ノートPCで行う作業、ゲームにおいてベンチマークほどの性能差は体感しづらいため、発熱やバッテリーの動作時間の有利な点を考慮して、AMDモデルを選ぶという選択もありだと思う。
40WのRTX3050Ti搭載、一台で動画編集も可能
搭載されているGPUはNVIDIA GeForce RTX3050Ti。軽量級のゲームから中級クラスのゲームタイトルまでプレイ可能であり、フルHDの動画編集であればこなせる性能を持っている。
最大グラフィックスパワーは40Wで一般的なゲーミングノートPCよりも出力は控えめ。
タブレットモードも可能なフリップ機能を搭載
ROG Flow X13はゲーミングブランドでありつつも、ZenBook シリーズに採用されているフリップ機構を搭載し、圧倒的なパフォーマンスのほかにファンクショナルな機能を搭載している。
ビジネスシーンを想定した機構ということでタッチにも対応。
これまでも、「家で使ってよし、外で使ってよし」の製品はノートPC界隈にあったのだが、パフォーマンスが中途半端で振るわなかったり、筐体が持ち運べないほど大きくなってしまったりと、「帯に短したすきに長し」な製品が多かった印象だ。
しかし、ROG Flow X13は機能性、携帯性、性能を高い次元でまとめており、ASUSのこれまでのテクノロジーを集結させた傑作だと感じた。
ROG Flow X13はデスクトップPCを卒業したいユーザーにおすすめの1台だ。
ROG Flow X13
公式サイトで確認性能について
各種ベンチマークソフトの結果やゲームプレイ時の挙動を掲載
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
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Core i9 12900H | |
Core i7 11800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS(レビュー機) | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7 11800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 5 5600H | |
Ryzen 7 5800U | |
M1 | |
Core i7 11370H | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7 1165G7 | |
Core i7 1165G7 | |
Ryzen 5 4500U | |
Core i5 1135G7 |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では12276pts。
ROG Flow X13は筐体が非常に小さく最大パフォーマンスが制限されているような感じも受けるが、ノートPCとしてはトップクラスの性能と言っても過言ではなく、ここまで性能が出ていれば体感上上位モデルと比較しても遜色ないだろう。
3DMark Time Spy
FutureMarkが提供する3D Mark Time Spyは、DX12に対応したゲーム系のベンチマークソフトでCPU、GPUや総合スコアを算出し相対的な性能がわかる。
グラフィックススコアは4051点。40W出力のRTX3050TiはGTX1650と同じくらいのパフォーマンスだ。
また、ROG Xg Mobileと接続した際のスコアはこちら、現行のミドルハイクラスのデスクトップPCと同等のスコアだ。
SSDの読み書き
搭載されていた1TBのSSDはマイクロン製のもの。PCIe Gen3のSSD。ベンチマークテストでシーケンシャルリード、シーケンシャルライトの落ち込みはなく、ランダムアクセスライトが低下。とはいえ、搭載されているSSDはM.2 2230規格で、市場で販売されているM.2 2230規格のものと比較すると非常に品質が高いといえる。
Apex Legends
人気のシューター系ゲームApex Legendsはテクスチャ関連の設定を低画質、VRAMメモリの使用量を4GBに設定したところ、平均で103psほどだった。
インテルCPUを搭載したROG Flow Z13と比較すると若干不利な結果となった。
SOT
重量級ゲームのシャドウ・オブ・ザ・トゥームレイダーはフルHD解像度で高画質に設定した。
ゲームソフト内にあるベンチマーク機能を利用したところ平均で70fpsほど。重量級のゲームタイトルもなんとかプレイ可能といった感じだ。
サイバーパンク2077
超重量級ゲームタイトルサイバーパンク2077はフルHD解像度で低画質に設定したところ、ソフトウェア上では平均35fps。サイバーパンクでもインテルCPUよりも少しだけ不利な結果に。
デザインについて
ROG Flow X13は金属素材の天板にカーボン調のデザインを採用した点が特徴的で、従来のROGシリーズからは同社のロゴを小さく、どんなシーンでも使いやすいデザインとなっている。
キーボード側も同様に黒でまとまっており、スタイリッシュな印象だ。
ROGというよりはASUSのハイエンドモバイルノートPC ZenBookに近い製品クオリティでカラーの統一感や筐体の細さからそのこだわりがみてとれる。
底面も同様。金属素材の冷たい質感も相まって、黒が一層引き立つデザイン。内部のデュアルファンやヒートパイプも隠されており、非常に統一感のあるデザインだ。
側面のインターフェースを搭載するのに必要最低限の厚さのみを残して側面につれて薄くなっていくため、真横から見るとその薄さに驚かされた。
インターフェースについて
ROG Flow X13は単体で見れば薄型のモバイルノートPCの位置づけだが、専用コネクタも含めるとUSB-Cが2つ、USB-Aが1つ、HDMIが1つと豊富なインターフェースも魅力的だ。
左側面
- USB Type- C3.2 Gen2
- PCIE=eGPU用ポート
- HDMI
- オーディオコンボジャック
右側面
- 電源ボタン
- USB Type-A 3.2 Gen2
- USB Type-C 3.2 Gen2
右側のUSB-Cは最大100WまでのUSB-PDに対応する。
ディスプレイについて
グレアタイプの13.4型パネルを採用したディスプレイはFHD+(1920×1200ドット)の広い解像度を持つ。
色域
色域はウェブコンテンツの基準となるsRGBカバー率が99.8%でウェブコンテンツの制作に使える水準のパネルが採用されている。
ウェブサイトの制作、動画編集など、ウェブにアップロードするコンテンツに最適なディスプレイだ。
キーボード
パームレスト側にROGのロゴがうっすらわかる程度に印字されている。
ROG Flow X13は86のキーからなる日本語配列キーボードが採用されている。形からしておそらく英字配列のモノを組み替えていると思われ、少しだけ残念。
とはいえ、出荷台数がグローバル市場と比較して少ない日本市場ではこれが限界なのだろう。
打鍵感は良好だが、キーのサイズが気になった
ASUSはZneBook シリーズで培ってきたモバイルノートPCのキーボードの打鍵感をそのままROG Flow X13に突っ込んだ感じで、打鍵感は良好。1.5mmほどのストロークでわずかにクリック感を感じる最新のはやりのキーボードだ。
個人的にキートップの小ささが気になった。
タッチパッドはボタンがなく、クリック感のある浅めのタッチパッドだ。
クリックすると「カチっカチっ」となるタイプ、推した時のあそびはわずかなので使いやすいと感じた。
PCの内部の温度、ファンの動作音
PCの使用率を100%にできる負荷テストOCCTを使いROG Flow X13の挙動を確認。
最高温度は94°ほど。インテルプロセッサよりも温度が高くなっている。
この時のPCの表面温度は38.3℃程度。温度は問題ないのだが、やはりインテルCPUを搭載したZ13と比較すると高い水準で気になるポイントだ。
ファンの動作音について
パフォーマンス時
パフォーマンス時では46.8dbほど。
ROG Flow X13の評価とまとめ
良い点
- 13.4型のデタッチャブル型の2-in-1で最高クラスのパフォーマンス
- ビジネスワーク、クリエティブワーク、ゲーム、全てに対応可能
- モニターパネルがシャープ製で非常にクオリティが高い
- パフォーマンスを長時間維持できる安定した製品設計
気になる点
- 全体的にROG Flow Z13と比較して不利
2-in-1コンバーチブルゲーミングノートPCが欲しい人におすすめ
悪くはないのだが、すでに販売されているインテル第12世代のプロセッサを搭載したROG Flow Z13と比較すると少しずつ不利な結果が出ている。つまりパフォーマンスにおいてはAMD搭載機を買うメリットはないということだ。
あえて X13を選ぶとしたらキーボード付きであるということとバッテリー動作時のパフォーマンスだろう。インテル搭載機であるZ13はバッテリー駆動になるとパフォーマンスが低下するため持ち運び時にパフォーマンスを比較したらX13の方が有利になるはずだ。
ROG Flow X13 GV301
公式サイトで確認なお、価格や仕様は変更となる恐れがあるため必ず公式ページにて確認を。