レノボから販売されているエントリーゲーミングノートPCIdeaPad Gaming 370iを購入したのでベンチマーク結果と使い勝手を紹介。
スペック
IdeaPad Gaming 370i | |
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モニター |
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CPU |
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dGPU |
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メモリ |
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SSD |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約359mm×奥行き約277.8mm×高さ約25.9mm |
バッテリー | 約9時間 |
無線通信規格 | Wi-Fi6/Bluetooth V5.2対応 |
充電タイプ | 専用コネクタ/230W |
重量 | 約2.6kg |
保証 | 1年間引き取り修理サービス・パーツ保証 |
特徴
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ミドルクラスゲーミングノートPCの中で最もコストパフォーマンスに優れる
Lenovo IdeaPad Gaming 370i | Dell G15 | |
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モニター | 16型(1920×1200ドット)165Hz/350nit | 15.6型(1920×1080ドット)165Hz/300nit |
CPU | Core i7 12700H | Intel Core i7 12700H |
GPU | NVIDIA GeForce RTX3060(105W) | NVIDIA GeForce RTX3060(130W) |
メモリ | 16GB(DDR4-3200MHz) | 16GB(DDR5-4800MHz) |
ストレージ | 512GB(M.2 SSD) | 512GB(M.2 SSD) |
価格 | 164,450円(7月末時点) | 187,983円(7月末時点) |
レビュー記事執筆時の価格ではLenovo IdeaPad Gaming 370iが23,533円ほど競合のデルが販売するDell G15よりも安い。
デルが販売するDell G15は高コスパラインとしてここ数年で力を入れてきているシリーズではあるものの、レノボの高コスパラインであるIdeaPad Gaming 370iはそれを凌ぐ。
しかしながら、IdeaPad Gaming 370iはメモリがDDR4メモリであり、動作周波数はDell G15よりも低い。
DDR5メモリとDDR4メモリでは画像処理などで性能差が開くと思われるが、このPCでRAW現像をメインで行うことは考えづらいため、大きな差ではないと考えていい。
RTX3060GPUはデスクトップクラスのパフォーマンス
搭載されているNVIDIA GeForce RTX3060の最大グラフィックスパワーは105Wだった。NVIDIA GeForce RTX3000番台はメーカーごとに最大出力を設定でき、内部のシステムを確認してみないとどれくらいのパフォーマンスが出るのかはわからないようになっている。
システムで確認するとLenovo IdeaPad Gaming 370iの最大グラフィックスパワーは105Wだった。
重量級のゲームタイトルを想定したベンチマークソフトウェア「3DMark Time Spy」ではグラフィックススコアがデスクトップに搭載されているRTX3060並みか少し不利といった程度の性能が出ているため、パフォーマンスは申し分ない。
165Hzで動作するゲーミングモニターを採用
IdeaPad Gaming 370iは165Hzのリフレッシュレートで動作するゲーミングモニターを採用している。リフレッシュレートは画面の1秒間の更新回数を表す数値だが、これが高ければ高いほど競技性の高いゲームで有利にゲームを進めることができる。
市場ではゲーミングモニターを購入するのが一般的とされているが、ゲーミングノートPCを購入するとゲーミングモニターは標準装備だ。
ゲーミングモニターを利用するにはそれ相応の描画性能がPCにないと宝の持ち腐れになってしまうが、前述の通り、IdeaPad Gaming 370iはミドルクラスのデスクトップPC並みに優秀で、165Hzのゲーミングモニターの性能は十分に活かし切れる性能がある。
また、モニターが表現できる色の幅、色域、は、sRGB100%の表記がされていたが、実測値でsRGBカバー率が97.9%だった。
IdeaPad Gaming 370i(LEN156WUXGA)の色域 | |
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sRGBカバー率 | 97.9% |
DCI-P3カバー率 | 72.8% |
Adobe RGBカバー率 | 73.2% |
ウェブ用にアップロードする動画、画像などの編集には使えるレベルのモニターで動画編集用PCとしてもおすすめできる。
IdeaPad Gaming 370i
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
性能
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
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Core i7 12700H | |
Core i7 12700H | |
Core i9 12900H | |
Ryzen 7 6800HS | |
Core i5 12500H(レビュー機) | |
Core i7 11800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 76800U | |
Core i7 11800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7 1260P | |
Ryzen 5 5600H | |
Ryzen 7 5800U | |
M1 | |
Core i7 11370H |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では14174pts。
Core i7 12700Hよりは控えめな数値ではあるものの、インテル第11世代のCore i7 11800H以上のパフォーマンスが発揮可能かつ、シングルコア性能が大幅に上昇しているため、ミドルクラスのRTX3060GPUと合わせるのにちょうど良いと言っていいかもしれない。
UL Procyon Photo Editing ベンチマーク
UL Solutionsが提供する「UL Procyon Photo Edting ベンチマーク」はいわゆる写真編集のベンチマーク。Adobeの「Photoshop」「Lightroom Classic CC」を使用し、実際の写真編集のワークフローに沿ったバッチファイルを実行。
処理にかかった時間をスコア化することで相対的に評価が可能だ。
Photo Editing ベンチマーク | |
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Ryzen 7 6800HS/RTX3070Ti | |
Core i5 12500H/RTX3060(レビュー機) | |
Ryzen 7 6800U | |
Core i7 1260P | |
Core i7 1165G7 |
IdeaPad Gaming 370i | |
Adobe Lightroom Classic CCのワークフロー | |
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読み込み | 3.004秒 |
プレビュー | 0.639秒 |
プリセット適用 | 0.326秒 |
エディットイメージ | 1.207秒 |
スマートプレビュー | 5.619秒 |
書き出し | 36.269秒 |
エンハンスディテール | 2.516秒 |
フェイスディテクト | 4.031秒 |
バッチプロセッシングスコア | 9140 |
Adobe Photoshop CCのワークフロー | |
画像読み込み | 0.305秒 |
フィルター適用 | 0.884秒 |
画像結合 | 0.920秒 |
データ保存 | 54.296秒 |
画像書き出し | 4.012秒 |
GPUフィルター | 9.249秒 |
イメージレタッチスコア | 7709 |
写真編集のワークフローでは、一般的なスタンダードノートPCと比較して書き出し速度やGPUフィルターが高速化されており作業が瞬時に終わる。
クリエイターノートPCとして販売されているモデルと互角以上のパフォーマンスを発揮できることを確認。
UL Procyon Video Editing ベンチマーク
同じくUL Solutionsが提供する「UL Procyon Video Edting ベンチマーク」はAdobe Premiere Proを利用し、H264/H265でそれぞれファイルを書き出しし、処理にかかった時間をスコア化するというもの。
素材データは用意されたものでプロジェクトファイルの全体の長さは1分程度のものだ。素材データは4Kで1080P/4Kにエンコードを行い処理時間からスコアを算出できる。相対的に評価しやすいベンチマークソフトだ。
IdeaPad Gaming 370i | ROG Flow x16 | |
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YouTube 1080P (1/2)GPUフィルターあり | 882秒 | 652秒 |
YouTube 1080P(2/2)GPUフィルターなし | 30.339秒 | 29秒 |
4K UHD(1/2)GPUフィルターあり | 3378秒 | 3755秒 |
4K UHD(2/2)GPUフィルターなし | 64秒 | 59秒 |
Video Editing Score | 5667 | 6108 |
エンコードにかかる時間を上位の専用GPUを搭載しているモデルと比較してみた。
GPUフィルターのない動画ファイルのエンコードはほぼ互角。動画編集時に重たい作業を行うのであればより性能の高いGPUを搭載しているモデルが望ましいが、YouTubeなど、複雑な動画編集を行わないのであればRTX3060でも非常に快適だ。
ゲーム性能
サイバーパンク2077
超重量級ゲームタイトルのサイバーパンク2077ではレイ・トレーシングテクノロジーをオフにして通常クオリティでベンチマークを実行。
サイバーパンク2077の平均フレームレート | |
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WUXGA(1920×1200ドット) | |
ウルトラ | |
高画質 | |
中画質 |
今回はDLSSを非適用にして計測してみたが、RTX3060であればDLSSを実行せずとも平均60fpsオーバーでゲームをプレイ可能だ。より快適にプレイしたい場合はDLSSを有効にすればいい。
シャドウオブザトゥームレイダー
重量級のゲームタイトル「シャドウオブザトゥームレイダー」は最高画質と高画質と中画質に設定しNVIDIA RTX DLSSをクオリティに設定しベンチマークを実行した。
シャドウ・オブザ・トゥームレイダーの平均フレームレート | |
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WUXGA(1920×1200ドット)NVIDIA RTX DLSSクオリティ | |
最高画質 | |
高画質 | |
中画質 |
シャドウオブザトゥームレイダーはどの画質でも平均100fps
Apex Legends
Apex Legendsの平均フレームレート | |
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フルHD(1920×1200ドット)射撃訓練場 | |
最高画質 | |
中画質 | |
最低画質 |
人気のシューター系ゲームタイトル「Apex Legeds」では解像度をフルHD+に設定し、画質を調整しながらmsiafterbunerで計測。
低画質〜中画質程度に画質調整を施せば、IdeaPad Gaming 370iの性能は活かせる
SSDの読み書き
クリスタルディスクマークの結果。搭載SSDはインテル製を採用。大容量データの読み書きでシーケンシャルライトの落ち込みがあった。
クリエイティブワークで利用するのであれば、外付けのSSDを利用する、あるいは内蔵SSDを交換した方がいいかもしれない。
バッテリーの連続動作時間
バッテリーの連続動作時間をテストする、PCMark10 ModernOfficeではMicrosoft Officeの互換ソフトウェアを動作させ何時間連続で動作できるのかを計測可能。
IdeaPad Gaming 370iバッテリーテスト | |
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PCMark10 ModernOffice | 6時間12分 |
PCMark10 Game | 1時間20分 |
ベンチマーク上のバッテリー連続動作時間は最長で6時間12分ほどだった。
ゲームをプレイすると1時間ほどしか持たない。
デザイン
カラーはグレーでロゴは左上に「Lenovo」のメーカーロゴのみ。本体は樹脂素材が使われているものの、落ち着いたカラーを採用しているためあまり安っぽさはない。
インターフェースは背面実装。エアフローの排気部にクリアブルーが塗装されており、全体のアクセントになっている。高級感ではなく、あくまでゲーミングノートPCっぽさを手軽に表現したような感じだ。
キーボード側から見た写真。全体的にグレーでまとまっているため、非常にシンプル。側面の排気部も青のカラーリングがされている。
付属の電源は230Wで大型のものが採用されている。
メモリの増設・SSDの換装について
メモリはヒートシンクのカバーに覆われているため力技で取り外すと、メモリスロットが露出するので交換可能。
SSDはM.2スロットが2つ日とうはM.2 2280規格で使用中、空いてるスロットはM.2 2242規格のもの。デュアルストレージ構成も可能だが、性能を気にするのであればM.2 2280を換装した方がいいかもしれない。
モニター
IdeaPad Gaming 370iに搭載されているモニターは16型。
リフレッシュレートは165Hzで最大輝度は計測値で345nitほどだった。冒頭で記載した通り、sRGBカバー率97.9%で動画編集などにも利用可能なパネルだ。
キーボード・タッチパッド
キーボードはフルサイズスケールのテンキー付き。矢印キーが下に下がっているため、使いづらさを感じる人がいるかもしれない。
配列はUS配列を日本語に切り替えたような外資系メーカーにありがちなキーボード。
ストロークは1.5mmほどと浅めで、ゲーム用で使うなら専用のキーボードを利用した方がいいだろう。
タッチパッドについても同様でプラスチック感が強めでカチカチとした安いスタンダードノートPCと同じくらいの操作性だ。
カメラ
IdeaPad Gaming 370iはフルHD画質のウェブカメラを搭載している。撮影用の照明を使うと非常にシャープな写真が撮れるため、ビデオ通話を利用したテレワークなどに使える。それもかなり綺麗な画質で。
インターフェース
奥側
- HDMI
- 有線LAN
- USB-C
- 専用コネクタ
デバイスマネージャーにてUSBのコントローラーを確認してみたがUSB4は確認できず、i5/RTX3060搭載でモデルはThunderbolt 4は非対応。つまりメーカーページのスペックシート通りだと考えていいと思う。
またHDMIを接続した際はインテルグラフィックスではなくNVIDIAのみ表示されており、外部モニター接続時の遅延は確認できなかった。
そのため、配信用のPCとしても十分に利用可能で、ノートPCをデスクトップPCのように利用するクラムシェルモードで使っても良い。
ideapad gaming 370iを外付けモニターに出力してランクマもぐってるけど体感的に遅延なしです。 pic.twitter.com/Q8kk4E2AfR
— ウチヤマチカラ/うっしーならいふ (@usshi_na_life) July 31, 2022
左側
- USB-A
右側
- USB-A
PCの温度とファンの動作音について
PC内部の温度
Cinebench R23の10minuteテスト時のログをエクセルでグラフにまとめた。
結果としてCPUのパフォーマンスは100%発揮できており、サーマルスロットリングも発生しない。パフォーマンスは落ちることなくCPUを回せるのでゲームやクリエイティブにおすすめできる設計。
PCの表面温度
キーボード側の最も熱い箇所は42.5℃でかなり熱くなる。とはいえ、人が触れる箇所ではないため大きな問題ではない。
キーボードの中央部は36.7℃なので人が触れても問題ない温度に収まっている。
ファンの動作音
この時のファンの動作音は52.2dbほどで不快感のある音の大きさ。
Lenovo Vantageからバランスモードに変更すればパフォーマンスを制限しつつファンの動作音も静かにできるので気になる人は設定変更をした方が良い。
バランスモードは46.6dbなので緩和される。
IdeaPad Gaming 370iの評価とまとめ
良い点
- 競合機よりも価格が安い
- パフォーマンスを100%発揮できる設計
- インターフェースが左右に配置されており使いやすい
- モニターのスペックもそこそこ高い
- 搭載カメラが綺麗
気になる点
- ファンの動作音はうるさい
- Tb4は上位モデルのみ?(スペックシートがわかりづらい)
- キーボードの質はいつものレノボクオリティ
コスパを求めてゲーミングノートPCを買うなら大いにアリな選択肢
価格は競合機よりも安いのに、CPUの性能を100%活かすことができる。
また、105W出力のRTX3060を搭載しているため、全てのゲームをフルHD、フルHD+の解像度で快適に遊ぶことができ、コストパフォーマンスが非常に高い。
搭載されているウェブカメラが非常に高画質でゲームの配信でも利用できるクオリティが素晴らしかった。
反面で、メモリの増設ができなかったり、Thunderbolt 4がi5モデルが非対応だったりと残念なポイントもいくつかあるため、コスパの高いゲーミングノートPCとして購入する人におすすめしたいモデルだ。
IdeaPad Gaming 370i
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
「メモリはオンボードのため増設不可」とありますが、真ん中の鉄板を外したらソケットに刺さったメモリがあったりしませんか?
外れました!修正します!ありがとうございました。
カメラを搭載した370iの Francescoです。非常に不便ですね。