ZenBook Pro Duoは4Kディスプレイを2つ搭載するノートPCです。
もちろんこの試みは世界初。さらにすごいのがメインで使われているモニターはOLEDディスプレイ。つまり有機ELを採用しています。
メーカーからお借りした実機を使って、使用感や検証結果をお伝えいたします。
ZenBook Pro Duoの特徴
世界初!4Kデュアルディスプレイ搭載
ZenBook Pro Duoはメインモニター3840×2160ドットのOLEDディスプレイを採用しています。シネマグレードのDCI-P3色域まで対応し、細かな色あいを使用者は体感できます。
上記写真は、OLEDディスプレイとsRGB比100%の液晶モニターを比較した画像です。
RAWデータをLightroom Classic CCにて表示したもの。ぱっとみただけで、細かい色の変化に気づく。
最近では、映像、ミドルクラスのスマートフォンも有機ELパネルを搭載していることもあり、基準となるデータをどの程度変化させればいいのか、は。やはり有機ELが望ましい。
ノート用ハイエンドCPU Core i9 9980HK搭載
CPU | Core i9 9980HK | Core i9 8950HK |
---|---|---|
コア | 8 | 6 |
スレッド | 16 | 12 |
クロック | 2.4Ghz | 2.9Ghz |
ブーストクロック | 5.0Ghz | 4.8Ghz |
TDP | 45W | 45W |
Core i9 9980HKとCore i9 8950HKの違いとして、TDPはそのままで、多コア化とブースト時のクロック周波数が伸びがあります。
その結果、マルチコアのベンチマークスコアは、Intel Core i7 9700K、Ryzen 5 3600やRyzen 7 2700Xと同等クラスの性能を発揮します。
実行性能でデスクトップCPUと互角以上の性能を発揮できるため、ノートPCでありながら、4K動画の編集を可能にします。
業界唯一のインターフェース ScreenPad Plusで使い方が無限大
ZenBook Pro Duoの2つ目のモニターには、様々なアプリケーションが用意されています。
僕が利用したのは、『Quickkey』PhotoshopやPremiereなど、クリエイターが利用するソフトウェアのキー割り当てを行うことで、Windowsでタッチ操作が行える。
この模様は動画でも紹介しているので、是非わかりやすい動画でご覧ください。チャンネル登録もお待ちしております。
また、下記は一つのイメージですが、ピアノを弾きながら収録する、動画の編集画面を伸ばす、など、使い方はたくさんあるように思えるのです。
ZenBook Pro Duoのセカンドモニターの使い方の一例。
ピアノ演奏
やはりクリエイター向け。 pic.twitter.com/6011WhSrsB— うっしーならいふ 💻コンプテックス台北いきます (@usshi_na_life) 2019年5月29日
一般的なノートPCの使い方ではZenBook Pro Duoのポテンシャルを使い切るのが大変かもしれません。
Zenbook Pro Duo UX581のスペック
モニター | 15.6型4K(3840×2160ドット)OLED 14型4K(3840×1100ドット)IPS |
---|---|
CPU | Intel Core i9 9980HK |
GPU | Nvidia GeForce RTX2060 |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB SSD(PCIe) |
サイズ | 359 × 246 × 24mm |
重量 | 約2.5kg |
なお、ZenBook Pro DuoにはCore i7 9750Hを搭載するモデルもありまして、フルHD動画の編集であれば、そちらでも問題ないと思います。
が、メインストレージが512GBと少ないため、Thunderbolt 3に対応したSSDを別途用意するのがベターです。
クリエイティブ能力の検証
過去、実際に僕がYouTubeにアップロードしたこのとある、アニメーションありのフルHD画質、テロップ、アニメーションありの動画の元データを使い書き出しを実行しました。
書き出し条件は下記の通り
- H264
- YouTube 1080P
- 動画の尺を5分に設定し書き出し
ZenBook Pro Duoの動画の書き出し時間 | ||
---|---|---|
ソフトウェア | 6分01秒 | |
CUDA | 2分39秒 |
フルHDの動画編集は超余裕LUT編集もスムース
AdobePremiere Pro CCにて下記動画のOPを作成しました。
高負荷のかかる調整レイヤーのLUT当てもなんなくこなしてくれました。
体感ベースでは、僕の使用するデスクトップPC(Ryzen 7 2700X+RTX2070Super)と同等に非常に快適で、これ一台で動画編集用途をまかなえます。
Macbook Proと迷っている方はZenBook Pro Duoを選択肢に入れてもよいでしょう。
色域
見た目では、sRGBカバー率100%の液晶ディスプレイとそんなに差はありません。グレアタイプのため色が締まって見えますが、長時間の使用は疲れてしまうかもしれません。
トーンカーブはRGBのバランスもよくとてもきれいです。
ZenBook Pro Duoの色域 | |
---|---|
sRGBカバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー | 95% |
クリエイターが必要とする 色域はカバーできているため、専用のモニターを購入せずともこれ1台で本格的な編集環境を手に入れることが可能。
本体デザイン・外観
ZenBookシリーズでおなじみのスピン加工が施されています。光の反射によって天板の見え方が変わるエッジの効いたデザインです。
ボディ本体アルミ削り出しで30工程以上を経て形成されています。
キーボード側は、ディスプレイが半分を占めているため、パームレストがない特殊な構造です。
付属のパームレストをつけると10cm程度長くなります、エルゴリフトヒンジによって傾斜がついているため操作性は良いのですが、持ち運んだ際にコレをセットするのは面倒です。
中央にタッチパッドがないのに最初違和感を覚えましたが、使いにくいことはなく、慣れれば操作性は高いと思います。
1024段階の筆圧検知に対応しています。
右側面には、Thunderbolt 3に対応したUSB-CポートとUSB-A(SuperSpeed対応)があります。
ZenBook Pro DuoはSDカードスロットがないため、写真の取り込みにはSDカードスロットを利用する必要があります。
左側はフルサイズのHDMI、電源、USBとなっています。
排熱をするための通気口があるためクリエイター向けのノートPCとしてはインターフェースが控えめだと思います。
15.6型ですが、ディスプレイ2つとミドルクラスGPU RTX2060を搭載しているため最近のスタンダードノートPCよりも重厚感があります。
ZenBook Pro Duoの弱点は重量だと思います。本体は2.4kgとノートPCのなかでは重たい部類です。
2つのディスプレイを有することを考えると、利便性は高いのですが一般の人が持ち運ぶのは面倒だと感じるでしょう。
駆動時の温度について
動画のレンダリング時のPCの表面温度です、キーボードなど、作業時に人が触る場所の温度は最高で38℃程度でしたので、危険はないと思います。
ZenBook Pro Duoの内部には大きなヒートパイプが通っているためハイエンドのゲーミングノートPCと同じような排熱効率です。
この機構があることによって、長時間の動画編集でもノートPCのパフォーマンスが低下することがないのです。
ZenBook Pro Duo UX581の評価とまとめ
プロの動画編集者におすすめしたいクリエイター向けノートPC
MacbookPro16インチと比較 | ||
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型番 | UX581GV | MBP 16 |
ディスプレイ1 | 15.6型OLED(3840×2160ドット) | 16型(3072×1920ドット) |
ディスプレイ2 | 14型(3840×1100ドット) | – |
CPU | Core i9 9980HK | Core i9 9980HK |
GPU | RTX2060 | Radeon Pro 5500M |
メモリ | 32GB | 32GB |
SSD | 1TB | 1TB |
価格 | 466,500円 | 343,800円 |
ただ、スペック的に中途半端な感は否めず、SDカードスロットを搭載しないのであればせめてThunderbolt 3をもう1ポート搭載してもよかったのではないか?と感じます。
でなければ、この価格差を埋めるほど魅力を感じることができない。
汎用性も厳しいがメインPCと持運びを兼用できる動画編集用のPCとしてはありなのかも。
ウェブの評価を見ると賛否ありますが、Log撮影した動画ファイルの編集などはマシンパワーがものを言います。
そんな時に候補に挙がる編集用のPCはMacbook Proだと思いますが、現状Nvidia系のGPUを搭載したモデルのほうが、Adobe Premiereでは有利に働きます。
有機ELとマシンパワーこそが、ZenBook Pro Duoのメリットだと思うので、メイン機の入れ替えで動画編集用のノートPCを検討されているのであれば、ZenBook Pro Duoを選択肢に入れるのはありだと思います。
ZenBook Pro Duo
公式サイトで確認なお、価格や仕様は記事執筆時のものであり、変更となる恐れがあります。必ず公式ページでご確認ください。