レノボ ThinkCentre M75q Tiny Gen2 レビュー Ryzen 7PRO 5750GEモデル

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レノボが販売するThinkCentreシリーズはビジネス向けのミニPC。低価格かつ高性能で省スペースな机に設置できることからビジネス市場のみならず、一般のコンシューマー市場でも非常に人気だ。

今回、AMD Ryzen 5000Gシリーズを搭載したThinkCentre M75q Tine Gen2 を購入したので性能や使い勝手をレビューしていく。

スペック

検証機は8コア16スレッドのRyzen 7 5750GEを搭載したプレミアムモデル

ThinkCentre M75q Tine Gen2
OSWindows 10 Home (64bit)
CPUAMD Ryzen Pro 7 5750GE
GPUAMD Radeon Graphics
メモリ4GB(16GB)
SSD128GB
無線LANインテル Wi-Fi 6/Bluetooth
電源90W
保証1年保証(引き取り修理)

※メモリは16GBへ自ら増設しています。

ThinkCentre M75q Tine Gen2

公式サイトでみる

価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。

特徴

8コア16スレッドのデスクトップ用CPUを搭載可能なミニPC

ThinkCentre M75q Tiny Gen2 はベースモデルから6コア12スレッドのRyzen 5 5650GEから選択できる。このCPUは内部にGPUを搭載したデスクトップ用に作られたCPUで非常に高性能であることが特徴として挙げられる。

搭載されているプロセッサはCPUの性能を測定するのに使われる代表的なベンチマークソフトCinebench R23ではマルチコアが10433pts。

このスコアはハイエンドなゲーミングノートPCに採用されるCPUと同じ水準のスコアで、プロセッサーの処理能力の高さがわかる結果だ。事務作業はもちろん画像編集や写真補正を楽々行える程度のパフォーマンスがある。

とにかくコンパクト

ThinkCenter M75q Tiny Gen2 はミニPCとついているようにとにかくコンパクトで設置場所を選ばない自由度の高さからPCが好きなユーザーから一定以上の評価を得ている。

サイズ厚さ3cm程度の極薄筐体に、20cm弱の高さ、幅を実現している。前述の通り、プロセッサのパフォーマンスはノートPCの最上位級なのに本体サイズは弁当箱のような小ささで机の上で邪魔にならないハイスペックなミニPCとなっている。

このくらいのサイズであれば、横幅1mに満たない机の上に設置して利用することも可能で、Bluetoothや無線を駆使してケーブルレスなPCデスク環境の構築可能だろう。

7.5万円程度で購入可能

そして驚くべきはその価格で、弊ブログの読者であれば読んだことはあるかもしれないが、大手価格比較サイト「価格.com限定モデル」をカスタマイズでデチューンすることで本体価格をディスカウントできる。

一時期のようなスーパーディスカウントでは無くなったものの最新のAMD Ryzen 7PRO 5750GEプロセッサを4GBメモリで購入すると税込み送料込みで75,790円で購入可能だ。

お得どこそ薄れてしまっているが、WIndows10も選択できるなど、ビジネス向けとして販売されている強みは残されているため、低価格でハイスペック、それでいて置き場に困らないミニPCを検討している人はThinkCentre M75q Tiny Gen2を是非チェックしていただきたい。

デザインや使い勝手について

ThinkCentre M75q Tiny Gen 2はまさに弁当箱と言った出立で真っ黒で真四角なPC。

筆者は今回何を思ったか無線モジュール(Bluetoothも利用可能)をオプションで追加しているため、右下に金色のアンテナが見えるが、このPCはBluetoothを用いてキーボードやマウスを無線接続可能だ。

側面には空気を取り込むための穴が空いており、小さな筐体でもパフォーマンスを発揮しやすいよう設計されている。

底面は四隅にゴム足が設置され、中央には無線使用時の注意書きがプリントされたシールが貼られている。

背面はカスタマイズの仕方によって拡張性を広げることができる。

左下から

  • DCジャック
  • DP
  • USB-A
  • HDMI
  • USB-A×3
  • 有線LAN
  • 無線LANアンテナ
  • USB-A×4(オプション)

筆者は今回、USB-Cを増設する予定がUSB-A×4つで発注してしまったため、異様にUSB-Aが多いミニPCができてしまったのだが、ThinkCentreはこういうこともできるのだ。

正面側は下から

  • オーディオジャック
  • USB-A
  • USB-C
  • 電源ボタン

前面と背面を合わせると、現在市販されている大抵のデスクトップPCよりもUSBポートは多く、「キーボード、マウスなど、USB-Aに対応しているデバイスだったらとりあえず挿せば使える」と言った感じなので、一般的なモバイルノートPCよりも利便性はたかい。

ACアダプター

付属のACアダプターは95W出力のものでおそらくRyzenプロセッサのパフォーマンスを存分に発揮できる出力のものだ。本体が小さいため、ACアダプターが大きく感じてしまうが、一般的なノートPCのACアダプターと同等くらいのサイズ感だ。

内部について

ThinkCentreの評価が高い理由の一つに内部へのアクセスが非常に簡単であることが挙げられる。背面にある中央のネジを外すと下記写真のように本体から少しずらすだけで蓋を開けられるのだ。

本体の底面側にSO-DIMMに対応したメモリスロットと右側に2280まで対応のM.2スロットが搭載されている。標準で搭載されていたのは2230規格のショートタイプのもの。

裏側には、2.5型ベイが搭載されており、SSDやHDDを使いデータストレージとしても拡張可能だ。昨今ではSATA接続の2.5型SSDがかなり安い金額で入手できるようになっているため、システムと分けて簡易的にSSDを増設するのも良いだろう。

左に見えるファンの下にCPUが格納されている。取り外しは可能だと思われるがデバイスロックにより他のマザーボードに取り外したCPUをくっつけても動作しないという報告が挙がっているため推奨はしない。

性能について

Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り

 

 

Cinebench R23の総合スコア

Core i7 11800H
14111pts
Ryzen 9 5900HX
13306pts
Core i9 11980HK
12687pts
Ryzen 7 5800H
12651pts
Ryzen 9 5900HS
12058pts
Ryzen 7 5800H
11670pts
Ryzen 7 5800H
11224pts
Ryzen 7PRO 5750GE(レビュー機)
10433pts
Core i7 11800H
10432pts
Ryzen 7 5800U
7889pts
M1
7372pts
Core i7 11370H
7135pts 
Ryzen 5 5500U
6727pts
Core i7 1165G7
6594pts 
Core i7 11370H
5470pts
Core i7 1165G7
5379pts
Ryzen 5 4500U
4463pts
Core i5 1135G7
4223pts

最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では10433pts。

一般的なクリエイターノートPCに搭載されているインテルCore i7 11800Hプロセッサ搭載モデルと同等クラスのスコアを発揮できている。今回ThinkCentreは7万円台で購入しているためコストパフォーマンスの高さがわかる。

3DMark Time Spy

FutureMarkが提供する3DMark Time SpyはDX12に対応したゲーム系のベンチマークソフトで3Dグラフィックを表示しながらCPUの快適性やGPUの快適性をスコア化し相対的に評価しやすくするベンチマークソフトウェアだ。

結果は総合スコアが1288。CPUスコアだけ突出して高くなっており6332ポイントだった。まさにこれがこのPCの役割を示しているのだが、ゲームなどグラフィックスチップのパフォーマンスを活かす作業においては動作こそするものの、現在の専用GPUと比較するとパフォーマンスは控えめ。

例えば動画編集がしたいのであれば、できれば専用チップを搭載したクリエイターノートPCやゲーミングノートPCの方が有利だ。

AMDのRyzenプロセッサが光って見えるため、PCそのものの万能型に見えるかもしれないが、クリエイティブというよりはビジネスワークの方が最適なPCだと思う。

SSDの読書速度

搭載されているSSDは東芝製のもの。大容量データの読み書き時に書き込み速度が一律低下していたので、クリエイティブワークで使うのは推奨しない。後世から考えてもやはりビジネスPCとして利用した方が合理的な気がする。

PCの温度、ファンの動作音について

PC内部の温度について

CPU使用率を100%にできるソフトウェアを使い、後負荷時の挙動を確認。CPUの最大値は67℃まで上昇した。

動作周波数を確認してみると3.7Ghz程度で動作していた。

ファンの動作音について

この時のファンの動作音は40.2db程度。一般的なモバイルノートPCと同じ水準だ。

ThinkCentre M75q Tiny Gen2 の評価とまとめ

良い点

  • 拡張性の高いインターフェースを搭載でビジネス用PCに最適
  • 省スペースで設置可能、ストレスが少ない
  • 価格が安い
  • メモリやSSDの増設がしやすい

気になる点

  • 大幅なディスカウント手法がメーカーに塞がられてしまい神コスパが高コスパに変化した

低価格なビジネス向けミニPC

大人の人たちがこぞって「テク」で大量に購入していたらメーカーに穴を塞がれてしまったような格好で、従来のような買い方ができなくなってしまったのが非常に残念ではあるのだが、僕もその方法を紹介していた一人なのでこうなるだろうとはあらかじめ予想はしていた。

とはいえ、あのような低価格じゃなかったとしても製品クオリティが下がるわけではないので10万円以下でビジネスワークをメインにコンパクトなPCを検討している人におすすめしたい。

ThinkCentre M75q Tine Gen2

公式サイトでみる

価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。

1コメント

  1. お勧めに従ってGEN2を購入しましたが、apuが紹介いただいたものより古いようです。しかもgen3より高かった。他にも間違えて購入する方がいるかもしれないので訂正ください。

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