ASUS ミニPC PN50-BBR026MD レビュー 同時4画面出力可能なRyzen搭載の超小型PC

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ASUSが販売するベアボーンキット「PN50」は5万円以下でRyzenモバイルプロセッサを搭載したミニマルなベアボーンキットです。

ベアボーンキットは本体のガワ、電源、CPU付きのマザーボードをセットで販売し、ユーザーはメモリ、OS、ストレージを別途用意して、自分の用途に応じた構成に組上げる必要があります。

本記事ではAmazonで購入した実機の検証結果とおすすめポイントなどをまとめて紹介していきます。

スペック

PN50-BBR026MD
CPU
  • AMD Ryzen 5 4500U
iGPU
  • Radeon graphics
メモリ
  • -(2スロット最大64GB)
SSD
  • -(M.2/2.5インチ対応)
無線機能無線機能:Intel Wi-Fi 6 AX200 (Gig+) 、Bluetooth 5
サイズ(幅×奥行×厚さ)幅115mm×奥行き115mm×高さ49mm
電源65W
重量528g
保証購入日より12ヵ月間の日本国内保証

※OS,メモリ,ストレージは別売りです。

インターフェース規格など仕様詳細はASUS Store商品ページよりご確認いただけます。

本製品はASUSのあんしん保証には対応しないようです。

価格について

ASUS公式ページは税込み48,570円で購入できるようですので、楽天リーベイツなどのキャンペーンでAmazonよりも安く手に入れることができる場合があります。

ASUSの販売するベアボーンはRyzen 3 4300UとRyzen 5 4500Uから選択可能となっております。

組立・用意するもの

ベアボーンキットは、ガワとCPUと基板だけ用意されているものなので、SSDやメモリ、OSは各自で用意する必要があります。

裏蓋をあけるための精密ドライバーを用意してからスタートしましょう。(コンビニでうってるので可)

付属物

  • ミニPC本体
  • 電源ケーブル
  • ACアダプター
  • 製品保証書
  • クイックスタートガイド
  • VESA規格対応マウント
  • サポートDVD

といった構成です。M.2に対応するネジや2.5インチ用のネジも付属しているため、対応した製品を購入すればつけられます。

YouTube動画でも紹介しているので是非参考にしてください。

メモリ

メモリスロットは空きスロットが2つあり、最大64GBまで対応します。

ミニPCに搭載されるCPU「Ryzen 5 4500U」はZen2アーキテクチャに対応したモバイルプロセッサで従来よりも高いクロックで動作するメモリを搭載可能で3200Mhzまで対応。対応メモリはSO-DIMM(ノート用として販売されているもの)

ということで、今回はCrucial製のメモリDD4-3200 8GB×2枚セットを購入。合計16GBでちょっとした高性能モバイルノートPCと同等クラスのスペックに。

SSD

SSDは以前、Seagateから提供されたモノを再々流用。メーカーさまには申し訳ないのでここで登場させておく。

PN50のM.2スロットはSATA規格、NVMe規格どちらにも対応するため、比較的安価なSATA用のSSDを利用するのも有です。

また2.5インチ規格のSSDやHDDに対応するためデュアルストレージにできます。ゲーム専用機になるわけでもないのならば、速度よりも容量を優先しましょう。いえい。

OS

OSはパソコン工房のオンライン上でダウンロードキーを発行してくれるものを利用しました。Amazonでも問題ないのですが、心理的にパーツショップを選んでおきたくて…

今回はパッケージ版を購入しましたが、DSPバンドルのものであればSSDとセットで安く購入可能なので利用してみてはいかがでしょうか。

  • パソコン工房公式 即納OS(DSP)

デザインについて

上部は斜めに入ったヘアライン仕上げの手触りがよく、高級感があります。いわゆる弁当箱PCといわれるジャンルですが、このサイズまで来ると弁当箱というよりは高級革財布のようなイメージです。

本体重量はわずか528g、ディスプレイが付いていない分、昨今のモバイルノートPCよりも軽量。ベアボーンキットとしてもかなり小さいサイズ感は驚きました。

縦と横の長さは同じで正方形。iPhone SEよりも短いため、片手で持つのが簡単です。

下側と左右に空気の流れを作る穴が開いています。

インターフェースについて

前面IO

  • オーディオコンボジャック
  • USB 3.2 Gen2 Type-C(DP1.4/急速充電対応)
  • USB 3.2 Gen1
  • microSDカードスロット

背面IO

  • HDMI 2.0
  • USB 3.2 Gen 2 Type-C(DP1.4)
  • LANポート
  • USB 3.2 Gen 1
  • DJジャック
  • DisplayPort 1.4

内蔵モジュール

無線機能にWi-Fi6、Bluetooth 5に対応したモジュールが搭載されており、電源さえ接続できていればコードレスフリーでオンラインにできます。キーボードやマウス操作も可能です。

このほか、内蔵マイクや赤外線センサーを搭載しているため、コルタナを操作したり、別売りのリモコンでもPCに命令を下せます。

4画面出力可能な豊富な拡張ポートが魅力

PN50はHDMIのほか、USB-CとDPをもちいた、同時に4画面へ4K解像度で映像出力を可能にした豊富な拡張ポートが魅力の一つです。

USB-Cの急速充電は、本体から機器への給電のみに対応し、USB-CのみでPCを動作させられないのが残念です。これがついていればパーフェクトでした。

ベンチマーク結果について

 

Cinebench R20の総合スコア

Core i9 10980HK
4132pts
Ryzen 9 4900HS
4040pts 
Ryzen 5 4600H
3143pts
Core i7 10750H
2926pts
m-Book K700 Core i7 9750H
2643pts
HP ENVY X360 13-ay0000 (Ryzen 7 4700U)
2437pts
HP ENVY x360 15Ryzen 5 4500U
2270pts
PN50(レビュー機)
2243pts
Core i5 10300H
1941pts
ThinkPad E14 Gen 2(AMD)
1604pts
Prestige 15 Core i7 10710U
1587pts
mouse X5 (Core i7 10510UI)
1534pts
ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U)
1333pts
ThinkPad X390(Core i7 8565U)
1245pts

CPUのレンダリングスピードを計測するCinebench R20では、2243ptsでした。筐体のエアフローに余裕があるので、パフォーマンスは伸びるかと思っていましたが、同じCPUを搭載した15.6型のノートPCと同程度です。

しかし、ファンの動作音がほとんどなく、不快感が全くない点がよいポイントだと思います。

ファイナルファンタジー14漆黒のヴィランズ

ファイナルファンタタジー14のベンチマーク結果
標準品質(ノートPC)4623/快適
高品質(デスクトップPC)2636/やや快適

軽量級のMMORPGファイナルファンタジー14漆黒のヴィランズでは、ノートPCの標準設定で快適クラスでした。

フォートナイト

画質はプリセットの「最高画質」「高画質」「中画質」「低画質」を選択しました。

フォートナイトシーズン2の平均フレームレート
フルHD(1920×1080ドット)
エピック(最高画質)
14fps
高画質
21fps
中画質
54fps
低画質
105fps

人気ゲームタイトル『Fortniteフォートナイト』は中画質のプロファイルからさらに調整を施せば60fpsで遊べると思いますが、低画質にしても100fpsで安定しないことから、結構厳しい印象でした。

PCMARK 10

PCMark10
Essential8477
Productivety7205
DigitalContents Creation4662

PCの総合的なパフォーマンスをテストするPCMARK10ではベンチマークソフト提供元が快適とする総合スコア3000点を上回りました。

MicrosoftOfficeや互換ソフトなどは非常快適に動作すると思われますし、画像編集、写真の補正にも使えるでしょう。動画編集や重量級ゲームのプレイを除けば、ほとんどのタスクで快適に動作する性能です。

ベンチマーク結果での評価

Ryzen 5 4500Uを搭載したノートPCと同水準の性能でした。

PN50が特別優れているといったわけではないので過度な期待は禁物ですが、ビジネスユースでの利用やリモートワークでPCを必要とする人に十分な性能があると思います。

ゲームのプレイや動画編集など重量級のタスクは、快適性が損なわれますが、一応できます。

ファンの動作音やPCの温度について

ファンの動作音

PN50の動作音
ピーク時約46.3db
アイドル時約38db

ファンの動作音は非常に静かで、ピーク時の音も46dbと比較的低い数値でした。本体が小型化されていて、計測地点がPC本体と近接していましたが、実際には気にならない程度の音です。

アイドル時は部屋の環境音のほうが気になるくらいで、PCは無音に近い感じでした。

モニターの背面に設置し、PCを利用する人との距離が1m弱離れていれば、ファンの動作音はほとんど聞こえないと思われます。

PC内部の温度について

ファイナルファンタジー14を実行し1時間動作させた際のログデータです。内部のGPUや80℃を超えることなく安定していました。

ファンの動作音も含めてストレスフリーなPCだと思います。

PN50 Ryzen 5 4500U搭載モデルの評価

良い点

  • 組上げやすいシンプルな構造
  • ベアボーンキットなのにかっこいいデザイン
  • VESAマウントアダプター標準搭載
  • デュアルストレージ可能
  • とにかくコンパクト
  • Wi-Fi6 Bluetooth 5搭載が素晴らしい
  • 映像出力が豊富

気になった点

  • パフォーマンスは普通
  • USB-Cからの給電に対応してほしかった

デイトレーダーにもおすすめミニマルなベアボーンキット

Ryzenモバイルプロセッサは非常に高性能でMicrosoftofficeや互換ソフトの利用、Photoshopなど画像編集もこなせる性能です。なおかつ、低価格なので、今ノートPC市場でめちゃくちゃ売れているわけですが、例にもれず同じCPUを搭載したこのPN50も税込み5万円をきる価格で購入可能な点が非常に魅力的。

これからノートPCを検討する人も、実は家で使っていることのほうが多かったと考える人も多いと思いますし、一般の方でも組上げやすいシンプルな構造はとても良いと思います。しかし、内蔵モジュールやリモコンなど、ここまで無線環境にこだわるのであればUSB-Cから給電し本体を動かせるようにしてほしかったなと。

2.5インチSSDも搭載可能なので安価な構成にすれば、OS込みのフルセットで7万円は切れるはずなので株やFXのデイトレーダーにもおすすめできる高コストパフォーマンスなベアボーンキットだと思います。

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