AMDがシングルコア性能を飛躍的に高めた第4世代のRyzenシリーズを11月6日より発売を開始しました。それに合わせてRyzen 5 5600Xを購入できたのでベンチマーク結果およびおすすめポイントをまとめていく。

Ryzen 5 5600Xとは

スペック

世代第4世代 AMD Ryzen
コードネームVermeer(フェルメール)
CPUコア数6
スレッド数12
プロセスルール7nm
基本クロック3.7Ghz
ブーストクロック4.6Ghz
TDP65W
CPUクーラー(Wraith Stealth cooler)付属
対応メモリDDR4
対応チップセットX570/B550/X470/B450※

※400番台マザーボードはメーカーのBIOSアップデートにてアナウンスがあり次第。

Zen3アーキテクチャを搭載するRyzen 5 5600XはCPU内部のレイアウトを刷新し、クロック当たりの性能がZen2から19%向上。7nmプロセスはそのままに大きくパフォーマンスを向上させ、競合他社に対し優位に。

特徴

  • 競合インテルのCore i7 10700Kなみの性能
  • シングルコアはかつてないほどに高速
  • クロック周波数の安定度が高い
  • コスパのAMDから性能のAMDへ
  • 流通量が少なく、価格が高騰。

結論から先に記載しておくと、ベンチマーク結果や実行性能で、8コア16スレッドのインテル Core i7 10700Kと互角以上のパフォーマンスを発揮することが分かりました。

性能について

当サイトで測定した過去データ

CPUの性能を測定する代表的なベンチマークソフトウェア「Cinebench R20」では上記のような結果に。

Ryzen 5 5600Xは6コア12スレッドのCPUであるため、上位の8コア16スレッドCPUにマルチスレッドでは一歩劣るものの、シングルスレッドは飛躍的に向上しました。後述しますが、この結果はゲーム性能にもしっかりと反映されており、Ryzen 5 5600Xを選ぶということは8コア16スレッドのインテル Core i7並みの性能を手に入れるということになります。

Zen3アーキテクチャのRyzen 5 5600Xは、ワンランク上のCPUと競合できるほど素晴らしい性能を発揮可能なCPUです。

価格について、マザーボード分だけまだ有利

価格.comから引用

ただし、CPUの販売価格は税込み4万円弱で、Ryzen 5 5600Xは6コア12スレッドCPUとしては非常に高価なCPUになってしまった。

Zen2から改善されたCPU内部構造の変化で製造コストがあがってしまった上で、インテルCPUに対してパフォーマンスがかなり有利になったので、致し方のないことなのですが、やや、横綱相撲的な印象を受けます。

市場流通在庫の初値を大手価格比較サイト、「価格.com」のデータを引用したグラフが上記なのですが、CPUのアップデートが入るごとに(インテルをおいつめるごとに)価格が上昇していることがわかります。

もはや、インテルCPU最後の砦であったゲーム性能というアドバンテージすらも取り上げてしまったため、当然といえば当然なのですが、「コスパ」で選んできたユーザーとしては複雑な心境でしょう。

BTOメーカーのPCもやや高め

ユニットコムが運営するパソコン工房では、Ryzen 5 5600X/RTX2070SUPERでストレージやメモリを合わせるとCore i7 10700Kモデル(KFがなかった)と2000円の差額しかない。

「同じくらいの性能」ではRyzen 5 5600Xのコスパは微妙かもしれない。

マザーボードはBIOSアップデートで400番台も対応

とはいえ、いまだ併売されるZen2アーキテクチャを搭載したRyzen 5 3600X/Ryzen 5 3500も選べるし、遅れての対応にはなってなりますが、既存のX470やB450チップを搭載したマザーボードにも対応してくれるのは、メーカーとして非常に良心的だと思います。

「AMDのRyzenならマザーボードを買い替えなくても最新のCPUが使える」というこれまでの経緯があるため、CPU買い替えユーザーにとってインテルを選ぶ要素をつぶせるのは、やはり強い。(新しいマザーボード買いたい勢はしらん)

欲しい人は買え。コスパは求めない

製品そのものは素晴らしいパフォーマンスを与えてくれますが、400番台マザーボードのBIOS更新が入った後に、PCをそろえるでも問題はありません。

Ryzen 5 5600Xの性能がとても素晴らしかったため、追加でRyzen 7 5800XをメインPC用に購入してしまいました。

理由はいくつかありますが、来年度にはZen4アーキテクチャの発売が決定し、いろんなパーツが新しい規格になるため、このあたりでミドルハイクラスの性能を手に入れておこうかな、という心境です。

実際の性能について

検証機の紹介

以前購入した、長尾製作所のオープンフレームケースおよびDeepcool ディープクール Assassin IIIを搭載した検証機で各種ベンチマークやゲームのフレームレートを測定します。

Ryzen 5 5600X搭載検証機
ケース長尾製作所オープンフレームケースmicro-ATXVer
マザーボードASRock B550M Steel Legend
CPUクーラーDeepcool ディープクール Assassin III
GPUASUS ROG STRIX Gefoce RTX2070SUPER
メモリCORSAIR VENGEANCE DDR4- 16GB(8×2 2133Mhz)
電源Corsair RM550x

マザーボードはASRockのB550M Steel Legendを選択。

Wi-Fiモジュール用のスロットを装備しつつ、PCIE×16や×4を装備しているため、一般的なゲーミングPCに搭載されているマザーボードです。

M.2スロットのアーマーやVRM回りのヒートシンクが印象的で、オープンフレームケースで映えるマザーボードです。

それ以外に特に理由はないけど、しいて上げるなら友情パワーでマザーボードを選択しました。

思っていた以上に梱包がしっかりしていて安心感がありました。ネットでPCパーツの購入を検討されている人はASRockを候補に入れてはいかがだろうか。

その他パーツは、メインのPCからの流用です。

ちなみにYouTubeにレビュー動画をアップした際「メモリのクロック周波数が低い」というご指摘をいただきましたが、今回のZen3では、ワンチップにコアを全部乗せしていることが起因しているからか、メモリのクロック周波数の低さが実行性能の低下を招くボトルネックはZen2ほどではないみたいです。一応3200Mhzメモリも購入したので検証はしてみますが。

下記ゲーム性能はASUSのゲーミングPC「ASUS ROG Strix GT15」の検証データを再掲載しています。メーカー製PCであることも考慮してみていただければ幸いです。

フォートナイト

フォートナイトフルHDでゲームプレイしたい際の平均フレームレートです。特に中画質のハイフレームレート時が顕著でRyzen 5 5600Xは334Core i7 10700KFをしのぐ実行性能があります。

PUBG

PUBGフルHDのトレーニングモードでマップを周回した際のフレームレートです。フォートナイトよりもフレームレートが伸ばしづらかったPUBGでもRyzen 5 5600Xが有利に。

高画質、最高画質においてもRyzen 5 5600Xが有利です。インテル Core iシリーズは上位グレードになればなるほどブースト時のクロックが高くゲーム性能が高い評価がありますが、6コア12スレッドのRyzen 5 5600Xが8コア16スレッドのCore i7 10700KFよりもパフォーマンスを発揮できる時が来るなんて…

ファイナルファンタジー15

ファイナルファンタジー15ベンチマークをフルHD画質で実行した際のスコアです。重量級のゲームタイトルになると、スコアは僅差となります。

中画質、高画質ではCore i7 10700KFが有利ですが、高画質ではRyzen 5 5600Xが有利です。

シャドウオブザトゥームレイダー

同じく重量級のゲームタイトルシャドウオブザトゥームレイダーのベンチマークを実行した際のフレームレートです。

最高画質では同じ水準に落ち着くものの、中画質、高画質では、インテルCPUのほうが有利な結果となりました。

ゲーム性能まとめ

軽量級、中級クラスのゲームタイトルではハイフレームレート時にRyzen 5 5600Xが非常に優秀で、インテルよりも高性能になっていました。

流行りのシューター系、バトルロイヤル系のeSportsタイトルをフルHD画質でプレイしたい方はRyzen 5 5600Xを選択するとよいと思います。

一方で、美麗な描写がうりの高グラフィックゲームにおいてはマルチコアが活かせるCore i7 10700KFが有利なシーンがありました。重量級なマルチコア最適化ゲームタイトルについては上位グレードのRyzen 7 5800Xで解決できそうな気もしますが、Ryzen 7 5800Xは税込み6万円と価格差を考えると、無理やりRyzenを買う必要もないのかな、と。

現状ではインテルCPUのほうが「コスパが高い」といえてしまいます。異例です。

Premiere Pro Bench

Puget Systemsの開発するPugetBenchによるAdobe Premiere Pro CCのテストです。4K動画素材の編集をバッチファイルで行いスコア化。相対的な性能を評価がわかりやすいです。

結果として、4K10bit4:2:2という非常に重たい素材データもほぼ快適水準で編集可能です。Core i7 10700KFとRyzen 5 5600Xで大きな差はありませんでした。

Photoshop Bench

同じくクリエイティブソフトを代表するAdobe Photoshop CCのPhotshop Benchを計測した結果です。

Ryzen 5 5600Xは既存のインテル8コア16スレッドモデルよりも高いスコアでした。

クリエイティブ性能まとめ

ベンチマーク結果を見れば、クリエイティブなタスクもRyzen有利です。ただし、体感性能においてあまり差がなく、どちらを選んでもよい状況だと思います。

とはいえ、後述する高負荷時の挙動で判断するに、業務で使うのであれば、AMDのほうが安定性が高いといえるかもしれません。

高負荷をかけた際の挙動

OCCT

OCCTを利用しCPU使用率を100%にした状態で1時間の負荷テストを行いました。購入したRyzen 5 5600Xの最大動作周波数は4.64Ghzです。この検証ではリテールクーラーのファンの回転数をパフォーマンスモード(ASRockファンコントール機能)に設定し2000rpm計測しています。

開始二分で動作周波数は落ち込みましたが、テスト開始後48分後も、4.47GHzで動作します。CPUの最大温度は92℃でした。

ちなみに、DeepCoolのCPUクーラーを搭載した状態では、目立った動作周波数の落ち込みはなく、1時間きっちり4.6Ghzで回ってました。

インテルはブーストの落ち込みが目立つ

検証機がたびたびかわるのが申し訳ないです。レノボLegionシリーズに搭載されていたCore i7 10700ですが、OCCTテスト直後からクロックの動作周波数が緩やかに低下していました。

インテルCPUは最大クロックこそ高いものの、安定感にかける感じがします。

4K動画や3DCGのレンダリングを行う際は、このあたりのパフォーマンスの差が出てきそうな気がしますね。

Ryzen 5 5600Xの評価とまとめ

良い点

  • シングルコア性能で格上のインテルCore i7と互角以上のパフォーマンス
  • シューター系で求められるハイフレームレート時で、最高クラスの性能を発揮
  • クリエイティブ性能もCore i7並み
  • 高クロックで動作し、冷却できればパフォーマンスを維持できる

気になる点

  • 価格
  • 流通量の少なさ

コスパのAMDから性能のAMDへ

性能についてはゲームにおいてもクリエイティブ性能においてもインテルCPUと比較して有利な点が増え、「価格の安さからAMDを選ぶ」というネガティブな感じではなく、「最高性能を求めるからAMDを買う」というポジティブなマインドに変化させてくれるCPUでした。

とはいえ、流通量の少なさや価格の高さがネックとなるため、ゲームをプレイしたいからゲーミングPCを買うユーザーにとって、「クロックの動作周波数がぶれない品質の高いCPUであるメリットがどれくらい求められるのか?」という点は疑問です。(僕は買うけど)

コスパにおいては苦戦を強いられているインテルの割安感が目立ってきているのも事実です。

メーカー製のPCにおいてはトータルで安く買える可能性があるため、自作erよりもこれからゲーミングPCを買う人のほうがおすすめできるかもしれません。

Ryzen 5 5600X搭載のBTOメーカーのPC

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