ThinkPadシリーズは、耐久性・操作性・拡張性の3拍子が揃ったビジネスノートの定番ブランドです。
特にモバイル用途のモデルは、軽量ながら打鍵感の良いキーボードや豊富なインターフェースを備えており、
出張やカフェでの作業、リモートワーク用PCとしても高い人気を誇ります。
この記事では、2025年に登場した最新のThinkPadモバイルモデルを比較しながら、選び方のポイントとおすすめ機種を紹介します。
軽さ・性能・バッテリー・価格など、自分の用途に合ったモデルを選ぶ際の参考にしてください。
結論:モバイル用ThinkPadで“最も美味しい一台”は ThinkPad X13 Gen 6

2025年のラインナップを比較した結果、
モバイル用ThinkPadの中で最もバランスに優れ、万人におすすめできるモデルは
ズバリ 「ThinkPad X13 Gen 6」 です。

2025年モデルのThinkPad X13 Gen 6は、選択可能な大容量バッテリー(約54.7Wh)を搭載しても重量982gという軽さを実現しています。
この1kg未満という重量は、13.3型クラスのプレミアムモバイルノートでは珍しくありませんが、
ビジネス用途に特化したプレミアムブランド「ThinkPad」シリーズでこの軽さを実現している点が大きな魅力です。
さらに価格は16.3万円台からと、X1 Carbonシリーズなど上位機種に比べて非常にコストパフォーマンスが高く、
“プレミアムThinkPad”の品質を手の届く価格帯で体験できるモデルになっています。
CPUにはIntel Core Ultra Uシリーズ(Core Ultra 5/7)を採用し、
AI支援処理や動画・画像編集などの軽いクリエイティブ用途にも十分対応。
省電力性に優れ、ビジネスシーンで求められる安定動作と長時間駆動の両立が可能です。
また、オプションで5G通信モジュールを選択可能。
外出先でもネットワーク環境を気にせず作業できるため、出張やリモートワークの多いユーザーにとって大きな利点です。
モバイル用のThinkPadとは

ThinkPadシリーズには、E/L/Z/P/T/X9/X/X1 といった複数のラインが存在します。
このうち、「X」がつくシリーズ(X/X1/X9)はモバイル用途に最適化された高性能モデルであり、
「軽さ・堅牢性・高性能」を兼ね備えたThinkPadの中核ラインです。
モバイルノートPCの定義にはさまざまな意見がありますが、
弊サイトで過去に実施したアンケートによると、
- 1.5kg以下なら持ち運び可能
- 1.3kg前後で“普通に持ち運べる”
- 1kg以下であれば“理想的”
 という結果が得られています。
したがって、本記事ではこの重量基準をもとに「モバイル用ThinkPad」を解説していきます。
ただし、2025年モデルでは新たに15.3型で重量約1.4kgの「ThinkPad X9 15」が登場しており、
画面サイズと筐体設計の進化によって、“大型でも軽量”という新しいカテゴリが生まれています。
一般的に14型で1.4kgは「やや重い」とされますが、
15.3型で1.4kgなら十分に“軽い部類”に入るといえるでしょう。
ThinkPadはどういう人におすすめ?
① 出張や外回りが多いビジネスパーソン
頻繁にノートPCを持ち運ぶ営業職・コンサルタント・フリーランスに最適です。
ThinkPadの堅牢な筐体設計は移動時の衝撃にも強く、
MIL規格(米国防総省の耐久テスト)をクリアしているため、安心して持ち歩けます。
② カフェやコワーキングスペースで作業するユーザー
ThinkPadはキーボードの打鍵感の良さに定評があります。
長時間タイピングしても疲れにくく、文書作成やプログラミングにも向いています。
また、マット仕上げの液晶は反射が少なく、外光のある環境でも視認性が高いため、
カフェや屋外での作業にも向いています。
③ リモートワーカー・在宅勤務メインの人
リモート会議が多い人には、マイク・スピーカー・Webカメラの品質が高いThinkPadが快適。
ビデオ会議中のノイズ抑制や顔認証ログインなど、
細かな部分まで“仕事で使う”ことを前提に設計されています。
特にX1 Carbonシリーズは音響と映像品質が非常に高く、オンライン会議専用機としても優秀です。
④ 写真・動画編集などの軽いクリエイティブ作業をする人
Core UltraやRyzen AIシリーズを搭載した2025年モデルでは、
AIアシスト機能やGPU性能が向上しており、
LightroomやCanva、DaVinci Resolveなどの軽い編集作業も快適に行えます。
モバイルでクリエイティブを行うユーザーにとって、性能と安定性のバランスが取れた構成です。
バッテリーの持続時間で選ぶならThinkPad X9 15がおすすめ

UL Procyonによるビデオ再生テストの結果、
最も長時間駆動したのはSnapdragonを搭載するThinkPad T14s Gen 6で、

実測で**約25時間(1530分)**という驚異的な結果を記録しました。
ThinkPad T14s Gen 6 Snapdragonのレビュー
次点は**ThinkPad X9 15(Core Ultra 7 258V搭載)**で、
80Whの大容量バッテリーを搭載していることから、こちらも長時間駆動を実現しています。
一方で、X13やX1 Carbonなどのモバイルシリーズは、
バッテリー容量が55〜57Whと比較的コンパクトながら、
10〜17時間前後の実用的な駆動時間を確保しており、
ビジネスワークやリモート会議など、1日の業務を十分カバーできる性能を持っています。
ThinkPadシリーズはCPU性能を必要以上に引き上げず、
発熱と消費電力のバランスを最適化している点が特徴です。
そのため、同じCPUを搭載していても他社モデルよりも動作時間が長く、
「安定して動く」「安心して持ち歩ける」ことに重きを置いたチューニングが施されています。
実用性重視ならThinkPad X9 15が最有力

Snapdragon搭載モデルは省電力性に優れ、圧倒的なバッテリー持続時間を実現していますが、
一方でアプリケーション互換性の課題が依然として残っています。
特に動画編集ソフトや企業向けの専用ツールなど、
x86アーキテクチャ前提の環境では思わぬ制限が出るケースもあります。
そのため、総合的な使いやすさと安定性を重視するなら、
筆者としておすすめしたいのは 「ThinkPad X9 15」 です。

このモデルは15.3型の大画面を搭載しながら、
重量は約1.4kgに抑えられており、モバイルノートとして十分持ち運び可能な範囲。
さらに80Whの大容量バッテリーを搭載しており、
ビデオ再生テストではSnapdragonモデルに次ぐ長時間駆動を実現しました。
加えて、Core Ultra 7 258Vを搭載しており、
AI支援タスクや高負荷処理にも対応。
大型ディスプレイの恩恵で作業効率も非常に高く、
動画編集・表計算・資料作成など、ビジネス用途からクリエイティブまで幅広く対応できます。
ハイブリッドに使えるThinkPadがほしいならX1 Carbon Gen 13

ThinkPad X1 Carbonは、**“あらゆる作業を一台で完結できる”**ことをコンセプトに進化してきた、ThinkPadシリーズの代表格です。
最新の X1 Carbon Gen 13 では、モバイルノートの枠を超えた総合力を備えており、
クリエイティブ・ビジネス・マルチメディアを高い次元でこなせるハイブリッドマシンとなっています。

実際の動画エンコードテスト(YouTubeプリセット/H.264)では、
ThinkPad X9 15(Core Ultra 5 226V)よりも高速な結果を記録し、
CPU性能だけでなくGPUの最適化も進化していることが分かります。
また、バッテリーの持続時間も長めに設計されており、
高負荷作業だけでなく長時間の外出先業務にも対応可能。
さらに、5G通信モジュールの選択にも対応しており、
移動中やネットワーク環境が限られた場所でもストレスなく作業できます。
ビジネス文書の作成やオンライン会議はもちろん、
軽い動画編集・画像処理・プレゼン制作までを1台でこなすことができる、
“万能な仕事用ノートPC”としての完成度が極めて高いモデルです。

