LenovoのLegionシリーズは、ゲーミング性能と冷却設計の高さで人気のブランドです。
2025年モデルでは、Intel Core Ultraプロセッサを採用し、
RTX 50シリーズにも対応するなど、ノートでもデスクトップ級のパフォーマンスを実現しています。
ただし、Legionはモデル数が多く、「どれを選べばいいか分からない」という声も少なくありません。
この記事では、ウチヤマチカラが実機レビューをもとに
**「Legionの選び方」→「用途別おすすめモデル」**の順に分かりやすく解説します。
Legionシリーズの特徴
Lenovo Legionは、高性能CPU+RTX GPUを搭載したゲーミングノートシリーズ。
ゲーミングだけでなく、動画編集・3DCG・AI生成などクリエイティブ用途にも強い設計が特徴です。
主な特徴は以下の3点:
- 冷却性能が高く、長時間でも性能が安定
- 高リフレッシュレートOLEDディスプレイ(最大240Hz)
- 上質な質感と入力デバイス(キーボード・トラックパッド)

また、グローバルではシェアナンバーワンです。
2024年度のゲーミングPC市場におけるグローバルシェアは28.6%で世界一という結果。
正直、日本に住んでいるとピンと来ないかもしれませんが、レノボは今、世界で一番ゲーミングノートを売っているメーカーなんです。
レノボのゲーミングPC実はグローバルシェアはナンバーワンレノボに足りないところをPCレビュアーが解説
2025年のラインナップ概要
日本市場のLegionノートは、海外展開モデルとは若干異なり、
最上位のLegion Pro 9シリーズは2025年時点では国内未展開です。
そのため、国内で購入できるLegionノートは主に以下の4シリーズになります。

| シリーズ名 | 画面サイズ | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| Legion 5i Gen 10レビュー | 15.1型 | コスパ最強のエントリーLegion。OLED搭載 | 約19万円台〜 |
| Legion 7i Gen 10レビュー | 16型 | 白モデルあり。軽量・デザイン性◎ | 約27万円台〜 |
| Legion Pro 5i Gen 10 | 16型 | 冷却性能&出力バランスが最強。主力モデル | 約22〜24万円台〜 |
| Legion Pro 7i Gen 10レビュー | 16型 | 50シリーズGPU搭載のハイエンド | 約41万円台〜 |
最安モデルからいきなりOLED採用は強い
特筆すべきは、最も安い「Legion 5i Gen 10」からOLEDディスプレイが搭載されている点。
2024年までのLegionでは上位モデル(Pro 5/Pro 7)にしか搭載されなかったOLEDが、
2025年は下位モデルでも標準化され、かなり贅沢な仕様になっています。
- 高コントラスト
- 発色の良さ(色域広め)
- 応答速度が速い
- ゲームでも映像でも見栄えが圧倒的
これにより、「安いモデルなのにディスプレイ品質が高い」という
Legion最大の魅力がより分かりやすくなりました。
国内展開:Legion Pro 9は日本では未発売
海外では Legion Pro 9(RTX 5090/4080搭載の最上位モデル) が存在しますが、
日本では2025年2月時点で 未展開 です。
そのため、国内での最上位は Legion Pro 7i Gen 10 となります。
Legion と LOQ の違い
LOQシリーズは“コスパ重視版Legion”と考えるとわかりやすいです。
実際、LOQは旧世代Legionの筐体や設計を流用しており、その分価格を大きく抑えています。
1. 筐体設計の違い:LOQは旧Legion筐体を採用
LOQシリーズは、数世代のLegion筐体をベースにしているため、
- エアフローの設計(吸気・排気)がLegionより控えめ
- 熱設計の余裕はLegionのほうが上
- キーボードやトラックパッドの質感もLegion > LOQ
- Lenovo LOQのレビュー
2025年発売のLenovo LOQ

Legion 750i

ただ、旧Legion筐体の冷却能力はもともと高いため、
パフォーマンスは十分伸びるという点は強みです。
2ディスプレイの違い
LegionとLOQのいちばん大きな差は、
「ディスプレイ(パネル品質)」です。
写真を見ても一目瞭然ですが、スペックを並べると差がもっと明確になります。
Legion 5i Gen 10

15.1型 WQXGA OLED(有機EL)
- 解像度:2560×1600
- 最大輝度:500 nit
- 色域:DCI-P3 100%
- HDR600 True Black 対応
- リフレッシュレート:165Hz
- コントラスト比:無限大(OLED)
- 光沢あり
- 10.74億色
→ 圧倒的に美しい。動画視聴・写真編集・ゲームすべてで“見栄えが段違い”
→ Legionの“高級感”を作っている最大の要素がこのOLED
LOQ 15AHP10

15.6型 FHD IPS液晶(144Hz)
- 解像度:1920×1080
- 輝度:300 nit
- 色域:sRGB 100%
- 144Hz
- 非光沢
- HDRなし
→ ゲームを144Hzで遊ぶには十分
→ ただし 映像の深み・黒の締まり・色鮮やかさはLegionと比較すると大きく劣る
→ 動画編集やコンテンツ制作には不向き
写真で分かる「階調」と「黒」の差
上の写真のとおり、
- Legion:黒が締まり、光の表現に深みが出る(OLED特有の“深い黒”)
- LOQ:やや白浮きし、全体の階調が浅い(一般的なIPS液晶の限界)
白浮き(IPS液晶)
黒が深く沈む(OLED)
→ 暗いシーンの表現力が段違い
→ Legionは“プロのクリエイターでも使える画質”
→ LOQは“ゲーム向けの実用液晶”という立ち位置
| 項目 | Legion 5i Gen 10 | LOQ 15AHP10 |
|---|
| パネル | 有機EL(OLED) | IPS液晶 |
| 解像度 | 2560×1600 | 1920×1080 |
| リフレッシュ | 165Hz | 144Hz |
| 輝度 | 500 nit | 300 nit |
| 色域 | DCI-P3 100% | sRGB 100% |
| HDR | 対応(True Black 600) | 非対応 |
| 黒の表現 | 完全な“漆黒” | うっすら白浮き |
3消費電力の違い
Legion 5i Gen 10には 245WのACアダプター が付属しており、
CPU・GPUの両方に十分な電力を供給できる設計になっています。
一方で、Lenovo LOQ 15IRX10は 175Wアダプター が付属し、
ノート全体で使える電力が控えめに設定されています。
この電力供給量の違いは、
そのまま CPUが“実際に使える電力”の差となって現れます。
Legion 5i Gen 10
- 付属ACアダプター:245W
- 高出力のまま長時間動作できる
- TDPの高いIntel HXシリーズCPUの性能を“最後まで”引き出せる
LOQ 15IRX10
- 付属ACアダプター:170W
- ノート本体の冷却も控えめ
- 最大TDPが低く、CPUがピーク性能で回り続けにくい

Time Spy(GPUスコア)はほぼ横並び
| モデル | Time Spy GPU スコア |
|---|---|
| Legion 7i Gen 10 | 12,326 |
| Lenovo LOQ 15AHP10 | 12,136 |
| Legion 5i Gen 10 | 11,868 |
誤差の範囲で、実際の描画性能はほぼ同等です。
つまり、GPUだけを見れば “LegionでもLOQでもRTX 5060の性能自体は変わらない” ということです。
動画エンコードでの差がそのまま証拠

YouTubeプリセット H.264 書き出し(DaVinci/Premiere)
※数値は“書き出し完了までの秒数”(低いほど速い)
| モデル | 時間(秒) |
|---|---|
| Legion 5i Gen 10 | 139秒 |
| Legion 7i Gen 10 | 142秒 |
| Lenovo LOQ 15AHP10 | 150秒 |
同じRTX 5060でも書き出し速度が11秒違う=CPU電力の差がそのまま結果に出ている。
高解像度ゲームでもCPU差がフレームレートに影響する
GPUが同じでも、
- AI処理
- 敵のスポーン処理
- マップ読み込み
- 物理演算
などはCPU側の仕事。
CPUパワーに“余裕がある”Legionのほうが、
WQHD以上の高解像度ゲームやCPU負荷の高いタイトルでfpsが伸びやすい。
クリエイティブ用途やWQHD以上でゲームを楽しみたいなら、Legionを選びましょう
GPU性能は同じでも、Legionは電力供給と冷却に余裕があり、CPU性能をしっかり引き出せるため、
- 動画編集・エンコードなどのクリエイティブ作業
- WQHD〜4Kの高解像度ゲーミング
ではLOQより確実にパフォーマンスが伸びます。
他社モデルとLegionの違い
Legion Pro 7i Gen 10は、Lenovoが展開するハイエンドゲーミングノートの中でも、
冷却設計に大きな特徴があります。
最大のポイントは──
「トリプルファン構成」+「大型ベイパーチャンバー」+「高風量のColdfront Hyper設計」
フラグシップモデルはトリプルファン搭載

GPU・CPUを分離して冷却できる
→ 電力リミットが緩和され、TGP/TDPが最大限まで伸びる。
高い風量を確保しながら静音性を維持
→ 同レベルの競合モデルより“静かさと性能”の両立がしやすい。
熱ダレが少なく、長時間の高負荷に強い
→ ゲーム配信・動画エンコード・AI生成など“持久戦”で有利。
Legion Pro 7iGen 10 OMEN MAX 16で比較


CPU:Core Ultra 9 275HX
GPU:RTX 5080 Laptop
設定:2560×1600 / ウルトラ
と完全に揃えた条件でテストしたところ、
Legion Pro 7i と OMEN MAX 16 でCPUの動作挙動が大きく異なることがわかりました。
この差が、そのまま最終fpsに反映されています。
1. CPUクロックに大きな差

(上のグラフ:青=Legion、オレンジ=OMEN)
■ Legion Pro 7i
- 平均 3.8〜4.3GHz で高いクロックを維持
- スパイク(瞬間低下)が少ない
- CPUに高い電力が供給されている状態
■ OMEN MAX 16
- 平均 3.0〜3.6GHz 程度で推移
- たびたびクロックが大きく低下
- 温度制御またはTDP制限によって出力が抑えられている
同じCPUでも “使える電力の差” によりクロック維持性能が全く違う。
2. CPU温度にも違いがある

(上のグラフ:青=Legion、オレンジ=OMEN)
■ Legion Pro 7i:80〜90℃前後で“高出力維持”
Legion Pro 7i は、平均して 80〜90℃ のレンジで安定しています。
この温度帯は「熱くて危ない」という意味ではなく、
冷却性能に余裕があり、CPUが本来の性能をしっかり出している状態 です。
- しっかり電力が回っている
- 高クロックを維持できる
- 性能低下(サーマルスロットリング)が入りにくい
つまり、ハイエンドCPUをきちんと“使い切る”冷却設計になっています。
■ OMEN MAX 16:70℃前後の“温度優先制御”
一方でOMEN MAX 16は、
60〜75℃あたりで推移しています。
一見こちらのほうが“温度が低くて良い”ように見えますが、
実際には温度を抑えるために
- CPUクロックが頻繁に落ちる
- 電力が抑制されている
という動作になっています。
→ 温度が低い=性能も抑えられている
という結果になっており、
ベンチマークや実ゲームfpsの差(約7〜8fps)は この制御の差が原因 です。
温度を使って性能を引き出せる設計かどうかが重要。
3. 実際のゲーム性能(fps)にも差


- Legion Pro 7i:149.39fps
- OMEN MAX 16:141.82fps
約 +7.5fps(5〜6%) の差。
完全に同じCPU・GPUでこの差が出るのは、
LegionのほうがCPU側の電力と冷却に余裕があるため、
より高いクロックを維持できていることが原因です。
競合機よりも高性能。総合的に見てもLegion Proを選ぶ価値が高い
Legion Proシリーズは、同じ価格帯の外資系メーカーと比較しても、
実ゲーム性能・CPU/GPUの安定性・冷却設計の完成度が明らかに優れています。
特にハイエンド構成(Core Ultra 9+RTX 5080/5090 Laptop)では、
冷却性能の差=実際のfps差として表れるため、
同スペックであっても Legion Proは競合より高いパフォーマンスを維持しやすいです。
競合として比較対象になるのは、
- ASUS ROG Strix
くらいで、OMEN MAXやAlienware MシリーズよりもLegion Proのほうが
高出力・高安定の傾向が強いです。
価格 × 性能 × 保証 のバランスが最強クラス
- ASUS ROGは性能は高いものの 価格帯が上がりやすい
- HP OMENはピーク性能が高いが 動作が不安定な場面もある
- Dell Alienwareは筐体が重く、価格が高め
- MSIはモデル差が大きく、当たり外れがある
一方で Lenovo Legion Pro は
- ハイエンド冷却(トリプルファン構成)
- OLEDなど高品質パネル
- 安定したTDP/TGP維持
- 日本国内での保証対応が強い
- シリーズ全体で“ハズレが少ない”
など、総合的な完成度が高く、
長期運用にも向いており、価格対性能でも優秀です。
手厚い保証体制。Legionはサポート品質も強みのひとつ
Legionシリーズは、単に性能が高いだけでなく、
保証・サポート体制が競合機より圧倒的に手厚いという特徴があります。
特に上位保証である Legion Ultimate Support は、
標準保証では受けられない手厚いサービスが多数含まれており、
ゲーミングノートやクリエイティブ用途で長く使いたい人に最適です。
Legion Ultimate Support の特徴
- 24時間365日サポート(ゲーム特化の上級技術スタッフが対応)
- 初期設定・チューニング・最適化の支援
- 単一窓口でハード・ソフト両対応
- 引き取り修理対応(自宅→修理→返送まで簡単)
- 年1回のPCヘルスチェック(性能診断)
- サポートの質が“ゲーミングPCに特化”している
通常のメーカーサポートよりワンランク上の質で、
ゲーミング用途のトラブルにも詳しい担当者がつくのは大きなメリットです。
窓口は NECサポートセンター内
日本国内のNECサポートセンターのフロア内に専用窓口があるため、
Lenovoでも“しっかり国内サポート”が受けられます。
海外メーカーのゲーミングノートは
- 海外窓口につながる
- 日本語が通じにくい
- 修理に時間がかかる
というケースも多いですが、
Legionの修理・相談は国内で完結し、対応も非常に迅速。
これは“Lenovo × NECの国内アライアンス”がある日本市場ならではの強みです。
ウチヤマチカラおすすめのLegionノートPC
■ トレンドを抑えたクリエイティブ・ゲーミング・コスパ最強
→ Legion 5i Gen 10 がベストバイ
Legion 5i Gen 10 は、2025年のLegionラインナップの中でも、
価格・性能・ディスプレイ品質のバランスが最も優れたモデルです。
● 165Hz駆動の有機EL(OLED)ディスプレイ
- 15.1型 / 2560×1600
- 165Hz
- HDR600対応
- DCI-P3 100%
この価格帯で“高色域OLED+高リフレッシュレート”を備えているノートは稀で、
作業用モニターとしてもゲーミングモニターとしても一級品です。
● インテル 第14世代(Core i7-14700HX)搭載
- ゲーム・動画編集タスクに強い
- 高負荷時でもしっかりパフォーマンスを出せる
- Legion特有の冷却設計によりクロック維持が安定
● 20万円以下で買えるコスパの高さ
この性能の組み合わせで、
20万円以下という価格設定はかなり攻めています。
ROG、OMEN、Alienwareあたりの同クラス構成と比較すると、
ほぼ確実にLegion 5i Gen 10のほうがコスパが良いです。
性能を求めるなら Legion Pro 7i Gen 10
RTX 5070 Ti 〜 RTX 5080 まで選べ、ノートでも“現実的な4K運用”が可能
Legion Pro 7i Gen 10 は、Lenovoのゲーミングノートの中でも最上位に位置するハイエンドモデルで、
2025年のゲーミングノートPCの中でもトップクラスのパフォーマンスを発揮します。
選択できるGPUは以下の通り:
- GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU
- GeForce RTX 5080 Laptop GPU
このレンジのGPUを搭載しているノートは限られており、
ゲームからクリエイティブ、AIタスクまで全てを1台で完結できる性能を備えています。
