ASUSが販売するTUF GAMINGシリーズは同社の『コスパが高いライン』として、PC好きに評判です。
特に、今回紹介するFX504GD-I7G1050はGPUにGTX1050(4GB)を搭載しているため、低~中画質でゲームをプレイするのにおすすめのゲーミングノートPCで、ASUSismをしっかりと踏襲している点が個人的には高評価。
メーカーから実機をお借りしたのでまずはその特徴から紹介していきたいと思います。
【TUF GAMING】FX504Gの特徴
動画で確認する
圧巻のキーボードバックライト
ASUSといえば、ゲーミングブランドROGシリーズの赤と黒のブランドイメージカラーがぱっと思い浮かびます。
FX504Gは、バックライトの細かい色変更や調整はできないものの、ゲーミングノートらしさを感じさせてくれます。
重厚感+エッジの効いたデザインでかっこいい
これは、僕がASUS大好き人間だから思うことかもしれませんが、ASUSというメーカーのパソコンはスタイリッシュ+ハイスペックをどう表現するかを追求している変態メーカーなので、がっしりしているのに、スマートな印象を受けるという”ちぐはぐさ”が他社製のパソコンと違ってよいのです。
デュアルファン搭載で冷却性能が高い
ASUSだけに限らず、ファーウェイをはじめとした中国企業がこぞってデュアルファンつきのノートPCを販売しているのですが、これには理由があって、ゲーミングノートPCの耐久性やパフォーマンスを向上させるためです。
ゲーミングノートPCとしてのコストパフォーマンスを追求した設計となっており、もし初心者の方で「ゲーミングノートPCの購入を考えているんだけど?」と検討中の方は下記おすすめモデルの中から選んでみてはいかかでしょうか。
FX504Gのラインナップおすすめ機種
おすすめ | CPU | GPU | メモリ | SSD | HDD | |
---|---|---|---|---|---|---|
FX504GD-I5S2YA | Core i5 8300H | GTX1050(2GB) | 8GB | 256GB | – | |
FX504GD-I5G1050 | ◎ | Core i5 8300H | GTX1050(2GB) | 8GB | 128GB | 1TB |
FX504GD-I5H1JP | ◎ | Core i5 8300H | GTX1050(2GB) | 8GB | – | 1TB |
FX504GD-I7G1050 | Core i7 8750H | GTX1050(4GB) | 8GB | 128GB | 1TB | |
FX504GE-I5H1 | Core i5 8300H | GTX1050Ti(2GB) | 8GB | – | 1TB | |
FX504GE-I5H1S1 | Core i5 8300H | GTX1050Ti(2GB) | 8GB | 128GB | 1TB | |
FX504GE-I7H1S2 | ◎ | Core i7 8750H | GTX1050Ti(4GB) | 16GB | 256GB | 1TB |
注意点
- GPUメモリーが2GBと4GBのものが混在している点。
GTX1050はビデオメモリが違うとゲームの快適性が大きく異なります。
また、『Ti』が付くモデルは、20%ほど性能が高い。僕がおすすめするのは、上位モデルの『FX504GE-I7H1S2』です。思い切ってここまでの性能のモデルを購入した方が公開しません。
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FX504GD-I7G1050スペック
今回お借りしたのは、FX504GD-I7G1050です。執筆時点では在庫切れでした。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
液晶ディスプレイ | 15.6インチ(1920×1080ドット)・タッチ非対応 |
CPU | Core i7 8750H |
グラフィック | Intel UHD Graphics 630 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 128GB (NVMw)+1TBHDD |
光学ドライブ | なし |
通信機能 | 無線 IEEE802.11 ac/a/b/g/n+ Bluetooth 4.1モジュール内蔵/1 有線 (1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T(RJ-45) |
インターフェース | USB2.0×1/USB3.0×2/オーディオジャック×1)/HDMI×1/ |
セキュリティ | ケンジントンロック/マカフィーリブセーフ(体験版) |
サイズ/重量 | 384×262×25mm /約2.3kg |
バッテリー駆動時間 | 約4.3時間 |
オフィス | 別売り |
カメラ | 100万画素 |
保証 | 購入日より12ヵ月間の日本国内保証 |
性能について
CINEBENCH R15
CPUのパフォーマンスを測定するCINEBENCH R15では、1088cbという結果に。
CINEBENCH R15のベンチマークスコア※ | |
---|---|
Core i7 9700K | |
Core i7 8700K | |
Core i7 8700(レビュー機) | |
Core i7 8750H | |
Core i5 8400 |
※過去計測した結果です。
デスクトップCPU上位モデル程度のパフォーマンスがあります。非常に高性能です。
GPUパフォーマンス
FF15(FHD) | ||
---|---|---|
軽量品質 | 普通 | 4379 |
標準品質 | 普通 | 3358 |
最高品質 | やや重い | 2398 |
FF15は最新の重量級ゲームです。GTX1050(4GB)であれば、軽量品質であれば、普通にプレイできます。
そのほかのゲームタイトル別快適度は下記記事に検証結果とともにまとめていますので是非参考にしてください。
動画の書き出し
プロ用動画編集ソフト『Vegas Pro15』を用いて実際にYouTubeにアップロードした元データを使ってレンダリング=書き出しを行い、その速度を検証します。
動画に用いられたデータは5分程度のFHDファイルと、テロップ、アニメーション有り、『Vegas Pro インターネットHD1080p59fps』フォーマットに変換
CPU単体処理
QSV処理(CPU+iGPU)
ハードウェア | CPU単体 | QSV |
---|---|---|
Core i7 8700(G570) | 17分34秒 | 12分57秒 |
Core i7 8750H(レビュー機) | 17分38秒 | 13分48秒 |
Core i7 8565U(B508H) | 28分16秒 | 12分41秒 |
Core i7 8550U(B400H) | 32分46秒 | 15分41秒 |
Celeron N4100(B507E) | 1時間4分分52秒 | 27分39秒 |
動画の書き出し処理においては、ノートPCとしては早い方です。YouTubeの動画投稿をしたいという方も性能的には十分です。
RAW現像
Adobe Lightroom Classicにて、α7Ⅱで撮影したRAWファイル(1枚あたり24Mb)を100枚JPEGに書き出しするスピードを計測したところ4分40秒でした。
スペック | 書き出しにかかった時間 |
---|---|
Core i7 8700メモリ8GB | 3分38秒 |
Core i7 8565U メモリ8GB(B508H) | 4分22秒 |
Core i7 8750H メモリ8GB(レビュー機) | 4分40秒 |
Core i7 8550U,メモリ8GB(B400H) | 4分17秒 |
Core i5 8250Uメモリ8GB(Pavilion cs) | 4分52秒 |
Celeron N4100,メモリ4GB(B507E) | 12分49秒 |
RAW現像はメモリに依存するため写真編集をがっつりしたい人は16GBメモリを選びましょう。
写真編集にトライしてみたいという方は下記記事に選び方を記載していますので是非参考にしてください。
Adobe PhotoShopの相対的な性能
クリエイター向けソフトAdobe PhotoShopの相対的な性能を計測した結果を記載します。
この結果は、米国のPuget Systemsより無償公開されている『Adobe Photoshop CC Benchmark』で、Photoshopで代表される処理にかかった時間を計測し、スコア化します。このベンチマークは現存するコンシューマー向けの最高性能をもつCPUをベースの1000点(Overall Basic Score)とし、計測したPCがどの程度の性能をもつPCなのか、大まかに判断するものです。
FX504Gでは、574点でした。ベースとなる点数はCore i7 9900K+64GBのメモリとしているためわかりづらいかと思いますので、下記に比較してみました。
Adobe Photoshop CC Benchmark | |
---|---|
Core i9 8950HK メモリ16GB GTX1050Ti | |
Ryzen 7 2700X メモリ16GB GTX1060(6GB) | |
Core i7 8750H メモリ8GB GTX1050(4GB) |
自作デスクトップPCや、40万円のノートPCと比較すると見劣りしますが、Photoshopでフィルターをかけたりするくらいは容易にこなせます。
この計測は、重たい作業を連続的に駆動させるので、”処理できない”ではなく処理に時間がかかった時間をスコア化しているため、普通に動きます。
ゲーム用ですが、ここまで性能があれば、マルチに使うことができますね。
バッテリーもち
PCMark8という、高負荷をかけ続けた状態でバッテリーもちをテストしたところ、2時間37分でした。実利用よりも高負荷なので、3時間~4時間程度は持つと思われます。
デザイン・外観の詳細
全体的に無骨なデザインですが、各部に切り込みやヘアライン加工が入ることによってスタイリッシュな印象です。
大きさは一般的なノートPCと同じくらいです。
重量は、2.142kgでした。ゲーミングノートPCとしては軽い部類ですが、ノートとしては重いです。
AC合わせて2.6kgです。
天板部は斜めに切れ込みがはいっていてとてもスタイリッシュです。ヘアライン加工もあって猛獣の爪痕みたいでとてもかっこいい。
キーボード部が特に特徴的で、ヘアライン加工が施されている。これがアクセントとなってかっこいい。
冷却に優れた設計はPC全体に表れており、なんと右側にはUSBなどの挿し口がありません。
細部までこだわるのがASUSの強みですから、かっこいいゲーミングノートPCが欲しい方はASUSをおすすめしますよー
キーボード・タッチパッド
グローバル仕様なので、英字キーボードとなっており、日本語がプリントされていなくてオシャレなのですが、実利用で不便を感じる可能性がある点だけ下記図にまとめました。
- 半角・全角キーの表記がない
- F1(ファンクションキー)が”1”の上にない
- エンターキーよりもシフトキーの方が長い
- 矢印キーがテンキーに入り込んでいる
上記4点です。
ただ、ファンクションキーがずれているのは、ゲーム時の推し間違いを防ぐためのものですし、シフトキーやCtrlキーがながいのは”ゲーム用”としては有利に働く側面もあるため、一概に使いづらいとはいえないです(このゲーミングノートPC買おうとしている人はゲームがメインだと思っているので。)
ゆえに、普通の利用ではちょっとどうかな?と思いますが、ゲーム用であれば、非常に使いやすいと思います。
打ちやすさ
タイピングポジションはとりやすいです。
キーストロークは1.8mmと非常に打ちやすいです。
実際のタイプ感は、HPのPavilion GamingなどのノートPC上位モデルと同じようなうち味。キーがしっとりして肌触りがよいです。
強い打鍵圧の人は、キーボードのたわみを感じることがあるかもしれません。
タッチパッド
マルチジェスチャー対応のタッチパッドは、クリック感は深すぎず浅すぎず押しやすくていい感じです。
ASUSのノートPCはすべてタッチジェスチャーに対応しています。2本指で押すと右クリック、3本指でスワイプするとソフトウェアの切り替えが行えます。非常に便利です。
インターフェース
- DCジャック
- LAN端子(Ethernet)
- HDMI
- USB 2.0
- USB3.0×2
- オーディオジャック
ASUSのパソコンは、イヤフォンジャックとマイクジャックを統合したオーディオジャックとなっているため、配信する際は4軸に対応したヘッドセットが必要となります。
液晶ディスプレイ
広視野角のTNパネルを採用しています。斜めからみても完全に色がつぶれるということはありません。
60hzでしか駆動しませんが、TNパネルは応答性に優れているため格ゲーのプレイにおすすめできます。
ノングレア液晶なので反射はすくないです。
色域
専用のカラーマネジメントツールでガンマカーブを計測しました。ちょっとだけずれていますが、自然な発色です。
ウェブコンテンツの基準となる、Adobe sRGBのカバー率は61%ほどで色域は広くありません。ゲーム用として使うのなら全く問題ありません。
作成されたカラープロファイルを確認したところ、BenQモニターにも採用されている、AUO社のものでした。液晶ディスプレイの品質は良いと思います。
SSD・HDDについて
日本では発売されていないKingstonのm.2SSDです。M.2としては、あまり高速ではありませんが、他のSSDとの体感速度はそれほど変わりません。
HGST社のHDDが搭載されていました。
ストレージに関しては、ゲーミング入門機としては「まぁ悪くはないかなー」という感想です。
高品質にこだわりたいならROGシリーズのノートPCがおすすめです。
耐久性
内部の温度
CPU温度
GPU温度
ベンチマークテスト中の高負荷時にCPUの内部温度をソフトウェアで計測しました。CPUもGPUも60℃前後で安定しています。デュアルファンの実力ですね。
表面温度
サーモグラフィで表面温度を確認、実際にデュアルファンはどの程度ユーザビリティを向上させてくれるか。
キーボードの中心部が30℃前後でほのかに温かみを感じる程度。
ファンが搭載されている部分はなんと24℃。超冷却されていました。
背面のCPUが格納されている個所で37.8℃。
非常に高い耐久性を持っていると思います。初心者の方でゲーミングノートPCを長く使いたいならこのモデルを選ぶべきです。
評価とまとめ
FX504Gの評価 | |
---|---|
価格 | ASUSとしては安い |
性能 | 同じクラスと比較すると普通かちょっといいくらい |
携帯性 | ゲーミングノートPCとしては持ち運びしやすい |
液晶 | 普通、ゲーミングノートとしてはいい方 |
デザイン | 10万円前後のモデルとしてはオシャレ |
「削るところは削って価格は抑えた」という感想です。
ASUS製品はROGブランドなどの超高性能+変態ギミックが持ち味なので、一般ユーザー向けのノートPCとしては、その部分がデフォルメされてしまってスケールダウンしている感が否めない。(僕がASUS大好きユーザーなので厳しめかも)
ただ、キーボードバックライトなどでASUSカラーを再現するなど、できるだけASUSがもつ世界観を壊さないような工夫もされており、「安いんだけど普通にかっこいいゲーミングノート」を求めている人にはおすすめできるモデルです。
なお、価格や仕様は記事執筆時のもので異なる可能性があります。必ず公式ページで確認してください。
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