【レビュー】DAIV NG5510|ナローベゼル採用の15.6インチクリエイター向けノートPC

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DAIV NG5510はマウスコンピュータ―DAIVブランドから発売されている、クリエイター向けノートPCです。

既存のNG5500シリーズとの違いは、デスクトップPCではなく、ノート用最上位のCore i7 8750Hを採用することで大幅に小型化した点につきます。

省スペース、ハイパフォーマンス、低価格を実現した、DAIV NG5510はCP+2019にて展示機に触れています。

メーカーからの実機もお借りしましたので上記も踏まえレビューいたします。

最新機種DAIV-NG5520のレビュー記事は下記となります。

DAIV NG5510の特徴

動画で確認


YouTubeにおすすめのポイントなどをまとめました。僕の音声解説付きです。

ナローベゼルデザイン採用

ちなみに、ナローベゼルデザインを採用しているだからなに?という方のために補足しておきますと、ナローベゼルデザインを採用すると液晶ディスプレイのフチが狭くなり、小型化することが可能になります。

ナローベゼルデザインを採用すると14インチサイズと同じサイズ感で15.6インチに。

よく「オシャレだから」という意見もありますが、今までの15.6インチノートPCよりも一回り小さく作れます。

もちろん、『没入感が増え作業に集中できる』『スタイリッシュなデザイン』という利点も同時についてきますから持ち運び+メインでハイパワーなRAW現像PCが欲しいという方におすすめできます。

実際の設置イメージ

クリックで拡大 3Dモデリング図

120cm×60cmの机に置いた際の俯瞰(ふかん)イメージ図です。このサイズであれば、たとえ机が小さく、省スペースの作業環境だったとしても、ほかにもカメラや資料などを机に置くことができます。

前モデルから400g程度の軽量化

DAIV-NG5510とMacbookPro15インチ吊るしモデルと比較
機種DAIV-NG5510H1-M2SH5MacBook Pro15
CPUCore i7 8750HCore i7 8750H
GPUGTX1050Pro RX555X
メモリ32GB16GB
SSD512GB(NVMe)256GB
液晶15.6インチ(sRGB比97.2%)15.4インチ(DCI-P3)
重量2.0kg1.83kg
価格189,800円258,800円

DAIVNG5500シリーズは、デスクトップCPU Core i5 8500シリーズを選択できると話題になりましたが、重量が弱点で実測値で2.38kgでした。

NG5510は2.0kgとしています。

本体重量は約1.98kg、AC合わせて2.5kg程度。クリエイターPCのなかでは軽い部類にはいります。

実際の計測値は1.98kgでした。

男性なら片手で持てるサイズ

ちなみに、「2.0kgにできたら何がいいの?」と思う方もいると思うんですけど、MacbookPro15インチや、ZenBook Pro 15インチなど、ガチガチのクリエイター向けノートPCが2kg付近の重量なんですよ。

今までは、デザインや携帯性で選択肢に上がらなかったマウスコンピューターのDAIVブランドがNG5510で外資系メーカー大手とやっと同じ土俵に立っているといえるんです。

だからNG5510はすごいんですよ。(なんといっても価格が安いからね)

ラインナップとおすすめモデル

CPUGPUメモリSSDHDD
DAIV-NG5510E1-S2Core i7 8750HGTX1050(4GB)8GB240GB
DAIV-NG5510S1-SH2Core i7 8750HGTX1050(4GB)8GB256GB1000GB
DAIV-NG5510M1-S5Core i7 8750HGTX1050(4GB)16GB512GB
DAIV-NG5510H1-M2SH5Core i7 8750HGTX1050(4GB)32GB512GB1000GB

 

  • DAIV-NG5510E1-S2→イラスト制作におすすめ
  • DAIV-NG5510S1-SH2→イラスト制作、写真編集用
  • DAIV-NG5510M1-S5→Photoshop、illustrator、RAW現像におすすめ
  • DAIV-NG5510H1-M2SH5→Photoshopのレンズ補正、フィルターをバシバシかけたい人、RAW現像ガチ勢におすすめです。

DAIV-NG5510~

価格 149,800円

公式サイトで確認

DAIV-NG5510H1-M2SH5スペック

OSWindows 10 Home 64ビット
液晶ディスプレイ15.6インチ(1920×1080ドット)・タッチ非対応
CPUCore i7 8750H
グラフィックIntel UHD Graphics 630/GTX1050(4GB)
メモリ32GB
ストレージ512GB (NVMw)+1TBHDD
光学ドライブなし
通信機能無線 IEEE802.11 ac/a/b/g/n (最大1.73Gbps) + Bluetooth 5モジュール内蔵/1 有線 (1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T(RJ-45)
インターフェースUSB2.0×1/USB3.0×2/USB 3.0Type-C×1/ヘッドホン出力×1/マイク入力×1)/miniDisplayport×2/HDMI×1/SDリーダー
セキュリティケンジントンロック/マカフィーリブセーフ(60日)
サイズ/重量360×243.5×20.3mm (折り畳み時/ 突起部含まず)
360×243.5×25.1mm (折り畳み時/ 突起部含む)/約2.0kg
バッテリー駆動時間約7.4時間
オフィス別売り
カメラ100万画素
保証1年間無償保証・24時間×365日電話サポート

外観・デザイン

本体はシルバーボディにヘアライン加工が施されています、どことなく、富士フィルムのカメラの配色に近い感じです。

本体は上から見ると真四角。ボディ本体は天板部のみアルミ素材となっておりそのほかの部分は樹脂を採用しています。軽量化のためでしょう。

マウスコンピュータ―最大の強みはCPUパワーを出し切れる点ですが、その秘密は冷却システムにあります。今回NG5510の裏面はメッシュ素材を採用しており、CPUパフォーマンスを最大限発揮できる機構です。

裏蓋を外して撮影してみました。

奥の白が透けて見えています。後述しますが一般的なノートPCよりも冷却性能は高いです。

キーボード本体側はモノトーンカラーでまとまっています。

正面を閉じると、地面との接地面積がすくないことがわかります。

実際の設置イメージはこんな感じです。奥行1m弱の机においてもスペースをとらないため大きい机を必要としません。

最近はノートPCの基本性能が挙がっているため、こうした省スペース環境で作業する人が増えています。

Adobe PhotoShopの快適性

クリエイターツールとしてメジャーなAdobe Photoshopの快適性を計測しました。

クリエイター向けノートPCとしては上位性能を持つスコアです。

快適を表す指標は、レンズフィルターやリサイズなどの重たいタスクをこなして、その処理にかかった時間をスコア化。

米国の『Puget Systems』が開発したテストで、現存する最高のCPU Core i9 9900K+RTX2080Ti搭載モデル、メモリ64GBを1000点とし、そのマシンがどのくらいの作業スピードを持つのかが相対的に測れます。

「このスコアがなに?」という話をわかりやすくするために、僕の15万円する自作デスクトップPCと、ASUSの40万円するクリエイター向けノートPCとも比較しましょう。

Adobe Photoshop CC Benchmark
Core i7 8750H メモリ32GB GTX1050(4GB)
732 
Core i9 8950HK メモリ16GB GTX1050Ti
709
Ryzen 7 2700X メモリ16GB GTX1060(6GB)
760

 

この結果はPhotoshopを快適に使うためには『メモリ』が大切だということを表しています。

サクサク動きます。

RAW現像を行った写真をPhotoShopで補正をかけるといった場合は、やはり32GBモデルを選択したいところですね。

Adobe lightroomClassic CCの快適性

Adobe lightroomClassic CCにて、Adobe Lightroom Classicにて、α7Ⅱで撮影したRAWファイル(1枚あたり24Mb)を100枚JPEGに書き出しするスピードを計測したところ1分52秒でした。

  • 画像形式JPEG
  • カラースペースsRGB
  • 画質60
  • メタ情報『すべてのメタデータ』人物情報の削除、場所情報を削除
スペック書き出しにかかった時間
Core i7 9700K メモリ16GB(DGZ530)1分24秒
Core i9 8950HK メモリ16GB1分50秒
Core i7 8750H メモリ32GB1分52秒
Core i7 8550U,メモリ8GB4分17秒

RAW現像はCPUおよびメモリを使う作業ですのでCPU性能やメモリは大切です。Photoshopでもそうでしたが、NG5510ではノートPCの限界までパフォーマンスを高めています。

画像編集系のクリエイティブ作業なら安心して使える性能です。

動画の書き出し

僕が過去、実際にYouTubeにアップロードしたことのある動画で書き出しを行いました。

CPU単体

NVENC(CPU+GPU)

ハードウェアCPU単体CPU+GPU
Core i9 8950HK+GTX1050Ti14分08秒9分43秒
Core i7 8700(m-BookG17分34秒12分57秒
Core i7 8750H GTX105015分13秒8分23秒

CPU単体では、最上位のCore i9 8950HKには及ばないものの、やはりノートPCとしてはかなり高い性能を持ってます。

DAIV-NG5510はクリエイター向けノートPCとしての非常に高い性能を保持していることを確認できました。あとは液晶モニターが完璧なら最高です。

液晶ディスプレイ

メーカーページでは、sRGB比で97.2%としています。

NG5510液晶モニターの色域
Adobe sRGB比99.6%
Adobe sRGBカバー率89.9%
Adobe RGB比73.8%
Adobe RGBカバー率69.5%

 

ウェブコンテンツ制作に必須とされるAdobe sRGBカバー率は90%を下回りました。やはり液晶モニターの色域がネックとなりそうです。もし、NG5510をを検討するのであれば、外付けモニターの利用をお勧めします。

TNパネルを採用していました。TNパネルとしての視野角は広めですが、斜めから見ると暗くなりました。正面に座って作業する場合は影響は少ないです。

ノングレア液晶なので反射が少なく、映り込みしづらいです。

キーボード・タッチパッド

バックライトを搭載したキーボードのキーストロークは、1.4mmと薄型としては若干短い。ただ実際に触ったときはうちづらいと感じることはありませんでした。

打鍵圧が強い人はたわみを感じるかもしれません。

そして、キーピッチは18.82mmですので、タイピングポジションは気にならないでしょう。

テンキーに矢印が食い込むのは仕様( ^ω^)・・・

キーボードバックライトは付属の『ControlCenter』アプリで様々なパターンで発色させることが可能です。

タッチパッドは、指紋認証を搭載しています。押し込むと「カチカチっ」とクリック感は浅めです。操作性は普通だと思います。

タッチパッドの左上部をタッチすると、タッチパッドのON/OFF切り替えが行えます。

インターフェースについて

左側面

  • LAN端子(Ethernet)
  • USB 2.0
  • マイクジャック
  • イヤフォンジャック

  • MiniDisplayPort×2
  • HDMI×1
  • USB 3.0 Type-C
  • DCジャック

右側面

  • SDカードリーダー
  • USB 3.0×2

NG5510の強みは、豊富な拡張性にもありまして、液晶ディスプレイの色域がsRGBじゃ足りないんだけど?という方のために、ディスプレイ出力を3ポート用意していくれています。

実際、RAW現像をやりこむなら液晶ディスプレイはハードウェアキャリブレーションに対応した外付けモニターを使った方が便利です。

それに、DAIVは他のクリエイター向けPCと比較すると安いという利点もあります。下記記事に専門家から聞いた、「コスパの良いRAW現像用モニター」の選び方とおすすめモデルを記載しましたので、写真編集をやりたいけれど、良くわからないという方はぜひご一読ください。

  • 初心者向けRAW現像・写真編集用液晶モニターの選び方とおすすめ

HDD・SSDストレージ性能

NG5510に搭載されているNVMeSSDは『Western Digital PC SN520』でした。

シーケンシャルリードはPCIe接続の最高理論値の3500Mb/sには及ばないものの、ランダムアクセス、つまり書込み速度はかなり早いです。

現状SSDはSamsung製が一番高速ですが、書込み速度でいえば、Samsungの上位モデルよりもベンチマーク上の数値がやや劣る。といった感じですかね。

クリエイティブな作業には、読込速度よりも書込み速度の方が大切です。

DAIV-NG5510H1-M2SH5搭載SSDばノーカスタマイズでも実利用では十分使える贅沢なSSDです。

たいしてHDDは標準的な数値でした。データ保存用としては普通ですね。

耐久性

CPU温度

ファイナルファンタジー15のベンチマークソフトを連続1時間駆動させた後のCPU温度です、最高では84℃と比較的高めでしたが、Core i7 8750H搭載モデルとしては低めの温度。

高負荷の処理をさせ続けても、他のノートPCと比較しても壊れにくいと思います。

GPU温度

グラフィックボードの温度は70℃でした。こちらもCPU同様比較的低い数値で安定しています。

PCの表面温度

同じタイミングで、PC表面温度をサーモグラフィで撮影しました。

キーボード部は37.5℃付近です。作業できないほどではないですが暖かさを感じます。

最も熱い部分で42.8℃です。ここは振れないようにしましょう。

本体背面は52.8℃でした。思った通り、背面パネルをメッシュ素材にすることで排熱効率をあげています。

また、プリインストールされる『ControlCenter』で、ファンの回転数を細かく調整することが可能です。上記結果はゲームモードですが、ターボモードを使うと、数%性能がアップします。

DAIV NG5510はほかのCore i7 8750Hを搭載したモデルよりも耐久性の高いノートPCだと思います。これならば仕事や趣味で大量の写真を加工したり、補正をかけたりする際にも安心です。

バッテリーの連続駆動時間

公称値では7.4時間とのことでしたが、実際にPCMark8というベンチマークテストの結果は2時間41分でした。

ただし、PCMark8は高負荷をかけ続けるテストです。実利用の場合連続駆動は5時間程度といったところでしょう。

拡張性・メモリ増設など

裏蓋は簡単に外せる

CPUの熱を逃がすために最近のノートPCはデュアルファンがデフォルトになってきていて、NG5510もデュアルファンでした。

DAIV-NG5510H1-M2SH5はM.2SSDスロットの空きが1ありもうひとつSSDの増設が可能です。

メモリーは絶縁シートが貼られていました。ADATA製の16GB×2です。

低価格モデルを購入して自分で増設するのもありです。(自己責任ですが)

マウスコンピュータ― DAIV NG5510評価とまとめ

従来モデルから薄型化しつつGTX1050(4GB)を搭載しているため、PhotoshopなどのAdobe系のソフトウェアもサクサク動きます。そのうえ、耐久性の高さもあるためPC本体の完成度は高い…

DAIV-NG5510H1-M2SH5の評価
価格クリエイター向けノートPCとしては破格の安さ
性能高い性能と耐久性の高さは素晴らしい、そして拡張性も高い
携帯性2kg切っており、このクラスとしては軽い
液晶液晶は残念、せめてsRGBカバー率100%は欲しかった
デザイン写真編集に合うシルバーカラーはグッド。

 

一般的な利用用途からするとやや高い印象を持つかもしれませんが、クリエイター向けノートPCとして競合するのはMacbookProであったりZenBook Pro15となりますので、圧倒的に安いです。

メリットとデメリット

メリット

  • クリエイターモデルとしては破格の安さ
  • 性能はMacbookPro15、ZenBook Pro 15と同等かそれ以上
  • 1.98kgはこのランクのPCとしては軽い部類
  • 高い耐久性
  • SSDの書込み速度が速い
  • 拡張性が高い

デメリット

  • クリエイターモデルとしては色域が狭い

ちなみに、高価格のモデルと何が違うのか?といった点ですが、搭載SSDのメーカーや液晶ディスプレイのリアルカバー率。あるいはタッチバーなどのギミックです。

パソコンの実性能はそこまで大きく変わりませんので、持ち運び可能かつ本格的なRAW現像用・Photoshop用・illustrator用ノートPCを探している人におすすめできます。なんといっても安い!

ただし、モニターに関しては、色域が狭いため外付けモニターを利用した方が良いと思います。

もし、40万円の本格クリエイター向けノートPCのレビューをご覧になりたい方がいらっしゃったら下記記事もご覧ください。

DAIV-NG5510~

価格 149,800円

公式サイトで確認

最新機種DAIV-NG5520のレビュー記事は下記となります。

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