DAIV 4N 2021年モデルレビュー持ち運び可能な動画編集用モバイルノートPC

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DAIV 4NはマウスコンピューターのDAIVブランドから発売されているクリエイター向けノートPCだ。2021年モデルは専用GPUGTX1650Tiを搭載しクリエイティブなタスクを軽快に行えるようパワーアップ。CPUもインテル第11世代のCore i7 1165G7プロセッサを搭載し、事務作業から動画編集まで柔軟にこなせるモバイルノートPCへと進化した。

今回メーカーより検証機を借りられたので検証結果や使い勝手を紹介していく

スペック

DAIV 4N
モニター
  • 14型フルHD(1920×1080ドット)
CPU
  • Intel Core i7 1165G7 プロセッサ
dGPU
  • NVIDIA GeForce GTX1650Ti
メモリ
  • 16GB
SSD
  • 512GB(NVMe)
サイズ(幅×奥行×厚さ)幅約323.9mm×奥行き約225mm×高さ約19.2mm
バッテリー持続時間
充電タイプ90WACアダプター/USB-C
重量約1.43kg
保証1年間無償保証・24時間×365日電話サポート

マウスコンピューターは製品購入後、無償で24時間×365日の電話サポートをうけることができる。

 

DAIV 4N 2021年モデル

公式サイトで確認

なお、価格や仕様は変更となる恐れがあるため必ず公式ページにて確認を。

特徴

モバイルクリエイティブのための性能

DAIV 4Nはインテル第11世代CPUCore i7 1165G7プロセッサのほか、専用GPU NVIDIA GeFroce GTX1650Tiを搭載しているため、動画編集などのクリエイティブなタスクに対応可能。またThunderbolt 4から映像出力やデータの転送なども行うことができ、持ち運べるクリエイター向けノートPCとして必要な機能を備えている。動画編集・イラスト制作・RAW現像などの作業を行う人は検討してほしい製品だ。

マウスならではの豊富なインターフェースで使いやすい

DAIV 4Nは高速なデータ転送規格USB-C(Thunderbolt 4のほか)有線LANやSDカードスロットなども搭載。昨今のモバイルノートPCとは違い、USB-Aのポートも用意されているため、周辺機器の知識がなくても扱いやすいのが特徴だ。

32GBモデルも用意されハイスペックモデルが欲しいユーザーにおすすめ

DAIV 4Nは32GBのメモリを搭載した、DAIV 4N-Hがラインアップとして用意されている。外資系メーカーのノートPCでは32GBが非常に割高になるうえ、自分でメモリのカスタマイズを行うとサポートの対象から外れてしまう恐れがあるため、マウスコンピューターのクリエイター向けノートPCはハイスペックモデルにメリットがある。

RAW現像や動画編集をメインで持ち運び可能なノートPCを検討している人は32GBを検討してはいかかだろう。

DAIV 4N 2021年モデル

公式サイトで確認

デザイン・使い勝手について

2021年モデルのDAIV 4Nは光沢感のある薄いブルーが非常に印象的で、従来機よりも高級感が増した。重厚感というよりもエアリーな感じを意識しているか、従来のゴツゴツとした印象はない。それでいて背面側の排気穴がみえているため冷却性能においても問題はなさそう。

天面はフチの部分まで同じカラーで構成されているため統一感のある配色。エッジの立ったデザインでシャープな印象。

キーボード側はベゼルとキートップが黒のツートーンカラー。キーボードが中心に設置され、左右対称を意識して設計されているのかキーボードからボディの端まで2cmほどのスペースが空いている。

キーボード側も天板部と同様のカラーでこちらもスタイリッシュな印象だ。

底面は大きな冷却穴がT字に空いている。デュアルファン構成。

 

キーボード・タッチパッド

キーボードはフルサイズスケールでメーカー公称値ではキーピッチは19.1mmと非常に打ちやすい間隔で配置されている。

キーの沈み込みは1.2mmほどで浅いストロークだがクリック感のあるキーボードで打鍵感はまずまずだ。

タッチパッドはかなり浅めで押し込むと樹脂感がある。持ち運びを意識するのであれば、さらに一段上の高級感がほしいところ。

とはいえ操作性はキーボード・タッチパッドともに良好で抜群というわけでもないが使いづらさも感じない。

モニターについて

DAIV 4Nは14型のフルHD解像度をもつモニターが採用されている。同じ14型のノートPCでDAIV 4Pがあるが、DAIV 4PはWUXGAで16:10のモニターなのでDAIV 4Nは従来のワイドタイプを採用した形だ。

色域とトーンカーブ

キャリブレーションツールで測定したDAIV 4Nのトーンカーブは画像のとおり。RGBがフラットで自然な発色。

sRGBカバー率は実測値で88.8%。色域そのものはsRGB相当だが、カラープロファイルを見るとズレていることがわかった。

一般的なノートPCよりは広いものの他社のクリエイターモデルと比較するとはクオリティがややおちる。動画編集などでは気が付きにくいポイントかもしれないけれど専用のモニターはあったほうがいいかもしれない。

インターフェースについて

左側

  • セキュリティロック
  • RJ45(有線LAN)
  • USB-A
  • SDカードスロット
  • USB-C(Thuderbolt 4)

右側

  • ヘッドフォンジャック
  • USB-C(10Gbps)
  • USB-A
  • HDMI
  • 電源ボタン
  • DCジャック

DAIV 4Nはインターフェースの拡張性が高く、SDカードスロットやHDMI出力だけでなく、USB-Cを2つ、USB-Aを2つ搭載している。そのうえUSB-Cは左側がThunderbolt 4、右側は10Gbpsに対応したUSB 3.2Gen2に対応している。

昨今のクリエイターモバイルノートPCよりも使い勝手は良好だと思う。

ベンチマーク結果・性能について

Cinebench R23

Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り

 

Cinebench R23の総合スコア

Core i7 11800H
14111pts
Ryzen 9 5900HX
13306pts
Ryzen 7 5800H
12651pts
Ryzen 9 5900HS
12058pts
Ryzen 7 5800H
11670pts
Ryzen 7 5800H
11224pts
Ryzen 7 5800U
7889pts
M1
7372pts
Core i7 11370H
7135pts 
Ryzen 5 5500U
6727pts
Core i7 1165G7
6594pts 
Core i7 1165G7
4503pts
Ryzen 5 4500U
4463pts
Core i5 1135G7
4223pts
Core i7 1165G7(レビュー機)
3902pts

最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では3902pts。

Core i7 1165G7プロセッサとしては低い数値。計測ではマウスコンピューターのノートPCに搭載されている「Control Center 3.0」でファンを全開動作させてこのスコア。同社のPCとしては珍しく控えめなスコアとなった。

PCMark 10

FutureMarkが提供するPCMARK 10は、MicrosoftOfficeのWord、Excelに類する互換ソフトウェアや、ビデオ通話会議ソフト、画像編集ソフトのバッジファイルを実際に動作させ、どの程度の快適性があるかをスコア化。提供元はおおむね4000点以上あれば快適としている。

結果は総合スコアが4958でMicrosoftOffice互換ソフトやビデオ会議ソフト、動画編集タスクも快適水準だった。様々な用途に対応できるPCだ。

とはいえ、同じスペックのモデルよりもスコアは控えめな結果。

3DMark Time Spy

同じくFutreMarkが提供する3D Mark TimeSpyはゲーム系のベンチマースソフトウェア。グラフィックスコアが相対的にどんなGPUより優れていてデスクトップPCだとどれくらいなのかということがわかるもの。

総合スコアは3364ポイントで3Dゲームなども動作させられる程度のパフォーマンスはある。グラフィックスコアはゲーム系のベンチマークソフトでは搭載GPUの性能をうまく引き出せている。

DAIV 4NのパフォーマンスのボトルネックはCPUなのかもしれない。

SSDの読み書き

搭載されていた512GBのADATA製SSD。読みこみ速度はNVMeSSDの中間クラス非常に高速だが大容量データを読み書きさせた際には読み込み速度、書き込み速度低下がみられた。ランダムアクセスの低下もみられ、クリエイターノートPCのSSDとしてはやや弱い印象。

マウスコンピューターはメインストレージのカスタマイズに対応しているためメインノートPCとしてDAIV 4Nを選ぶのであればGen4 SSDにカスタマイズするのがおすすめだ。

Adobe Premiere Pro CC動画の書き出し速度検証

過去YouTubeにアップロード用に作成したプロジェクトの書き出し時間を測定しました。α7R4で撮影したフルHD動画をH264 YouTube1080Pプリセットで書き出し、その時間を検証するというもの。

Premiere ProCCは2021年9月10日時点の最新バージョンに更新、ハードウェアエンコーディングで実施しました。

  • XAVC S FHD24P(50Mbps)
  • 動画の長さ15分11秒
  • テロップ/カット編集/画像挿入あり
  • シーケンス設定は24fps
機種24fpsの書出し時間
HP Pavilion Gaming (AMD)2分12秒
ROG Strix SCAR 172分13秒
ASUS TUF DASH F152分22秒
DAIV 4N 2021レビュー機2分31秒
HP ENVY 14-eb(電源接続時)2分53秒
HP ENVY 14-eb(バッテリー動作)2分56秒
ROG Flow X13(バッテリー動作時)3分10秒
MacBookAir (M1)(ハードウェア)4分24秒
mouse K55分5秒
XPS 13(9310)6分25秒
ASUS ZenBook 14 Ultralight UX4356分36秒
Yoga Slim 750iCarbon7分34秒
DAIV 4P9分35秒
mouse X5-R710分29秒
MacBook Air (M1)(ソフトウェア)10分46秒
mouse X5-R511分22秒
Yoga 650(AMD)12分39秒
Inspiron 14 541527分03秒

弊ブログで毎度おなじみのYouTube動画の書出しでは、処理時間が2分31秒だった。

Premiere Proが最適化されてからエントリーGPUでも書出し時間が早く、高性能モデルと比較してもそん色ないパフォーマンスに。動画編集時はGPUだけでなくメモリやCPUのパフォーマンスも影響してくるため、メインノートPCとしてDAIV 4Nを検討されている方は32GBモデルを検討したほうが良いと思う。

Lightroom Classic CCにてRAW現像時間を検証

Adobe Lightroom Classic CCにてα7Ⅱで撮影した24MPのRAWファイル100枚を一斉に書出し、その速度を検証しました。

LightroomClassic CC初期プリセットで画質を100に設定し、デスクトップへ書出し。結果は下記のとおり。

機種書出し時間
ROG Strix SCAR 171分26秒
ROG Flow X131分32秒
XPS 13(9310)1分37秒
HP ENVY 14-eb(電源接続時)1分44秒
DAIV 4P1分47秒
DAIV 4N 2021レビュー機1分50秒
mouse K51分53秒
mouse X5-R71分57秒
ASUS ZenBook 14 Ultralight UX4351分58秒
MacBook Air(M1)1分58秒
Yoga 6502分57秒
Yoga Slim 750i Carbon2分57秒
mouse X4-R53分8秒
Inspiron 14 545155分53秒

同社のDAIV 4Pよりもやや遅い書出し時間となった。

DAIV 4N 2021年モデルはCPUのパフォーマンスをあえて抑えているような挙動が確認され、同じCPUを搭載したモデルと比較するとすこしだけパフォーマンスが低い感じだ。

もちろん、ベンチマークやこうした性能テストで比較しなければわからないレベルなのでそこまで気にすることではないのだけれど、「プロ用」としてはやや厳しいかもしれない。

PCの内部の温度、ファンの動作音

PC内部の温度について

CPU使用率を100%にできるソフトウェアを使い、後負荷時の挙動を確認。CPUの最大値は97℃まで上昇した。動作周波数の低下も確認でき、パフォーマンスに少しだけ影響が出ているようだった。

PCの表面温度

なお、PCの表面温度は32.8℃ほどで人体には全く影響のない温度を保っていた。普段の利用であれば低温やけどの心配はまずないだろう。

ファンの動作音

ファンの動作音はターボモードで計測。最大で53.4dbほどで非常にうるさい。ファンの回転数は付属のソフトウェアで切り替えられる。一般的な使い方の場合、静音で利用していれば問題ない。静音時はほとんど動作音はないため気にならないと思われる。

DAIV 4N 2021の評価とまとめ

良い点

  • Thunderbolt 4搭載でデータ転送・映像出力が可能で使い勝手が良い
  • コンパクトな14型で持ち運びもしやすい
  • カスタマイズでGen 4 SSDを選択可能

気になった点

  • CPUのパフォーマンスがやや低い印象
  • 色域もsRGB88.8%でクリエイターモデルとしてはやや狭い

持ち運び重視の動画編集用ノートPCとして

ベンチマークスコアが振るわなかった点を除けば、2021年に流行のノートPCの規格を取り入れているため、スペック的に他社モデルと比較して大きく見劣りする点はないが、マウスコンピューターらしいパフォーマンスがあまり伸びなかった点が残念。

いろんな意味で小さくまとまっているため、持ち運び重視で動画編集用のノートPCを検討している人におすすめ。

 

DAIV 4N 2021年モデル

公式サイトで確認

なお、価格や仕様は変更となる恐れがあるため必ず公式ページにて確認を。

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