10万円以下の人気機種「Lenovo IdeaPad Slim 570(14型AMD)」と「Dell Inspiron 14 5425」のデザイン・ベンチマーク結果や金額を比較しつつ、どちらがおすすめかを掲載。
今回、比較するにあたって再度ベンチマークを計測しているため、レビュー記事の検証結果と相違がある可能性があります。
スペック
Lenovo IdeaPad Slim 570(14 AMD) | Dell Inspiron 14 5425 | |
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モニター | 14型(1920×1080ドット) | 14型(1920×1200ドット) |
CPU | Ryzen 5 5625U | Ryzen 5 5625U |
メモリ | 8GB(DDR4-3200MHz) | 8GB(DDR4-3200MHz) |
ストレージ | 256GB(M.2 SSD) | 256GB(M.2 SSD) |
価格 | 6.9万円(8月時点) | 7.8万円(8月時点) |
記事執筆時の2022年8月時点の価格を掲載しているがIdeaPad Slim 570の方が1万円ほど安い。スペックは概ね似たような構成ではあるものの、モニターの解像度が違う。
この2機種は主にビジネスワークやテレワーク学生向けの機種なのでこの時点でIdeaPad Slim 570の方が有利なのだが、Dell Inspiron 14 5425の方が販売価格が安くなるタイミングもあるため、常に製品価格のチェックをお勧めしたい。
ベンチマーク結果
続いて搭載されているCPUの性能をどの程度発揮できるのかを比較。
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
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マルチスレッド性能 | |
IdeaPad Slim 570 14 AMD | |
Inspiron 14 5425 | |
シングルスレッド性能 | |
IdeaPad Slim 570 14 AMD | |
Inspiron 14 5425 |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)ではIdeaPad Slim 570の方がマルチコア性能が大きく伸びた。前回のレビュー執筆時よりも伸びている。
ベンチマーク結果は上振れ下振れが大きいため、一概には言えないが、シングルコア性能においてもIdeaPad Slim 570の方が微妙に有利なので単純なCPU性能はIdeaPad Slim 570の方が高いと考えて良さそうだ。
PCMark10
Microsoft Office互換ソフトや画像編集ソフトのバッチファイルを動作させてスコアを算出するPCMark10で計測。
PCMark 10(Modern Office) | |
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IdeaPad Slim 570 14 AMD | 5742 |
Inspiron 14 5425 | 5160 |
全体的にCinebench R23で出た結果通り、IdeaPad Slim 570の方がパフォーマンスが高く、特にデジタルコンテンツクリエイション、コンテンツクリエイトにおいて差が開いている。
PCMark10 バッテリーテスト
バッテリーの連続動作時間をテストする、PCMark10 ModernOfficeではMicrosoft Officeの互換ソフトウェアを動作させ何時間連続で動作できるのかを計測可能。
PCMark10 ModernOfficeのバッテリー連続動作時間 | |
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IdeaPad Slim 570 (14型 AMD) | 13時間41分 |
Inspiron 14 5425 | 12時間13分 |
バッテリーテストにおいてもIdeaPad Slim 570 (14型AMD)の方が連続動作時間が長い、これにはInspiron 14 5425の方が画面の解像度が高くその分バッテリーの消費電力が高くなっているのも理由になっていると思われる。
Crystal Disk Mark
大容量データを読み書きさせた際のクリスタルディスクマークの結果。IdeaPad Slim 570 (14型AMD)の方がシーケンシャルライトは高速で、Inspiron 14 5425の方がランダムアクセスが早かった。
この速度差は誤差の範囲で片付けられる数値なので、SSDは互角と言ってもいいと思う。
ゲーム性能
定番のゲームベンチマークソフト「ファイナルファンタジー14」では画像のような結果に。
ファイナルファンタジー14 | |
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IdeaPad Slim 570 (14型 AMD) | 2950 |
Inspiron 14 5425 | 1520 |
ゲーム系のスコアに関してはグラフィックス性能が大きく影響する。
IdeaPad Slim 570はオンボードメモリではあるのだが、メモリがデュアルチャネル動作になるためグラフィックス性能が高い。AMD Ryzen プロセッサはメモリがデュアルチャネル動作か、シングルチャネル動作でグラフィックス性能が大きく変わるため、性能を重視するのであれば重要な項目だ。
Inspiron 14 5425はシングルチャネル動作であるため、グラフィックス性能を高くするためにはメモリを増設し、デュアルチャネル動作にしなければならない。
PC本体
モニターの見え方
IdeaPad Slim 570 (14型AMD)は16:9のアスペクト比に対し、Inspiron 14 5425は16:10を採用しているため、ウェブサイトを表示させた際の表示領域が広く、一度にたくさんの情報を得ることができる。
明るさは同等で色域は下記。
モニターの色域
IdeaPad Slim 570 (14型AMD)
Inspiron 14 5425
モニターの色域sRGBカバー率 | |
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LEN140FHD(IdeaPad Slim 570 14 AMD) | 63.2% |
2M5HF_B140UAN(Inspiron 14 5425) | 65.8% |
カメラ性能
搭載されているウェブカメラはどちらもフルHD解像度のものが採用されている。
ただし、IdeaPad Slim 570 (14型AMD)の方がレンズが大きいため、同じ撮影条件で撮影すると明るく撮れる。またInspiron 14 5425はやや赤みが強く、ホワイトバランスが暖色によっているため、日本人が使うのには向いてないのかもしれない。
写真写りに関しては決定的な差はないものの、個人的にはIdeaPad Slimの方が有利であると感じた。
キーボードとタッチパッド
IdeaPad Slim 570 (14型AMD)
IdeaPad Slim 570 (14型AMD)はキーボードの上に電源ボタンと指紋認証のセンサーが設置されている。US配列のキーボードを日本語に変えているタイプではあるものの、打鍵感はまずまずで打ちやすい。
タイプした時の触り心地は少し硬め
タッチパッドはカチカチと沈み込むが柔らかい。
Inspiron 14 5425
Inspiron 14 5425はdeleteキーの隣が電源ボタン・指紋認証センサーを配置している。そのため、deleteキーを多用する際にInspiron 14 5425を使うと違和感があるかもしれない。
タイプした時の触り心地は少し柔らかめ。
タッチパッドはIdeaPad Slimよりも浅め。
インターフェース
IdeaPad Slim 570 (14型AMD)はUSB-Cから充電するタイプなのでInspiron 14 5425よりもインターフェースが多く、この点は非常に有利。USB-Aの数もIdeaPad Slimの方が多い。
内部の拡張性
IdeaPad Slim 570 (14型AMD)
IdeaPad Slim 570(14型AMD)はSSDのスロットが二つあり、一つはM.2 2280まで対応のスロット、2つめはM.2 2242のスロットが搭載されいてる。
メモリはオンボードで増設は不可。バッテリーサイズは56.6Whr
Inspiron 14 5425
Inspiron 14 5425はM.2スロットは1つ。メモリスロットは2つでメモリの増設が可能。
バッテリーサイズは54Whr。
ユーザーの利便性
CPU温度
IdeaPad Slim 570 (14型AMD)
Inspiron 14 5425
動作周波数、クロックはほぼ互角。
ファンの動作音について
IdeaPad Slim 570(14型AMD)
Inspiron 14 5425
ファンの動作音 | |
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IdeaPad Slim 570 (14型AMD) | 42.2db |
Inspiron 14 5425 | 42.7db |
まとめ
IdeaPad Slim 570(14型AMD)が優れている点
- CPU性能
- GPU性能
- バッテリーの連続動作時間
- インターフェースの利便性
- 価格が安い
- SSDの増設のみ可能
Inspiron 14 5425が優れいてる点
- 拡張性の高さ(メモリ増設)
- 画面解像度の高さ
コスパ重視ならIdeaPad Slim 570(14型AMD)、拡張性重視ならInspiron 14 5425
同じスペックで比較すると、少しずつIdeaPad Slim 570 (14型AMD)の方が有利であることがわかった。
とはいえ、「圧倒的な差」というわけでもなく、誤差、あるいはデザインの好みで機種を選んでもいいレベルのものだ。
記事執筆時の価格は1万円ほどと6〜8万円台のPCとしてはやや差が開いているため、予算をとにかく抑えるのであればIdeaPad Slim 570(14型AMD)をお薦めする。
一方でInspiron 14 5425のメリットとして画面の表領域の広さや後からメモリを増設できる点だ。AMD Ryzenプロセッサを搭載していれば、一般的なビジネスワークからクリエイティブワークまでこなせるため、画像の編集や写真補正までをこなしたいとなると、メモリ8GBでは心許ない。上位モデルを購入せず、自分でメモリを増設し、安く仕上げたいとなると、Inspironの方が有利なので、自分がどのような作業を行うかで決めると良い。
価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。