DellからDell 16 Premiumをお借りしたのでレビューします。
Dell 16 Premium のスペック
Dell 16 Premium | |
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モニター | 16型(3840×2400ドット)OLED |
CPU | Core Ultra 7 255H |
dGPU | RTX5060(55W) |
メモリ | 32GB(LPDDR5x) |
SSD | 1TB(NVMe) |
サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約358.mm×奥行き約240.05mm×高さ約19.05mm |
無線通信規格 | WIFI7、Bluetooth 5.4 |
バッテリー | 99.5Whr |
充電タイプ | 130W ACアダプター |
重量 | 約2.11kg |
保証 | 1年間のハードウェアサポートソフトウェアサポート |
特徴
Dell 16 Premiumは、XPSシリーズの後継に位置づけられる、16型のクリエイター向けノートPCです。大画面×高解像度のディスプレイを搭載できる点が特徴で、写真・動画編集などクリエイティブ用途にぴったりの仕上がりです。
GPUはRTX 5050から選択可能。3DCGや4K動画編集、AI処理にも対応できる構成となっており、「性能も見た目もスマートにまとめたい」というユーザーに刺さるモデルです。
また、搭載されているUSB-CポートはすべてThunderbolt 3対応。外部GPUや4Kディスプレイへの接続、急速充電など、現代のハイエンドノートに求められる拡張性もしっかり確保しています。
デザイン

Dell 16 Premiumは、天板・パームレスト・底面すべてにアルミ削り出しのボディを採用した、非常に高級感のあるデザインが魅力のノートPCです。カラーは落ち着いたプラチナシルバーで統一されており、XPSシリーズの流れを汲んだミニマルな外観は、ビジネスパーソンはもちろん、シンプルで美しいデザインを好むクリエイターの方にも好まれる仕上がりです。


側面にはアルマイト処理が施されており、擦れや小傷に強く、カバンに入れての持ち運びにも耐えられる仕様になっています。ディスプレイを開いたときのベゼルも非常に細く、没入感のある作業環境を実現しており、外観からもプレミアムモデルらしさをしっかり感じられる一台です。
モニター

Dell 16 Premiumに搭載されているのは、3840×2400ドットの4K(WUXGA+)解像度に対応した高精細モニターです。画面表面には反射防止加工が施されており、周囲の映り込みを抑えて快適な作業環境を提供します。


実測では最大輝度390nitと、屋内利用であれば十分な明るさを確保。さらに、色域はDCI-P3カバー率100%に達しており、プロフェッショナルな映像・写真編集用途でも安心して使える品質です。
上位モデル譲りのパネル性能をそのままに、16型という大画面サイズを活かして作業効率を高めたいクリエイターにぴったりの仕様です。Web閲覧やOffice用途でも、圧倒的な表示情報量が大きなアドバンテージになります。
キーボード

Dell 16 Premiumでは、キートップの周囲に隙間がない「ラティスレスキーボード」が採用されており、シームレスで洗練された印象を与えます。キー配列はXPSシリーズで培われた設計を引き継ぎ、上部にはタッチ式のファンクションキーも搭載。音量や輝度などを指先のタップでスマートに操作できます。
タッチパッドは物理的な境目がない触覚フィードバックタイプで、クリック時にしっかりと振動が返ってくる仕様。こちらもXPSシリーズ譲りの設計で、見た目の美しさと実用性を兼ね備えています。
ストロークは浅めながら、打鍵感はしっかりしており、長時間のタイピングでも疲れにくい設計です。ビジュアルに優れた本体デザインに調和した、プレミアム機らしい操作体験を提供してくれます。
インターフェース

左側

右側
Dell 16 Premiumは、左右に2基ずつ、合計4つのUSB Type-Cポートを搭載しています。すべてThunderbolt 4に対応しており、充電・映像出力・高速データ転送がすべて可能です。HDMIやUSB-Aポートこそ非搭載ですが、Type-Cドックを活用することであらゆる用途に対応できる構成です。
また、microSDカードリーダーと3.5mmイヤホンジャックも搭載しており、クリエイターやビジネスユーザーが求める拡張性はしっかり確保されています。最小限の端子でミニマルにまとめつつ、使い勝手を損なわない設計が魅力です。
性能
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスを測定するベンチマークソフトです。点数が高ければ高いほど高性能とされています。


Dell 16 Premiumに搭載されたIntel Core Ultra 7 255Hは、Cinebench R23でマルチコア22,505pts、シングルコア1,980ptsという非常に高いスコアを記録しています。
この数値は、動画編集や3DCG制作などの重たい作業にも余裕で対応できる水準です。
一方で、シングルコア性能も2,000近くと高く、軽めの作業や操作感も非常に快適です。WebブラウジングやOffice系ソフトもサクサク動作します。
Core Ultra世代の中でも上位に位置する性能で、XPSシリーズの後継にふさわしいパフォーマンスを備えたCPUと言えるでしょう。
バッテリーの持続時間


Dell 16 Premiumは、98Whという大容量バッテリーを搭載しており、筐体サイズに見合った電池容量が確保されています。しかし、高解像度・高輝度の4Kディスプレイを搭載している影響か、実際のバッテリー持続時間はそこまで長くありません。
実際にローカル動画再生(輝度65%)でテストした結果、6時間34分という結果になりました。文書作成やWebブラウジング主体であればもう少し持つと見られますが、終日外出して電源なしで作業するにはやや心もとない印象です。
本機は据え置き中心でたまに持ち出すスタイルのユーザーに向いているといえるでしょう。

動画エンコード


Dell 16 Premiumに搭載されたCore Ultra 7 255HとRTX 4060の構成では、YouTubeプリセット(H.264コーデック)を使用した動画エンコードにおいて、129秒という結果が得られました。これは、最新のハイエンドゲーミングPCに迫る処理速度であり、同クラスのノートPCとしては非常に優秀な部類に入ります。
実際にDaVinci Resolveで13分の動画を書き出した際にも処理はスムーズで、プロフェッショナル用途のクリエイティブ作業にも十分対応可能です。これにより、Dell 16 Premiumは「ゲームだけでなく、動画編集にも本格的に使いたい」ユーザーに最適な一台と言えるでしょう。
Blenderの画像生成

BMWの画像生成は、Blenderを使用したレンダリングテストにて実施しました。結果としては、**1フレームあたり約2分6秒(126秒)**でのレンダリングが完了しており、これはRTX 4060 Laptop GPUを搭載するノートPCとしては優秀な結果です。
、中〜上級レベルの3DCG制作でも十分活用できる性能を示しています。特に、GPUの計算能力が問われるレイトレーシング処理でも安定したレンダリングスピードを維持しており、プロ向けのCG作業にも対応可能なポテンシャルを持っていると言えるでしょう。
SSDの読み書き


搭載されているSSDは「KIOXIA製 BG6 1TB」で、インターフェースはPCIe Gen4 x4接続に対応しています。
実際のCrystalDiskMarkの計測結果では、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は【6003MB/s】、ライトは【5348MB/s】と、非常に高速な転送速度を記録しています。4Kランダムアクセス(RND4K)でもリードが【516MB/s】、ライトが【413MB/s】と、日常利用から重めの編集作業までストレスなくこなせる水準です。
書き込み速度に余裕があるため、4K動画の編集や大量の画像データの取り扱いでも快適に作業可能で、特にクリエイティブ用途で力を発揮するストレージ構成だと言えるでしょう。
また、CrystalDiskInfoの確認でも動作温度は約48℃で安定しており、発熱も抑えられた設計です。
PCの温度とファンの動作音
Cinebench R23の10minuteテストでCPU温度と動作周波数を確認してみました。

このグラフは、Dell 16 PremiumでCinebench R23を10分間連続実行した際のCPU動作クロックと温度の推移を示しています。
テスト結果としては、CPU温度は概ね80℃前後で安定しており、過熱による大幅なクロック低下は見られません。初期こそクロックが高めに動作しますが、その後は3.4〜3.5GHz程度で持続し、長時間の負荷でも安定したパフォーマンスを維持できる挙動です。
この結果から、長時間のレンダリングや動画エンコードなど高負荷作業でも、サーマルスロットリングの影響が少なく、持続的な処理性能を発揮できると考えられます。
表面の温度

このサーモグラフィー画像は、Dell 16 Premiumを高負荷状態で動作させた際のキーボード面の温度分布を示しています。
- 最も高温な部分は、ディスプレイヒンジ付近の排気周辺で約45.0℃。
- キーボード中央付近は**35.1℃**程度で、長時間のタイピングでも不快に感じるほどの熱さではありません。
全体的にパームレストやタッチパッド付近は低温に保たれており、冷却設計がうまく機能している印象です。
ただし、高負荷作業時には上部の排気付近がかなり熱くなるため、長時間の使用では排気口を塞がないよう注意が必要です。
ファンの回転音の大きさ

この計測写真では、Dell 16 Premiumの高負荷動作時におけるファンの駆動音が46.4dBAと記録されています。
46dBA台は、静かなオフィス環境や図書館ではやや気になるレベルであり、ゲームプレイや動画エンコードなどの高負荷作業時には「ファンが回っている」ことをはっきり感じます。
一方で、負荷が低い状態ではファン回転数も落ち、動作音は大きく低減するため、日常的なブラウジングや文書作成では静音性も確保されています。
高性能CPU・GPUを搭載したクリエイター向けモデルとしては、一般的な騒音レベルと言えますが、静音性を重視する方は冷却設定のカスタマイズや外部冷却の利用を検討すると良いでしょう。
まとめ:デザイン性と性能を兼ね備えた高性能クリエイターノートPC
Dell 16 Premiumは、所有欲を満たす高級感のあるデザインに加え、ユニークなキーボードやタッチパッドといった個性的な装備が魅力です。性能面でも、4K動画編集や3DCGレンダリングといった負荷の高いクリエイティブ作業に十分対応できるパワーを備えています。
デザイン性と高性能を両立した、まさに“Premium”なクリエイターノートPCを求める方に強くおすすめできるモデルです。
