Dellから Dell 14 Plus 2-in-1 PCをお借りしたのでレビューします。
Dell 14 Plus 2-in-1 DB04250のスペック
Dell 14 Plus 2-in-1 DB04250 | |
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モニター | 14型(1920×1200ドット) |
CPU | Core Ultra 7 256V |
iGPU | Intel Arc Graphics |
メモリ | 16GB(LPDDR5x) |
SSD | 1TB(NVMe) |
サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約314mm×奥行き約226mm×高さ約16.39mm |
無線通信規格 | WIFI7、Bluetooth 5.4 |
バッテリー | 64Whr |
充電タイプ | 65W ACアダプター |
重量 | 約1.61kg |
保証 | 1年間のプレミアムハードウェアサポートソフトウェアサポート |
詳細はDell 14 Plus 2-in-1(DB04250)で確認できます。
特徴
Dell Inspiron 14 Plus 2-in-1は、最新のIntel Core Ultra 200Vシリーズを搭載した生産性と機動力を両立するコンバーチブルノートPCです。大容量の64Whバッテリーを備え、外出先でも長時間の使用が可能。また、ビジネス用途に最適化されたアクティブペンが同梱されており、手書きメモやスケッチもスムーズに行えます。上質な筐体と反応の良いタッチディスプレイ、そしてバランスの取れたパフォーマンスを備えたこの1台は、移動が多いビジネスパーソンにとって理想的な選択肢です。

Dell 14 Plus 2-in-1は、14型の2-in-1ノートPCとしては異例とも言えるバッテリー駆動時間を実現しています。UL Procyonによる動画再生ベンチマークにおいて、**実測で「19時間51分(1191分)」**という非常に優れた結果を記録しました。
この持続時間は、グラフで示されている同クラスの競合機と比較しても上位に位置しており、実用面でのスタミナ性能の高さを裏付ける結果です。

実測ベースで19時間を超えるということは、会議・商談・移動・プレゼンといったビジネスシーンをバッテリー駆動だけで完結できる可能性が高いということです。さらに動画再生という負荷のあるテストでこの結果であるため、文書作成やブラウジング中心の軽作業ならさらに長時間駆動が期待できます。
Dell 14 Plus 2-in-1は、薄型軽量ながらも大容量バッテリーと高効率設計を両立した、完成度の高い長時間駆動ノートです。外でも安心して作業したいユーザー、ACアダプターを持ち歩きたくないユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢になるでしょう。

XPS 16 9640
公式サイトでみるデザイン


Dell 14 Plus 2-in-1は、落ち着いたシルバーカラーと金属質な素材感が魅力のモバイルノートPCです。天板・パームレスト・底面すべてにアルミ素材が使用されており、見た目の上質感とともに堅牢性もしっかり確保されています。
表面はサラリとした微細なヘアライン仕上げで、指紋や皮脂が目立ちにくく、長時間の使用でも清潔感を保ちやすいのも実用的なポイント。ロゴやエッジ処理も控えめで、**無駄のないシンプルな造形が“ビジネスツールらしい佇まい”**を演出しています。


本体は360度ヒンジに対応した2-in-1コンバーチブル構造を採用しており、ノートPCスタイルからテントモード・スタンドモード・タブレットモードまで自在に切り替え可能です。ヒンジ部の動きもスムーズで、頻繁な開閉・スタイル変更にも違和感がありません。

見た目の一体感が高いため、どのスタイルでも一貫したデザイン性を保てる点も本機の強み。プレゼンや動画視聴、手書きメモなど多用途に使えるだけでなく、どんなシーンでも“浮かない”デザインは高く評価できます。


Dell 14 Plus 2-in-1の実測重量は本体で1,568g(約1.6kg)。加えて付属のACアダプターと電源ケーブルを合わせると約333gとなり、合計でおよそ1.9kg程度になります。
この重量は、近年のモバイルノートPCが1.3kg前後に収まることも多い中ではやや重ための部類に入ります。アルミシャーシやコンバーチブル構造、64Whの大容量バッテリーを搭載していることを考えれば納得できる重さではありますが、軽さ重視で選びたいユーザーにとっては注意が必要です。
日常的にリュックやトートバッグでの移動があるユーザーにとっては、片手での取り回しや長時間の持ち歩きにやや負担を感じる重さかもしれません。ただし、カフェやコワーキングスペースへ持っていく週数回レベルの使用であれば許容範囲内。
また、ACアダプターもやや大きめですが、USB-C対応のPD充電器に置き換えることで荷物の軽量化も可能です。
モニター

Dell 14 Plus 2-in-1には、14インチのフルHD+(1920×1200)液晶ディスプレイが採用されています。アスペクト比は16:10で縦方向に情報量が増えており、Webブラウジングや文書作成などの作業効率に優れた仕様です。
画面の発色性能も非常に高く、測定結果では**DCI-P3カバー率が99.9%**と、色域の広さはプロフェッショナル向けモニターに匹敵するレベル。色再現性が非常に正確なため、動画編集・写真補正・イラスト制作といったクリエイティブ作業にも十分対応可能です。
色域

色域の広さに加えて、コントラスト表現やグラデーションの滑らかさも良好。NetflixやYouTubeといった動画コンテンツ視聴時には、一段階リッチな映像体験が可能です。普段使いからエンタメ用途まで、ディスプレイにこだわりたい方には嬉しいポイントです。
キーボード

Dell 14 Plus 2-in-1には、英字配列をベースに日本語化したキーボードレイアウトが採用されています。一般的なJIS配列と比べて無駄な装飾が少なく、キーの印字や配列がすっきりと見えるのが特徴です。キー間の間隔(キーピッチ)や打鍵時の感触もしっかりしており、軽快で誤入力の少ないタイピング体験が得られます。
また、ファンクションキーや矢印キーもコンパクトながらきちんと独立しており、文章作成や表計算などの操作性にも優れています。電源ボタンは右上に配置されており、指紋認証センサーを兼ねているため、ログインもスムーズです。
Dell 14 Plus 2-in-1のタッチパッドは、サイズ感や操作性の面では十分実用的であり、マルチジェスチャーやスワイプ、スクロール操作もおおむね快適に行えます。しかし、クリック時の感触は「カチカチ」とした硬めのクリック音が伴うタイプで、安価なPCでもよく見られるようなチープな印象が否めません。
クリック感はやや硬く、長時間操作していると指先への負担やストレスを感じる場面もあるかもしれません。タッチパッド全体の表面処理や滑り具合はまずまずといったところですが、質感や静音性にこだわるユーザーにとっては評価の分かれるポイントと言えるでしょう。
インターフェース

左側
- HDMI 2.1:4K出力も余裕の最新規格。外部ディスプレイやプロジェクター接続も安心。
- USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps):DisplayPort 1.4・Power Delivery対応で、映像出力と充電の両立が可能。
- Thunderbolt 4(40Gbps):高速データ転送に加え、4K×2画面出力やeGPU接続にも対応する万能ポート。

右側
- USB 3.2 Gen 1 Type-A(5Gbps):マウス・USBメモリ・外付けSSDなどの接続に便利。
- 3.5mmユニバーサルオーディオジャック:ヘッドセットや外部スピーカーもそのまま接続可能。
Thunderbolt 4とUSB 3.2 Gen 2の両方を搭載している点は非常に実用的で、用途によって充電・映像出力・データ転送を適切に使い分けられるのは本機の大きなアドバンテージです。また、フルサイズHDMIやUSB-Aポートも残されていることで、変換アダプターを使わずに済むシーンも多く、ビジネスからプライベートまで幅広いユーザーに配慮された設計と言えるでしょう。
タッチペンについて

Dell 14 Plus 2-in-1には、専用のアクティブスタイラス「Dell アクティブペン – PN5122W」が同梱されており、購入後すぐに手書きやペン操作が可能な環境が整っています。このペンは4,096段階の筆圧感知とパームリジェクション(手のひら誤認識防止)機能を備えており、メモ書きから簡単なスケッチ、PDFへの注釈作業までスムーズに対応します。
PN5122Wは充電式ではなく、AAAA(単6)アルカリ乾電池で駆動します。連続使用時間は十分長く、定期的にバッテリーを交換するだけで安定した動作が維持できます。頻繁に使う人にとっては充電式が好まれるかもしれませんが、電池式のメリットは“即使える”手軽さと交換の容易さです。
性能
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスを測定するベンチマークソフトです。点数が高ければ高いほど高性能とされています。

マルチコアスコア:9,996 pts
シングルコアスコア:1,903 pts
この結果は、同じCore Ultra 7シリーズの他モデルと比較してもやや高めの位置にあり、シングル・マルチともにバランスよく性能が出ていることがわかります。

マルチコア性能は、動画視聴・資料作成・Webブラウジングなどの複数作業を同時にこなすマルチタスク運用においてスムーズな体感をもたらします。また、シングルコア性能も高いため、WordやExcel、Zoom、軽い画像編集や動画カット作業などでも快適に動作します。
動画のエンコード


Dell 14 Plus 2-in-1は、Core Ultra 7 256V + Intel Arc内蔵グラフィックス構成により、動画編集用途でも一定のパフォーマンスを発揮します。実際にDaVinci Resolveを用いて、10分尺のフルHD動画をYouTubeプリセット(H.265)で書き出したところ、256秒でエンコードを完了しました。
この結果は、同じような構成のノートPC(iGPU搭載・Core Ultra 7クラス)と比較しても中位クラスの性能であり、実用に耐えうるエンコード速度と言えます。
Blenderの画像生成


Dell 14 Plus 2-in-1では、Blenderを用いた3Dレンダリング作業にも挑戦可能です。実際にBMWの3DモデルをCyclesエンジンでレンダリングした結果、1フレームのレンダリング時間は5分05秒で完了しました。
この処理時間は、内蔵GPU(Intel Arc)としては標準的〜やや健闘している水準であり、モバイルノートながらある程度の3D制作ワークフローにも対応できる処理能力を持っていることが分かります。
Dell 14 Plus 2-in-1は、Blenderのような3DCGアプリにおいても、**軽作業から中程度のレンダリングまではしっかりこなせる「描けるモバイル」**です。ノートPC単体でここまでレンダリング可能であれば、外出先での確認用、教育・学習用途、趣味のモデリングにも心強い選択肢となるでしょう。
PCの温度とファンの動作音
Cinebench R23の10minuteテストでCPU温度と動作周波数を確認してみました。

Cinebench R23を10分間連続で実行し、CPUの温度と動作クロックをモニタリングした結果、Dell 14 Plus 2-in-1は発熱とパフォーマンスのバランスに優れた動作を見せました。
- コア温度は平均約75℃前後で安定
- 動作クロックは平均2.5GHz付近を維持
- グラフ上でも温度・クロックともに急激な変動がなく、緩やかかつ安定した推移
これにより、サーマルスロットリングによる極端な性能低下が発生していないことが確認でき、冷却設計・ファームウェア制御の完成度が高いと言えます。
表面の温度

Cinebench R23連続実行時に、FLIRサーモグラフィーを用いてキーボード面の温度を測定したところ、最大で45.0℃を超えるホットスポットが確認されました。とくに発熱の中心となったのは**キーボード上段中央〜左側(数字キー周辺)**で、触れた瞬間に“明確な熱さ”を感じるレベルです。
- 中央付近の温度:約45.0℃
- 左下〜中段(ホームポジション周辺):約39.5℃前後
ファンの回転音の大きさ

高負荷時のファン動作音を騒音計で計測したところ、最大でも約39.8dBAという極めて低い値を記録しました。この数値は図書館の静けさに近いレベルであり、ファンが確かに動作しているにもかかわらず、実使用時にはほとんど気にならないレベルの静音性を実現しています。
単に音が小さいだけでなく、ファンの回転音の“質”にも配慮が感じられます。耳に残る高音や不快なうなり音はなく、「サーッ」という空気の流れるような低めの音質で、作業中の集中を妨げません。
- Web閲覧やOffice作業時:ほぼ無音
- 動画再生や軽めの編集作業時:静かなファン回転が聞こえる程度
- Cinebenchなどの高負荷時:40dBA未満での静音駆動を維持
■ まとめ:長時間の作業に最適な、静かで頼れる2-in-1ノートPC
Dell 14 Plus 2-in-1は、静音性・バッテリー持続時間・入力の快適さといった“長時間の使用に直結する性能”に優れた、完成度の高い2-in-1ノートPCです。特に、約20時間に迫る実測バッテリー駆動時間と、負荷時でも40dBAを下回る静かな動作音は、カフェや図書館、自宅の深夜作業など、集中したい環境に非常にマッチします。
一方で、本体+ACアダプター合計で約2kgに近い重量はモバイル用途としてはやや重めであり、軽快な持ち運びを重視するユーザーにとっては検討課題となります。ただし、それを補って余りあるバッテリーライフと、手書き対応の高精細タッチディスプレイを備えている点は、本機の魅力です。
また、処理性能や入力装置、ディスプレイの発色などはおおむね良好なものの、競合製品と比較すると一部でやや平凡な構成や質感も見受けられ、価格帯によっては割高感を覚える場合もあります。
出先で長時間作業したい人(充電を気にせず使える)
静かな環境での使用を重視する人(静音性が高い)
タブレットとしても活用したい人(スタイラス付属)
にはおすすめです。
