DellからDell 14 Premiumをお借りしたのでレビューします。
Dell 14 Premium のスペック
Dell 14 Premium | |
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モニター | 14型(3200×2000ドット)OLED |
CPU | Core Ultra 7 255H |
dGPU | Intel Arc |
メモリ | 32GB(LPDDR5x) |
SSD | 1TB(NVMe) |
サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約320.mm×奥行き約216mm×高さ約18mm |
無線通信規格 | WIFI7、Bluetooth 5.4 |
バッテリー | 69.5Whr |
充電タイプ | 60W ACアダプター |
重量 | 約1.72kg |
保証 | 1年間のハードウェアサポートソフトウェアサポート |
特徴
Dell 14 Premiumは、XPSシリーズの後継機種として位置づけられるPremiumノートPCです。
事務作業からクリエイティブ用途まで幅広く対応できる高性能さを備え、動画や写真編集といった重めの処理も快適にこなせます。
さらに、14型ディスプレイによる臨場感あふれる映像体験と迫力のあるサウンドは、映画や動画視聴でも満足度が高い仕上がりです。
デザイン面でも唯一無二の存在感があり、持ち運ぶだけで洗練された印象を与えられる点も魅力です。
デザイン

Dell 14 Premiumの天板は、アルミ削り出しのボディにプラチナシルバーのカラーを採用。
ひと目で高級感を感じさせる質感に仕上がっており、外出先で使うときにも洗練された印象を与えます。
シンプルでミニマルなDellロゴが中央に配置されており、ビジネスからプライベートまでシーンを選ばず馴染むデザイン性が魅力です。

側面から眺めると、Dell 14 Premiumはシャープなエッジラインと緩やかな曲線が融合したスタイルで、スタイリッシュさが際立ちます。
天板のアルミ素材は光の当たり方によって表情を変え、落ち着いたプラチナシルバーがより一層高級感を演出。
背面ヒンジ付近も滑らかに処理されており、無駄のない造形はXPSシリーズの系譜を受け継ぎつつも、さらにモダンにアップデートされた印象です。

Dell 14 Premiumは、狭額縁デザインを採用しており、ベゼルが極限まで細く処理されています。これにより14型ながら画面占有率が非常に高く、映像や作業に没入しやすい構造です。
実際に表示してみると、色の深みやコントラストが高く、動画視聴やクリエイティブ用途でも満足度の高い画質を提供。ビジネス用途においてもExcelやPowerPointなどのウィンドウを広々と表示でき、作業効率を向上させます。

Dell 14 Premiumの底面はシンプルかつフラットな仕上げで、アルミ素材の高級感が際立っています。左右に長く配置されたスリットは冷却用の通気口で、内部のCore Ultra 7やGPUの発熱を効率的に逃がす設計です。
ゴム足は四隅と中央に配置されており、滑り止めの効果とともに本体を少し浮かせることで通気を確保。長時間の作業やクリエイティブ用途でも安定した冷却性能を発揮します。


Dell 14 Premium の本体重量は 約1.76kg。14.5型ノートPCとしてはやや重めで、モバイル性を重視した軽量モデル(1.2~1.4kgクラス)と比較すると、持ち運びの負担は多少あります。
一方で、同梱されるACアダプターは 約167g と非常に軽量。合計しても2kgを下回るため、出張やカフェ作業などへの持ち運びは十分に現実的です。
本体の剛性や高級感のある筐体デザインを維持しつつ、必要十分な携帯性を確保している点が、Dell 14 Premium の特徴といえるでしょう。
モニター

Dell 14 Premiumには、14.5型の3.2K(3200×2000)解像度OLEDパネルが搭載されています。出荷時にキャリブレーションされているため、購入直後から色再現性の高さを実感できます。

色域はDCI-P3をほぼ100%カバーしており、写真編集や映像制作といったクリエイティブ用途にも十分対応可能です。コントラストの深さと鮮やかな発色は映画視聴やゲームでも圧倒的な臨場感をもたらし、日常的な作業も快適に。
さらに高精細な3.2K解像度により、文字表示は非常に滑らかで、資料作成やリモートワークといった事務用途でも長時間の使用で疲れにくい点が特徴です。

Dell 14 PremiumのOLEDパネルは、最大輝度で約364nitsを計測しました。一般的な屋内使用では十分すぎる明るさで、映像視聴や画像編集の際に鮮やかさをしっかり体感できます。
ターゲット輝度を120nitsに設定しても安定した表示が得られ、輝度を落としても色の深みやコントラスト感が損なわれにくいのがOLEDパネルの強みです。
屋外の日差しの下での使用では反射の影響はあるものの、最大輝度に設定すればWeb閲覧や作業は問題なく行えるレベルです。
キーボード

Dell 14 Premiumのキーボードは、デザイン性と機能性を兼ね備えています。特に特徴的なのが最上段に配置されたデジタルファンクションキーで、音量調整や明るさ調整といった操作をタッチ式で行える点です。物理キーではないためフラットな印象が強く、デザイン性を高めつつも実用性が確保されています。
キーボード自体はキーピッチ・ストロークともに十分で、打鍵感はしっかり。白基調の配色も相まって、長時間の入力作業でも快適です。
タッチパッドはサイズが大きく、触覚フィードバックに対応。クリック操作は従来の物理的な沈み込みではなく、振動によってクリック感を再現するタイプで、スムーズかつ高級感のある操作感が得られます。スクロールやジェスチャーも直感的で、クリエイティブ用途でも快適に利用できます。
インターフェース

左側面
・USB-C ×2(Thunderbolt 4対応、Power Delivery / DisplayPort対応)

- 右側面
・microSDカードリーダー
・USB-C(Power Delivery / DisplayPort対応)
・3.5mmヘッドホンジャック
Thunderbolt 4ポートを標準搭載しているため、外部ディスプレイへの出力やeGPU、ストレージなどの拡張性も十分。クリエイティブ用途や外部機器との接続を重視するユーザーに適した仕様になっています。
性能
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスを測定するベンチマークソフトです。点数が高ければ高いほど高性能とされています。

- マルチコア:16,741 pts
- シングルコア:2,000 pts

マルチコア性能では、先代のCore Ultra 7 155HやRyzen 7 7840HSを大きく上回り、同世代の上位モデルに迫る実力を発揮しています。シングルコア性能も2,000 ptsと高く、日常作業から重めのアプリまで安定して処理可能です。
実際の使用感としても、ブラウジングやOfficeソフトはもちろん、画像編集や動画編集でも快適に動作しました。XPSシリーズの後継らしく、パフォーマンス面で妥協のない仕上がりです。
バッテリーの持続時間


Dell 14 Premiumのバッテリーは68Whと標準的な容量を搭載しています。動画再生テストでは10時間25分という結果で、14.5型ノートPCとしては平均的な水準です。

ただし、OLEDディスプレイを搭載している影響もあり、消費電力はやや大きめ。
とはいえ、1日の作業をカフェや外出先でこなす程度であれば十分に対応可能。
動画エンコード


Dell 14 Premiumは、Core Ultra 7 255Hとメモリ32GBを搭載しており、実際の動画エンコードテストでは YouTubeプリセット(H.264コーデック)で230秒 という結果でした。
比較グラフを見てもわかる通り、上位のYoga Pro 7i Gen 10(178秒)やYoga Pro 7 Gen 9 AMD(218秒)には及ばないものの、XPS 16(299秒)やIdeaPad Pro 5i(306秒)よりは高速で、14.5型ノートPCとしては十分に優秀なエンコード速度といえます。
実際にDaVinci Resolveを用いた検証でも、プロジェクトの書き出しはスムーズで、軽量な編集作業から中規模の動画編集まで快適にこなせるパフォーマンスを発揮しました。
Blenderの画像生成

BlenderでBMWのサンプルデータをレンダリングしたところ、1フレームあたり約2分16秒で完了しました。
このスコアは、統合GPU(iGPU)に依存する一般的な薄型ノートPCとしては良好な数値です。専用GPU(RTXシリーズなど)を搭載したゲーミングノートには及びませんが、クリエイティブ用途に対応できる実用的な性能を発揮しています。
特にDell 14 PremiumはCore Ultra 7 255Hの内蔵GPU「Arc Graphics」を活かしており、軽めの3Dモデリングや簡単なアニメーション制作、After Effectsや動画エフェクトのプレビューなどは十分にこなせるレベルです。
SSDの読み書き


Dell 14 Premiumに搭載されていたのは KIOXIA製 BG6 1TB NVMe SSD(PCIe 4.0対応)。
CrystalDiskMarkの計測結果は以下の通りです。
- シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1):5986 MB/s
- シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1):5331 MB/s
- ランダムリード(RND4K Q32T1):515 MB/s
- ランダムライト(RND4K Q32T1):417 MB/s
PCIe 4.0らしい高速なストレージで、システムの起動やアプリの立ち上がりは非常にスムーズです。
大容量ファイルのコピーや動画編集時のプレビューでもストレスを感じにくい速度が出ています。
PCの温度とファンの動作音
Cinebench R23の10minuteテストでCPU温度と動作周波数を確認してみました。

動作クロック(青線)
- 開始直後は 約3500MHz前後 まで上昇。
- その後、温度上昇に伴いクロックは安定して 2600〜2800MHz程度 に落ち着きます。
- 時折スパイク的にクロックが跳ね上がっていますが、これはタスクの切り替えや負荷変動に伴う一時的なブーストと考えられます。
温度(オレンジ線)
- スタート直後は急上昇し、約90℃付近 まで達する。
- その後はサーマルスロットリングによってクロックが抑制され、80℃前後 で安定。
- 長時間のレンダリングでも温度は大きく暴れず、冷却設計はバランスが取れている印象です。
表面の温度

画像のサーモグラフィーを見ると、Cinebench R23負荷時のDell 14 Premiumのキーボード表面温度は以下のような傾向です。
- 最も高い部分:キーボード奥側(ファンクションキー列付近)で 約39.3℃
- 中心部(G・Hキー付近):約34.7℃
- パームレスト部分は青く表示されており、30℃以下で快適に維持されています。
ファンの回転音の大きさ

ありがとうございます!画像の計測器の表示から、Dell 14 Premiumの高負荷時のファン駆動音は44.8dBAでした。
騒音の目安
- 40dBA前後 … 静かな図書館レベル
- 50dBA前後 … 普通の会話レベル
したがって、44.8dBAは「静かな室内でファンが回っているのが分かる」程度で、耳障りな高音ではなく日常使用には問題ないレベルといえます。
まとめ:オールマイティな高品質クリエイターノートPC
Dell 14 Premiumは、ビルドクオリティからパフォーマンスまで高水準にまとまった完成度の高い14.5型ノートPCです。キーボード周辺のデジタルファンクションキーや、触覚タッチパッドといったユニークなギミックも備えており、使い勝手や新しさを求めるユーザーに特におすすめできます。
一方で、重量やバッテリー駆動時間はやや控えめなため、モバイル主体というよりは据え置きを中心に使う方に向いているモデルです。
