VAIO SX12 ALL BLACK EDITIONレビューほぼ完ぺきなモバイルノートPC

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2019年に発売されたVAIO SX12シリーズには、勝色特別仕様のほか、すべてが黒で統一された『VAIO SX12 ALL BLACK EDITION』がラインナップとして存在します。

VAIO SX12シリーズの展示機をレビューしたところ、メーカーから検証機を貸してもらえることになったので、検証結果とともに僕の感想をお伝えいたします。

VAIOSX12の概要に関しては下記記事に詳細を記載しています。

VAIO SX12 ALL BLACK EDITION外観

動画で解説を見る

15分程度で動画で解説しております。チャンネル登録もお待ちしております。

通常モデルとの違い

通常モデルと『ALL BLACK EDITION』の違いはVAIOロゴが光沢のある黒に変更されている点。

通常モデルのVAIOロゴは銀色。どちらもかっこいい。

好みは分かれると思いますが、個人的にはどちらも統一感があってかっこいいと思います。

また、オーナメントも黒で統一。ヘアライン加工仕上げによって質感を高めています。

VAIOSX12通常モデル、インテルのシールが貼られています。

キーボード側も同様にヘアライン加工が施されています。インテルシールもありません。

正面から見たときの統一感はお見事!

どの角度から見ても黒に見えるのがオールブラックエディションの特徴です。フォーマルな印象を与えたいビジネスマンにぴったりのデザインだと思います。

UDカーボンを重ね合わせて作られるVAIOのカーボンウォール天板は、手触りが均一で、思わずずっとさわっていたくなるようなしっとりした感触です。

吸気用の穴は上部についており、普段使用している際は見えません。

デザインは業界一

開封して本体を見たときの感想は『めちゃくちゃかっこいいなこのパソコン』と久しぶりにノートPCをみて感動しました。

アルミのような質感はないのですが、一般的なノートPCと明らかに違う質感に仕上げられていて特別なノートPCが欲しい人におすすめできます。

もちろんインターフェースは全部入りでどこに持って行っても困ることはありません。

VAIO SX12 ALL BLACK EDITION

公式サイトで確認

VAIO SX12シリーズの最大の強み

VAIO 富士通 NECなど国内メーカーの英知を集結させた1kg以下のモバイルノートPC群の差別化は非常に難しい。

VAIOが舵を切ったのは『ビジネスマンのための全部入り』

「VGA(D-sub15pin)にしか対応していないプロジェクターを使ってプレゼンテーションをしなければならない」という友人が僕の周りにいますが、常に最新の設備が備わっていない場で仕事をしなければならない人もいるでしょう。

ターゲットの違いはあるかもしれませんが、NECのLavie PMはLAN端子をなくしていたり、ある種割り切った設計をしています。

ビジネスマンに必要な機能を備えているのがVAIOの強みです。

付属のACアダプターは5W出力に対応

PC本体右側にあるUSB SuperSpeedに対応したUSB-Cは、モバイルバッテリーでPC本体を充電可能です。VAIOの『5Vアシスト充電機能』のおかげでほとんどすべてのモバイルバッテリーでVAIO本体を充電できます。

VAIOのACアダプターにはUSBポートが付属。

通常の電源に接続する場合、10.5V/3.8A=39.9W出力で、USB使用時は5V/1A=5W出力。

VAIOは5Vアシスト充電機能で少ない電力でもパソコンを充電できるようになっているため用意されているのだと思います。

測定では5W程度でパソコン本体が充電されていました。この電力は最新のモバイルバッテリーであれば楽々給電可能な数値のため、モバイルバッテリーを用意することで不意にバッテリーが切れることを回避できます。

モバイルバッテリーで充電可能

今回僕が検証したのは、Ankerから発売されているモバイルバッテリー2機種。

最大18W出力まで対応可能なモバイルバッテリーで充電した際の出力

上記画像は、10000mPD Reduxという製品で非常に軽量コンパクトなモバイルバッテリーです。最大18W出力まで対応しているのですが、VAIOに接続したところ7.5W出力にとどまりました。

続いて30W出力対応の26800mAhのAnkerモバイルバッテリーで計測してみました。

実測値で26Wほどで充電されていました。

この時、VAIOのバッテリーステータスを確認していたところ『電源モード(接続)』となっていたため、30W以上出力可能な高出力のモバイルバッテリーがあれば、充電しながらVAIOを利用することも可能だと思われます。

スペック

VAIO SX12  ALL BLACK EDITIONのスペックは下記のとおりです。

モニター12.5型
CPUCore i7 8565U
メモリ8GB
SSD256GB
サイズ約287×203.3×18mm
重量約888g
保証1年※

VAIO公式オンラインストアで購入した場合、パソコン3年あんしんサポートが付帯します。

詳細はVAIO公式ページでご確認ください。

ベンチマーク結果

Cinebench R20

CPUの性能を図るCinebench R20の結果です。

Cinebench R20
VAIOSX12
1472
Lavie PM
1060
DAIV NG4300
1640
ZenBook 15 UX534FT
1629
m-Book X400HS
1448
Ideapad S540(15)
1428

※当ブログの過去の計測結果です。実際の性能とは異なる可能性があります。

ベンチマークテストの結果では、VAIOSX12はまぁ普通かなという印象。とはいえ、12.5型のコンパクトなボディで発揮できる性能として驚異的。

ノートPCは小型化すればするほどCPU本来のパフォーマンスを引き出すのが難しいのです。

例えば、比較対象としてよく上げられるNEC Lavie PMは13.3型1060ptsと同じCore i7 8565U搭載モデルのなかでも低い数値にとどまっています。

VAIO True Performanceは伊達じゃない!13.3型以下のモバイルノートPCとしては最高性能だと思います。

FF14漆黒のヴィランズ

GPUは非搭載のため、ゲームソフトは厳しい。HD画質まで落とせばプレイ可能。

ファイナルファンタジー14を30分間起動させ続けたときのCPU温度とクロック周波数です。モバイルタイプとしては珍しく92℃まで上昇しました。その分が実際のパフォーマンスに跳ね返っているのだと思いますが、やや高め。

一般的な使い方であれば常用温度は70℃程度に収まると思われるので問題はないと思います。

Crystal Disk Mark

256GBのSSDはSamsung製のものでした。M.2SSDの理論値の限界付近まで早い読み込み速度です。モバイルノートPCとしては必要にして十分だと思います。

モニターの色域

キャリブレーションツールで測定したトーンカーブです。若干ブレていますが、目視する限り液晶モニターの発色は自然だと思います。

パネルは中国のBOE社せいで、色域は下記のとおり。

VAIO SX12の液晶モニターの色域
sRGB比66.8%
sRGBカバー率66.7%

コンテンツクリエイトの基準となるsRGBには足りない色域でした。VAIO SX12は事務作業に適したパネルです。

ウェブコンテンツを制作するのであれば別途専用のモニターを購入したほうが良いでしょう。

静音性

ファンが全開で駆動している際の音の大きさは44.0db程度。

モバイルノートPCとしては普通。ノートPCとしてはかなり静かなほうです。

Lavie PMのファンの音と比較
VAIO SX1244.0db
Lavie PM40.7db

VAIOSX12のほうがわずかに音が大きく、より静かに作業を行いたいならLavieのほうが有利です。

とはいえ性能差(VAIOのほうが性能が高い)を考えるのならば4dbの差は個人的に目をつぶれるレベルだと思います。

VAIO SX12の致命的な弱点、デメリット

“ほぼ完ぺきな”なと当記事のタイトルについている通り、VAIO SX12はほとんど完璧なモバイルノートPCといっていいです。この記事では紹介していませんが、キーボードはフルサイズスケールで非常に打ちやすく、12.5型とは思えないほどパフォーマンスがでている。

しかし、これらのしわ寄せは確実に他の部分で現れてしまう。あちらを立てればこちらが立たずとはよくいったもので、特にモバイルノートPCは詰め込めるパーツが限られているためより顕著に表れてしまう。

底面の熱が50℃を超える

ファイナルファンタジー14のベンチマークソフトを起動させ続けた際の底面の温度は54.8℃。

「移動は新幹線で膝の上でノートPCなんて絶対に操作しない」という人であればまったくきにするところではないのですが、ビジネスマンが使う上で想定される利用シーンのなかに入ってないとは思えないので非常に残念な部分。

キーボード面はほんのりあたたかな31.3℃。パソコンが全開で動作していてもこちらは全く問題なし。

VAIO SX12 ALL BLACK EDITIONの評価とまとめ

チルトアップヒンジにより本体を持ち上げ、グッドなタイピングポジションとPC本体の冷却を可能にする合理的なデザインと、黒一色の統一感が物欲を掻き立てる最高クラスのモバイルノートPCの弱点は、底面の熱でした。という落ち。

デスクToデスクで仕事をする、優れたビジネスマンにはおすすめできるけれど、いつ何時でも仕事をしなければならないフリーランスの人にはおすすめできないっていうイメージ。

とはいえ、同クラスのノートPCのなかでもパフォーマンスは優秀だし、デザインはかっこいいしで相変わらず「VAIOっていいよなぁ」と思わせてくれるノートPCでした。

持ち運んで机の上で使うのならおすすめできるノートPCです。

VAIO SX12 ALL BLACK EDITION

公式サイトで確認

価格や仕様は変更となる恐れがありますので必ず公式ページでご確認ください。

なお、VAIOSX12の概要に関しては下記記事に詳細を記載しています。

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