4Kモニターを選ぶ理由は、”綺麗な映像を楽しむ”や、”作業効率の向上”だったりすると思うのですが、すべてを一度に手に入れようとすると価格が高くなりがちです。

BenQが2020年に発売したEW3280Uは作業用モニターとして実用的に限界サイズである32型の4Kモニターであり、上記の価格的な手の出しづらさを可能な限り排除した高コスパの4Kモニターとなっています。(とはいえ8万円しますが…)

DCI-P3の広い色域や、独自のHDR i技術を搭載した高スペックモニターをBenQからお借りしたので、検証結果と感想をお伝えいたします。

EW3280Uの特徴

BenQが”EW”あるいは”EX”と型番の頭につけて販売する製品がビデオエンジョイメントシリーズの液晶モニターです。

公式ページ上では高画質エンターテイメントのカテゴリです。

動画で見る

YouTubeでも解説していますので是非参考にしてください。

VAからIPSパネルに

前モデルEW3270Uからの大きな変更点はVAパネルからIPSパネルに変更された点でしょう。IPSパネルは広視野角で、視聴する距離に縛られにくく、作業時以外でも映像を気軽に楽しめるようになりました。

またVAパネルの優れたコントラストを補うための機能も満載です。

映画好きにおすすめの機能「HDR i」搭載

EW3280Uに搭載されているHDR 機能は

  • Display HDR (通常)
  • Game HDR i(暗いシーンで敵を見やすくする)
  • Cinema HDR i(シーンに合わせて彩度を追加)

の、3つがあります。(日本語のメニューを選択した場合はシネマHDR iゲームHDR iの表記になります)

ゲーム HDR iでは暗いところ(シャドウ)を明るく、明るい(ハイライト)ところを暗く、「ちょうどよい感じ」に液晶モニターが自動で調整します。

HDR i機能はシネマティックな表現と公式ページで謳っているとおり、ハリウッド映画のようなティールアンドオレンジを再現します。まるでフィルムで撮影したような印象になるためプレイ中の映像がグッと引き締まる感じです。

最大60W出力のUSB-PDに対応

EW3280Uは背面のポートにUSB-Cを搭載しており、USB-Cポートは最大60Wで出力可能なUSB-PDに対応しています。

  • 5V/3A
  • 9V/3A
  • 15V/3A
  • 20V/3A

といった具合で、スマホを急速充電可能です。

ノートPC側がディスプレイ出力に対応していれば充電と映像出力を同時に行えます。

10万円以下で最高のコストパフォーマンスの4Kモニター

  • 4KUHD
  • IPS
  • DCI-P3
  • USB-PD対応

といったスペック(表示機能)で市場を見渡してみると驚くことに競合製品が少ない。VAパネルやsRGB基準まで落とすとちらほらとでてくるわけですが、実際に市場に並んでいるのはモニター出荷台数世界ナンバーワンのデルくらいでした。

スペックはほぼ同じですがEW3280U10万円以下で購入可能なため非常にお買得だといえます。

また、このほかにtreVolo(トレ・ボーロ)スピーカーも搭載しているため機能性としてはBenQのほうが優位です。

高いレベルの4Kモニターを検討されている方ならこのモニターはおすすめです。

EW3280Uのスペック

BenQ EW3280U
サイズ32型ワイド
パネルの種類IPS
解像度4KUHD(3840×2160ドット)
表示色10億7000万色
輝度350cd/㎡(HDR時最大400cd/㎡)
視野角178℃
応答速度GTG5ms
入出力端子HDMI2.0 ×2/DP 1.4×1/USB-C(最大60WのUSBPDに対応)
VESA規格100mm×100mm
本体重量約8.1kg
保証期間3年

 

付属物

  • 電源ケーブル
  • HDMIケーブル
  • USB-Cケーブル
  • クイックスタートガイド
  • ドライバーCD
  • 保証書
  • リモコン
  • リモコンホルダー

EW3280Uの表示機能について

EW3280UはPC用モニターとして販売されていますが非常に多機能でして、特徴では紹介しきれないほど表示機能が豊富です。

カラーモード M-book Macbookに最適なモニターカラー

中心から左と右でレイヤーを分けています。

BenQは液晶モニターのカラーモードにAppleが販売するMacbookシリーズのと色合わせしやすいM-Bookを搭載しています。

Windowsで使用し実際に写真で並べてみると、若干青みが強くなる印象です。

より正確な色合わせを行いたい場合キャリブレーションツールがあるとよいです。

Rec.709にも対応

主に動画で使われる規格です。

画像用がsRGBやAdobe RGBとしたら映像用がRec.709です。主にHLG(ハイブリッドログガンマ)撮影などを行う映像クリエイターが確認のために使うカラーモードが搭載されています。

一般用途ではあまり活用されませんがしっかりとクリエイター向けの機能も搭載されているということです。

HDCP2.2対応

EW3280UはPC用モニターとしても優秀ですが、例えば地デジチューナーを内蔵したレコーダーと接続して4K/60Pの映像を楽しむことも可能です。

AMD FreeSync  2 対応

ゲームプレイ時のテアリングやスタッタを抑制するAMD FreeSync に対応しています。接続したPCのGPUがNvidiaの場合DP接続時にG-SYNCとして表示されます。

見え方・感想

以前レビューしたEX2780Qと比較した写真です。

肉眼で見るとEW3280Uのほうがわずかに赤みが強い感じがしました。普段からモニターを見すぎているので、僕は青い光に敏感なのです。

実際の測定結果が上記のとおり、sRGBプリセットで計測するとほんのわずかに赤が強かったです。おそらく映像視聴用(HDR機能)のため工場出荷時に微妙に調整されているのだと思います。

EW3280Uの色域
sRGBカバー率99.9%
AdobeRGBカバー率84.9%
DCI-P3カバー率94.1%

実際の測定値は上記のとおりです。映像視聴、編集に最適なDCI-P3の色域に対応しています。公称値の誤差1%以下で非常に高いクオリティのモニターだと感じました。

HDR iの見え方について

映画のような、細かい色再現を行う場合人間の目には暗い箇所のほうが目立つので、暗いゲームのほうが効果を受けやすいです。反面明るいシーンが多いゲームではその恩恵があまりないように感じました。

とはいえ、色の濃淡がはっきりしているため物の輪郭がわかりやすくなる効果は感じられました。

HDR機能のないコンテンツもエミュレートで対応

『龍が如く0』はHDR非対応コンテンツですが、ゲームHDR iを適用させると鮮やかな色を乗せてくれます。

建物や人物などがはっきりとわかるようになりますし、そのうえで色つぶれがなく綺麗な映像でゲームを楽しめます。

また、シネマHDR iももちろんエミュレート可能なので、Netflixで4K契約をしていなくてもHDRで映像を楽しめます。(Netflixで4K UHDをHDRで楽しめる人は月額1800円の契約者のみ)

BenQのHDR iはすごい

映像視聴はVAパネルが望ましいというのは、モニター業界では結構有名な話なのですが、BenQのHDR機能を効かせるとまるでコントラストが上がったかのような錯覚に陥ります。実際は細かな色補正によってそのように感じるのだと思うのですが、パネルスペックを超えた映像視聴が可能なので、シンプルにすごいと感じました。

また、IPSパネルの優位性は視聴距離が離れた時にも色の変化があまりないところなので、PC作業時だけでなく、ソファやベッドに寝転がりながら楽しむことも可能です。

映像を楽しむために作られたモニターとしては最高の性能なのではないでしょうか。

スピーカー・インターフェースについて

EW3280Uは利便性の高いインタフェースも魅力です。

入出力端子

左から

  • ヘッドフォンジャック
  • HDMI 2.0 ×2
  • DisplayPort 1.4 ×1
  • USB-C

自宅での利用頻度はほとんどないと思いますがケンジントンロックもあります。

treVoloスピーカーについて

EW3280UはBenQ独自のtreVoloスピーカーを内蔵しています。スピーカーの音質そのものも大切ですが設置場所がとても優れていると思います。

フロントスピーカーは肉眼で見ることが難しいほどに隠されているのですが、よくみると2つのスピーカーの距離は45cm-50cm程度の場所に設置されています。

ちょうど中心位置に座るとスピーカーシステムが最もよく聞こえるようになるため、別のスピーカーを用意するよりも高音質です。

音量はモニター下部にあるホイールかリモコンで調節可能です。個人的にはリモコンが非常に便利だと感じました。

B.I+ブライトネスインテリジェンスPlus機能について

EW3280Uはモニター正面にセンサーが内蔵されており、部屋の明るさや色温度によってモニターを適切な色、明るさに自動で変化させる機能です。

ブルーライトカットもそうですが、可視光線を調節することによって眼精疲労を軽減する効果があります。映像視聴だけでなく作業用としてモニターを検討されている方がほとんどでしょうから、こうした機能も重視するとよいのではないかと感じました。

モニター本体の外観や設置のしやすさ

モニター本体の重量が約6.8kgほどあるため、設置時にはすこし気合を入れないといけないです。

その分、取り付けは簡単です。ドライバーの容易だけしておきましょう。

100mm×100mmのVESA規格に対応しています。耐荷重10kg程度のモニターアームを購入すれば、机の上のスペースを有効活用できます。

EW3280Uの評価とまとめ

良い点

  • 色域が広い
  • HDR iの色付けが良い
  • USB-PDにも対応
  • 高スペックなのに価格が安い

気になった点

  • 用途に対して贅沢な価格

映像(映画)が好きな人必見!クリエイターにもおすすめなモニター

HDR i機能がとても素晴らしく、ネットフリックスの人気コンテンツなどフィルムルックな映像に変えてくれるのが最高だと感じました。

特徴で紹介した通り、競合製品と比較しても価格が安くコスパが高いのもおすすめポイントです。反面映像を楽しむ用途だと別の選択肢もでてきそうな気もします。

とはいえ、映像クリエイターにもおすすめできるほど高品質なモニターであることも間違いないので、YouTubeでシネマティックな表現を追求する方で、価格が15万円ほどする4K解像度のデザイナーズモニターはちょっと手が出せない、と考えている人には良い選択肢ではないでしょうか。

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