ホームPC日本HP2022年モデルHP Spectre x360 16-fレビュー Intel Arc A370Mを採用したクリエイター向けのSpectre

2022年モデルHP Spectre x360 16-fレビュー Intel Arc A370Mを採用したクリエイター向けのSpectre

日本HPが販売するHP Spectre x360 16-fをメーカーからレンタルできたので使い勝手やベンチマーク結果を掲載。

スペック

HP Spectre x360 16-f
モニター
  • 16型(3840×2400ドット)
CPU
  • Core i7 1260P
dGPU
  • Intel Arc A370M
メモリ
  • 32GB
SSD
  • 2TB
サイズ(幅×奥行×厚さ)
バッテリー最大約9時間
無線通信規格Wi-Fi6E/Bluetooth V5.3対応
充電タイプDCジャック/USB-C
重量約1.96kg
保証1年間引き取り修理サービス・パーツ保証

 

特徴

動画で見る

最新のIntel GPUを搭載したクリエイターノートPC

新しいHP Spectre x360 16-fはインテルが開発するIntel Arc GPUを搭載したクリエイターノートPCで創作活動を中心に行うクリエイターに必要な性能を備える。

Intel Arc A370MはDX12に対応した3DMark Time Spyでグラフィックスコアが3291ポイントだったこのスコアはNVIDIAのGPU RTX3050の45W出力と比較すると若干不利といった結果。

ゲーム向け、としてはやや頼りないものの、フルHDの動画編集やイラスト制作には十分な性能で価格が許せるのであればmクリエイターノートPCとしては問題のない性能。

とはいえ、「パフォーマンスモデル」がCore i7 12700H(Core i7 1260Pよりもベンチマークでは有利)を搭載しているため、コストパフォーマンスを重視するならパフォーマンスモデルを選択した方が良いかもしれない。

高画質の5MPのウェブカメラを搭載

HP Spectre x360 16-fに搭載されている500万画素のIR CAMERAはノートPCに搭載されるものの中でもトップクラスに高画質。そもそもの画素数がフルHDの2倍以上なので非常に綺麗に撮影できる。

また美肌機能も搭載されており、化粧をしてないアラサーおじさんのお肌も綺麗に撮影してくれるため、身だしなみを過度に整えなくても大丈夫。

スタイラスペンとケース標準で付属する2-in-1PC

HP Spectre x360 14-efはタブレットPCのように使える、2-in-1コンバーチブルノートPC。

プレゼンテーションや動画の視聴に最適。

今回付属するアクティブペンはPC本体とマグネットでくっつく方式でPC本体購入時に同梱される。

HP Spectre x360 16-f

公式サイトで確認

価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。

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デザイン

HP Spectre x360 16-fは16型のノートPCで16:10のアスペクト比を採用しているため、表示領域の広いモニターを有している。

PC本体はリサイクルアルミニウムを本体の主要素材として採用したメタルボディデザイン。

カラーはアッシュブラックで非常に高級感のある作り。個人的に好きなのはオーナメントになっているシルバーの箇所で、この部分があることによって他のPCよりも高級感が増している。

底面も同様のカラーでまとめられているため統一感がある。

ネジはT5のトルクスドライバーを利用すれば裏蓋を外すことができる。

重量

HP Spectre x360 16-fの重量
本体1.95kg
充電器0.45kg

 

モニター

搭載されているパネルは有機ELで最大400nitの明るさ。色域は下記。

色域

HP Spectre x360 14-efの色域
sRGBカバー率100%
DCI-P3カバー率99.9%
Adobe RGBカバー率94.4%

キーボード・タッチパッド

HP Spectre x360 16-fはフルサイズスケールのキーボードを採用。指紋認証のセンサーとカメラのセンサーがキーボードの中に設置されている。

うち味はキーストロークが浅め、クリック感がわずかにあるためタイピングがしやすい。筐体が頑丈なのでたわみもない。

タッチパッドはかなり大きめのものが採用されており、肌触りが柔らかく滑りがいいので操作性は高い。

カメラシャッターはオレンジがカメラオフで無点灯がカメラオン。

カメラが有効になっているか無効になっているかはカメラを見ればわかる。ソフトウェアでも確認可能。

HP Spectre x360 16-fは指紋認証センサーと顔認証に対応しているため、どちらかでロック解除可能。

インターフェース

左側

  • オーディオジャック
  • HDMI
  • USB-A

カバーを使うことによってボディ本体を薄型化しつつUSB-Aポートを搭載している。

右側

  • micro-SDカードスロット
  • USB-C
  • DCジャック
  • USB-C

搭載されているUSB-CはThunderbolt 4を搭載している。

性能について

Cinebench R23

Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り

 

Cinebench R23の総合スコア

Core i7 12700H
16525pts
Core i7 12700H
16052pts
Core i7 12700H
15241pts
Core i9 12900H
14884pts
Ryzen 7 6800HS
14496pts
Core i7 11800H
14111pts
Ryzen 9 5900HX
13894pts
Core i7 12700H
13180pts
Ryzen 7 5800H
12651pts
Ryzen 9 5900HS
12058pts
Ryzen 7 5800H
11670pts
Ryzen 76800U
11306pts
Core i7 11800H
11250pts
Ryzen 7 5800H
11224pts
Core i7 1260P(レビュー機)
10976pts
Core i7 1260P(XPS 13 Plus)
10686pts
Ryzen 5 5600H
8815pts
Core i7 1255U
7914pts
Ryzen 7 5800U
7889pts
Ryzen 5 5625U
7838pts
M1
7372pts
Core i7 11370H
7135pts 

最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では10976pts

16型の筐体を採用しているため、同じCPUを搭載しているXPS 13 Plusよりもスコアが伸びた。

また、シングルコア性能も非常に高くクリエイティブタスクの処理が快適に行える水準。

PCMark 10

Microsoft Office互換ソフトや画像編集ソフトのバッチファイルを動作させてスコアを算出するPCMark10ではスコアが6202でMicrosoft Office、テレワークビデオ編集は快適レベル

PCMark 10 バッテリーテスト

PCMark 10 バッテリーテスト
Modern Office9時間11分

PCMark 10に採用されているバッテリーテストではmodern Officeで9時間11分。

SSDの読み書き

クリスタルディスクマークの結果。搭載されていたSSDはウェスタンデジタル製。PCIe Gen 4に対応し、大容量データの読み書きでも速度落ちがほとんどない。

Adobe Premiere Pro CC動画の書き出し速度検証

過去YouTubeにアップロード用に作成したプロジェクトの書き出し時間を測定しました。α7R4で撮影したフルHD動画をH264 YouTube1080Pプリセットで書き出し、その時間を検証するというもの。

Premiere ProCCは2022年10月10日時点の最新バージョンに更新、ハードウェアエンコーディングで実施しました。

  • XAVC S FHD24P(50Mbps)
  • 動画の長さ15分11秒
  • テロップ/カット編集/画像挿入あり
  • シーケンス設定は24fps
  • YouTube 1080P、ハードウェアエンコーディングで書出
機種24fpsの書出し時間
HP Spectre x360 16-f4分2秒
Yoga 770(AMD)4分46秒
M1MacBook Air4分42秒
HP Spcetre x360 14-ef5分12秒

HP Spectre x360 16-fは動画の書き出し性能においても前述した3DMark Time Spyで出たスコア通りでRTX3050よりも微不利で、モバイルノートPCやスタンダードノートPCと比較するとやや有利といった感じ。

UL Procyon Photo Editing ベンチマーク

UL Solutionsが提供する「UL Procyon Photo Edting ベンチマーク」はいわゆる写真編集のベンチマーク。Adobeの「Photoshop」「Lightroom Classic CC」を使用し、実際の写真編集のワークフローに沿ったバッチファイルを実行。

処理にかかった時間をスコア化することで相対的に評価が可能だ。

 

Photo Editing ベンチマーク

Ryzen 7 6800HS/RTX3070Ti
8444pts
Ryzen 7 6800U
6923pts
Core i7 1260P/Intel Arc A370M
6832pts
Core i7 1260P
6713pts
Core i7 1165G7
6018pts
Core i7 1255U
5540pts

 

HP Spectre x360 16-f
Adobe Lightroom Classic CCのワークフロー
読み込み3.099秒
プレビュー0.563秒
プリセット適用0.438秒
エディットイメージ2.174秒
スマートプレビュー5.430秒
書き出し32.971秒
エンハンスディテール4.299秒
フェイスディテクト4.021秒
バッチプロセッシングスコア7877
Adobe Photoshop CCのワークフロー
画像読み込み0.653秒
フィルター適用1.071秒
画像結合0.984秒
データ保存54.356秒
画像書き出し4.316秒
GPUフィルター15.017秒
イメージレタッチスコア5926

 

写真編集のワークフローでは、フォトショップのワークフローにおいてスコアが伸びなかった。この辺りはGPUの最適化によってまだ早くなりそうではある。

UL Procyon Video Editing ベンチマーク

同じくUL Solutionsが提供する「UL Procyon Video Edting ベンチマーク」はAdobe Premiere Proを利用し、H264/H265でそれぞれファイルを書き出しし、処理にかかった時間をスコア化するというもの。

素材データは用意されたものでプロジェクトファイルの全体の長さは1分程度のものだ。素材データは4Kで1080P/4Kにエンコードを行い処理時間からスコアを算出できる。相対的に評価しやすいベンチマークソフトだ。

video-editing-benchmark

 

HP Spectre x360 16-f
YouTube 1080P (1/2)737秒
YouTube 1080P(2/2)99秒
4K UHD(1/2)3748秒
4K UHD(2/2)199秒
Video Editing Score3230

こちらのベンチマーク結果も概ね他のベンチマークソフトの結果と同様、RTX3050搭載機よりも微不利といった感じだ。

Lightroom Classic CCにてRAW現像時間を検証

Adobe Lightroom Classic CCにてα7Ⅱで撮影した24MPのRAWファイル100枚を一斉に書出し、その速度を検証しました。

LightroomClassic CC初期プリセットで画質を100に設定し、デスクトップへ書出し。結果は下記のとおり。

機種書出し時間
Lenovo Yoga 770(AMD)1分09秒
HP Spectre x360 14-ef1分12秒
HP Spectre x360 16-f1分14秒
M1 MacBook Air1分29秒

13.5型のHP Spectre よりも微不利といった結果だが、誤差の範囲内。

PCの温度とファンの動作音について

ピーク時のCPU温度について

Cinebench R23の10minuteテスト実行時の挙動をHWInfoで計測した。

CPUはサーマルスロットリングが発生しておらず、安定したパフォーマンスを発揮可能。

PCの表面温度

Cinebench R23 10minuteテスト時のPCの表面温度を計測。

最も熱い箇所で33.6℃ほど。キーボード側の温度も低く保たれているため、タブレットモードで使用した際にも安心できる。

ファンの動作音

パフォーマンスモード時で43.1dbほど。ファンが回転している音はもちろん聞こえるがクリエイターノートPCとしては低い水準。

ビジネスワークでファンノイズをさらに低減したい場合は「HP Command Center」から変更可能。

HP Spectre x360 16-fの評価とまとめ

良い点

  • 16型クラスで最も高級感があるPC
  • 500万画素のウェブカメラの画質はノートPCの中でもトップクラス
  • 温度管理、ファンノイズ低減共に従来モデルよりも向上している
  • 指紋認証と顔認証を選んで使える
  • 標準でWindows 11 Pro搭載なのでMicrosoftアカウントの作成不要

気になる点

  • Intel Arc A370Mのパフォーマンスが低い
  • 価格が高い

1台で全てをこなしたいならコレ

ゲーマー向けではないため、GPUの性能の評価はやや厳しめといった感じで行っている。

HP Spectre x360 16-fはIntel Arc搭載モデルは30万円を超える。と、なるとRTX3060を搭載したENVYシリーズの方がコストパフォーマンスは高いだろう。

パフォーマンスは発揮できているし、温度も管理できているため完成度には文句はない。また、デザインもWindows機の中ではトップクラスに美しい。HP Spectre x360 16-fは2-in-1コンバーチブルであることをどこまで購入者が評価できるかで満足度の変わるノートPCだと思う。

あるいは、強めのセールで価格が20万円台前半になったら強くお勧めしたい機種だ。

HP Spectre x360 16-ef

公式サイトで確認

価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。

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うっしー
うっしーhttps://usshi-na-life.com
静岡県出身。2014年にブログ「うっしーならいふ」を開設。 元家電量販店スタッの経験を活かし、PCのわかりやすい製品紹介記事を多数執筆。 2017年に「ウチヤマチカラ/うっしーならいふ」チャンネルとしてYouTubeでの活動も開始し、2022年11月現在でチャンネル登録者数は2万人を越える。
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