2018年6月より各社のノートパソコンに搭載される6コアCPU『Core i7 8750H』インテルによると希望価格が395ドルとデスクトップパソコン向けCPU顔負けの価格となっており、それもそのはずパフォーマンスでいえば、デスクトップ用のCore i5と互角以上のパフォーマンスを発揮するモンスターCPUとなっているからであります。
今回の記事ではマウスコンピューターから発売されている17.3インチの大型液晶を有した『m-book W880XN-M2SH2』をマウスコンピューターよりお借りしたのでレビューしていきたいと思います。
【レビュー】m-book-W880XN-m2sh2
m-Book Wシリーズ|GTX1050(6GB)搭載ノート
公式サイトで確認m-Book Wシリーズのスペック
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i 7 8750H |
メモリー | 8 / 16GB(最大32GB) |
グラフィックス | インテル® UHD グラフィックス 630/GeForce GTX 1050(4GB) |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB SSD(SATA/PCIe)、500GB / 1TB / 2TB HDD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 17.3インチ、1920×1080ドット、非光沢、タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 5、1000BASE-T対応有線LAN |
インターフェース | USB3.1 Gen1×2(フルサイズ×1+Type-C×1)、USB3.0×1、USB2.0×1、HDMI、Mini DisplayPort×2、有線LAN、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力/マイク入力 |
カメラ | 200万画素 |
サイズ/重量 | 幅418.5×奥行き288.7×高さ34.9mm/約2.9kg |
バッテリー駆動時間 | 約 6.2時間 |
Wシリーズのラインナップ
モデル型番 | 構成内容 |
m-Book W880BN | メモリ8GB HDD500GB |
m-Book W880SN-S2 | メモリ8GB SSD240GB |
m-Book W880XN-M2S2 | メモリ16GB SSD256GB |
m-Book W880XN-M2SH2←オススメモデル | メモリ16GB SSD256GB |
m-book-W880の外観を確認
天板
グレー配色の先端にエッジの効いたデザインが特徴です。
ボディ本体はA4サイズのノート2枚分以上
底面
本体を利用する際手前傾斜にするため、バッテリーのパームレストが一段下になるようもりあがっています。
側面:左
左側側面は左から
- ケンジントンロック
- 電源
- LAN端子(Ethernet)
- Displayポート×2
- HDMI
- USB3.1 Type-C
- USB3.1
- マルチカードリーダー
側面:右
右側面は左から
- イヤフォン
- マイク
- USB2.0
- USB3.1
右側面は、ポートを少なくしサイドエアフロー(熱の通り道)が3分の1を占める設計です。
以上のように、拡張性の高いモデルとなっており、マウスコンピューターのDAIVブランドに用いられるような豊富な拡張ポートがW880シリーズの特徴と言えます。
左側側面に各ポート類を集中させることで外付けの液晶モニター、キーボード、マウスを取り付けることでデスクトップパソコンのように使うといったことも簡単に行うことができます。
昨今のノートパソコンのスペックを考えると、省スペースでクリエイティブな作業を行うという時代の流れを受け止めた設計になってると思います。
液晶ディスプレイ、キーボード、タッチパッド
液晶ディスプレイ
反射の少ないノングレア搭載し、17.3インチとノートパソコンのなかでは大きい液晶パネルを搭載しています。
視野角は狭めです。正面から作業を行う場合気になるほどではないでしょう。
液晶ディスプレイの色域を比較
W880シリーズに搭載される液晶は、いわば一般的なノートパソコンに採用される液晶ディスプレイといった感じです。
下記の写真は同時期にお借りしているAdobe RGB対比100%の色域を持つクリエイター向けブランド『DAIV』のNG5500に搭載される液晶ディスプレイです。
根本的な発色の違いがお分かりいただけるでしょうか?
彩度や物の影など精巧に描かれるのはクリエイター向けモデルならではといったところです。RAW現像や動画の編集などをノートパソコン1台で行うのであれば、DAIVモデルをお勧めします。
キーボード
バックライト付きキーボードですが、キーストローク(キーの沈み込み)は1.8mm、キーピッチ(キーとキーの間の長さ)は18.0mmとノートパソコンの理想的な数値よりどちらも短めといった感じ。
実際打ち込んでみるとわかるのですがキーボードがやや狭い印象を受けます。
タッチパッド
大きいボディ本体に搭載されるタッチパッドのクリック感は悪くない。廉価モデルに見られがちなパコパコといったものではなく、カチカチとしっかりとしたクリック感を得られました。
重量
バッテリー装着時のフル換装重量で、2.856kg、ACは0.576kgとなっています。
併せて3.432kgとなっています。持ち運びメインで考えるのには向いてないですね。
m-book-W880XN-m2sh2のパフォーマンスを確認
m-book-W880XN-m2sh2のスペック
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i7-8750H プロセッサー |
グラフィックス | インテル® UHD グラフィックス 630 |
dGPU | GeForce® GTX 1050 (4GB) |
メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
SSD | 256GB (M.2規格/Serial ATAIII 接続) |
HDD | 1TB Serial ATAII 5400rpm (Serial ATAIII接続) |
液晶パネル | 17.3型 フルHDノングレア (1,920×1,080/ LEDバックライト) |
チップセット | モバイル インテル® HM370 チップセット |
無線 | IEEE 802.11 ac/a/b/g/n 最大433Mbps対応 |
Bluetooth | Bluetooth 5 |
CPU Core i7 8750Hのパフォーマンスを確認
6コアCPU Core i7 8750Hのパフォーマンスをベンチマークテストで確認していきます。
CINEBENCHR 15
CPUのパフォーマンスを測定するCINEBENCH R15ではデスクトップパソコン用CPUである Core i5 8400を上回るパフォーマンスを出しています。
参考までにこれまでの計測結果をまとめたものをご覧ください。
個体差でばらつきはあるものの、Core i7 8750Hは第7世代のデスクトップパソコンをしのぎ、第8世代ではCore i5 8400と同等以上のパフォーマンスを発揮します。
Pass Mark CPU MARk
Pass Mark CPU MARKの結果です。上位4%に入るパフォーマンスを発揮。
CINEBENCH R15と同様、Core i7 8750Hはかなり高いスコアであることがわかります。
GPU GTX1050(2GB)のパフォーマンスを確認
FF15ベンチマークテスト
VRAMが重要となる、FF15やFPSゲームを快適にプレイするのであればワンランク上のGPUが必要になってきます。
こちらのグラフは当ブログの計測結果をまとめたものです。FF15をフルHDで快適にプレイするためには6000以上(GTX1060以上)のスコアが必要となります。
とはいえ、格闘ゲームやテクスチャが多く使われていないゲームであればGTX1050でも十分プレイ可能です。(鉄拳7やストリートファイターVなど)
SSDの読込速度
搭載されていたSSDは名前からするとHGST社のSSDと思われます。シーケンシャルリードは521Mb/sとSATA接続のモデルでもやや遅めか?(といっても起動時間に大きな影響を与えるほどではない)書き込み速度はかなり早いと思います。
クリエイティブパフォーマンスを確認
動画のレンダリング速度を検証
YouTube向けに編集された5分程度のフルHD動画(テロップ、BGMあり)をレンダリング(書き出し)し、その変換速度をVegas Pro15で検証します。
CPU単体では16分24秒でした。
5分のフルHD動画をレンダリングした結果 | |
CPU | レンダリング時間 |
Core i7 8750H(レビューモデル) | 16分24秒 |
Core i5 8400(デスクトップCPU) | 15分09秒 |
実際のパフォーマンスにおいてはCore i5 8400の方が有利でしたが、同じCPUを搭載するK690シリーズでは上回っていたこともあり、個体差による誤差というものがあるのだと信じたいw
ハードウェアエンコード
また、下記は搭載されるGPUを用いてレンダリングするハードウェアエンコード(NVENC)を用いた変換速度の結果です。
5分のフルHD動画をレンダリングした結果 | |
CPU(GPU) | レンダリング時間 |
Core i7 8750H(GTX1050) | 9分6秒 |
Core i7 8700K(GTX1080) | 7分30秒 |
ゲーミングパフォーマンスはGPUの依存度が高く、上位の高価な製品を選ぶ必要があります。
しかし、動画の編集やRAW現像など、CPU+GPUを併用して処理を行うハードウェアエンコードを用いたパフォーマンスは第7代のCore i7 7700HQ+GTX1060を大きく上回っています。
この結果からもCore i7 8750H+GTX1050の組み合わせはエントリー向けでありつつもクリエイティブな作業を行うといった用途に対してのコスパが高いといえます。
エンコード後の熱
フルパワーで作業を行うエンコード直後に計測したデータでは、最高温度が83℃と高い温度をマークしました。
83℃であれば、ギリギリ適正温度の範囲内といえます。
少し不安な方はCPUクーラーをつけるなどしてコントロールすればガンガン処理を仕掛けても動作に問題はなさそうです。
オススメポイントを紹介
17.3インチのモデルは格ゲーやってもよし、写真編集してもよしと汎用性の高いモデル
液晶ディスプレイの色域に不満のある方は、外付けDisplayを用いて再現度の高い液晶ディスプレイを購入する必要はありますが、やはりフルHDの解像度は17.3インチ以上で利用するのがよいと素直に感じました。15.6インチでは小さすぎる…
僕は鉄拳7が好きなのでsteamでプレイしているのですが、格ゲーであれば17.3インチの液晶モデルがあれば快適にプレイが可能です。
もちろん写真編集や動画の編集もこなせる実力はあるため、持ち運びはしないけれど低予算でクリエイティブな作業を行いたい人に最適。
自分自身の編集スキルが上がるにつれて、EIZOのモニターなど、広い色域を持つモニターを後から購入しDisplayポートにつなげて拡張すれば、さらに快適な作業環境を構築できます。
こうした拡張性やパフォーマンスを見る限り、デスクトップパソコン顔負けのハイパフォーマンスも兼ね備えていることからもコスパの高いノートパソコンだといえるでしょう。
オススメ構成例
なお、金額や仕様や記事執筆時の2018年6月30日時点のもので変更なる恐れがあります。ご注意ください。
m-Book Wシリーズ|GTX1050(6GB)搭載ノート
- 動画編集もこなせる第8世代6コア8スレッドのCore i7 8750H
- 作業しやすい大画面
- ゲームも可能なGTX1050