Lenovo V55t Mini-Tower(2020)レビュー、税込み3.8万円でコスパ最高

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レノボが販売するLenovo V55t Mini-Tower(2020)はRyzen 5 4600G/Ryzen 7 4700Gを選択できるミニタワー型のデスクトップPCです。

注文時に構成を変更すると税込みで38,500円から購入でき、2021年現在では数あるデスクトップPCのなかで非常に費用対効果の高いモデルとなっています。

今回は僕の購入品の検証結果および、感想を紹介。

スペック

購入した構成
OSWindows 10
CPURyzen 5 4600G
GPURadeon Graphics
メモリ8GB
SSD128GB
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
電源180W

キーボード、マウスなどは注文時に取り外しています、安く買う方法も含め下記記事で紹介しています。

Ryzen 5 4600Gは表面のスペックだけ見ればIntelの第10世代CPU Core i5 10400程度の性能があり、事務処理や画像編集などに使える高性能CPUです。

AMDの内蔵グラフィックスは軽いゲームなら画質調整を行えば快適にプレイが可能です。

デザインや内部の構造

Lenovo v55tはミニタワーサイズのデスクトップPCで、小さなデスクにも設置しやすいコンパクトサイズです。その分PCの電源が180Wと控えめ。専用のグラフィックボードを増設するには心もとない電源用量です。

  • DVDスーパーマルチドライブ
  • マイクジャック
  • ヘッドフォンジャック
  • USB 3.1 Gen1×2
  • USB 2.0×2

フロントIOはUSB-Aポートが4つ付属しており、構成次第ではSDカードスロットも追加できます。とはいえ、新しい規格のUSB 3.2 Gen2(10Gbps)などと比較すると転送速度が遅いため、高画素カメラのデータや動画データの読み込みが気になるでしょう。

バックのIOも必要最低限といった形で、ケースファンの小ささがよくわかる。

バックIOは

  • マイク入力
  • ラインIN
  • ラインOUT
  • HDMI
  • VGA
  • USB 2.0×2
  • 有線LAN

となっており、本当に必要最低限です。クリエイティブな用途に耐えられる性能ですが、IO付近が心もとなく、やはり一般的な事務作業用と割り切ったほうが扱いやすいと思います。

PC内部

PCパーツが搭載されている、マザーボードはレノボオリジナルのもので、「AM4MH」が採用されています。サイズはmicro-ATXのもので、AliExpreesに掲載されていました。

 

CPUクーラーは取り外しもできそうな感じですが、Ryzen 5 4600Gはピークパフォーマンスがそれほど高いわけではないのでこれで十分です。

メモリ増設の仕方

DDR4ソケットが2つ、両ラッチタイプなのでメモリ取り外しの際は上下をはずして増設します。

DDR4規格のデスクトップ用メモリを購入する

Lenovo V55tはデスクトップPC用のDDR4メモリが搭載できます。

筆者はCORSAIR VENGEANCEシリーズのメモリをよく使います。もっと安い製品でも特に問題ないと思います。

実際に装着した写真がこちら、特に問題なく動作します。

グラボ増設の際は180W電源に注意

PCI Express 3.0×16が1つ搭載されています。

補助電源なしのタイプであれば動作しそうですが、180Wの制約があるため映像出力を追加しマルチモニター環境を構築するためとして考えたほうがよいでしょう。

追加のSSDやHDDの増設

HDDやSSDの増設などは3.5インチベイにを利用する形です。

DVDドライブの隣にSATAケーブルが格納されています。

つまり、SATAポートの余りとSATAケーブルのあまりは、ともに1つずつ

SATA用の電源の余りも1つ

つまり、HDDかSSD(SATA)は一つしか増設できません。(占有されているDVDスーパーマルチドライブから両方取り外せば合計2つのストレージは追加可能)

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ストレージの増設は3.5インチドライブベイに装着して使うタイプです。2.5インチのSSDなら3.5インチに変換して搭載する必要があります。

初めてHDDやSSDを増設するといった方は、増設の仕方をぐぐってから挑戦してみてください。SATAケーブルと電源ケーブルさえさせばとりあえず動作はしてくれます。(個人的には固定せずそのままぶっさしておいてもいいと思いますが、メーカー保証の対象がになる恐れもあります。パーツの増設、拡張は自己責任でお願いします。)

性能について

各種ベンチマークテストのスコアを掲載していきます。スコアは当ブログで計測した代表的な値です。個体差や計測環境など、完全に統一しているわけではないため参考程度にとどめてください。

Cinebench R20

Cinebench R20の総合スコア
Ryzen 7 3700X
4781pts
Core i7 10700
4746pts
Core i7 10700KF
4717pts
Ryzen 5 4600G
3512pts
Ryzen 5 3600
3386pts
Core i7 9700
3144pts
Ryzen 5 3500
2540pts

CPUのレンダリングスピードを計測するCinebench R20では、3512ptsでした。当サイトではCore i5 10400を計測していませんが、6コア12スレッドのCore i7 9700よりも高い水準でしたので、第10世代のCore i5とも同等クラスのパフォーマンスが出せると思います。

PCMark 10

PCの総合的な性能を評価するPCMark10では、すべてのスコアが快適の水準を示していました。MicrosoftOffice、ビデオ通話ソフト、画像編集ソフトの動作が非常に快適なのでとにかく低価格でデスクトップPCが欲しいという人には最適だと思います。

Adobe Premiere Pro CC動画の書き出し速度検証

過去YouTubeにアップロード用に作成したプロジェクトの書き出し時間を測定しました。α7R4で撮影したフルHD動画をH264 YouTube1080Pプリセットで書き出し、その時間を検証するというもの。

Premiere ProCCは2021年1月9日時点の最新バージョンに更新、ハードウェアエンコーディングで実施しました。

シーケンス設定は24fpsです。

また、Adobeソフトの検証ではPC本体のメモリを8GBと32GBで1度ずつ書出し速度を計測しました。

※32GBメモリは3200Mhzで動作する16GBメモリを2枚セット、下記のモノを採用しています。

  • XAVC S FHD24P(50Mbps)
  • 動画の長さ15分11秒
  • テロップ/カット編集/画像挿入あり
8GB32GB
24fpsで書出し時間19分36秒10分20秒

FHDの解像度であればなんとかこなせる程度のパフォーマンス。これはPremiere ProがAMDのグラフィックスに最適化していないからだと思います。32GBメモリに換装した際は10分ほど時間を短縮できました。

Ryzen 5 4600Gはデュアルチャネル動作+高い動作周波数のメモリを搭載するとグラフィック性能を向上します。

Lightroom Classic CCにてRAW現像時間を検証

Adobe Lightroom Classic CCにてα7Ⅱで撮影した24MPのRAWファイル100枚を一斉に書出し、その速度を検証しました。

LightroomClassic CC初期プリセットで画質を100に設定し、デスクトップへ書出し。結果は下記のとおりです。

メモリ8GBメモリ32GB
書出し時間3分36秒2分6秒

RAW現像はCPUのシングルコア性能が結果に大きく影響するため、高い動作周波数の32GB構成が1分30秒ほど時間を短縮できました。

8GB時はもたつきを感じたため、動画編集などをせずとも、最低でも16GBの構成のほうがよいでしょう。

フォートナイト

フォートナイトは、実際にソロでプレイを5分程度行い、その平均フレームレートを計測しました。(スカイダイブ時も計測しています。)プレイ内容を完全再現できないのであくまで参考程度の指標としてとらえてください。

画質はパフォーマンスプリセット(ベータ版)を選択しました。

フォートナイトシーズン2の平均フレームレート
フルHD(1920×1080ドット)
パフォーマンス
100fps

結果として平均100fpsで動作いたしました。最低でも70fps付近だったため、快適動作という基準は満たしていると思います。

鉄拳7

格闘ゲームのなかで最も3D描写がきれいな鉄拳7では画質プリセットを最低まで落とせば60fpsで動作します。

満足度は低めですが、なんでもいいからSteamで鉄拳7をプレイしたいという方はこのモデルも選択肢の一つとして考えてみてください。

Lenovo V55t Mini-Tower性能まとめ

動画編集やRAW現像などクリエイティブな作業においてはもう少し性能が欲しくなります。また、ゲームは軽量級から中量級クラスのゲームタイトルを画質調整して動作させるレベルです。

大きな期待をもつよりは、「ゲームはぎりっぎり動けばいいか。」くらいが幸せです。でもコスパは高い、これは真実。

CPU内部の温度とファンの動作音

CPUの温度

OCCTというソフトでCPU使用率を100%にあげて1時間動作させた結果ですが、最高温度は76℃と付属のクーラーでも十分なパフォーマンスが出ていました。

もともとピークパフォーマンスが抑えられたCPUだからかもしれません。

ファンの動作音

OCCT中のファンの動作音を騒音計にて計測しました。

ファンの動作音
ピーク時約42db
アイドル時約39db

ファンの回転数が耳障りになるほど大きくなることはありませんでした。

部屋の測定温度が20度前後と寒さの影響によるところもあるかもしれません。

Lenovo V55t Mini-Tower(2020)の評価とまとめ

良い点

  • 価格が安い
  • Core i5 10400程度の性能
  • 事務作業から画像編集までをカバー

気になる点

  • 拡張性の限界値が低い

最安で行くならコレしかない

税込み4万円以下でWindows 10を搭載しているデスクトップPCのなかで最も高性能なモデルです。間違いなく驚異的なコストパフォーマンスの高さです。ですが、あくまで業務用と割り切って購入したほうが納得いく性能です。

個人的な感想としては、レノボのビジネス向けPCなので当たり前といえば当たり前なのですが、いかにも業務用といった感じで面白みのないデスクトップPCだと思います。

とはいえ、とにかく圧倒的なコストパフォーマンスなので、テレワークやリモートワークでそこそこの性能のPCを安く手に入れたい方はノートPCではなく、このPCを検討するべきで、モニター、カメラ、キーボード、マウスを買ってもまだ6万円以下におさまるはず。

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