外資系メーカー大手レノボが販売するThinkBookシリーズは、IdeaPadのようなカジュアルさとThinkPadのようなビジネスライクを併せ持つ、ビジネス向けモバイルノートPCだ。
アルミでできたグレーカラーの筐体に最新のインターフェースを詰め込んでおり、価格が10万円以下から購入できるため手に取りやすい。
メーカーより実機を借りられたのでレビューを行う。
スペック
メーカー貸出機はCore i5 1135G7プロセッサ搭載モデル
ThinkBook 14 Gen2 | |
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モニター |
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CPU |
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iGPU |
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メモリ |
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SSD |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約323mm×奥行き約218mm×高さ約17.9mm |
バッテリー持続時間 | – |
充電タイプ | 65W USB-C対応 ACアダプター |
重量 | 約1.53kg |
保証 | 1年間引き取り修理サービス、パーツ保証 |
メーカー製品ページよりスペック詳細は確認可能。
特徴
ビジネスに最適化されたシンプルなミネラルグレーが特徴のビジネスモバイルノートPC
ThinkBookシリーズは近年ラインアップとして追加されたシリーズで、最近はやりのアルミニウム合金や、カラーを取り入れつつビジネスシーンに合うよう設計されているため学生や新社会人にもおすすめしやすい。
仕事用につかえるノートPCを探しているけれど、ThinkPadが苦手という人にはThinkBookがよいだろう。
拡張性の高いインターフェースを搭載、なのに安い
ThinkBook 14の最大の強みは、ビジネス向けで作られているにもかかわらずスペックが高くインターフェースが豊富な点だろう。ビジネス用ノートPCとしてのコストパフォーマンスが高く、筆者もインターフェース部の仕様を確認して驚いた。
USB-C×2のうち、一つはThunderbolt 4に対応しSDカードスロットも標準搭載(右側)
そしてビジネス利用からクリエイティブワークにも対応可能であるにもかかわらず価格が安い点はレノボならでは。
Core i5 1135G7プロセッサ搭載でメモリ8GBのモデルは市場でも探せばそこそこあるが、これほど拡張性の高いインターフェースを搭載しているモデルはほかにない。コストパフォーマンス+実用性を持つノートPCを検討しているならば検討すべきだろう。
ThinkBook 14 Gen2
公式サイトでみる価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
デザイン・外観
ThinkBook 14 はビジネスシーンに最適化されたデザインで安いIdeaPadラインから高級感を増しつつも、フォーマルなデザインが特徴的だ。ツートンカラーのグレーでLenovo ThinkBookのロゴが非常に印象的、また見た目からわかるように冷たい金属感は手で触れてもわかるほど。
キーボード側。
キーボード部の金属感が印象的で、ディスプレイ部とのツートンになっているためシンプルでスタイリッシュな印象がある。ベゼル幅は横幅が非常に狭く5m以下に収まっていて見ていて気持ちがいい。
ThinkBookシリーズもビジネス向けということもあり、カメラのレンズ部が大きく、上側のベゼルがやや太いのだが、ノートPCに搭載されているカメラとしては高画質なのでビデオ会議が多い場合はレノボ製品はおすすめしやすい。
ノートPC本体の最大開閉可能角度は約180°でプレゼンテーション用にも最適だ。
底面の冷却穴標準的なモバイルノートPCなみ。とはいえCore i5 1135G7プロセッサの性能を発揮するには十分だろう。
精密ドライバーがあれば裏蓋を開封可能。
ACアダプターは65W出力でUSB-C規格でPC本体に給電が可能だ。
キーボード・タッチパッド
キーボードはキートップがグレーに白の印字。
キーストロークは1.5mm程度で浅めだが、キーボード側の剛性が高く強く押し込んでもたわまず、クリック感があり打鍵感は良好。
配列がUS配列をJIS配列に変更したタイプなのでその点がやや気になるが、ビジネス利用にも使いやすいフルサイズケースのキーボードだと感じた。
最大4本指の操作に対応した高精度タッチパッドは標準的なものではあるが、操作性は良好。高級機と比較しなければ満足度は高い。
端っこの感度はやや鈍い。
モニター
14型のフルHD解像度のパネルは最大輝度が250nitほど。やはり専用のクリエイターノートと比較すると輝度がやや足りない感じではあるが、ビジネス利用であれば標準的で使いやすい。
視野角も広く特に不満点は上がらないだろう。
色域・トーンカーブ
キャリブレーションツールによるトーンカーブの測定結果。全体的に強めに調整はされているがフラットで、肉眼で見ると不自然さはない。
sRGBカバー率は実測値で66.5%ほど。ThinkBook 14 Gen 2は上位モデルで300nitで100%sRGBのパネルも選択可能なのでクリエイティブワークに利用するのであれば上位モデルを検討してもよいだろう。
インターフェースについて
- USB-C(3.2 Gen 2)
- USB-C(Thunderbolt 4)
- HDMI
- USB-A
- オーディオジャック
- SDカードスロット
- USB-A
- 有線LAN
- ケンジントンロック
ThinkBook 14 Gen 2はビジネス向けだけあって、有線LANを搭載している点が頼もしく、そのほかSDカードスロットもあるため、従来のインターフェースに対応した機器が使いやすい。
スタンダードノートPC並みの重量ではあるが、これだけの拡張性を手に入れられのであれば多少の妥協は必要かもしれない。
性能について
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
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Core i7 11800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 7 5800U | |
M1 | |
Core i7 11370H | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7 1165G7 | |
Core i5 1135G7(レビュー機) | |
Ryzen 5 4500U | |
Core i5 1135G7 |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では5528pts。
Core i5 1135G7搭載モデルとしては非常に高い性能でクリエイティブワークにも期待ができる性能だ。
PCMark 10
FutureMarkが提供するPCMARK 10は、MicrosoftOfficeのWord、Excelに類する互換ソフトウェアや、ビデオ通話会議ソフト、画像編集ソフトのバッジファイルを実際に動作させ、どの程度の快適性があるかをスコア化。提供元はおおむね4000点以上あれば快適としている。
結果は総合スコアが4346でMicrosoftOffice互換ソフトやビデオ会議ソフトは快適水準。動画編集はややスコアを落としているものの全体的には高いスコアとなった。
SSDの読み書き
搭載されていた256GBのSSDはSkhinx製のもの。大容量データの読書でも速度低下はなく高品質なSSD。容量の問題さえクリアできれば非常に頼りになるストレージだ。
PCの内部の温度、ファンの動作音
PC内部の温度について
CPU使用率を100%にできるソフトウェアを使い、後負荷時の挙動を確認。CPUの最大値は76℃まで上昇した。とはいえ前述のベンチマーク結果通りで、パフォーマンスの低下はそこまで見られず安定していた。
PCの表面温度
なお、PCの表面温度は30.5℃ほどで人体には全く影響のない温度を保っていた。最も熱い箇所でも34℃程度なので利用中に低温やけどする恐れはないだろう。
ファンの動作音
PCのピーク時においてもファンの動作音は42.8dbと静かな水準だった。外に持ち運んだ際もそこまで気にならないレベル。
ThinkBook 14 Gen2 の評価とまとめ
良い点
- Thunderbolt 4をはじめとした拡張性の高いインターフェース
- CPUの性能を活かしきれる冷却性能
- 打ちやすいキーボード・指紋認証センサー搭載
- 10万円以下で購入可能
気になった点
- 本体重量が1.5kgオーバーでやや重たい
ビジネス用14型ノートPC
気になる点はモニター色域と重量くらいで実用性重視のビジネスPCといった感じだ。ThinkBook 14 Gen 2よりも安いIdeaPadシリーズと比較すると細かい箇所がよくできているため、足りない部分を埋めてきた感がある。
10万円前後で購入可能な使いやすいノートPCを検討されているビジネスパーソン・学生にお勧め。
コストパフォーマンス+実用性を持つノートPCを検討しているならば検討すべきだろう。
ThinkBook 14 Gen 2
公式サイトでみる価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。