ホームPC日本HPOMEN 17 2021年モデルレビュー 140W出力のRTX3070を搭載したハイスペックゲーミングノートPC

OMEN 17 2021年モデルレビュー 140W出力のRTX3070を搭載したハイスペックゲーミングノートPC

日本HPが販売するOMEN 17はゲーマーのために開発されたフラグシップブランドのゲーミングノートPC。

165Hzの高いリフレッシュレートと最大140W出力で動作するRTX3070を搭載したモデルを今回メーカーより借りることができたので、検証結果やベンチマーク結果を記載していく。

スペック

検証モデルはIntel Core i7 11800H/RTX3070(140W)/16GB/の構成

OMEN 17 2021
モニター
  • 17.3型(2560×1440ドット)
CPU
  • Intel Core i7 11800H
iGPU
  • Intel Xe Graphics
dGPU
  • NVIDIA GeForce RTX3070(140W)
メモリ
  • 16GB
SSD
  • 1TB(NVMe)
サイズ(幅×奥行×厚さ)幅約397mm×奥行き約262mm×高さ約29.5mm
バッテリー持続時間
充電タイプ330W ACアダプター
重量約2.7kg
保証標準保証・1年間の引き取り修理

使用・詳細は日本HP公式ページから確認してください。

特徴

WQHD/165Hzのモニターを搭載

OMEN 17はサイズが17.3型で解像度がWQHDリフレッシュレートが165Hzのモニターを搭載している。メーカー公称値では応答速は3ms

写真は、業界最速級の応答速度をもつBenQ ZOWIE XL2546Kを144Hzに設定し、OMEN 17は165Hzで動作、ミラー表示させた状態でカメラのシャッター速度を1/8000に設定し撮影したもの。

ユーザーが気になるのは、どこまで使えるものなのか、という点だが概ねフルHD解像度の144Hz動作の専用ゲーミングモニターと同程度の速度と考えていいだろう。

人間の目は144Hz-165Hz程度までであれば競技性の高いゲームシーンに非常に有効で、OMEN 17に搭載されているモニターがあればゲームを有意に進められる。

最高クラスのRTX3070搭載

搭載されているグラフィックスはNVIDIA GeForce RTX3070。RTX3000番台はメーカーごとに出力を設定でき、OMEN 17最高クラスの140W出力で販売している。

メリットは圧倒的なパフォーマンスを体感できる点で、デスクトップPCのRTX2070やRTX3060程度のパフォーマンスが期待できる。一方のデメリットは電源が大型化する、バッテリーの連続動作時間が少なくなるといった点。

搭載電源は330Wで非常に大きく、持ち運びには不向き。

とはいえ、そもそも17.3型のゲーミングノートPCは気軽に持ち運ぶ想定では作られていない。宅内での利用であればデスクトップPCよりも気軽に設置できモニターやキーボード、マウスが不要な点がゲーミングノートPCのメリット。

US配列固定のメカニカルキーボードを搭載

OMEN 17 はメカニカルスイッチを搭載したゲーミングキーボードを搭載している。配列はUS配列固定で各種マクロにも対応したキーが配置されている。

メカニカルキーボードのうち心地は専用のキーボードよりも浅めでありながらしっかりと押し込めるメカニカルスイッチ独特のうち味でクセになる打鍵感。配列さえ気に入れば一般的なビジネスワークでも効率的に使えそうで個人的には非常に素晴らしいと感じた。

独自のLEDライティングも派手すぎず落ち着い光を照らすことが可能。もちろんON、OFFもコントロールでき、クリエイティブワーク用にもおすすめだ。

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デザインについて

新しいOMENはゲーミングPCらしさは抑えつつ、クリエイターにも使いやすいようシンプルなデザインに変更されている。カラーはブラックで中央のアイコンが印象的だ。

キーボード側の作りはぱっと見15.6型のようなサイズ感でスリム。モニターもベゼルが細く、良い意味でゲーミングノートPCっぽさを感じない。壁紙でゲーミングっぽさを感じさせているものの、標準のWindowsの壁紙を設定すればゲーミングノートPCだと気が付く人は少ないだろう。

横から見た写真。暑さは気になるものの、キーボード側のボディを鋭角的に削り取ることでスタイリッシュな印象。天板側の柔らかいフラットなデザインとは対照的に、PCパーツが格納されているボディ下側はタフな作りだ。

インターフェースも左側に集中しているため、使い勝手は良いだろう。

底面はデュアルファンが除けるようになっている。HPのPC全般に言えることだが、ファンが他社よりも少しだけ大きめに取られており、ファン動作時にストレスを感じづらい設計になっているのも押しポイントだ。

ホワイトノイズのストレスは、音の大きさだけでなく音の高さも影響してくるため、ハイエンド級のゲーミングノートPCを検討しているユーザーはここもチェックすべきポイントだ。

330Wの電源も世界観を壊さないようなデザインをしている。前述の通り本体と合わせて実測値が4.16kgだった。

一昔前の17.3型のゲーミングノートPCと比較すると非常に軽量ではあるものの、持ち運びたいか?と言われたら嫌だと答える重量。ノートPC本体のサイズは確かにコンパクトになっているので持ち運びも可能ではあるが、フルパワーで動作させられるのは宅内だけなのでメインは宅内用のゲーミングノートPCとして検討してほしい。

モニターについて

OMEN 17が搭載しているモニターは17.3型。ベゼルが細くなった分あまり威圧感がない。それでいて、見やすいようにした側のベゼルは少し広めに取られており、メインモニターとしても使いやすい高さだ。

OMEN 17は最大輝度が375nitほどでゲーミングノートPCとしては非常に明るいモニターだ。

また、それでいてしっかりと165Hzも体感できる。冒頭で紹介した通り、専用モニターに引けを取らない応答速度を持っているため、OMEN 17だけで十分にゲームをプレイできる。

色域について

キャリブレーションツールでプロファイルを計測したところsRGBカバー率は98.1%ほど。sRGB色域と比較してズレが少なく色の再現度は高いといっていいだろう。

OMEN 17はYouTube用のBT709と同程度の色域なので動画編集用にも使える。

キーボードについて

キーボード側は黒で統一されており、OMENの世界観を体感できる。気になる点はUS配列のみに対応のため日本語配列は選択できない。おそらくゲームプレイを重視した設計から日本語をあえて排除しているのだと思われる。(日本HPが発売する製品は基本的に日本配列に対応している。)

OMEN 17はメカニカルスイッチを搭載したゲーミングキーボードでLEDのライティングまで楽しめる。打鍵する際のストロークは浅めだが、「カチッカチッ」と専用ゲーミングキーボードを打鍵しているような感覚を体験できる。もしかしたらノート用の浅さも相まってゲーミングキーボードよりもOMEN 17の方が操作性が高いと感じるユーザーもいるかもしれない。

Nキーロールオーバーに対応し、同時押しも可能なのでシューター系のゲームやMMORPGさまざまなジャンルのゲームに対応できる。

また、左側のP1からP6までマクロを設定できる点も魅力だ。おそらくこれが配列を変えられない理由。

ゲーマーはマウスを使うためあまり気にしないかもしれないがタッチパッドも柔らかすぎず、固すぎずで高級ノートPCのような操作性で非常に使いやすい。ビジネスワークにも使えるゲーミングノートPCだ。

インターフェース

左側

  • DCジャック
  • 有線LAN
  • USB-A
  • MiniDP
  • HDMI
  • USB-C(Thunderbolt 4)
  • オーディオジャック
  • SDカードスロット

右側

  • USB-A×2

OMEN 17はインターフェースが左側に集中しているゲーミングノートPCで、映像出力がMini DisplayPortも含め3系統あるのが特徴的。

また、SDカードスロットも備えているため写真データの管理なども行いやすい設計だ。

性能について

Cinebench R23

Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り

 

Cinebench R23の総合スコア

Core i7 11800H
14111pts
Ryzen 9 5900HX
13894pts
Ryzen 7 5800H
12651pts
Ryzen 9 5900HS
12058pts
Ryzen 7 5800H
11670pts
Core i7 11800H(レビュー機)
11250pts
Ryzen 7 5800H
11224pts
Ryzen 7 5800U
7889pts
M1
7372pts
Core i7 11370H
7135pts 
Ryzen 5 5500U
6727pts
Core i7 1165G7
6594pts 
Core i7 1165G7
5379pts
Ryzen 5 4500U
4463pts
Core i5 1135G7
4223pts

最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では11250pts。インテル第11世代のCore i7 11800Hとしてはパフォーマンスがよく発揮できていると思われる。

シングルコア性能もCPUなりといった形。

3DMark Time Spy

FutureMarkが提供する3D Mark Time Spyは、DX12に対応したゲーム系のベンチマークソフトでCPU、GPUや総合スコアを算出し相対的な性能がわかる。

グラフィックススコアは10000点を超えており、デスクトップ用RTX3060以上のパフォーマンスが期待できる。実際の実行性能はデスクトップPCのRTX2070SUPER程度が期待でき、フルHD解像度でゲームをプレイした場合、全てのゲームが快適にプレイできる水準だ。

SSDの読み書き

搭載されていた1TBのSSDはサムスン製のもの。PCIe Gen4のSamsung 980 Proが採用されていた、ベンチマークテストではなぜかシーケンシャルリードのみ落ち込んだものの、シーケンシャルライトやランダムアクセスライトは同じ水準だった。さすが業界最高クラスのSSDといった感じだ。

ゲームのプレイやクリエティブワークにおいても有効に働いてくれるだろう。

SOT

重量級ゲームのシャドウ・オブ・ザ・トゥームレイダーはWQHD(2560×1440ドット)の高画質でも平均119fpsで描画可能だった。OMEN 17であれば重量級のゲームタイトルもWQHD解像度で快適にプレイ可能。

PCの内部の温度、ファンの動作音

PCの使用率を100%にできる負荷テストOCCTを使いOMEN 17の挙動を確認。

最高温度は93°近くまで上昇、動作周波数も4.1GHzで安定しており、パフォーマンスを常時発揮できる。

この時のPCの表面温度は30℃以下で非常に低い温度だった。

ファンの動作音について

パフォーマンスモードで50.1dbほどだった。一般的なHPのノートPCは静かな感じだが、OMEN 17パフォーマンスを発揮できるようファンの回転数を高く設定できるようになっているようだ。

インテルCPUを搭載しているモデルとしては優秀ではあるが、価格やOMENそのものがフラグシップということを考えるととびきり優秀というほどでもない。

OMEN 17 2021の評価とまとめ

良い点

  • 17.3型には見えないスリムなボディ
  • モニターはフルHD144Hz動作の専用ゲーミングモニターと同等クラスで別途モニターを買い足す必要はない
  • また、色域はYouTube等の動画編集などにも使える水準、明るさも○
  • GPUはデスクトップPCのミドルハイ以上の性能で全てのゲームを快適にプレイ可能
  • 豊富なインターフェースで拡張性が高い
  • インテルCPUのパフォーマンスを十分に発揮できる冷却性能がある
  • SSDは業界最高クラスのものを搭載

気になる点

  • 330W電源の大きさ
  • 価格
  • 最大パフォーマンス時のファンの動作音

32GB以上のメモリを標準で搭載してほしいモデル

OMEN 17 2021はHPらしい優等生マシンといった形で、搭載パーツのポテンシャルを発揮できる素晴らしいゲーミングノートPCだ。

とはいえ、フラグシップブランドとして君臨しているのでベースモデルが16GBというのが残念なポイント。

おそらくメモリ32GBを搭載していれば、レノボのLegion 760と同等クラスあるいはそれ以上ののベンチマークスコアも出せるはずだが、検証機が16GBだったため、フルパワーを発揮できているという手応えがなかった。

最近のゲーム、クリエイティブはマルチコアと大容量メモリに対応してきているため、メモリの容量もダイレクトに快適性につながる。メーカー希望価格が30万円をこえる購入機なのでSSDだけでなくメモリも標準で32GB、上位モデルは64GBの構成で販売しても良かったのでは?と思う。

ややHPへの期待する水準が高いためこうして記載してしまったが、基本的に優秀で、パフォーマンスをコントロールすればそれほどファンの動作音も気にならないはずだ。

キーボード、モニター、どれをとっても平均以上なので初めてのゲーミングノートPCや、デスクトップPCをやめてノートPCの購入を検討しているユーザーはOMEN 17の最上位モデルを検討してほしい。

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うっしー
うっしーhttps://usshi-na-life.com
静岡県出身。2014年にブログ「うっしーならいふ」を開設。 元家電量販店スタッの経験を活かし、PCのわかりやすい製品紹介記事を多数執筆。 2017年に「ウチヤマチカラ/うっしーならいふ」チャンネルとしてYouTubeでの活動も開始し、2022年11月現在でチャンネル登録者数は2万人を越える。
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5 コメント

  1. こちらのパソコンを購入しました。

    ゲームをプレイしているとCPU温度が95度くらいになってしまいます。
    ゲーミングノート PCの場合はそのくらいの温度でゲームを長時間継続しても問題ないものなのでしょうか?

    • 100℃に達すると寿命が短くなったり故障の原因なるといわれておりますがそこまでにスロットリング制御が入るので基本的には問題ありません。
      ホコリなどに注意して使ってください。

  2. 今年から大学生になり予算20万円ぐらいでPCを探してたところオーメン17のRTX3070モデルを見つけて購入しようと思ってるのですがこのモデルはおすすめでしょうか?
    ゲームはapex、PUBG、フォトナなどのシューティングゲームをやる予定でこれらのタイトルを不自由なくプレーしたいです。
    またいずれは動画編集みたいなクリエイティブワークにも使いたいと思ってます。
    デスクトップは周辺環境構築するのに場所を取るので今回は断念しました。
    iPad proとマジックキーボードを持っていて外出時はそれを持っていくのでノートPCは主に家で使おうと思ってます。
    他にこれぐらいの予算でおすすめのモデルなどありましたらぜひ教えて欲しいです。
    ご意見待ってます。
    よろしくお願い致します。

    • コメントありがとうございます。上げていただいたゲームタイトルは快適にプレイできると思います。
      予算的に問題なければ堅実な選択だと思いますよ。

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