2023年に入ってから活動が停止していた。
というよりも年始からコロナかインフルにかかり、借りていたPCのレビューもできずに返却するという、モチベーションが低下する事態がおきまして・・・
しかし、1月中旬ごろは強いセールが打たれていたため、セール情報のみ更新するという、アフィリエイターとしての本分は全う。
その後はネトフリで海外ドラマや映画を貪る生活をしつつ、確定申告も終わったので戻って参りました。
閑話休題。
皆さんには米マイクロソフトの決算資料にササッっと目を通していただき、2023年のノートPCの買い時や買うべき製品をザックリと紹介しましょう。
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2023年にPCメーカーが行う戦略
PC業界が陥っている状況を把握しよう。
筆者はボリュームゾーンのコンシューマー市場に対しての目線なので、より高度な分析は自分でしてほしい。
マイクロソフトの決算から見るPC業界の冬
2023年1月に発表されたマイクロソフトの決算資料によると2022年の10月-12月期において、Windows OEMの収益、デバイスの売上が共に対前年同期で39%減少した。
マイクロソフトは、今後もPCの販売に対して暗い見通しを示しており、今後もPCの売上については鈍化するとしている。
マイクロソフトが示す目安はパンデミック前。(パンデミック前はWindows OS更新による買い替えがあった気がするのでさらにその前まで戻ると思うけど)
つまり、2023年にPCは売れない売れない売れない
パンデミックの影響を受けた2020年から2022年前半までが「出来すぎ」であり、売れすぎだっただけのことなので、今後はより良い製品が安く買えるようになるだろう。
消費者が求めているPCの価格帯
現状、PC業界の成長分野は、「ゲーム」と「AI」で「ビジネス用」、「学生用」は頭打ち。
それでも、マイクロソフトが言うように「パンデミック前の水準に戻るだけ」であれば、学生やビジネスパーソン、一般の家庭用で一定の需要は存在する。
2022年の12月にYouTubeチャンネルで募集した「レノボのPCを購入者に向けたアンケート結果」
レノボは新しいチップセットを搭載したマシンを早く市場に投入するため、予算が高くなることもあるが、基本的にPC市場ではビジネスPCは10万円未満という同意があるので、10万円以下のPCがボリュームゾーンとなる。
値上げ基調のPC業界でも「PCは10万円以下で買いたい」という個人のマインドは変わらないので、メーカーとしてはPCを低価格で提供できる方法を実行するしかない。
PCメーカーが円安インフレ問題に対応する方法
「そうは言っても、ドル円レートの上昇や、インフレの影響を受けているため、値下げできないのではないか?」
という意見があるだろう。
解決する方法はある。
2023年は「型番マジック」商法で低価格モデルを量産
画像は、レノボの人気シリーズIdeaPad Slim 170シリーズ。
最新モデルは「AMD Ryzen 5 7520U」を搭載し6万円から買える。
AMDの発表を見ていた人からすれば、「あーあ情弱商法ね」とすぐに気がつくだろう。
Ryzen 7000番台のノートモデルは新旧規格が入り乱れた複雑なラインアップだ。
「最新モデル」としていいのは、Zen 4/RDNA 3アーキテクチャで作られた「Ryzen 9 7940HS」「Ryzen 7 7840HS」「Ryzen 5 7640HS」の3種のみだろう。
それ以外の製品についてはZen 3+/RDNA 2や、Zen3/Vegaで構成されている。(つまり2022年のモデルにも搭載されていた旧製品)先ほどのIdeaPad Slimはこの表の下から2番目、Zen 3+/RDNA 2の構成。
Zen 3+/RDNA 2は昨年発売された、Yoga 770などに搭載されたCPUのリネームモデルで高性能ではあるものの、Zen4の期待値が非常にたかいので肩透かし感が否めない。(筆者のようなハードが好きな人だけかもしれないが)
おそらく、Ryzen 9 7940HSなどZen4で作られたHSシリーズは、ASUSのゲーミングノートPCなどに採用されるゲーム用CPUとして振り分けられるか、専用GPU非搭載のThinPad Zシリーズなど、付加価値を提供する高価格帯モデルのみとなるだろう。
AMDは、インテルが販売する最新CPUの対抗手段として、「限界性能は及ばないが低価格で高性能」を、これまで通り実行し、エントリークラスでシェアを伸ばす戦略だろう。
PC業界に残る悪しき風習「型番マジック」を愚直に実行していることから、やはりPC業界は厳しいのだと実感しつつ、筆者のやる気が削がれている。
型番マジックは、ハードウェアに明るくないユーザーに「最新モデル感」をPRして割安感を演出する商法だからだ。
主にインテルが行う情弱ホイホイ手法だが、AMDもここまで露骨にやるとは思わなかった。
このほか、各PCメーカーは旧型のインテル第11世代を利用したノートPCや廉価グレードのCore i3モデルを搭載した低価格ノートPCをプロモーションしてくることが予想できる。(でも性能的にはそれでいいと思うんだ)
つまり、2023年はPC業界にとって非常に厳しい年になるので、業界一丸となって旧製品を新製品としてモデルチェンジし、売り上げと台数を確保していこうという戦略である。
消費者はどのモデルを購入すべきか
翻って、我々消費者はどんなPCを購入すべきなのだろうか。
ビジネスパーソン・学生・一般家庭向けなら旧製品を安く買うのがベスト
至極真っ当な結論とは思うのだけれど、「実は新モデルがとんでもない性能なのでは?」と思う人もきっといるはずなので改めて記載しておくけれど、旧製品を買いましょう。
各メーカーは、(需要がなくて)売れない、(インフレと円安で)値下げできない、という絶望的状況を打破すべく前述のRyzenプロセッサのような現行品の名前を新しくして新製品のように販売できるCPUを駆使し、昨年と同じ価格でノートPCを販売するor値下げして販売するという苦肉の策を講じるしかない。
つまり、2022年に販売されたPCをいかに安く買うかが2023年のコストパフォーマンスの高いPCの買い方となる。
旧製品というのは
- インテル 第11世代以降のCPUを搭載したモデル
- AMD 5000番台以降のCPUを搭載したモデル
のあたり。
低価格モデル具体的な製品
- IdeaPad Slim 170予算6万円程度
- Inspiron 15 3000予算6万円程度
旧製品とはいえ、2023年2月現在では現行モデルなので性能にしては十分であるし、筐体の安っぽさをスルーできるのであれば、この2機種を見ておけばパフォーマンスは必要にして十分だろう。
1kg以下の軽量モデルや、カメラの性能が高いモデルが欲しい場合は、ワンランク上のモデル。予算にして8-10万円程度のモデルを想定すれば良い。
1kg以下の製品、カメラ性能重視
- HP Pavilion Aero 13-be 約957g 予算10万円
- IdeaPad Slim 570 14 AMD フルHDカメラ搭載予算8万円程度
筆者の動向をチェックしている人であれば、HP ENVY x360 13-bfやHP Spectre x360 14-efが候補に上がっていないのも不思議に映るかもしれないが、一般ユーザーの予算から乖離してしまっているため、今回は除外している。(というか記事を書くのがめんどいので、好きだというのであれば買って欲しい。)
ゲーム向けはRTX4050搭載モデル待ちかRTX3060の値下げ品を買うのがベスト
2023年1月に行った「HPのゲーミングPCを購入した人向けのアンケート」下記画像のゲームタイトルを遊んでいるという結果が得られた。
このグラフに記載されているゲームタイトルは画質調整を施せば、NVIDIAの専用GPU GeForce RTX3060を搭載したノートPCであれば快適に動作する。
もちろん、もっと高画質でプレイしたい、フレームレートを上げたい、といったニッチなニーズがあれば、より高性能なハードウェアを購入する必要があるのだけれど、ゲームをフルHDの画質でプレイするのであれば、必要にして十分だ。
ベンチマークを回してみないとなんともいえないが、RTX4050はRTX3060並のパフォーマンスを持ちつつ省電力化されているはずなので、電気代が上がる昨今ではここをベースに検討すると良いだろう。
どうしても予算を抑えたいというユーザーは、RTX3060を搭載したゲーミングノートPCが投げ売りされるのを待つと良い。
PCを買う時期について
さて、最後にPCを買う時期についてだが、前述の通り、「コロナ前の水準に戻るだけ」なので、PCが売れるシーズン・メーカーが予算を使えるシーズンにPCを買うべきであろう。
新生活や賞与、決算月の3月・6月・9月・12月で自分の使用用途に合わせて購入するのが基本だ。
また、日本HPは5月と10月が決算月に当たるため、日本HPで最安値を拾うのであれば5月と10月がチャンスだ。
メーカーが締めない限り、在庫がなくなるのは避けられるため、どっしり構えていても良いと思う。(アフィリエイターとしては頭が痛いが)
※この記事で紹介しているのはコンシューマー市場の一般論なので、個人の需要によって選ぶべきPCは変わると思います。