デルが販売するDELL Inspiron 15Plus(7510)は人気のInspironシリーズの15.6型タイプで専用GPU搭載モデルが10万円台前半で購入可能な、クリエイターノートPCだ。
今回メーカーより実機を借りることができたのでベンチマーク結果と使い勝手をレビューしていく。
スペック
検証モデルはCore i7 11800H/RTX3050(65W)/16GB/の構成
Inspiron 15 Plus | |
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モニター |
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CPU |
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iGPU |
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dGPU |
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メモリ |
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SSD |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約356mm×奥行き約228mm×高さ約16mm |
バッテリー持続時間 | – |
充電タイプ | 130W ACアダプター |
重量 | 約1.8kg |
保証 | 標準保証・1年間の引き取り修理 |
使用・詳細はレノボ公式ページから確認してください。
特徴
65W出力のRTX3050Ti搭載
Inspiron 15 Plusは搭載されているRTX3050Tiの最大グラフィックスパワー65Wで、一般的なゲーミングノートPCでも採用される出力。
デルのXPS15よりも出力が上げられた状態で販売されている。今回のNVIDIA GPUは最大グラフィックスパワーで大きくパフォーマンスが異なるため非常に重要な指標。
過去、実機レビューを行った際のXPS 15は45W出力でパフォーマンスもInspiron 15 Plusの方がパフォーマンスは上だった。
Core i5が選択可能で高コストパフォーマンスモデル有り
Inspion 15 PlusはCore i5 11400Hを搭載したモデルがエントリークラスとしてラインアップとして存在している。セール時で12万円ほどで購入可能。エントリーモデルから専用GPUを搭載しているため、コレから動画編集にチャレンジしたいユーザーの現実的な選択肢だろう。
Inspiron 15 Plus
公式サイトでみる価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
デザインや使い勝手について
Inspiron 15 Plusはプラチナシルバーを採用、一色のみで清潔感のあるカラーでユーザーから評価を得ている。
底面は吸気用の穴が非常に印象的で従来のInspironシリーズよりもパフォーマンスを重視した設計だと感じた。
Inspiron 15 Plusは最近流行りの薄型クリエイターノートPCのデザインながらも、テンキー搭載、豊富なインターフェースもあり標準的なノートPCとしても使い勝手は良さそうだ。
キーボード・タッチパッド
キーボードはフルサイズスケールのテンキー付きキーボードが採用されている。USキーをJISに変更したような配列でエンターキーがやや不自然な点は日本ユーザーから不満な声も上がっている。
キーストロークは1.5mm程度でわずかに撓みも感じるが、しっかりと打ち込めると感じた。
また、タッチパッドは大型化されており操作性は高い、が、端は反応しない箇所もあり、上位モデルと比較すると1段落ちる。
モニター
モニターは非常に狭いベゼルで15.6型ながらコンパクトに見える。明るさは実測値は最大で324nit
色域
sRGBカバー率は実測値で100%で明るさは最大輝度で324nitだった。
クリエイターモデルの上位機と比較すると1段落ちるが、これから動画編集者になるという人にはおすすめしやすい。
インターフェース
- オーディオジャック
- HDMI
- USB-A
- USB-C(Thunderbolt 4)
- オーディオジャック
- USB-A
- SDカードスロット
USB-CはThunderbolt 4に対応しているため、データ転送やPC本体への給電に対応で、付属のDCジャックを使わなくてもPCを動作させることは可能だ。パフォーマンスは若干低下するかもしれないが90W出力で動作させられる。
SDカードはUHS-Ⅰ対応でフルHD解像度までの動画編集者、フォトグラファーに使いやすいインターフェースをしている。
性能について
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
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Core i7 11800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Core i9 11980HK | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7 11800H(レビュー機) | |
Ryzen 7 5800U | |
M1 | |
Core i7 11370H | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7 1165G7 | |
Core i7 1165G7 | |
Ryzen 5 4500U | |
Core i5 1135G7 |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では10352pts。
第11世代Core i7 11800H搭載モデルとしては控えめなパフォーマンスでシングルコア性能も控えめだった。
3DMark Time Spy
FutureMarkが提供する3D Mark Time Spyは、DX12に対応したゲーム系のベンチマークソフトでCPU、GPUや総合スコアを算出し相対的な性能がわかる。
グラフィックススコアは5274でRTX3050Tiで、XPS 15よりもパフォーマンスは上だった。
Adobe Premiere Pro CC動画の書き出し速度検証
過去YouTubeにアップロード用に作成したプロジェクトの書き出し時間を測定しました。α7R4で撮影したフルHD動画をH264 YouTube1080Pプリセットで書き出し、その時間を検証するというもの。
Premiere ProCCはVer22で計測、ハードウェアエンコーディングで実施しました。
- XAVC S FHD24P(50Mbps)
- 動画の長さ15分11秒
- テロップ/カット編集/画像挿入あり
- シーケンス設定は24fps
機種 | 24fpsの書出し時間 |
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XPS 17 | 1分39秒 |
HP ENVY 15 2021 | 1分57秒 |
Inspiron 15Plus(レビュー機) | 1分57秒 |
Inspiron 16 Plus | 2分11秒 |
HP Pavilion Gaming (AMD) | 2分12秒 |
ROG Strix SCAR 17 | 2分13秒 |
ASUS TUF DASH F15 | 2分22秒 |
HP ENVY 14-eb(電源接続時) | 2分53秒 |
HP ENVY 14-eb(バッテリー動作) | 2分56秒 |
ROG Flow X13(バッテリー動作時) | 3分10秒 |
MacBookAir (M1)(ハードウェア) | 4分24秒 |
mouse K5 | 5分5秒 |
XPS 13(9310) | 6分25秒 |
ASUS ZenBook 14 Ultralight UX435 | 6分36秒 |
Yoga Slim 750iCarbon | 7分34秒 |
mouse X5-R7 | 10分29秒 |
MacBook Air (M1)(ソフトウェア) | 10分46秒 |
mouse X5-R5 | 11分22秒 |
Yoga 650(AMD) | 12分39秒 |
Inspiron 14 5415 | 27分03秒 |
弊ブログで毎度おなじみのYouTube動画の書出しでは、処理時間が1分57秒でパフォーマンスはHP ENVY 15と同じ水準。
パフォーマンスだけで見れば上位クリエイターノートPCと遜色ない。
Lightroom Classic CCにてRAW現像時間を検証
Adobe Lightroom Classic CCにてα7Ⅱで撮影した24MPのRAWファイル100枚を一斉に書出し、その速度を検証しました。
LightroomClassic CC初期プリセットで画質を100に設定し、デスクトップへ書出し。結果は下記のとおり。
機種 | 書出し時間 |
---|---|
XPS 17 | 1分07秒 |
HP ENVY 15 2021 | 1分07秒 |
ROG Strix SCAR 17 | 1分26秒 |
HP Paivlion Gaming 15(AMD) | 1分27秒 |
Inspiron 15Plus(レビュー機) | 1分27秒 |
ROG Flow X13 | 1分32秒 |
Inspiron 16 Plus | 1分35秒 |
ASUS TUF DASH F15 | 1分41秒 |
XPS 13(9310) | 1分37秒 |
HP ENVY 14-eb(電源接続時) | 1分44秒 |
mouse K5 | 1分53秒 |
mouse X5-R7 | 1分57秒 |
ASUS ZenBook 14 Ultralight UX435 | 1分58秒 |
MacBook Air(M1) | 1分58秒 |
Yoga 650 | 2分57秒 |
Yoga Slim 750i Carbon | 2分57秒 |
mouse X4-R5 | 3分8秒 |
Inspiron 14 54515 | 5分53秒 |
RAW現像においても同様でベンチマーク結果通りといった感じだ。
SSDの読み書き
搭載されていた512GBのSSDはキオクシア製のもの。大容量データの書き込み時にシーケンシャルリードのとランダムアクセスライトの大幅な速度低下が見られた。パーツクオリティは一般的なノートPCと同等クラス。
PCの内部の温度、ファンの動作音
PC内部の温度について
CPU使用率を100%にできるソフトウェアを使い、後負荷時の挙動を確認。CPUの最大値は100℃まで上昇した。
PCの表面温度
なお、PCの表面温度は36.6℃ほどで人体ほどの温度を保っていた。ただし、室温が12°程度だったことも考慮すると、普段使いではもう少し上昇する可能性があるため注意。
ファンの動作音
ピーク時は47.3dbとうるさい水準。
15Plusと16Plusどちらを選ぶかはこの辺りが参考になりそうだ。
Inspiron 15 Plusの評価とまとめ
良い点
- 10万円台前半から専用GPU搭載モデルが買える
- ハードウェア性能は上位モデルと遜色がない
- 高級感のあるデザイン
気になった点
- ファンの動作音
- キーボードの配列
- SSDの品質
コスパで動画編集PCを選ぶならコレ
細かい箇所で上位グレードのクリエイターノートPCと比較すると不利な条件は揃っているものの、パフォーマンスは申し分なく、何より価格が安く、コレから周辺機器もそろえないければならない動画編集者にとっての選択肢としては有り。
Inspiron 16PlusとInspiron 15Plusで迷った場合、予算をどこまで削りたいかで検討すべきだろう。実際Inspiron 15Plusの上位モデルはInspiron 16Plusとどこまで価格差が開かないため、上のモデルを検討するなら、静粛性やパーツ品質から考えてInspiron 16Plusを選んだ方が良いだろう。
Inspiron 15 Plus
公式サイトでみる価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。