「これから言語の壁は簡単に超えられる時代になるので、英語や中国語の学習が不要になる」
ITリテラシーが高い人ほどそう考える人が多いのではないでしょうか?多分に漏れず僕もそう考えます。
が、実際に旅行に行って得られる感動、現地でコミュニケーションをとった思い出は色あせない。
だからこそできる限り『自分の生の声を伝えなければいけない』と思いつつも、今一つ自信がない。そんな人のために企業は音声翻訳機を用意してくれています。
ソースネクストが発売している通訳機『ポケトーク』とログバーが発売している『イリー』どちらも2018年注目のトレンド商品です。
今回の記事では、自分自身が行う旅行体験を最良化させるためにどちらがより適しているのか考えてみたいと思います。
実際にポケトークとイリーをもって韓国へ旅行した記事も書きましたので是非参考にしてください。
イリーとポケトークを使った旅行記事を読むQ:そもそもスマホがあるのに専用翻訳機って必要?
この疑問、もっともだと思いますが、やはり考え方次第だと僕は思います。
例えば、カメラの場合。
スマートフォンでも綺麗に撮影できるのに一眼レフカメラ、ミラーレス一眼が売れている理由は単純に専用のカメラを使って写真撮影をした方が綺麗に写真を残せるから。
例えば、TVの場合
スマートフォンでもビデオオンデマンドサービスの普及で映画やドラマが簡単に視聴できるのに、TVが売れている理由は、TVで視聴した方が臨場感があふれる映像を観ることができるから。
翻訳機場合
スマートフォンでももちろん翻訳はできますが、専用の端末を使ったほうが、翻訳精度が高いからにほかなりません。また、バッテリーもちを気にする必要性もなく盗難の心配もありません。
ですから、旅行、ワーキングホリデー、出張などで海外に行く際の転ばぬ先の杖として『専用翻訳デバイス』を持つことは最も合理的な選択ではないでしょうか。
- 専用の機械の方が実用性が高い
ポケトーク(POCKETALK)とイリー(ili)とはいったいなに?
さて、翻訳機の全容をあらためて確認してみましょう。
画像は、ソースネクスト公式、ログバー公式より引用
翻訳機名称 | ポケトーク(POCKETALK) | イリー(ili) |
対応言語 | 63言語 | 3言語 |
翻訳レベル | 通訳(双方向) | 翻訳(片方向) |
翻訳方式 | クラウド | 翻訳辞書アプリ |
インターネット環境 | 必須(Wi-Fior3G) | 不要 |
操作 | 液晶、タッチパネル | 物理ボタン |
価格(税抜き) | 24,800円(29,800円) | 19,800円 |
このような感じになっております。
詳細な内容に関しては以下の記事に記載したので参考にしてみてください。
ポケトークのレビュー記事を見る イリーのレビュー記事を読む
翻訳精度はどちらが上?|イリーは『旅行用に確率で最適化』
左がポケトーク公式ページの翻訳精度説明、右がイリーの翻訳精度説明となっています。公式ページより引用
ポケトークは、63言語での利用が可能です。
一方、イリーは現在3言語(英語、韓国語、中国語)のみの対応となっています。これは翻訳の仕方の違いによるものです。
ポケトークは言語ごとに最新で最適なエンジンを用い、端末ではなしえない高度な処理ができます。例えば、英語はGoogle翻訳、中国語は百度(バイドゥ)などからデータを引っ張ってきて処理を行うということです。(ソースネクストの技術者の方に直接お伺いしました。)
一方、イリーは旅行に特化しているという事実があります。そのため液晶ディスプレイを搭載しておりませんし、旅行で使用される語句を確率的に導き出した辞書をソフトウェアとしてインストールしています。
- ポケトーク→クラウドサービスから翻訳
- イリー→搭載された辞書から翻訳
そもそもの趣が違う『翻訳機』のような印象を受けますが、個人的にはポケトークが良いかな?と思います。
種類の違う翻訳方式を持つ両機のメリットデメリットから紹介したいと思います。
ポケトークのメリットとデメリット
メリット:クラウドシステムによる圧倒的な情報量
- 63言語対応
- 長い文章の翻訳
- 双方向翻訳
デメリット
- インターネット環境がないと利用ができない
ポケトークは63言語(音声出力は45言語)対応の双方向通訳機
ポケトークはクラウド上のデータで処理を行うため、インターネットにつながってさえいれば、情報量は無限といえます。
また、2~3文節程度の長文翻訳を双方向で翻訳可能。翻訳機としてではなく『通訳機』としての利用が可能です。
バージョンのアップグレードにはWi-Fi環境とバッテリーが50%以上充電されている必要があります。
- 音声出力は45言語
- 2文節~3文節程度の文章が翻訳可能
- 双方向で外人とコミュニケーションが取れる
イリーのメリットとデメリット
メリット:回線接続不要の『辞書』
- 使う場所を選ばない
- 旅行用のワンフレーズ翻訳
- 翻訳スピードはポケトークより早い
デメリット
- 片方向翻訳
- パソコンを利用しないと辞書をアップグレードできない
イリーは3言語対応のオーソドックスな翻訳機
イリーはあらかじめインストールされた辞書によって翻訳を行う方式をとっているため、オフラインで使用が可能ですが、日本語からの翻訳のみに対応しています。
旅行用で使えるために簡素化された翻訳は自分の意志を単語レベルで伝える程度。
また、辞書アプリをアップグレードするためにはパソコンが必要となります。
- ポケトークがカーナビだとしたら、イリーは昔ながらの道路地図(僕の独断と偏見)
- オフラインでの利用が可能なので飛行機内でも使える
- 片方向なので相手から何を言われたか理解できないと詰む
オフラインでの利用は実際に行うと本当に便利です。
ポケトークとイリーを使った旅行記事を読む翻訳機は渡航先で選ぶべき!|渡航先を選ばないポケトークがやっぱり有利?いやイリーもオススメ!
日本人旅行者の渡航先では韓国語、中国語を利用する国への渡航が最多
JTB総合研究所アウトバウンド日本人海外旅行動向データ参照の元作成したグラフです。
イリーが英語、中国語、韓国語の3言語のみ対応させた理由として、日本人が渡航する先の一番人気がお隣韓国がアジア圏内で最多。そして続いて中国語を使う台湾だから、という理由です。(英語はいわずもがな第二言語として広く利用されているから)
国 | 言語 | ポケトーク対応 |
マカオ | ポルトガル語 | 〇 |
タイ | タイ語 | 〇 |
フィリピン | タガログ語 | 〇※ |
バリ | インドネシア語 | 〇 |
ベトナム | ベトナム語 | 〇 |
※=テキストで出力が可能
英語が公用語である国ではもちろん英語が通じますが、本来の母国語を使うことができるポケトークはホテルや飲食店などサービスを供給する施設以外の人とコミュニケーションをとることが可能です。
ヨーロッパ諸国も対応
国 | 言語 | ポケトーク対応 |
フランス | フランス語 | 〇 |
ドイツ | ドイツ語 | 〇 |
スイス | フランスドイツイタリア | 〇※ |
オーストリア | ドイツスロベニア | 〇※ |
オランダ | オランダ語 | 〇 |
ベルギー | オランダフランス | 〇 |
チェコ | チェコ語 | 〇 |
ハンガリー | ハンガリー語 | 〇 |
クロアチア | クロアチア語 | 〇 |
スロベニア | スロベニア語 | 〇※ |
イタリア | イタリア語 | 〇 |
注、最新情報が得られなかったものは以前の年のデータを流用しているため最新のものではありません。
ファッションの都パリのあるフランスは100万人越え、芸術の街イタリアも100万人弱という結果。
反対に英語、中国語が公用語となっている国ではイリーでも十分対応可能といえると思いますので、旅行がアジア圏内で収まる人はイリーでも十分かもしれません。
インターネット環境が必須はデメリットになりえる?|ポケトークは100kbps出ていれば利用可能
先ほども『インターネット環境(Wi-Fi)がないと使えない』ことをデメリットとして紹介した、ポケトークですが、果たして本当にデメリットになりえるのか調べてみました。
ポケトークの専用グローバルSIM(2年)のサービスエリア
ソラコム公式サイトより引用
色のついた国で利用が可能で、色の濃さはデータ通信料金の差となっています。詳細はソラコム公式サイトより確認できます。
ここで確認できることは、先ほど挙げた日本人が最も多く渡航するエリアである、中国、韓国、ヨーロッパ諸国(フランス、ドイツ、イタリア)は対応しているということです。
また、ソースネクストの技術者の方に聞いたところ、「ポケトークに利用されるクラウド通信は一度の翻訳で100kbps程度の速度が出ていれば、問題なく翻訳可能である」とのことでした。
100kbpsは日本でいうスマートフォンの速度制限された際の速度。
つまり、ポケトーク専用グローバルSIM付きモデルを購入すれば「インターネット環境下でないと利用できない」がデメリットにはなりえません。
- ソラコムのグローバルSIMは日本人が「旅行』でいく場所ではほとんど使える
- 100kbps程度の速度は2G世代の通信方式でも可能
スマホじゃなくて翻訳機を使うメリット=100kbpsを優先的に利用し、スムーズな翻訳が可能であるということ
こうした理由により、翻訳専用デバイスを使った方が良い理由もなんとなく見えてきましたね。
スマートフォンを利用する=翻訳機能以外のアプリで通信を勝手に利用されてしまうため(バックグラウンド)、翻訳したいときにすぐ翻訳できない、といった問題はポケトークを利用することで解決できることがおわかりいただけたかと思います。
翻訳機に2万円以上払うのは高い?|ポケトークの場合語学学習用としても使える。
以前僕は英会話のAEONにも通ったことがありますし、英語学習用教材に挑戦したことがあります。はい、まともに勉強をしてこなかった人なんですけれども、英語は学びたい。
そうなれば、体験レッスン費用に数万円、英語教材に数万円とお金はどんどんなくなるばかり。
そういう費用に使うよりも、翻訳機としてのポケトークを語学学習としても利用した方がよっぽど金銭的な効率は良いでしょう。(学習効率はわかりませんが)
ポケトークにはAndroidが搭載され、直近の翻訳データを履歴として、残してくれる機能があります。
履歴機能を活用することで、自分が好きなフレーズの発音を確認したり、繰り返し練習し渡航先で使えるようにシャドーイングしてもよいと思います。
音声の発音は45言語に対応するポケトークですから、これを利用しないと勿体ない。
- 安くはない買い物なので語学学習用としての用途でも使う
まとめ:旅行用ならイリー、コミュニケーションはポケトークがおすすめ
旅行した際の記事にも記載しましたが、『旅行』だけならイリーがオススメです。
▼【韓国旅行】翻訳機を使ったら初じめてのテグがとても素敵な旅に|韓国語が話せなくても大丈夫
スマホの発達や航空券費用が安くなったことによるグローバル化は英語だけでなく、様々な言語、異文化と交わることが容易できるようになりました。
反面、僕のように英語が通じると思っているだけだと思わぬしっぺ返しをくらうこともあるわけです。
また、僕は英語に少なからず憧れがありますから、やっぱり機械じゃなくて自分の声で発声したいというのが正直な気持ちです。
でも相手から何を言われているのかわからないと困りますよね、そういう部分を補足してくれるのがポケトーク。
言語は常用して初めて覚えて使えるようになるものなので、学習しないと始まらない!ある一定のレベルを超えないと英語で話そうと思えない!そう考えてしまうのは日本人の悪い癖らしいです。
ポケトークとイリーを使った旅行記事を読む
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