デルが販売するInspiron 14 シリーズの新モデル New Inspiron 14 5425が発売。
昨年発売されたモデルInspiron 14 5415からの主な変更点は、モニターのアスペクト比が16:9から16:10に変更された。また、搭載されているCPUがAMDのZen 3アーキテクチャを採用したことによりシングルコアあたりの性能が高くなった。
価格としてはこれまでと同様、6〜7万円程度で購入可能。非常にコストパフォーマンスの高いモデルとして君臨するだろう。
今回は筆者が購入した実機の検証結果や使い心地を紹介していく。
スペック
今回購入したのはRyzen 5/8GB/256GBの構成
Inspiron 14 5425(プレミアム) | |
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モニター |
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CPU |
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iGPU |
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メモリ |
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SSD |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約317.5mm×奥行き約227.5mm×高さ約19mm |
バッテリー持続時間 | – |
充電タイプ | 65W ACアダプター |
重量 | 約1.54kg |
保証 | 1年間の引き取り修理サービス |
詳細スペックはデル公式ページから確認可能。
特徴
動画で見る
ベースモデルからWi-Fi6対応に
Inspiron シリーズはこれまで付加価値オプションとしてWi-Fi6モジュール搭載モデルを販売していたが、2022年モデルより標準でWi-Fi6モジュールを搭載するようになった。これまでのインテル社製からMediaTex社製になったことが大きく関係しているかもしれない。
Wi-Fi5からWi-Fi6に変更されることでWi-Fiの速度の最大値が上がるほか、同時接続時にWi-Fiが遅くなるという事象を避けることが可能になる。
実際に筆者の光回線を計測してみたところ必要にして十分な速度が得られた。
指紋認証リーダー標準搭載、カメラやマイクの性能も向上
Inspiron 14 5425は標準で指紋認証センサーを搭載した。これまでは受注生産モデルで選択オプションとして用意されていたものか、即納モデルを購入しない限りは付属していなかった。
また、カメラ、マイク周りが若干変更を加えられているのか、ソフトウェアで向上させているのかは不明だが、解像感、露出補正の精度が上がっている。
マイクについてはノイズはあるものの、人の声が聞こえやすくなってる印象だ。
一見すると交換されたのはCPUやモニターのアスペクト比に目はいくがそれ以外にも微妙にアップグレードされている。
この記事を読んでいる筆者は既にご存知かもしれないが、2022年3月度に突入し、さらに価格が安くなった。6.7万円という価格はInspiron 14 5415(旧モデル)のセール価格と同等の価格帯だ。
微妙なパーツのアップグレードや搭載CPUの変更もあり、お得感がある。2022年モデルも14型でコスパ最高クラスと言って問題ないだろう。
Inspiron 14 5425
公式サイトでみる価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
デザイン、使い勝手について
今年のカラーは2色展開でペブルグリーンとプラチナシルバー。2-in-1タイプの7425と16型でペブルグリーンを選択したので、今回はプラチナシルバーを選択。
プラチナシルバーはデルの標準的なカラーで、どの機種にもラインアップされているカラーだ。光をしっかりと当ててあげると、XPS 13にも引けを取らないほどの高級感を発揮する。ポイントは中央のロゴが加工されている点で、ペブルグリーンを選択するとロゴはプリントになる。
底面はねじ止めされているが、精密ドライバーを使えば開封可能だ。
キーボード側も統一感のある配色で高級感のあるデザインだ。
側面から見てもスタイリッシュなデザイン。2022年モデルよりヒンジ側に新しくパーツが追加されているが、側面から見てもあまり存在感がない。
モニターについて
Inspiron 14に搭載されているパネルはIPSパネルで視野角は広い。明るさは最大で249nitほど。下記はキャリブレーションツールで計測したプロファイルをsRGBと比較した画像だ。
sRGBカバー率は65.6%ほどと標準的なパネルが採用されていた。
もし、クリエイティブワークでPCを利用するのであれば、安くてもいいからsRGBカバー率が100%程度の専用のモニターがあった方が良いだろう。色
キーボード・タッチパッドについて
Inspiron 14 5425に搭載されているキーボードは昨年のモデルと同様、エンターキーや矢印キーが大きく取られ打ちやすい配列。USキーを日本語キーに切り替えたような形だが、一般的なタイピング時に違和感を感じることはないだろう。
打鍵感は柔らかめでキーストロークが浅い。デスクトップPCなど深いキーストロークを求めているユーザーには物足りないかもしれないが、これからノートPCを利用していくユーザーにとってはあまり大きな問題ではない。
タッチパッドも昨年モデルと同様で浅めで硬いタイプを採用している。別途マウスがあると良いと思う。
インターフェースについて
- DCジャック
- HDMI
- USB-A
- USB-C(3.1Gen1)
- SDカードスロット
- USB-A
- オーディオジャック
Inspiron 14 5425はUSB-Aを2つHDMIを1つ搭載しつつ映像出力やPC本体の給電に利用可能なUSB-Cを搭載している。
4K解像度のモニターに出力したところUSB-Cから4Kで映像出力が可能だった。また、65W給電によりPCの充電が可能。おそらくフルパワーで動作させつつPCの充電が可能となっている。検証モニターは下記
ACアダプター
ACアダプターは65W出力のものが採用されている。
性能について
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
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Core i7 11800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5625U(レビュー機) | |
Ryzen 7 5700U | |
M1 | |
Core i7 11370H | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7 1165G7 | |
Core i5 11300H | |
Ryzen 5 4500U | |
Core i5 1135G7 |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では7738pts。
今回の検証ではメモリ8GBで行っているが、マルチコア、シングルコアがかなり伸びた。マルチコア性能はRyzen 7 5700UやRyzen 7 5800Uと同等クラスの性能。モバイルノートPCとして非常に高い性能があるといえる。
PCMark 10
FutureMarkが提供するPCMARK 10は、MicrosoftOfficeのWord、Excelに類する互換ソフトウェアや、ビデオ通話会議ソフト、画像編集ソフトのバッジファイルを実際に動作させ、どの程度の快適性があるかをスコア化。提供元はおおむね4000点以上あれば快適としている。
結果は総合スコアが4810でMicrosoftOffice互換ソフトやビデオ会議ソフトは快適水準。画像編集や動画編集まで行えそうな数値が出た。同じCPUを搭載したInspiron 16よりも性能が高く、メーカー側での調整か、CPUの個体値のいずれかが考えられる。
New Inspiron 16 5625レビュー テンキーレスなバランスの良い16型ノートPC
SSDの読み書き
搭載されていた256GBのSSDはアドテック製。クリスタルディスクマーク結果ではシーケンシャルライトやランダムアクセスライトの速度は標準的なノートPCよりもやや控えめ。そしてスコアにばらつきがあるため、数値が安定しない。とはいえ、ビジネスワークに特化した作業であれば特に不満を感じない水準と言える。
PCの内部の温度、ファンの動作音
PC内部の温度について
CPU使用率を100%にできるソフトウェアを使い、後負荷時の挙動を確認。CPUの最大値は80℃まで上昇した。Inspiron 16よりも高い温度になっていたが、ベンチマーク結果もそれに応じているため特に問題はないように感じる。
PCの表面温度
なお、PCの表面温度は36.3℃ほどで人体には全く影響のない温度を保っていた。低温やけどする恐れはないだろう。
ファンの動作音
ファンの動作音はピーク時で43.2dbほど。16型よりも少しファンノイズが気になるが許容範囲。
メモリやSSDの増設について
Inspiron 14 5425は裏蓋のネジを精密ドライバーで外すと開封か可能。内部はシングルファンでメモリスロットが2つ、M.2スロットが一つ
初期に搭載されているたSSDはM.2 2230規格のものだがネジとステーを外せば2280規格のSSDも搭載可能。
Inspiron 14はビジネスワークがメインとなるだろうから、SSDの換装を行う人はコスパの良い1TBSSD Samsung980をおすすめしておく。
メモリスロットは2つで絶縁シートに覆われている。
搭載されていたメモリはサムスンのDDR4-3200に対応したメモリ。
筆者が確認したところ、このメモリと別のメーカーのDDR4-3200の8GBを増設し、16GB(8GB×2)構成でデュアルチャネルで問題なく動作していたため、安くスペックアップしたいユーザーはTeamやADATAなどそれなりになの通ったメーカーのものを8GB分購入すればおk
Inspiron 14 5425の評価とまとめ
良い点
- Wi-Fi6標準搭載になった
- CPUの性能を発揮しやすい設計になっている
- カメラとマイクの品質が少し上がっている気がする
- USB-C充電、映像出力が可能で利便性が高い
- 価格が安い
気になった点
- 相変わらずパネルは標準的
持ち運びもできる2022年コスパ最高の14型ノートPC
Inspiron 14 5425はベースモデルからWi-Fi 6モジュールを搭載することで、他社メーカーのモデルから見劣りする箇所がなくなった。また記事執筆時にデルが度重なる値下げを行い、6.6万円ほどで購入可能となっているため、低価格のノートPCを検討している人には非常にお勧めできる。
なぜか16型よりも14型の方がパフォーマンスが伸びるのはデルが意図的に製品が魅力的に映るようにしているのかもしれない。(だから14型がサムスンメモリだった?)ということなので、従来であれば、性能を求めるのであれば素直に16型を選ぶのをお勧めしていたが、Inspiron シリーズに関しては14型の方がパフォーマンスが発揮しやすいのでパフォーマンス重視でも14型を選んでおけばいいと思う。
Inspiron 14 5425
公式サイトでみる価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。