msiのGP75Leopardは自宅でゲームをするユーザーを想定した設計で人気を博し、ミドルハイゲーミングノートとして非常に人気です。ノート用インテルCPUの第10世代のCore i7 10750HとRTX2070搭載。eSportsプレイヤーに必須の144hzモニターも搭載するなど。人気のゲームを快適にプレイするのに最適な構成となっています。
今回メーカーより実機をお借りしたので検証結果と僕の感想を記載していきます。
msi GP75Leopard の特徴
msiのGP75 Lepardは17.3型の筐体を採用しつつ従来のゲーミングノートPCよりもベゼル幅が狭いため、15.6型と同等のフットプリントで17.3型を実現。
なおかつ、msiのハイエンドゲーミングノートと同等の使いやすさのSteelSeriesキーボードを搭載しているため、ゲーマーからの評価は高めです。海外ではストリーマーやeSportsプレイヤーの遠征用PCとして採用されるタイプですが、一般的なモニター解像度であるフルHDでゲームを楽しむのであればこれ1台だけで十分の性能があります。
動画で解説していますので、是非参考にしてください。
Core i7 10750HとGTX2070の強い構成を選択可能
2020年版のGP75 Leopardは第10世代インテルCore i7 10750Hを搭載。発売されているモデルは2種類でRTX2060とRTX2070を選択可能です。
上位モデルは末尾にSUPERついたさらに高性能なGPUを採用していますが、フルHD以下でプレイするのであれば快適性は大きく変わりません。
17.3型の144hzゲーム液晶搭載
狭額縁デザインが主流となり、従来のモデルよりもフットプリントを小さく液晶を大きくできるようになったため、昨今ゲーミングノートPC市場においては17.3型を選択するユーザーが増えてきているようです。
そして、GP75 LeopardはeSportsシーンにおいて必要不可欠な144hzの高リフレッシュレートに対応したモニターを搭載しています。
eSportsシーンでは特別なスキルはなくとも高いリフレッシュレートを採用したモニターを使うとキルデスレートがあがるという統計データをNvidiaが発表しており、GP75に搭載されている144hzの高リフレッシュレートモニターはビギナーからプロ級の腕前を持つユーザーすべての人に最低限おすすめしたいモニター性能です。
SteelSeries ゲーミングキーボード採用
また、従来より採用されていたSteelSeriesキーボードが採用されています。高耐久で同時押しに対応したゲーミングキーボードで鮮やかなRGBライティングが特徴です。
別途専用のゲーミングキーボードを用意せずとも最高クラスの環境を手に入れることができます。
以上が概要となっています。msiはスタイリッシュ+ハイパワーに定評があり、日本国内において2018年、2019年2年連続売上販売台数No1を達成していまして、上記の挙げた要素も人気の要因だと思います。
GP75 Leopard GP75-10SFK-009JP スペック
GP75 Leopard | |
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モニター | 17.3型(1920×1080ドット)144hz ノングレア |
CPU | Core i7-10750H |
dGPU | Nvidia RTX2070 |
メモリ | 16GB |
SSD | 512GB |
HDD | 1TB |
インターフェース | USB3.2 Gen2 Type-C/USB3.2 Gen1 Type-A ×3/Mini DisplayPort ×1/HDMI ×1/ヘッドホン出力×1/マイク入力 ×1 |
フロントカメラ | 92万画素カメラ |
ワイヤレス機能 | インテル® Wi-Fi 6 AX201 (2×2、11ax、Bluetooth 5.1) |
サイズ | 397×268×27.5mm(突起部を含まず) |
バッテリー | 51Whr,4730mAh |
重量 | 約2.60kg |
保証 | 2年間のメーカー保証 |
GP75 Leopardは最新の通信機能、Wi-Fi6やBluetooth5.1に対応しています。(USB-CはPD、Altmode非対応です。)
メーカー保証は2年間となっています。そして、MSI公認ショップであれば、メモリの増設、サブストレージの追加、が可能な場合があります。
国内のMSI公認ネットショップですと、PCパーツショップのarkアークがおすすめです。
GP75 Leopard
ゲーム性能
msiのafterburnerを利用し、ゲームプレイ時のフレームレートを測定。快適度の目安はゲームタイトルによって変わります。シューター系のゲームであれば、平均144fpsを狙いたいところ。重量級ゲームタイトルでは、60~100fps以上出ていれば家庭用ゲーム機よりも快適といえます。
中級ゲームタイトル・フォートナイト/PUBG
フォートナイトは、実際にソロでプレイを5分程度行い、その平均フレームレートを計測しました。(スカイダイブ時も計測しています。)
フォートナイトシーズン2の平均フレームレート | |
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フルHD(1920×1080ドット) | |
エピック(最高画質) | |
高画質 | |
中画質 |
人気ゲームタイトル『Fortnite』は最高画質で137fpsでした。最高画質でも十分にプレイ可能ですが、240hzのモニターを活かすのであれば、中画質まで調整したほうがいいでしょう。
PUBG
PUBGはトレーニングモードで建物周辺を5分程度集会した平均を算出。おそらく、実際のゲームプレイでは、平均で10fps以上低下するものと思われます。
PUBGではウルトラで140fpsでした。PUBGのトレーニングモードに関しては、周囲のプレイヤーの人数や攻撃を受ける回数によって上下してしまいます。高画質では同じ画面に5人以上プレイヤーが存在することもあり、フレームレートが安定しませんでした。
とはいえ、ハイフレームレートはCPUパフォーマンスがものをいうので、上位モデルと比較するとフレームレートはやや控えめ。それでも144hzのモニターを十分に活かせる性能があります。
モンスターハンターワールド・重量級ゲームタイトル
モンスターハンターワールドは、重量級ゲームタイトルの筆頭です。垂直同期をオンにし、1-1のマップを5分ほど周回しました。
MHWは重量級ゲームタイトルの筆頭ですが、最高画質でも80fps以上でていました。
MHWはシューター系のゲームではないため、60fps以上でプレイできれば概ね快適とされていますが、もう一つ上のWQHD(2560×1440ドット)でのプレイも視野に入ります。
ファイナルファンタジー15ベンチマーク
ファイナルファンタジー15のスコア比較 | |
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フルHD(1920×1080ドット) | |
最高画質 GEP75 | |
標準品質 | |
軽量品質 |
ファイナルファンタジー15は重量級ゲームタイトルの筆頭で、このゲームが快適クラスで遊べるということは、大体のゲームタイトルが遊べます。最高画質でも快適の水準でした。
ゲーム性能まとめ
すべてのゲームタイトルを快適にプレイ可能な性能があります。またメインとなる中級クラスのシューター系ゲームでは画質調整でほとんどのタイトルで144hzの高リフレッシュレートモニターの性能を活かせる性能があるでしょう。
上位にRTX2070Superを搭載したモデルGE75Raiderがありますが、体感できるほど大きな差はないと思います。コストパフォーマンスを優先するならGP75のほうが優位です。
クリエイティブ性能
Puget Bench
PugetBench実行時のスコアが下記のとおりです。GP75LeopardはRyzen 7 3700XとRadeon RX5700を搭載したデスクトップPC並みの処理性能があります。
コンテンツクリエイトの性能まとめ
コンテンツクリエイトにも十分使える水準といっていいでしょう。
一般的な動画クリエイターにもおすすめできるほど高性能です。
ベンチマーク結果
Cinebench R20
Cinebench R20の総合スコア | |
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Ryzen 9 4900HS | |
Core i9 10980HK | |
Core i9 9980HK | |
Core i7 9700 | |
Core i7 10750H | |
Core i7 9750H |
CPUのレンダリングスピードを計測するCinebench R20では、2926ptsでした。デスクトップ用のCore i7 9700にあといっぽというところ。中堅クラスのゲーミングデスクトップPCと同等の性能です。
PASSMARK CPUMARK
CPUMARKのベンチマークスコア※ | |
Ryzen 7 3700X | |
Core i7 9700K | |
Core i9 10980HK | |
Core i7 8700K | |
Core i7 9700 | |
Core i7 10750H レビュー機 | |
Core i5 8400 | |
Ryzen 7 2700X | |
Ryzen 5 2600 |
PASSMARKのスコアではCore i7 9700に一歩及ばずといったところ。
いずれにしてもミドル~ハイエンドクラスのゲーミングPCなみのパフォーマンスは出せそうな結果です。
SSDの読み書き
シーケンシャルリードは3382mb/sと理論値付近。非常に高速です。ゲームのプレイや動画編集も全く問題なく使えるでしょう。
ピーク時のCPU温度・GPU温度
FF15のベンチマークテストを1時間実行した際のCPU温度とGPU温度のログデータをグラフ化したものです。CPUが99℃-100℃付近でGPUも温度を下げているのはサーマルスロットリングの挙動だと思われます。
GPUはまだいけそうだけど、CPUが先にパワーダウンしちゃってるような感じ。
GP75Leopardはデュアルファン搭載で冷却性能は高いのですが、やはりハイエンド構成ですと熱に悩まされてしまうのかもしれない。
対策方法として、
- ノート用クーラーやスタンドを利用する。
- メーカー保証外になりますが、CPUグリスを塗布する。
以上を実行してみるとゲームプレイ時にさらにフレームレートを伸ばすことができるかもしれません。
デザインや外観について
msiはスタイリッシュなデザインがゲーマーに好まれるといった点も人気を支える要因の一つです。
ドラゴンのエンブレムと爪痕をイメージしたオーナメントが特徴です。黒を基調としたPC本体とmsiのコーポレートカラーである赤でデザインされています。GE75Raiderとの違いは、この爪痕のような模様に赤が飾り付けされているか否かです。
背面にはLeopardロゴが印字されているほか、排気用の大きな穴とヒートシンクを見ることができます。世界観をうまく踏襲しつつ機能性を持たせたデザインでパフォーマンスが出るのもうなづけます。
ボディ本体はGE75と共用のようです。
底面にもそのこだわりがみられ、サイバーパンクな模様から、本体と地面の隙間を作るゴム足まで、一つ一つがゲーマーのために作られていることがわかるゲーミングノートPC。
なかでも特徴的なのは、デュアルファンです。
msiとえいば、ハイエンドにGT Titanシリーズ、モバイル用の最上位にGS StealthシリーズなどノートPCにこれでもかとパワーを詰め込んがノートPCが多いのですが、それらを可能にするのがこのデュアルファンからなるCooler Boostシステムです。
限りなく小さく、そして高い冷却性能を持つCooler Boost 5がGP75の要といえます。
GP75Leopardの重量 | |
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本体重量 | 2.558kg |
本体+電源 | 3.45kg |
重量は合計3.45kgほどでした。持運びはきついですが宅内用でなら許容範囲内です。
また、数年前までハイエンドのノートPCが5kg程度で販売されていたことを考えると”ハイエンドノートPCも軽くなった”といえる数値だと思います。
液晶モニターについて
GP75Leopardに搭載される液晶パネルはノングレアタイプです。17.3型のノートPCですが、ベゼルが狭く、本体がコンパクトに作られているため大きさを感じさせないつくりになっていると思われます。
色域・トーンカーブについて
sRGBにセットした状態でキャリブレーションツールにて測定しました。微妙に青が強かったですが、おおむね発色は自然だと思います。
今回の検証機にはAVT社製のパネルが採用されていました。
GP75 Leopardの色域 | |
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sRGBカバー率 | 95.5% |
sRGB比 | 95.5% |
ゲーミングノートPCとしては必要にして十分なsRGBカバー率95.5%でした。動画編集や趣味で行う写真補正程度であれば全く問題ない水準だと思います。
キーボード・タッチパッドについて
GP75 Leopardにはフルサイズスケールのキーボードが搭載されています。矢印キーが「0」のとなりに入り込んでいますが、それ以外は設置個所に癖はなく打ちやすいと思います。
キーストローク(キーの沈み込み)は1.8mmで従来通りといった感じ。個人的にゲームのプレイにおいては深めのほうが操作性は高いと考えているんのでコレはコレでいいと思う。
steelseriesのゲーミングキーボードということで、Per-Key RGBに対応。
LEDのライティングは電源ボタンの下にあるボタンあるいは、PCのソフトウェア上から変更可能です。
タッチパッドには独立ボタン付きのものが採用されています。押し心地は硬め、操作性はよいのですが、ゲームで使用する場合はマウスがあったほうがよいでしょう。
インターフェースについて
GP75Leopardは外部ディスプレイの出力やヘッドフォン出力が魅力。
- セキュリティロック
- イーサネット
- HDMI
- miniDisplay
- USB 3.2 Gen1
- USB-3.2 Gen2 Type-C
右側面
- SDカードスロット
- USB 3.2 Gen1
- USB 3.2 Gen1
- DCジャック
となっています。ゲーマーのための構成といった感じでUSB-Aのポートが3つあります。GP75Leopardだけでもゲーム環境は構築可能ですが、ゲーミングキーボードやマウスの接続も用意。
動作音・PCの表面温度設定項目
ファンの駆動音
今回の検証はすべて下記のとおり最大パフォーマンスを発揮するための設定で実行しています。
なお、今回の検証ではDragon Centerにてパフォーマンスレベルを「Extreme Performance」にて実行しています。
ファイナルファンタジー15のベンチマーク中の駆動音です。53.8dbでした。ゲーミングノートPCの中でもファンの駆動音はトップクラスです。
かなり耳障りな音が鳴り響きますが、パフォーマンスとトレードオフです。ヘッドセットは必須かもしれません。
GP75 Leopardのファンの駆動音 | |
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アイドル時 | 約38.7db |
ピーク時 | 約53.8db |
とはいえ、アイドル時は普通のモバイルノートPCと同じ水準あるいはむしろ静かなくらいでしたので通常使用ではあまり不快感は感じないと思います。
PCの表面温度
ファイナルファンタジー15を1時間駆動した際のPC表面温度は39.1℃付近でした。上位のGE75Raiderよりも控えめです。これくらいのパーツ構成が最もおいしい構成なのかもしれません。
しかし、「W」「A」「S」「D」周辺は人の体温程度でしたので操作に全く問題ない水準でした。ゲーム中に触れる場所は人が触れても問題ない温度になるよう設計されています。
msi GP75 Leopard 2020年モデルの評価とまとめ
良い点
- デスクトップのミドル級のパフォーマンス
- eSportsに必要なツール全部入り
- 最上モデルよりも扱いやすい
気になる点
- GE75と大きな差がなく面白みに欠ける
- ハイパフォーマンス時はやっぱり音が気になる
実用上一番おいしい性能
17.3型という大きな筐体でさえ、ハイエンドのパーツ構成ではインテルCPUが先に熱を上げてしまい、本来のパフォーマンスを発揮できないのがゲーミングノートPCの課題ではあるのですが、あえて1段ランクを落とすことでパフォーマンスの限界ギリギリを攻めている感があります。
ノートPCで使うならこの辺りが体感できる最高性能といった感じで、個々から上は飾り付けのようなものだと個人的に感じます。(確かに性能はアップするんだけど目を見張るほどではないということ)そうした意味で、144hzのゲーミングモニターの恩恵を受けつつ、ハイフレームの描画に対応している点はグッドなポイントだと思います。
GP75 Leopard
仕様は記事執筆時のもので変更となる恐れがあります。販売ページなどで1度ご確認ください