日本HPが販売するHP ENVY 16-hを発売前にメーカーからレンタルできたので使い勝手やベンチマーク結果を掲載。
スペック
HP ENVY 16-h | |
---|---|
モニター |
|
CPU |
|
dGPU |
|
メモリ |
|
SSD |
|
サイズ(幅×奥行×厚さ) | – |
バッテリー | 最大約5時間分 |
無線通信規格 | Wi-Fi6E/Bluetooth V5.3対応 |
充電タイプ | 200W AC |
重量 | 約2.38kg |
保証 | 1年間引き取り修理サービス・パーツ保証 |
特徴
動画で見る
ナチュラルシルバー採用の16型クリエイターノートPC
HP ENVY 16-hはHP ENVY 15で人気だったナチュラルシルバーのカラーを継続して採用。
持ち運びできるHP ENVY x360 13-bfシリーズも2022年モデルではこのカラーが採用されている。
筆者もこのデザインとカラーがWindows PCの中では特に気に入っていて、写真撮影にも思わず力が入ってしまう。
側面はインターフェースがギリギリ搭載可能なまで薄型化されており、冷却性能にも配慮された設計。今年のデザインは底面にかけてやや丸みを帯びているものの使用感や使い勝手は従来モデルのままだ。
ベースモデルのスペックが大幅アップ
HP ENVY 16-hは従来モデルからベースモデルのスペックを大幅に引き上げている。これはインテル第12世代プロセッサが高性能化したため、スタンダードノートPCモデルでもフルHDの動画編集が快適になっているから。
変更された点を掲載していくと、15.6型のHP ENVY 15までは搭載GPUのベースがRTX3050Tiからだったのに対し、HP ENVY 16-fは標準でRTX3060を搭載している。
検証機に搭載されているRTX3060は95W出力のもので最大出力ではないものの、クリエイターノートPCとしては必要にして十分な性能。
また、メモリも標準で32GB搭載で4K動画の編集や3DCGの制作で使えるスペックが用意されている。
パフォーマンスモデル | クリエイターモデル | |
---|---|---|
モニター | LCD(400nits/sRGB100%/16:10) | OLED(400nit/DCI-P3 100%/16:10) |
CPU | Core i7 12700H | Core i9 12900H |
GPU | RTX3060 | RTX3060 |
メモリ | 32GB | 32GB |
2022年モデルでは上位モデルとの差がCPUとモニターぐらいしかないため、CPUが有利に働くタスクを行わないのであればパフォーマンスモデルがおすすめだ。
搭載されているモニターは120Hzのリフレッシュレートに対応しているためゲーム用としても利用可能。
500万画素のIRカメラ搭載
HP ENVY 16-hに搭載されているカメラは500万画素のウェブカメラで顔認証に対応。テレワークにももちろん活用でき、写真のような画質でビデオ通話の相手に自分の顔を伝えることができる。
HP ENVY 16-h
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
うっしーならいふ×日本HP限定クーポンでさらにお得に
日本HPより当サイト限定で7&オフクーポンを発行しております。ぜひご利用ください。
デザイン
HP ENVY 16-fは16:10のアスペクト比を採用し、昨年モデルのHP ENVY 15よりも画面が縦に長くなっている。
2021年に発売されたHP ENVY 15との比較写真。HPロゴが大きくなったほか、通信モジュールのカバーが天板部にきている。個人的には15.6型モデルの方が好みではあるが、ナチュラルシルバーに合わせられているためどこまで気にならない。
底面も同様のカラーでまとめられているため統一感がある。
ネジはT5のトルクスドライバーを利用すれば裏蓋を外すことができる。
重量
HP ENVY 16-hの重量 | |
---|---|
本体 | 2.38kg |
充電器 | 0.60kg |
モニター
HP ENVY 16-fに搭載されているモニターは16型。
HP ENVY 15 2021年モデルとの比較写真。解像度が2560×1600ドットになったため表示領域が広くなった。
ウェブサイトの閲覧や動画編集時のタイムラインの表示などが見やすくなっているため、専用のモニターなしでも十分な表示領域を確保できる。
色域
HP ENVY 16-hの色域 | |
---|---|
sRGBカバー率 | 99.0% |
DCI-P3カバー率 | 73.5% |
Adobe RGBカバー率 | 73.6% |
キーボード・タッチパッド
HP ENVY 16-hはフルサイズスケールのキーボードを採用。指紋認証は非搭載で顔認証のみ。
- スピーカーが幾何学模様ではなくなる
- エンターキーの隣のキーがなくなる
- エンターキーが大きくなる
- 指紋認証がなくなる
といった変更がなされたが、これまで不評だったポイントが改善されている。
インターフェース
左側
- USB-A
- オーディオジャック
- Micro SDカードスロット
右側
- USB-C
- USB-C
- HDMI
- USB-A
- DCジャック
搭載されているUSB-CはThunderbolt 4に対応。
性能について
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23の総合スコア | |
---|---|
Core i7 12700H | |
Core i7 12700H | |
Core i7 12700H | |
Core i9 12900H | |
Ryzen 7 6800HS | |
Core i7 11800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Core i7 12700H(レビュー機) | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 76800U | |
Core i7 11800H | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7 1260P | |
Ryzen 5 5600H | |
Core i7 1250U | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5625U | |
M1 | |
Core i7 11370H |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では13142pts
ゲーミングPCほどマルチコア性能は伸びていないがシングルコア性能は同等で高性能。
PCMark 10
Microsoft Office互換ソフトや画像編集ソフトのバッチファイルを動作させてスコアを算出するPCMark10ではスコアが6989でMicrosoft Officeはから動画編集まで快適レベル。
バッテリーの連続動作時間
PCMark 10のバッテリーテストにて計測。
HP ENVY 16-hバッテリーテスト | |
---|---|
PCMark 10 Modern Office | 10時間15分 |
SSDの読み書き
クリスタルディスクマークの結果。搭載されていたSSDはSamsung製。PCIe Gen 4に対応し、大容量データの読み書きでも速度落ちがほとんどない。
Adobe Premiere Pro CC動画の書き出し速度検証
過去YouTubeにアップロード用に作成したプロジェクトの書き出し時間を測定しました。α7R4で撮影したフルHD動画をH264 YouTube1080Pプリセットで書き出し、その時間を検証するというもの。
Premiere ProCCは2022年9月11日時点の最新バージョンに更新、ハードウェアエンコーディングで実施しました。
- XAVC S FHD24P(50Mbps)
- 動画の長さ15分11秒
- テロップ/カット編集/画像挿入あり
- シーケンス設定は24fps
- YouTube 1080P、ハードウェアエンコーディングで書出
機種 | 24fpsの書出し時間 |
---|---|
HP ENVY 16-h | 1分22秒 |
Yoga 770(AMD) | 4分46秒 |
M1MacBook Air | 4分42秒 |
HP Spcetre x360 14-ef | 5分12秒 |
HP ENVY x360 13-bf | 5分33秒 |
HP ENVY 16-fはクリエイターノートPCの中でも非常に早いエンコードスピード。デスクトップPC顔負けで動画編集も快適だ。
UL Procyon Photo Editing ベンチマーク
UL Solutionsが提供する「UL Procyon Photo Edting ベンチマーク」はいわゆる写真編集のベンチマーク。Adobeの「Photoshop」「Lightroom Classic CC」を使用し、実際の写真編集のワークフローに沿ったバッチファイルを実行。
処理にかかった時間をスコア化することで相対的に評価が可能だ。
Photo Editing ベンチマーク | |
---|---|
Core i7 12700H/RTX3060(レビュー機) | |
Ryzen 7 6800HS/RTX3070Ti | |
Ryzen 7 6800U | |
Core i7 1260P | |
Core i7 1165G7 | |
Core i7 1255U | |
Core i7 1250U |
HP ENVY 16-h | |
Adobe Lightroom Classic CCのワークフロー | |
---|---|
読み込み | 3.158秒 |
プレビュー | 0.546秒 |
プリセット適用 | 0.340秒 |
エディットイメージ | 1.562秒 |
スマートプレビュー | 3.629秒 |
書き出し | 20.396秒 |
エンハンスディテール | 1.944秒 |
フェイスディテクト | 4.019秒 |
バッチプロセッシングスコア | 10466 |
Adobe Photoshop CCのワークフロー | |
画像読み込み | 0.353秒 |
フィルター適用 | 1.098秒 |
画像結合 | 0.869秒 |
データ保存 | 51.825秒 |
画像書き出し | 3.941秒 |
GPUフィルター | 8.619秒 |
イメージレタッチスコア | 7492 |
写真編集のワークフローでは、他者のクリエイターノートPCに搭載されているRyzen 7 6800HS/RTX3070Tiよりも高いスコアが出た。
UL Procyon Video Editing ベンチマーク
同じくUL Solutionsが提供する「UL Procyon Video Edting ベンチマーク」はAdobe Premiere Proを利用し、H264/H265でそれぞれファイルを書き出しし、処理にかかった時間をスコア化するというもの。
素材データは用意されたものでプロジェクトファイルの全体の長さは1分程度のものだ。素材データは4Kで1080P/4Kにエンコードを行い処理時間からスコアを算出できる。相対的に評価しやすいベンチマークソフトだ。
HP ENVY 16-h | ROG Flow X16 | |
---|---|---|
YouTube 1080P (1/2) | 643秒 | 652秒 |
YouTube 1080P(2/2) | 31秒 | 29秒 |
4K UHD(1/2) | 3318秒 | 3755秒 |
4K UHD(2/2) | 62秒 | 59秒 |
Video Editing Score | 6130 | 6108 |
エンコードタイムはRyzen 7 6800HS/RTX3070Tiを搭載したROG Flow X16よりも早く、画像編集、動画編集のクリエイティブ性能はHP ENVY 16-fの方が優れている。
Lightroom Classic CCにてRAW現像時間を検証
Adobe Lightroom Classic CCにてα7Ⅱで撮影した24MPのRAWファイル100枚を一斉に書出し、その速度を検証しました。
LightroomClassic CC初期プリセットで画質を100に設定し、デスクトップへ書出し。結果は下記のとおり。
機種 | 書出し時間 |
---|---|
HP ENVY 16-h | 46秒 |
Lenovo Yoga 770(AMD) | 1分09秒 |
HP Spectre x360 14-ef | 1分12秒 |
HP ENVY x360 13-bf | 1分25秒 |
M1 MacBook Air | 1分29秒 |
PCの温度とファンの動作音について
ピーク時のCPU温度について
Cinebench R23の10minuteテスト実行時の挙動をHWInfoで計測した。
システムステータス上はサーマルスロットリング的な挙動もなくパフォーマンスが発揮できていた。
動作周波数も落ちていないため非常に安定度が高い。おそらくメーカー側でパフォーマンスとファンコントロールの調整が厳密に行われているのだろう。
PCの表面温度
Cinebench R23 10minuteテスト時のPCの表面温度を計測。
最も熱い箇所で33.3℃ほど。低温火傷の心配はなく温度がコントロールできている。
ファンの動作音
パフォーマンスモード時で42.4dbほど。
前述の通り、パフォーマンスが出せている状態でファンの動作音を静かな水準でコントロールできている。昨年までのモデルよりもパフォーマンス時に静かになっているのが非常に素晴らしい。
HP ENVY 16-hの評価とまとめ
良い点
- 静粛性が大幅に向上
- エンコードスピードが非常にはやく高性能
- 有機ELパネル選択可能でクリエイティブワークもできる
- キーボードの配列が見直され打ちやすくなった
- ファンの動作音が静か
気になる点
- アンテナカバーやロゴの天板上で目立つようになる
- SDカードスロットがmicro-SD
順当にスペックアップした万人におすすめのクリエイターノートPC
昨年までの課題は静粛性だったように思うが、インテル第12世代プロセッサが搭載されてたことや本体の大型化、内部ファンの改良によってパフォーマンスを伸ばしつつファンノイズの低減に成功している。
その上で120Hzのリフレッシュレートを持つsRGB100%のモニターを搭載しているため、パフォーマンスにおいては、ハイエンドゲーミングノートPCには及ばないものの、クリエイターノートPCとしては十分でゲームにも使える性能があるといっていい。
気になる点はデザイン面で、天板側に通信モジュールのカバーが来ていたり、HPのプレミアムロゴが巨大化で、ややデザインでしつこい印象を受けてしまった。ただし、これは15.6型のHP ENVY 15と比較した結果であって、これから購入するという方にとってはあまり関係のないポイントかもしれない。
あとはmicro-SDカードスロットがそのままになっている点が少し残念。競合機種のXPS 15やMacBook Pro 16型はUHS-Ⅱに対応したSDカードスロットを搭載しているため、HP ENVY 16-fもSDカードスロット対応になっていて欲しかった。
とはいうものの、クリエイターノートPCとしての完成度は非常に高く、上位モデルでは有機ELも選択可能なので、本格的に動画編集やRAW現像を行うクリエイターにおすすめしたいノートPCだ。
HP ENVY 16-f
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
日本HPより当サイト限定で7&オフクーポンを発行しております。ぜひご利用ください。