ThinkPad X1 Carbon Gen7(2019年モデルは)第8世代インテルCPU及び第10世代インテルCPUを搭載した、ThinkPadシリーズの上位グレードのノートPCです。
X1CarbonシリーズはNECの米沢工場で生産されるメイドインジャパンモデルで製品品質の高さが魅力です。
メーカーより実機をお借りしたので検証結果、およびおすすめポイントを記載します。
結論から記載すると2020年現在インテルを搭載したノートPCはコストパフォーマンスにおいてやや不利です。ThinkPadではAMDCPUを搭載したT14あたりがいいかもしれないですね。
スペック
ThinkPad X1 Carbon Gen7(2019年モデル) | |
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CPU |
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iGPU | Intel UHD |
メモリ |
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SSD |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 323x217x14.49mm |
バッテリー持続時間 | 最大19.5時間(4K=9.5時間) |
充電タイプ | USB-C |
重量 |
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保証 | メーカー保証1年 |
インターフェース規格など仕様詳細はレノボ直販サイトより確認いただけます。
ThinkPad X1 Carbon Gen7(2019年モデル)の特徴
LTEモジュール搭載可能
ThinkPad X1 Carbon Gen7(2019年モデル)はLTEモジュールをカスタマイズ可能です。搭載されるLTEモジュールは現状ノートPC最速クラスのモジュールでdocomo,au,SoftbankのSIMに対応します。
高解像度モニター選択可能
14型ながらWQHD(2560×1440ドット)やUHD(3840×2160ドット)の高解像度モニターを選択可能です。ただし、価格が高くなるのと、バッテリー持続時間が短くなるため、FHDがベターな選択肢だと思います。
クアッドマイク搭載でテレワーク向き
モニター上部にマイク穴が見えます。4つの全方位マイクを搭載し、離れた人の声もしっかり収音。収録用のマイクがなくてもしっかりと音を拾ってくれます。
ThinkPad X1 Carbon Gen 7(2019モデル)
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。
デザイン
カーボン素材でできた天板はマット加工が施されサラサラとした手触りです。指紋が目立ちづらいのがいいですね。
検証機は傷がついていました。コレがカーボンの味なのかもしれませんが、肉眼で見ると結構目立ちます。
個人的なおすすめポイントはLenovoのロゴが超控えめなところ。モニター左下のベゼルにひっそりと印字されているので全く気になりません。
底面は剛性の高いマグネシウム合金が採用されています。
X1Carbonは実測値で1.104kgでした。14型のThinkPadとしては最軽量クラスです。
ThinkPad X1 Carbon Gen7の重量 | |
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本体 | 1.104kg |
本体+AC | 1.400kg |
モニター
モニター部は180℃開閉可能です。プレゼン時に役立つつくりです。
モニターのパネルはグレアパネルです。気になる方はノングレアのフィルムを購入するとよいでしょう。
色域・トーンカーブ
キャリブレーションツールによる測定結果です。検証機は4Kモデル、設定は『ネイティブ』にて計測いたしました。
やや赤と青が強めの発色で色鮮やかに見るような設定でしょうか。色調整可能なのでコンテンツの確認はしやすそうです。
ThinkPad X1 Carbon Gen7(2019年モデル)4Kパネルの色域 | |
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sRGBカバー率 | 99.9% |
Adobe RGBカバー率 | 82.7% |
DCI-P3カバー率 | 85.5% |
ウェブコンテンツの基準となるsRGBは100%程度カバーしているため、ウェブコンテンツの作成に向いています。また、映像物を確認するのにも最適です。
キーボード・タッチパッド
フルサイズスケールのキーボードが搭載されています。タッチパッド右横に指紋認証のセンサーが搭載されています。
キーストロークは約1.8mmの深めでわずかにクリック感のある業界1打ちやすいキーボードは相変わらずです。キーボードのうち安さにこだわるならThinkPadを選びましょう。
インターフェース
左側面
- USB-C(給電用)
- USB-C(Ethernet変換用)
- USB-A
- HDMI
- オーディオコンボジャック
右側面
- 電源ボタン
- USB-A
- セキュリティロック
ベンチマーク
Cinebench R20
Cinebench R20の総合スコア | |
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Core i9 10980HK(レビュー記) | |
Ryzen 9 4900HS | |
Ryzen 5 4600H | |
Core i7 10750H | |
m-Book K700 Core i7 9750H | |
HP ENVY x360 13Ryzen 5 4700U | |
HP ENVY x360 15Ryzen 5 4500U | |
Core i5 10300H | |
ThinkPad E14 Gen 2(AMD) | |
Prestige 15 Core i7 10710U | |
mouse X5 (Core i7 10510UI) | |
Core i7 8665U(レビュー機) | |
ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U) | |
ThinkPad X390(Core i7 8565U) |
CPUのレンダリングスピードを計測するCinebench R20では、1350ptsでした。
2020年に発売されたAMDのRyzenプロセッサが非常に優秀で処理能力においては見劣りする結果。ビジネスユースにおけるモバイルノートPCは性能がすべてではありませんが、価格に対するハードウェアの性能は低いです。
Ryzen 3 4300U搭載可能なT14シリーズのほうがおすすめしやすいかもしれません。
PCMARK10
PCの総合的な性能をテストするPCMARK10においては総合スコアで3617点とまずまずな結果。
Officeソフトやビデオ会議などは快適にできる水準です。画像編集や動画編集などコンテンツクリエイトは負荷の軽めのものであればできますが、専門的な作業を行いたい場合、専用グラフィックス搭載のモノを検討したほうが良いと思います。
SSDの読込速度
ウェスタンデジタル製の高速SSDが搭載されていました。いわゆるウェスタンデジタルブラックで読込速度は非常に高速。ノートPC用としては最高クラスの読込速度です。
ファンの動作音や熱
ゲームのベンチマークソフトファイナルファンタジー14漆黒のヴィランズ実行時のファンの動作音や内部の熱を測定しました。
ファンの動作音
PCに高負荷がかかった状態でのファンの動作音は38.8dbでした。14型のノートPCとしては非常に静かです外で使っても気にならないレベルの音の大きさです。
PC内部の熱について
ベンチマークテストを1時間動作させた際の温度です。100℃に到達してクロックが下がるシーンがありました。やはり最新のRyzen プロセッサと比較すると見劣りする結果です。
PC表面の温度
この時のPCの表面温度は概ね46℃程度でした(低温やけど危険水準)。ゲームなど、重たい作業をさせなければ大丈夫だと思いますが、例えば高解像度の映像を見た際にもこのくらいの温度に上昇する可能性はあるため注意が必要です。
ThinkPad X1 Carbon Gen 7(2019)の評価とまとめ
良い点
- 法人需要をカバーする豊富な拡張性
- カーボン+マグネシウム合金軽い
- 静音性が高く外に持ち運んでも気に倣い
気になる点
- 14型としては最軽量ではない
- ハードウェア性能がThinkPadの他のシリーズよりも低い
- 熱い
モノはいいけれど、2020年に導入するとなるとコスパが悪い
ThinkPadそのものの期待値が高いため、少し残念な気持ちになりました。
現状ハードウェアの快適性はRyzen 4000番台を搭載したモデルと比較すると1歩おとりますし、他社でマグネシウム合金採用、14型で1kg切りも出てきたことを考えると、モノがいいという前提があったとしてもコストパフォーマンスで不利です。
そして改めてインテルCPUの排熱のしにくさを業界最高峰のノートPCで感じ取ることができました。
現状、コストパフォーマンスやハードウェアの安定性を考えるのであればAMD Ryzenを搭載したT14シリーズを検討するのもありかもしれません。
ThinkPad X1 Carbon Gen 7(2019モデル)
公式サイトで確認価格や仕様は変更となる恐れがありますので、必ず公式ページでご確認ください。