インテル第11世代のCPUとインテル第12世代のCPUではどの程度性能が違うのか比較。
今回は筆者が購入して利用しているXPS 13 (9310)とXPS 13Plus(9320)を使って性能差を比較していく。
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検証機スペック
XPS 13 Plus(9320) | XPS 13(9310) | |
CPU | Core i7 1260P | Core i7 1165G7 |
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メモリ | 32GB(LPDDR5 5200Mhz) | 16GB(LPDDR4x 4267Mhz) |
GPU | Intel Iris Xe Graphics | Intel Iris Xe Graphics |
ストレージ | 512GB | 512GB |
購入時の金額 | 約26万円 | 約18.6万円 |
今回の検証機ではメモリの容量が違うため、参考程度に見てもらえればありがたい。
購入時の価格に大きな差があるのは、市場全体の値上がり傾向のほか、XPS 13 Plusのメモリを32GBにカスタマイズして購入しているから。
今回のベンチマーク結果を見て、「高い」ととるか「妥当」ととるかはあなた次第。
ベンチマーク
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R23マルチスレッド性能 | |
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Core i7 1260P | |
Core i7 1165G7 |
測定方法はMinimum Test Durationをオフに設定しベンチマークテストを1度実行するというもの。
XPSシリーズは電源設定で超高パフォーマンスに設定。
結果としては、3倍ほどスコアが開いた。
実はXPS 13は販売当初Cinebench R23で7000pts以上のスコアを出していたのだが、BIOSのアップデートでパフォーマンスが制限されてしまったのか改めて計測するとスコアが大幅に低下してしまった。おそらくこれは熱対策でユーザーの利便性を重視した結果だと思われる。
Core i7 1260Pの10分間の挙動
Cinebench R23を動作させ10分間のループテストを行うとグラフのようになる。オレンジがCPU温度でブルーが平均コアクロック。
4分程度で100度に張り付き徐々にCPU温度は低下。それに伴い平均コアクロックも低下した。
インテル第12世代CPUは動作周波数の高いPコアと省電力で動作するEコアが組み合わさったCPUで組み合わせて利用することによりタスクを効率的に処理ができる。
また、こうしたロギングソフトウェアを使うと、PコアとEコアの周波数の違いにより、平均で出すと緩やかなグラフになるのも特徴だ。
Core i7 1165G7の10分間の挙動
一方で4コア8スレッドの構成で販売されていたCore i7 1165G7は上記のような結果になった。
まず、CPUが100°に張り付かないように動作周波数がピークならないようにコントロールされていたのに驚いた。発売当初はベンチマークスコアが伸びていたため、明らかに調整されている。
それでも3分ほどで全体のコアがピークに達し、CPUの動作周波数がガクッと落ち込んだ。
インテル第11世代までは負荷がかかる状況になるとサーマルスロットリング的な影響が顕著に表れていたため、ベンチマークスコアと実際の快適性に大きな乖離があった。
前述のようにインテル第12世代はパフォーマンスが平滑化しているため、実利用時においてパフォーマンス低下をほとんど感じることがない点が魅力になるだろう。
UL Procyon Photo Editing ベンチマーク
UL Solutionsが提供する「UL Procyon Photo Edting ベンチマーク」はいわゆる写真編集のベンチマーク。Adobeの「Photoshop」「Lightroom Classic CC」を使用し、実際の写真編集のワークフローに沿ったバッチファイルを実行。
処理にかかった時間をスコア化することで相対的に評価が可能だ。
Photo Editing ベンチマーク | |
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Core i7 1260P | |
Core i7 1165G7 |
スコアはほぼ変わらず。
Core i7 1260P | Core i7 1165G7 | |
Adobe Lightroom Classic CCのワークフロー | ||
---|---|---|
読み込み | 3.150秒 | 3.283秒 |
プレビュー | 0.600秒 | 1.035秒 |
プリセット適用 | 0.339秒 | 0.410秒 |
エディットイメージ | 1.585秒 | 2.319秒 |
スマートプレビュー | 5.654秒 | 9.264秒 |
書き出し | 29.325秒 | 60.747秒 |
エンハンスディテール | 5.691秒 | 7.636秒 |
フェイスディテクト | 22.073秒 | 4.027秒 |
バッチプロセッシングスコア | 6599 | 5844 |
Adobe Photoshop CCのワークフロー | ||
画像読み込み | 0.319秒 | 0.307秒 |
フィルター適用 | 1.043秒 | 1.213秒 |
画像結合 | 0.882秒 | 0.948秒 |
データ保存 | 57.615秒 | 64.582秒 |
画像書き出し | 4.153秒 | 4.582秒 |
GPUフィルター | 14.686秒 | 17.335秒 |
イメージレタッチスコア | 6831 | 6199 |
ベンチマーク上の処理速度を比較するとLightroom Classic CCにおいても、Photoshopにおいてもインテル第12世代CPUを搭載ているXPS 13 Plusの方がスコアが上だった。
処理によっては有意差が逆転しているところもあるが、概ね第12世代の方が上回っており、クリエイティブワークにおいてはインテル第12世代が有利であることがわかった。
UL Procyon Video Editing ベンチマーク
同じくUL Solutionsが提供する「UL Procyon Video Edting ベンチマーク」はAdobe Premiere Proを利用し、H264/H265でそれぞれファイルを書き出しし、処理にかかった時間をスコア化するというもの。
素材データは用意されたものでプロジェクトファイルの全体の長さは1分程度のものだ。素材データは4Kで1080P/4Kにエンコードを行い処理時間からスコアを算出できる。相対的に評価しやすいベンチマークソフトだ。
XPS 13 Plusにおける動画の書き出しについては、モバイルノートPCながら健闘しており、処理は行えた。専用GPUを搭載しているモデルを利用するとスコアはグッと伸びるかもしれないが、フルHD程度の動画編集であればXPS 13 Plusでも可能だろう。
XPS 13 Plus | XPS 13 | |
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YouTube 1080P (1/2) | 786秒 | 1438秒 |
YouTube 1080P(2/2) | 136秒 | 157秒 |
4K UHD(1/2) | 3794秒 | 5241秒 |
4K UHD(2/2) | 256秒 | 301秒 |
Video Editing Score | 2754 | 2023 |
素材データが4Kということもあり、書き出し時間に倍の差が開くシーンもあった。おそらくXPS 13 Plus側がDDR5メモリを搭載しているという点も要因としてはあるだろう。あとは前述のCPUサーマルスロットリング問題。
いずれにしても動画編集用に販売されている専用GPUを搭載したマシンよりもエンコードは遅いので積極的にお勧めすることはないが、ハイスペックモバイルノートPCで動画編集にトライするのであればインテル第12世代CPUを搭載したマシンを選択した方がいいかもしれない。
ファイナルファンタジー14
軽量級〜中量級ゲームタイトルのファイナルファンタジー14のベンチマークソフトを使って比較。
フルHD/高品質(デスクトップPC)で実行させた結果は以下の通り。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク | |
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Core i7 1260P | |
Core i7 1165G7 |
XPS 13 Plusは「普通」でXPS 13は「設定変更を推奨」と出てしまった。ファイナルファンタジー14は最近のゲームタイトルにおいては比較的軽めではあるのだが、専用GPUを搭載していないマシンにとっては厳しいソフトということ。
高グラフィックなゲームはCPUの使用率が上がるシーンも多くあり、サーマルスロットリングによってCPUボトルネックとなりパフォーマンスが引き出せずにスコアが大きく変わってしまったのだろう。
バッテリーの連続動作時間
PCMark 10のModern Officeを利用しバッテリーのテストをおこなった。
100%から10%になるまでの結果。XPS 13 Plusはエラーになってしまったので参考としてWindows PCのバッテリーレベルの記録を掲載。
PCMark10 Modern Office | |
---|---|
XPS 13 Plus | 約10時間 |
XPS 13 | 約10時間 |
同じテストをして両機とも概ね10時間ほどとなった。実際にバッテリーの大きさはXPS 13 Plusが55Whで少し容量は多くなっている。
インテル第12世代の方が連続動作時間についてはわずかに不利かもしれない。
評価とまとめ
インテル第12世代になって一番良かったことは熱効率が良くなったことでパフォーマンスを活かしきれることだ。それでも13型クラスの筐体だとわずかにサーマルスロットリングが発生するポイントもあり、クリエイティブワークなどでは注意が必要。(筐体によって性能差が出る)
とはいえ、一般的な事務作業やテレワークにおけるビデオ通話においては非常に快適でファンの動作によるストレスに悩まされることもないため基本的にはインテル第12世代を選んでおけば良い。
問題は初めてノートPCを購入する場合はインテル第11世代とインテル第12世代が併売されている場合だ。個人的に家で使う程度であれば第11世代でも問題は全くない。それは各種ベンチマークのスコアを見てもらえればわかることで、ピークパワーを長く保てた方が快適な動作はゲームやクリエイティブワークなので、そうした作業を行わない場合はインテル第11世代で十分間に合う。
値上げが目立つ中で無理して第12世代を購入する必要はない。
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