マウスコンピュータ―のm-Book Rシリーズは最新の省電力CPU Core i7 8565Uを搭載し、狭額縁のディスプレイを装備した、最新のトレンドを取り入れたノートパソコンです。
今回マウスコンピュータ―から、『m-Book R500UN-M2SH5』をお借りできたのでレビューしていきます。
m-Book R500シリーズの特徴
マウスらしくない狭額縁ディスプレイを採用
画面のふちが狭いことのメリットは、ノートPC本体をコンパクトにしつつも液晶画面を大型化できる点にあります。
左がRシリーズで右がSシリーズ。どちらもマウスコンピュータ―の製品ですが、狭額縁=ナローベゼルを採用することで、よりスタイリッシュなデザインに仕上げています。
Windows Hallo対応の指紋認証センサーを装備
主に、iPhoneなどで広まった指紋認証システムですが、最近では低価格のWindows PCに搭載されています。設定によりWindowsのパスワード認証を設けないこともできますが、決済データなどの重要な情報が詰まったPCのデータを裸にしておくのは考えられませんが、わざわざ毎回パスワードを入力するのは面倒だという人にありがたいサービスがWindows HalloによるWindowsの認証です。
これにより煩わしいパスワード入力を省くことができ、外での作業でも安心して離席することができます。
アルミボディ採用でよりスタイリッシュに
2018年後半からマウスコンピュータ―が市場に投入しているパソコンは、樹脂素材のものでなく人気の高いアルミ削り出しのボディです。
m-Book R500で採用されたアルミ筐体も高級感を放ちます。
以上の理由によりm-Book R500シリーズは10万円前後の価格帯で購入できるノートPCとしては、割安だと感じました。
m-Book R500シリーズのラインナップ
m-Book R500シリーズはマウスコンピューターの得意とするBTOで5種類のベースモデルを用意してくれています。
CPU:Core i7 8565U+GPU:M150はそのままでメモリとストレージを増やせます
モデル型番 | 構成内容 |
m-Book R500BN-S2 | メモリ8GB SSD240GB |
m-Book R500SN-M2S5 | メモリ8GB SSD512GB |
m-Book R500SN-M2SH2←オススメモデル | メモリ8GB SSD256GB+HDD1TB |
m-Book R500HN-M2SH2 | メモリ16GB SSD256GB+HDD2TB |
m-Book R500UN-M2SH5←レビューモデル | メモリ32GB SSD480GB+HDD2TB |
m-Book R500UN-M2SH5のスペック
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i7-8565U |
メモリー | 16GB(最大32GB) カスタマイズ可能 |
ストレージ | SSD:480GB+HDD2TB カスタマイズ可能※ |
グラフィックス | GeForce MX150 |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ,1920×1080,非光沢 |
通信機能 | 無線LANIEEE802.11 ac/a/b/g/n,Bluetooth 5モジュール, |
インターフェース | USB2.0×1USB3.0×2/USB3.1TypeC×1/HDMI×1miniDisplayPort×1 |
セキュリティ | ケンジントンロック,マカフィーリブセーフ(60日無料) |
カメラ | 100万画素 |
サイズ/重量 | 359.6×243.9×18.7mm (折り畳み時/ 突起部含まず) 359.6×243.9×22.6mm (折り畳み時/突起部含む)/約1.8kg |
バッテリー | 約8.3時間 |
保証 | 1年間無償保証・24時間×365日電話サポート |
※【2018/12/17 13時より】512GB (NVMe対応) へアップグレード
デザイン・外観の詳細
mouseロゴが目立たないグレーカラーとなっており、本体のシルバーとマッチしていると思います。再度にはエッジをきかせた加工がされておりスタイリッシュです。
ヒンジ部はブラックから、でキーボードもブラックとなっているため、モノトーンでまとめられています。
本体のサイズ感・重量
本体サイズは、A4クリアファイルよりも一回り大きい程度。有線LANやVGA出力(D-Sub15pin)を廃止しており薄型化されているため、スマートな印象です。
重量は、公称値を100g下回る、1.72kgでした。
重量 | 持ち運びのしやすさ |
700g~1kg | ◎ |
1kg~1.5kg | 〇 |
1.5kg~2.0kg | ▲ |
2.0kg以上 | × |
※個人的な意見です
キーボード・タッチパッド・指紋センサーについて
マウスコンピュータ―にありがちな変なキー配列ではないため非常に打ちやすいと感じました。
バックスペースキーが大きくとられているため、文字を打つのに向いているキーボードです。気になったのは左側のシフトキーが小さめでCaps Lockと間違えて押してしまう場面が何度かあったためデスクトップ用キーボードを普段使っている人は注意が必要です。
指紋センサーは小柄ですが、しっかりと認識し、冒頭にあったようにすぐにデスクトップ画面に遷移してくれます。
指紋認証の設定は非常に簡単でスマートフォンで行ったことがある人なら初期設定の段階で済ませてしまうのをお勧めします。
タッチパッドは4:3の大きさで普通です。使いにくさを感じることはありませんでした。がマウスがあったほうが操作性は高いです。
液晶ディスプレイについて
高視野角のIPSパネルを採用した液晶ディスプレイの発色は良いです。また、ノングレ液晶であるため反射が少なく疲れにくい。
専門のディスプレイ調整ツールを用いガンマ補正曲線を再現したところ、やや赤が弱いとでていました。
Macに搭載されているカラーマネジメントツール、カラーシンクユーティリティにてsRGB(白枠)と比較。m-Book R500は一般的なノートパソコンよりも高い色域を持ちます。
ベンチマーク結果
Cinebench R15
CINEBENCH R15のベンチマークスコア※ | |
Core i7 8565U(Spectre x360 13) | |
Core i7 8565U(レビュー機) | 452 |
Core i7 8550U(B507H) | |
Core i5 8250U(Pavilion cs0000) |
残念なこと?に僕がお借りしたモデルは本来のパフォーマンスが出せていないように感じました。
通常であれば、Core i7 8550Uの10%ほどスコアが伸びるはずなのですが、Core i3程度の実力しかありません。念のため10回ほど試しましたが、最高値が452cb。
Time Spy
Fire Strike
GeForce MX150は本格的な3Dゲームを快適に動作させることはできないため、ゲーム用で考えているの場合、GTXシリーズ搭載モデルを選びましょう。
PCMARK10
一方総合的な性能を測るPCMARK10では3861とクリエイティブな作業まで一通りこなせるスコアが出ていました。
バッテリーもち
画面を付けた状態で作業をさせ続けた結果が2時間37分でした。あくまで参考指標ですので、使い方次第ではまだまだ伸びるでしょう。フルパワーで動かすと3時間程度ということだけ覚えておけば大丈夫かと。
実性能・動画の書き出し(レンダリング)、Adobe lightroom ClassicによるRAW現像
プロ用編集ソフトで動画をYouTube用に書き出し
プロ用動画編集ソフト『Vegas Pro15』を用いて実際にYouTubeにアップロードした元データを使ってレンダリング=書き出しを行い、その速度を検証します。
動画に用いられたデータは5分程度のFHDファイルと、テロップ、アニメーション有り、『Vegas Pro インターネットHD1080p59fps』フォーマットに変換
CPU単体処理
QSV処理(CPU+iGPU)
ハードウェア | CPU単体 | QSV |
Core i7 8565U(Spectre x360 13) | 30分31秒 | 12分58秒 |
Core i7 8565U(レビュー機) | 40分51秒 | 29分24秒 |
Core i7 8550U(B400H)※ | 32分46秒 | 15分41秒 |
Core i5 8250U(Pavilion cs0000) | 30分07秒 | 13分55秒 |
Celeron N4100(B507E) | 1時間4分分52秒 | 27分39秒 |
レンダリングテストでも、Core i5 8250Uよりも遅いという結果に、実機検証を行う上で、ベンチマークテストなどを連続で動かしていることが原因かもしれませんが、検証機全てで同様に調査しているため、個体レベルで不具合があったと考える方が自然です。
RAW現像
Adobe Lightroom Classicにて、α7Ⅱで撮影したRAWファイル(1枚あたり24Mb)を100枚JPEGに書き出しするスピードを計測したところ12分49秒でした。
スペック | 書き出しにかかった時間 |
Core i7 8565U メモリ16GB(Spectre x360 13) | 2分41秒 |
Core i7 8565U メモリ16GB (レビュー機) | 2分37秒 |
Core i7 8550U,メモリ8GB(B400H) | 4分17秒 |
Core i5 8250Uメモリ8GB(Pavilion cs) | 4分52秒 |
Celeron N4100,メモリ4GB(B507E) | 12分49秒 |
一方でRAW現像は、本来の性能がだせていました。思い返せば3分以上の処理だとファンが回っていない区間があったかも。途中で止まってしまっていたかもしれません。(サーマルスロット)
作業時のパソコンの温度・CPU温度
動画書き出し中のPCの表面温度をサーモグラフィで計測しました。
CPUが格納されているであろうポイントが48.4℃でした。
キーボード周辺は39.0℃と非常に安定しています。なぜベストパフォーマンスがでないのか謎です。
評価とまとめ
バランスの良さや、先進的な技術を10万円台から購入することができるのは魅力だが、マウスコンピュータ―の”良さ”を失ってしまったかもしれないノートパソコンです。
かもしれない。というのはあくまで僕の意見ですので、これがいいという方もいらっしゃるでしょうし賛否はあります。
具体的に言えば、有線LANはあってもよかったのではないでしょうか。