DAIV 5N OLEDシリーズレビュー、4K有機EL搭載の15.6型ノートPC

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4K有機ELという贅沢なモニターを採用するDAIV-5N OLEDは本格的なRAW現像や3DCGグラフィックスを制作するのにおすすめのクリエイター向けノートPCです。

NG5820より5N OLEDへ型番変更がされています。

DAIV-5Nのスペック
モニター15.6型 4K(3840×2160ドット)有機EL光沢
CPUCore i7 9750H
GPURTX2060
メモリ16GB~
SSD512GB
バッテリー駆動時間約5.4時間
重量359×257.8×29.9mm

メーカーからお借りした実機テストの検証結果と感想を記載いたします。

DAIV 5N OLEDの特徴

有機ELで色再現度が高い

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一般的なモニターでは色の強弱や影、光の写りがやや弱く不鮮明な箇所がありますが、NG5820に搭載されている有機ELモニターは色再現度が非常に高く、写真や映像の細かいディテールまでユーザーがとらえることができます。

2019年現在では、市販されている有機ELモニターというのは少ない、テレビかこうしたノートPCに搭載されているものに限っているため、このノートPCを検討する材料は有機ELが必要かどうかだと思います。

価格が安い

そんな、レア?な有機ELですが、目玉が飛び出るほど高いというわけでなく、クリエイターの人が検討するのであれば十分すぎるほど現実的な価格設定になっています。

229,800円という価格は、一般的な4K液晶モニター搭載のノートPCを購入するよりもお買い得といっていもいいほど。

全体的なスペックとしても、ミドルクラスのGPU、RTX2060を搭載しているため4K動画の編集までこなせるため、悪くないと思います。

おすすめカスタマイズ

DAIV-5N OLEDは標準で512GBのSSDと16GBメモリを搭載していますがRAW現像や動画編集を行うのであればストレージは多ければ多いほうが良いですし、
4K動画を見据えた編集環境を構築するのであれば、PCのメモリは32GBがベターです。

詳細は下記動画にてデスクトップPCにメモリを増設した際の挙動を検証していますので、メモリの量でお悩みの方は参考にしてみてください。

DAIV-5N OLED

価格 229,800円~

公式サイトで確認

DAIV-NG5820S1-M2S2のスペック

検証機の性能は下記のとおりです。

DAIV-5N OLED
モニター15.6型 4K(3840×2160ドット)光沢
CPUCore i7 9750H
GPURTX2060
メモリ16GB
SSD512GB(NVMe)
バッテリー駆動時間約5.4時間
サイズ359×257.8×29.9mm
重量2.4kg
保証1年間無償保証+24時間365日電話サポート

クリエイター向けモデルのDAIVにも24時間365日の電話サポートが付帯されます。

インターフェース

左側面

  • USB3.0
  • マイクジャック
  • ヘッドフォンジャック

右側面

  • USB-C (thunderbolt 3対応)
  • USB 3.0

奥側面

  • LAN端子
  • HDMI
  • Minidisplay
  • USB-C
  • USB 3.1
  • DCジャック

底面側

  • UHS-Ⅱ対応SDカードスロット

5N OLEDは拡張性に優れ、様々な用途に対応可能です。

搭載されているUHS-Ⅱは従来のSDカードスロットと比較し約2倍の読みとりスピードを実現しています。

下記は4K動画をSDカードスロットからPC内部に移動している際の転送速度です。秒間81Mbで非常に高速。30GBのデータを30秒ほどで取り込みできました。

動画の書き出し性能を検証

Adobe Premiere Proで書出し時間の検証

普段僕はYouTuberとしても活動を行っています。実際にYouTubeにアップロードした動画を5分に区切って書き出しを行いました。

  • H264 YouTubeプリセット
  • 尺は5分
  • テロップ、BGM、アニメーションあり

以上のような条件です。一般的なYouTuberといわれる人がアップロードしているデータにかなり近いと思われます。

DAIV-NG5820の動画の書き出し時間
ソフトウェア5分49秒
CUDA2分49秒

ソフトウェアというのはCPUの単体処理のことで、GPUを搭載していないモデルはソフトウェア処理によるレンダリング時間となり、CUDAはGPUのCUDAコアも使った処理のこと。

最高速ではないものの、Core i7 9750H搭載ノートPCとしては速いほうだと思います。

4K動画

今回は4K動画の検証も行ってみました。

  • H264 YouTube2160プリセット
  • 尺は5分
  • 動画をつなぎ合わせただけの編集

以上のような条件です。

DAIV-NG5820の動画の書き出し時間
ソフトウェア11分38秒
CUDA5分39秒

テロップやアニメーションなどを追加するともう少し時間がかかりそうですが、書き出し速度は良好だと思います。

4Kデータが大きいためCPU単体の処理ですと非常に時間がかかりますが、GPUを駆使したCUDA処理ならば、半分程度の時間で書き出しが完了いたします。

尺が長くなればGPUパフォーマンスの恩恵を感じることになると思います。

RAW現像

Adobe lightroom Classic による100枚のRAWファイルの書き出し

Adobe lightroomClassic CCにて、Adobe Lightroom Classicにて、α7Ⅱで撮影したRAWファイル(1枚あたり24Mb)を100枚JPEGに書き出しするスピードを計測したところ2分00秒でした。

  • 画像形式JPEG
  • カラースペースsRGB
  • 画質60
  • メタ情報『すべてのメタデータ』人物情報の削除、場所情報を削除
スペック書き出し時間
Core i7 9700K メモリ16GB(DGZ530)1分24秒
Core i7 9750H メモリ16GB(W890)1分41秒
Core i7 9750H メモリ16GB(5NOLED)2分00秒

メモリが16GBであることと、4Kモニターを搭載しているということもあり、RAW現像スピードはm-Book W890より時間がかかりました。

画像編集

Adobe Photoshopのベンチマークテスト

AdobeのPhotoshopはクリエイターだけでなく、写真のレタッチやイラスト制作などにも利用されます。米国のPuget System社のPhotoshop用のベンチマークソフトを利用し、他社のノートPCと比較します。

DAIV NG5820のPhotoshopの快適性
機種DAIV-NG5820S1-M2S2GS65 Stealth 9SE-475JP
CPUCore i7 9750HCore i7 9750H
GPURTX1650RTX2060
メモリ16GB16GB
総合スコア732/1000817/1000
一般処理スコア62.767.4
フィルタースコア75.795.1
GPUスコア63.8109.6
Photomerge(写真結合)スコア84.883.8

MSI社のゲーミングノートPCと比較したところ、総合点数で負けていました。これは4K解像度のモニターを採用しているのが大きいと思われます。

高解像度のモニターを搭載すると、映像の出力にパフォーマンスが割かれてしまいベンチマークスコアが低くなる傾向があります。

数値上の差はありますが、体感的にはそこまで変わらないと思います。

ベンチマーク結果

そのほか一般的なベンチマークソフトの結果を記載します。

Cinebench R20

Cinebench R20の総合スコア
Legion Y740(15)
2387pts
Legion Y540(17)
2716pts
m-Book W890
2416pts
DAIV-5N OLED
2395pts

すべて同じCPUを搭載したモデルでの比較です。

前述した通り、4Kモニターが足かせとなりベンチマークスコアが振るいません。

ファイナルファンタジー15

CPUクロックと温度

ファイナルファンタジー15を1時間ほど起動した際のCPUクロックと温度です。最高温度は94℃でした。CPUクロックは4Ghz付近で動作していました。

サーマルスロットリングが出ないよう調整されているような感じです。安定性は高いと思います。

Crystal Disk Mark

SSDはウェスタンデジタル(SanDisk)社のものが採用されていました。読込速度こそ普通ですが、書き込み速度はおおむねNVMeSSDの平均的なスピードを確保しているようです。

NG5820から5Nへの型番変更に伴い256GB→512GBへアップグレードされています。

4K有機ELモニターについて

クリックで拡大

非常に高精細で鮮やかな発色の4K有機ELですが、弱点としては、上記画像の通り、100%表示時のアイコンや文字の小ささでしょう。

この大きさは、「老眼が…」とかは関係なく見辛いと感じるレベルです。15.6型のモニターでは250%で通常のフルHD表示と同等サイズです。

映像物の確認の際に役立つのでしょうが、一般的な使い方をしている際は4Kの恩恵を感じるどころか、「かえって使いにくい」なんてことになりかねません。

一般的な液晶モニターと比較

Samsung製のAMOLEDディスプレイ(右)とBOE製の液晶パネル(左)の違いです。

写真で比較するとそこまでかもしれませんが、肉眼で見るとはっきりとわかるレベルで精彩が違います。冒頭でも紹介していますが、もう少し違う色が混ざった写真などだと写真で明らかにわかるレベルで差がでます。

5NOLED搭載の有機ELパネルはグレアタイプで反射しますが、自発光型であるため角度が変わっても色味が変化しづらく、またパネル点灯時は映り込みが少ないため液晶モニターとは比べ物にならないほど視認性は高いです。

色域・トーンカーブ

キャリブレーションツールでガンマカーブを測定しました。ほんの少しだけ緑が強いのですがおおむね良好で、正しい色を表示してくれます。

DAIV-5N OLEDの色域
sRGB比150.9%
sRGBカバー率100.%
Adobe RGB比111.9%
Adobe RGBカバー率94.1%
DCI-P3 比111.2%
DCI-P3カバー率99.9%

コンテンツクリエイトで使用される主な色域をカバーしており、写真編集、映像制作などすべての用途に対応できるでしょう。

4Kの恩恵というよりは、有機ELの恩恵を強く感じるかもしれません。

一般的にAdobe RGBカバー率が90%を超えるモニターはそれ自体が高価で「RAW現像用に」とおもってもなかなか手が届きにくいのです。

DAIV 5Nは有機ELを標準搭載しているノートPCなので、色調整をせずともそのまま利用することが可能です。

ただし、モニターの寿命が一般的な液晶に比べて短い点も注意しなければなりません。

スマートフォンなどでもそうですが、有機ELパネルの性質上、3年以上利用していると焼き付きが発生する可能性があります。

キーボード・タッチパッド

キー配置はやや特殊で、『→』がテンキーに食い込んでいます。そして右側シフトキーが小さいので、右側のシフトを多用される方は慣れが必要です。

バックライト搭載のキーボードは、キーピッチ18.2mmキーストローク1.8mmですのでノートPCとしてはほぼ理想的。写真でもキーが浮き上がっているのがわかりますが、普通に打ちやすかったです。

キーストロークは実測値で18mm、キーピッチは18mm-19mm程度あり、一般的な使い方でも使いやすいと思います。

外観やデザイン

武骨な黒のノートPCです。業務用っぽいクリエイター向けPCのイメージに合っていると思います。

動画で確認する

上記動画は『NG5800』のものですが、排熱設計や、ソフトウェア、指紋認証などは同じであるため参考になると思います。チャンネル登録もお待ちしております。

駆動音について

4K動画のレンダリング時、騒音計は52dbを記録していました。ノートPCとしてはかなり音が大きいです。

ただ、通常時はそれほどうるさくなく静かなので、不快感は感じないと思います。

PCの表面温度

同様に動画のレンダリング時にサーモグラフィカメラで測定した結果です。キーボードの表面温度は38.4℃でした。

高負荷をかけた際にもPCを操作できる程度にパソコンは冷却されています。一般的なゲーミングノートよりも低い水準ですので、この点は素晴らしい。

DAIV-5N OLEDの評価とまとめ

DAIV-NG5820S1-M2S2の評価
価格4K有機EL搭載で安い
性能やや低い数値
携帯性あまりよくない
モニタープロ、アマ問わずおすすめできる高品質な有機ELモニター
デザイン重厚感もあるが、実際に見るとスマートな印象でよい。

4K有機ELモニターを必要とする本格的なクリエイターの方におすすめできるノートPCです。市販されている有機EL搭載ノートPCの中では最安値クラスで外資系メーカーよりも安いのが強み。

とはいえ、有機ELの寿命もあるでしょうから、中小企業様が法人で購入するのであればおすすめできるのですが、個人で長く使いたい人には今一つ強くおすすめできない。(素晴らしいけど)

DAIV 5N OLED

価格 229,800円~

公式サイトで確認

なお、価格や仕様は記事執筆時のもので変更となる恐れがありますので、必ずメーカー公式ページでご確認ください。

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